48 / 77
2章
46 かけひき
しおりを挟む
翌朝、いつも決まった刻限に珠樹の往診にくるはずの代榮が、随分と遅くに顔を出した。
「今日は遅かったのだな」
挨拶にやってきた彼に何気なく声をかける自分の性格も悪いものだと内心で苦笑した陵瑜に、彼は「申し訳ございません」と何を説明するでもなく謝罪した。
それ以上深く追求することはせず珠樹の部屋に共に向かい、診察に立ち会う。
熱も下がり十分体力がついた珠樹に、彼が施す事は少なく、体調の確認を行って短時間で、終了した。
「本日は妃殿下のお姿が見えませんが……」
何気なさを装って聞いて来た代榮の言葉に白々しく首を傾ける。
「出立の準備にバタバタしているらしいのでな……そうだ代榮、肌荒れやかゆみに効く薬はないだろうか?昨晩、慣れない事をしたせいか、霜苓の身体に湿疹が出来てしまったらしくてな」
そう告げれば、代榮の表情が固まる。
「妃殿下も……でございますか……」
驚いたようなその様子に陵瑜は内心でやはりか……とつぶやく
「も……とは?」
「……いぇ……。かゆみも伴うとのことですので、後ほど塗り薬などをお持ちしましょう」
早口で、何事も無かったように話を終える代榮を、陵瑜は、何も気にしていないふりをしながらも、そっと観察する。
しかし、腐っても皇族に仕える医官、代榮の顔色に変化はなかった。
「まぁなんとなく検討はつくがな……お前が関わっていないようで良かった、苦労するな」
「っ、宮廷医でございますから……」
陵瑜が何かを含んで労った言葉に、彼が息を飲み、そして言葉を濁して一礼すると、早々に退出してい行く。
「どうでした?」
あえて外していた漢登が戻り、問うて来るので陵瑜は肩をすくめて見せる。
「多分、代榮は関わっていないな……ただ朝、彩杏が大騒ぎをしたのだろう。そしておそらく昨晩の宴で毒を誤って摂取した可能性があると、吐いたのだろうよ、自分の肌がただれる前に適切な処置をしたかったであろうからな。ではもともと誰に使ったものだろうか……代榮はその相手までは聞けなかったのだろう。霜苓だと言う事を匂わせておいたから、おそらく彼の中で全てが繋がったはずだ」
「どうされるでしょうか……」
「おそらく同じ情報を碧宇も事実として知る事になるだろう。自身の妻の速った行動をな……。これで今回、ここで世話になった借りを騒がない事で、あいこにできた。今後これを盾にしのごの言われず済む」
「霜苓様はそれで納得を?」
漢登の言葉に、陵瑜は渋い顔をする。
「納得も何も、霜苓は霜苓で自分で落とし前をつけたから、この件には満足しているさ」
ちょうど時を同じくして、扉を叩く音が響き、霜苓が顔を出した。
頬が僅かに赤みを帯びているものの、痒みなどは自前の薬で軽度に落ち着いている。
「代榮は戻ったか?」
「あぁ、あとから薬を持ってくると……」
「いらないのに……」
肩をすくめる霜苓に、陵瑜はまぁまぁと苦笑する。
「まぁその辺りはこちらの都合だから、受け取って、あとは好きにしろ」
「そういう事なら、そうする。宮廷医が持ってくる薬がどんなものかも気になるし」
霜苓らしい返答に、頬を緩めると、近づいてきた彼女がじっと陵瑜を見あげた。
「私のした事は余計な事だっただろうか? もし多大な迷惑をかけたのならすまない」
どうやら一晩、彼女なりに少しは考えたのだろう。
眉を下げる、不安そうな表情が愛おしくてつい頬が緩む。
「いや……むしろいい方向に働いたから、気にするな。だが、今後は教えてほしい」
「分かった。すまない」
しょんぼりとしながら詫びた霜苓に、もっと近くに来るよう手招くと、彼女は不思議そうな顔をしながら、しかし素直に近づいてきた。
「隈ができているな。やはり痒みで眠れなかったか?」
手を伸ばし、当て布をした頬に触れると、彼女の瞳がわずかに見開かれ、ついで小さく首を横に振られた。
「いや、久しぶりの潜入で気の高ぶりが落ち着かなかったんだ」
やはり難なくこなしたように見えても、随分と神経を研ぎ澄ませていたのだろう。その上、毒が皮膚に熱を持たせでいるため、身体の調子も振るわないようだ。
