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彼女の香り【ライル視点】

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家に戻り、いつも通りの畑の世話と食事とシャワーを済ませて、床につくと、珍しくリリーの方からハグを強請るように身体を寄せてきた。

細く華奢な身体からは、自分と同じ石鹸の香りとほのかに彼女が持つ特有の甘い香りがする。

怪我が治って自宅に戻り、床を共にする様になってから、この香りがどれほど自分にとって落ち着く存在であったのかを再認識させられた。

そして時にはそれは、彼女を求める気持ちを刺激される事にもなっていて。


「っ、あっ、ライル・・・待って」

ゆったりと抱きしめたリリーの身体を撫でていけば、その動きからこちらの求めている事を察した彼女は、その不埒な手を留めるように僅かな抵抗を示す。

しかし、その力は本当に拒んでいるようなものではなく・・・。

「もう、怪我も随分いい。そろそろお預けされるのも限界なんだけど」

甘えるように耳元に唇を寄せられて強請れば、それが刺激になったのか、彼女がピクリと小さく反応して息を飲んだのが分かった。


「っ・・・ダンテ先生はなんて?」
「傷も骨も運動するには問題ないとよ。だいたい随分前から身体を動かす許可が出てる。奴らと剣の訓練をするより、お前とこういう事をする方が身体への負担は少ないっての」

最後の抵抗とばかりに上げた医師の名も軽く去なす。

実はここ数日。こうして何度か彼女を求めた事があったもの怪我が全快していない事を理由にのらりくらりと逃げられていたのだ。
だが、今日は逃さない・・・逃したくない。そして彼女も誘いを断ることはないと、妙な自信があった。


「リリーっ」

甘えて強請るようにもう一度彼女の耳元で彼女の名を呼べば、今度はわかりやすく彼女が熱い吐息を吐いたのが分かった。



そのまま抱きしめた彼女の身体を優しく撫でて組み敷くと、もう後戻りをするつもりは無いという意思を込めて、唇を重ねて熱く深く貪った。

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