「後宮の棘」R18のお話

香月みまり

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第310話のその後

第310.5話 甘い時②

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「入れるぞ」

そう言われて、やはり身体は少し緊張した。

どうしても、痛かったあの経験が蘇ってしまうのは仕方ない。

しかし、前回は見もしなかったのだが、、

こんなの、入るの?

いや、以前入ってるのだから、入るのだろうけど


そりゃあれだけ痛いわけだよ

そんな事を考えていると、冬隼が息を吐く


「怖いか?」


「少しだけ」
素直に答えてみる。ここで無理に平気といったら、それこそ冬隼は気にするだろう。

「ゆっくりやる、それに前ほど痛くはないはずだ。」

冬隼の言葉に、恐る恐るうなずくと、硬いものが、押し当てられる。


ゆっくりと慣らすように割れ目をその熱く硬いものが上下する。

それすらも、痺れるような快感なのに、そこに押し入ってきた質量のあるそれがもたらす刺激はさらに強くて


「あ、ああ!」

鈍い圧迫感と共に腰の奥からビリビリとした刺激が上ってくる。

「っ、少しきついな」

見上げると、腰を沈めながら冬隼が少し苦しげに顔を歪めている。

はぅっと息を吐いて、彼の腕に手を添える。

こちらに視線をよこした彼が、ゆっくり倒れてきて、髪を撫で、安心させるようにふっと笑う。

「大丈夫だ。少しだけ力を抜けるか?一気に入れた方が良さそうだ」

何をどうしたらいいのか分からないが、とりあえずゆっくり息を吐いてみる。
それが正解なのか分からないが、武術では、身体の気を抜くのに、息を吐いてリラックスする事が多いから、自然と身についた方法をとったのだが


「ぁあっーーーー!」



次の瞬間、ズンという鈍い衝撃とともに、今まで感じたことのない強烈な刺激が、全身を貫いた。


「はぁ、、ぁっ、、」

ぶるりと身体を震わせて、気がつけば冬隼の首にすがりついていた。

「大丈夫か?」

見上げた彼は、少し心配そうな顔でこちらを見ているが、あまりの刺激と圧迫感で声が出せず、こくこくと頷く事しかできなかった。

背に彼の太い腕がまわされて、ぎゅうっと抱きしめられる。


「はぅっ、、ぁぁ、っあン」

角度がわずかに変わったせいか、最奥で接している彼のそれが、ズズッと壁を擦って、思わず腰を跳ね上げてわなないた

同時にキュッキュッと自分の肉壁が彼を締め上げるのが分かった。

「っ、」

ビクリと冬隼が背を揺らす。

ゆっくりと、身体を寝台に降ろされ、見上げた冬隼の瞳が熱っぽく憂いを帯びていて、それだけで胸が高鳴った。


「動くが、すまない、加減できんかもしれない」

かげん?

聞き返そうと思ったが

しかしそれは叶わなかった。

ゆっくり始まった抽送に驚いて、わずかに腰が跳ね上がる。



少し引き抜いて、浅い部分をゆるゆると擦られて頭の中がぼんやりしてトロトロととろけるような快感に微睡みかける。

ふわふわと、、、気持ち良すぎて、溶けてしまいそう。

そう思っていた、のだが。


「大丈夫そうだな」

そう冬隼が呻いた矢先。
ズッと突然最奥を突かれて身体が跳ねあがる。

「ああ----まっ、、あっ、あっあああ!」

あまりの突然の刺激で、一瞬にして頭の中が白む。

目の前が白黒に点滅して、冬隼に抱えられた両の脚がビクビクと痙攣している。

なにこれ?私どうなってるの?

思考の片隅でそんな疑問がうかぶけれど、そんな事はすぐどこかに行ってしまう。

「ふ、ぁ、、、あン、、あぁ、だめぇ、とうしゅ、ん」



激しくなった抽送は、最奥の壁を何度も何度も打ち付けらて、そのたびに淫らな声を上げて啜り泣きのような声がもれる。

恥ずかしい。でも気持ちいい、止められない。やめないで欲しい。

色々な感情が頭の中を忙しなく駆け巡る。



「っ、、翠玉っ、」


唐突に、敷布を握る手を冬隼にギュッと握られた。

快感を逃すように、すがるように翠玉も指を絡めて、見上げると眉間にシワを刻む切なげな冬隼の表情が間近にあって、思わずキュッと胸が高鳴る。


「っそんな締めるな!」


「締めっ?あっ!ぁン、あぁーーあっ、あっ、やぁあん」

苦しげに言われて、何のことだろうかと思うと同時にさらに冬隼の腰の動きが激しくなる。

くちゅくちゅと響く水音が、やけに耳に響いて、腰を打ち付ける激しい快感に、また身体の奥から膨れあがった熱が登ってくる。
今度は今までよりも大きい。


あぁ、だめ、また、弾ける



「あっ、とうしゅ、んっ、ああーー!」

「っ、翠玉!、くッ」

切なく冬隼に名前を呼ばれて、ぎゅと、握り合った手が、さらに強い力を込められ、そして、彼の動きがゆっくり前後して止まった。

ピクピクと痙攣する身体に、彼の汗ばんだ身体がゆっくりと覆いかぶさってきた。

はぁ、はぁ、はぁ、とそれぞれ乱れた呼吸をよそに、キツく抱き合う。


肌同士が触れ合う事がこれほど気持ちいいのかと、トロトロとした微睡みのなかでぼんやりと思ったのを最後に意識を手放した。
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