「少し休め。大勝負は終わったのだ。これからまた移動も控えている」
珠樹の側には俺が付いているから……と告げれば、一度珠樹に視線を移した彼女は少しだけ頬から緊張を解いたように見えた。
「……すまない。そうさせてもらう」
素直に従うところをみると、やはりどこか自身の不調を感じているのだろう。少し前ならば「大丈夫だ、なんでもない」と誤魔化そうとしたであろう。思わず顔がほころぶのを我慢して、霜苓が部屋を出るのを見送ると、置いて行かれたせいだろうか、それまで大人しく眠っていた珠樹が、ふえぇっと泣き始めたので、慌てて抱き上げる。泣き声を聞きつけて霜苓が戻ってきてしまってはいけない。
軽く揺らして背をトントンと叩くと、まだ眠たいのだろう。一度だけうっすらと暗緑色の瞳を開いた珠樹が、またとろりと目を細めて……閉じた。
「しかし、何故今頃になって彩杏が霜苓にそんな事をしたのだろうか……控えめな、あの娘らしくないな……」
珠樹が眠りに落ちていくのを確認しながら、小さくつぶやく。陵瑜の知る彩杏は、さほど苛烈な性格でもなく、婚約者候補の娘たちの中では控えめで分をわきまえていたように思えた。だからこそ、皇位継承の可能性を持つ碧宇の妻として選ばれたのだ。
「本気でそうお思いなのですか?」
しかし、どうやらそう思っていたのは自分だけだったらしい。漢登の意外そうな言葉に陵瑜は苦笑する。
幼い頃から、陵瑜のことだけではなく、陵瑜を取り巻く全ての子供達と関わりを持っていた彼がそう言うのならば、自分の知らない彼女の一面があるのだろう。
「お前たちには心当たりがあるのだな」
「本当に殿下は霜苓様にしか興味がないのですね」
呆れたように返されて、たしかにな……と陵瑜は肩を竦めた。
「今日は遅かったのだな」
挨拶にやってきた彼に何気なく声をかける自分の性格も悪いものだと内心で苦笑した陵瑜に、彼は「申し訳ございません」と何を説明するでもなく謝罪した。
それ以上深く追求することはせず珠樹の部屋に共に向かい、診察に立ち会う。
熱も下がり十分体力がついた珠樹に、彼が施す事は少なく、体調の確認を行って短時間で、終了した。
「本日は妃殿下のお姿が見えませんが……」
何気なさを装って聞いて来た代榮の言葉に白々しく首を傾ける。
「出立の準備にバタバタしているらしいのでな……そうだ代榮、肌荒れやかゆみに効く薬はないだろうか?昨晩、慣れない事をしたせいか、霜苓の身体に湿疹が出来てしまったらしくてな」
そう告げれば、代榮の表情が固まる。
「妃殿下も……でございますか……」
驚いたようなその様子に陵瑜は内心でやはりか……とつぶやく
「も……とは?」
「……いぇ……。かゆみも伴うとのことですので、後ほど塗り薬などをお持ちしましょう」
早口で、何事も無かったように話を終える代榮を、陵瑜は、何も気にしていないふりをしながらも、そっと観察する。
しかし、腐っても皇族に仕える医官、代榮の顔色に変化はなかった。
「まぁなんとなく検討はつくがな……お前が関わっていないようで良かった、苦労するな」
「っ、宮廷医でございますから……」
陵瑜が何かを含んで労った言葉に、彼が息を飲み、そして言葉を濁して一礼すると、早々に退出してい行く。
「どうでした?」
あえて外していた漢登が戻り、問うて来るので陵瑜は肩をすくめて見せる。
「多分、代榮は関わっていないな……ただ朝、彩杏が大騒ぎをしたのだろう。そしておそらく昨晩の宴で毒を誤って摂取した可能性があると、吐いたのだろうよ、自分の肌がただれる前に適切な処置をしたかったであろうからな。ではもともと誰に使ったものだろうか……代榮はその相手までは聞けなかったのだろう。霜苓だと言う事を匂わせておいたから、おそらく彼の中で全てが繋がったはずだ」
「どうされるでしょうか……」
「おそらく同じ情報を碧宇も事実として知る事になるだろう。自身の妻の速った行動をな……。これで今回、ここで世話になった借りを騒がない事で、あいこにできた。今後これを盾にしのごの言われず済む」
「霜苓様はそれで納得を?」
漢登の言葉に、陵瑜は渋い顔をする。
「納得も何も、霜苓は霜苓で自分で落とし前をつけたから、この件には満足しているさ」
ちょうど時を同じくして、扉を叩く音が響き、霜苓が顔を出した。
頬が僅かに赤みを帯びているものの、痒みなどは自前の薬で軽度に落ち着いている。
「代榮は戻ったか?」
「あぁ、あとから薬を持ってくると……」
「いらないのに……」
肩をすくめる霜苓に、陵瑜はまぁまぁと苦笑する。
「まぁその辺りはこちらの都合だから、受け取って、あとは好きにしろ」
「そういう事なら、そうする。宮廷医が持ってくる薬がどんなものかも気になるし」
霜苓らしい返答に、頬を緩めると、近づいてきた彼女がじっと陵瑜を見あげた。
「私のした事は余計な事だっただろうか? もし多大な迷惑をかけたのならすまない」
どうやら一晩、彼女なりに少しは考えたのだろう。
眉を下げる、不安そうな表情が愛おしくてつい頬が緩む。
「いや……むしろいい方向に働いたから、気にするな。だが、今後は教えてほしい」
「分かった。すまない」
しょんぼりとしながら詫びた霜苓に、もっと近くに来るよう手招くと、彼女は不思議そうな顔をしながら、しかし素直に近づいてきた。
「隈ができているな。やはり痒みで眠れなかったか?」
手を伸ばし、当て布をした頬に触れると、彼女の瞳がわずかに見開かれ、ついで小さく首を横に振られた。
「いや、久しぶりの潜入で気の高ぶりが落ち着かなかったんだ」
やはり難なくこなしたように見えても、随分と神経を研ぎ澄ませていたのだろう。その上、毒が皮膚に熱を持たせでいるため、身体の調子も振るわないようだ。
「少し休め。大勝負は終わったのだ。これからまた移動も控えている」
珠樹の側には俺が付いているから……と告げれば、一度珠樹に視線を移した彼女は少しだけ頬から緊張を解いたように見えた。
「……すまない。そうさせてもらう」
素直に従うところをみると、やはりどこか自身の不調を感じているのだろう。少し前ならば「大丈夫だ、なんでもない」と誤魔化そうとしたであろう。思わず顔がほころぶのを我慢して、霜苓が部屋を出るのを見送ると、置いて行かれたせいだろうか、それまで大人しく眠っていた珠樹が、ふえぇっと泣き始めたので、慌てて抱き上げる。泣き声を聞きつけて霜苓が戻ってきてしまってはいけない。
軽く揺らして背をトントンと叩くと、まだ眠たいのだろう。一度だけうっすらと暗緑色の瞳を開いた珠樹が、またとろりと目を細めて……閉じた。
「しかし、何故今頃になって彩杏が霜苓にそんな事をしたのだろうか……控えめな、あの娘らしくないな……」
珠樹が眠りに落ちていくのを確認しながら、小さくつぶやく。陵瑜の知る彩杏は、さほど苛烈な性格でもなく、婚約者候補の娘たちの中では控えめで分をわきまえていたように思えた。だからこそ、皇位継承の可能性を持つ碧宇の妻として選ばれたのだ。
「本気でそうお思いなのですか?」
しかし、どうやらそう思っていたのは自分だけだったらしい。漢登の意外そうな言葉に陵瑜は苦笑する。
幼い頃から、陵瑜のことだけではなく、陵瑜を取り巻く全ての子供達と関わりを持っていた彼がそう言うのならば、自分の知らない彼女の一面があるのだろう。
「お前たちには心当たりがあるのだな」
「本当に殿下は霜苓様にしか興味がないのですね」
呆れたように返されて、たしかにな……と陵瑜は肩を竦めた。
3
お気に入りに追加
195
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
男装官吏と花散る後宮〜禹国謎解き物語〜
春日あざみ
キャラ文芸
<第8回キャラ文芸大賞にて奨励賞をいただきました。応援ありがとうございました!>
宮廷で史書編纂事業が立ち上がると聞き、居ても立ってもいられなくなった歴史オタクの柳羅刹(りゅうらせつ)。男と偽り官吏登用試験、科挙を受験し、見事第一等の成績で官吏となった彼女だったが。珍妙な仮面の貴人、雲嵐に女であることがバレてしまう。皇帝の食客であるという彼は、羅刹の秘密を守る代わり、後宮の悪霊によるとされる妃嬪の連続不審死事件の調査を命じる。
しかたなく羅刹は、悪霊について調べ始めるが——?
「歴女×仮面の貴人(奇人?)」が紡ぐ、中華風世界を舞台にしたミステリ開幕!
後宮の棘
香月みまり
キャラ文芸
蔑ろにされ婚期をのがした25歳皇女がついに輿入り!相手は敵国の禁軍将軍。冷めた姫vs堅物男のチグハグな夫婦は帝国内の騒乱に巻き込まれていく。
☆完結しました☆
スピンオフ「孤児が皇后陛下と呼ばれるまで」の進捗と合わせて番外編を不定期に公開していきます。
第13回ファンタジー大賞特別賞受賞!
ありがとうございました!!
皇帝は虐げられた身代わり妃の瞳に溺れる
えくれあ
恋愛
丞相の娘として生まれながら、蔡 重華は生まれ持った髪の色によりそれを認められず使用人のような扱いを受けて育った。
一方、母違いの妹である蔡 鈴麗は父親の愛情を一身に受け、何不自由なく育った。そんな鈴麗は、破格の待遇での皇帝への輿入れが決まる。
しかし、わがまま放題で育った鈴麗は輿入れ当日、後先を考えることなく逃げ出してしまった。困った父は、こんな時だけ重華を娘扱いし、鈴麗が見つかるまで身代わりを務めるように命じる。
皇帝である李 晧月は、後宮の妃嬪たちに全く興味を示さないことで有名だ。きっと重華にも興味は示さず、身代わりだと気づかれることなくやり過ごせると思っていたのだが……
鍛えすぎて婚約破棄された結果、氷の公爵閣下の妻になったけど実は溺愛されているようです
佐崎咲
恋愛
私は前世で殺された。
だから二度とそんなことのないように、今世では鍛えて鍛えて鍛え抜いた。
結果、
「僕よりも強い女性と結婚などできない!」
と言われたけれど、まあ事実だし受け入れるしかない。
そうしてマイナスからの婚活スタートとなった私を拾ったのは、冷酷無慈悲、『氷の公爵閣下』として有名なクレウス=レイファン公爵だった。
「私は多くの恨みを買っている。だから妻にも危険が多い」
「あ、私、自分の身くらい自分で守れます」
気づけば咄嗟にそう答えていた。
「ただ妻として邸にいてくれさえすればいい。どのように過ごそうとあとは自由だ」
そう冷たく言い放った公爵閣下に、私は歓喜した。
何その公爵邸スローライフ。
とにかく生きてさえいればいいなんて、なんて自由!
筋トレし放題!
と、生き延びるために鍛えていたのに、真逆の環境に飛び込んだということに気付いたのは、初夜に一人眠る寝室で、頭上から降って来たナイフをかわしたときだった。
平和どころか綱渡りの生活が始まる中、もう一つ気が付いた。
なんか、冷たいっていうかそれ、大事にされてるような気がするんですけど。
「番外編 溶けた氷の公爵閣下とやっぱり鍛えすぎている夫人の仁義なき戦い」
クレウスとティファーナが手合わせをするのですが、果たして勝つのは……というお話です。
以下はこちら↓の下の方に掲載しています。
<番外編.その後>
web連載時の番外編です。
(書籍にあわせて一部修正しています)
<番外編.好きと好きの間>
文字数オーバーしたため書籍版から泣く泣く削ったエピソードです。
(大筋はweb連載していた時のものと同じです)
<番外編.それぞれの>
いろんな人からの視点。
公主の嫁入り
マチバリ
キャラ文芸
宗国の公主である雪花は、後宮の最奥にある月花宮で息をひそめて生きていた。母の身分が低かったことを理由に他の妃たちから冷遇されていたからだ。
17歳になったある日、皇帝となった兄の命により龍の血を継ぐという道士の元へ降嫁する事が決まる。政略結婚の道具として役に立ちたいと願いつつも怯えていた雪花だったが、顔を合わせた道士の焔蓮は優しい人で……ぎこちなくも心を通わせ、夫婦となっていく二人の物語。
中華習作かつ色々ふんわりなファンタジー設定です。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
孤児が皇后陛下と呼ばれるまで
香月みまり
ファンタジー
母を亡くして天涯孤独となり、王都へ向かう苓。
目的のために王都へ向かう孤児の青年、周と陸
3人の出会いは世界を巻き込む波乱の序章だった。
「後宮の棘」のスピンオフですが、読んだことのない方でも楽しんでいただけるように書かせていただいております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる