86 / 97
5章
18
しおりを挟む
「珍しいねアルマが詰襟のドレスなんて」
なんとか心を落ち着けて、アイシャに用意してもらったドレスに身を包んでリビングルームに向かえば、めざとく私の装いに気づいたユーリ様に声をかけられて、、、。
「たまには、違うものもいいかなって思って」
そう誤魔化して朝食の席に着く。
すぐに侍女達が紅茶を出してくれたので。お茶に手を伸ばす。
「あ、もしかしてキスマーク?」
ガチャン
唐突なユーリ様の言葉に、思わず私は持ち上げかけたカップをソーサーの上に落としかけて、けたたましい音が部屋中に響いた。
「だったりして!って言おうとしたけど、、、まさか図星?」
あまりの私の反応に、ユーリ様はこちらを覗き込んできた。
「っ、ああのっ」
何をどう説明していいのやら、むしろ言っていいものなのだろうか?というか恥ずかしい!
色々な思いがせめぎ合ってきて慌てる。
それなのに、そんな私を見たユーリ様は
「わぁ!何もうその顔たまんないんだけど!あぁお腹さえ大きくなければ、いますぐにでもアルマに抱きつきたい!!」
なぜか、テンションを上げられて。
「あぁ、でもジェイドに怒られるから辞めるよ。うん、そうだね、落ち着こう」
そう言って、自身の胸を押さえる。
つられて私も何故か少し冷静になって、2人して胸を押さえて深呼吸する謎の時間が生まれた。
「ふふそれで、どこまで行ったの」
一通り落ち着いて、お茶を飲み朝食を食べ始めると、すでに食べ終えたユーリ様はハーブティーを片手に興味深々だった。
もうここまできたら隠すこともできないだろう?なにせ相手はユーリ様なのだから。
「どこ?」
しかし彼女の問いの意味が分からない私は首を傾ける。
「え、まさか最後まで!?」
驚いたように身を乗り出すユーリ様だけれど、私は
「最後?」
また首を傾けることとなる。なにをもって最後までとなるのか、正直私には分からないのだ。
「うん、最後まで、、は違うみたいだねどうやら」
そんな私の反応にユーリ様は何かしらを理解したように頷かれる。
「多分、、、入り口でもないって」
よく分からないけれど、昨日ジェイドに言われた言葉を反芻してみる。もしかしたらユーリ様にだったら伝わるのかもしれないと思ったのだけど
「え、何?先っちょだけってやつ?よくあいつ我慢できたね」
なんだか余計に驚かれた。
そして私も驚いた
「え?先っちょ?胸の?」
それだけでどこを触られたのかすら分かるのか!?流石ユーリ様、、、と。
そして
「え、、、?なにちがうの、、、!?まさか胸止まり?」
拍子抜けしたように問われて、そこで私は余計な事を言ってしまった事に気がついて、赤面する。
私のその反応を肯定と理解したらしいユーリ様は、椅子の背にゆっくりと背中をつけると、ハーブティーを飲みながら
「なるほど、時間をかけて開発するつもりなのね、あいつ」
となにやら楽しそうに呟いた。
「開発?」
首を傾けて説明を求めたわたしに、ユーリ様はパタパタと手を振った。
「うーん、アルマは気にしなくていいよ!あいつに任せとけばいいよ。あ!でも痛かったり嫌なことははっきり言わないとだめだからね!最初が肝心」
そう最後には釘を刺すようにピシリと言われて、なんのことやらわからない私は、
「はぁ」
と曖昧にうなずいた。
「で?現時点でなんか困りごとはある?」
そう問われて
「困りごとですか?」と考える。
何なら全部に困っているのだが、、、正直的を得た質問ができるかどうかもわからない。強いて言えば
「あの声が、、、」
そう、声が恥ずかしすぎる事だろうか、我慢しようとしてもどうしても出てしまうし、ジェイドは聞かせろと言う、、、どうしたら自然に押さえられるのだろうか?
ユーリ様ならば何かコツを知っているのではないかと思ったけれど。
「あぁ、声ね!最初は恥ずかしいよね!大丈夫だよ!すぐ慣れるから」
「慣れ!?」
笑い飛ばされて一蹴されてしまった。
「何ならあちらは喜ぶんだから出せばいいよ!まぁ時々声が出せないシチュエーションてのも燃えるんだけどね!」
「声が、、、だせない?」
出したくなくても、出てしまうのに、出してはダメって、もはやよくわからない。
そんな私の考えを読み取ったのか、ユーリ様は「気にしないで」と顔の前で手を振ると。
「んーまぁそれは慣れたら楽しめばいいよ!とにかく、恥ずかしがらないで出せばいいよ!」
「そんなっ!」
恥ずかしい!どう頑張っても恥ずかしいのに!そう抗議しようとしたのだけれど。
「まぁその内声なんて気にならなくなるくらいの状況になるから大丈夫っ、いっ!」
そう軽快に笑われて、、、途中でユーリ様が顔を歪めた。
慌てて私は腰を浮かせる。
「大丈夫ですか!?」
「あはは、大丈夫!んー最近ちょこちょこ張ったり傷んだりねぇ、どうやらもう産まれる準備に入っているサインなんだってさぁ」
お腹をさすりながら、まだ少し痛そうにそれでも明るく笑うユーリ様は、お腹に向かって「いたた!ついでに蹴らないでよぉ」とどうやらお腹を蹴ってきたお腹の我が子に抗議している。
なんだかその姿はとても微笑ましくて、ゆっくり椅子に座り直して朝食を食べる作業に戻る。
「まぁほら、議会も来週までだしねぇ。それ以降まではなんとかお腹にはいてくれると思うし大丈夫だよ」
「そうですか」
流石に生まれたのを秘密にしておく事は不可能だ。もし議会がある内に生まれてしまうと国王も王妃も不在の状況になってしまう。そうなるのはあまりよろしくないようで、どうにかそこまでは引き伸ばしたいというのがユーリ様と先王陛下、ジフロードの考えらしい。
医師の話では、現在の状況で有ればそれまでに産まれてくる可能性は少ないという事らしいので、ユーリ様も気楽にゆったりと構えている。
その時リビングルームをノックする音が響いて、王太后陛下がひょこりとお顔を出した。
王太后陛下と先王陛下は、ユーリ様がお怪我をされた事になってから王妃政務の手伝いといった名目で、今は誰も使っていない西の塔に一時的に滞在してくださっている。
ここ最近、だいたい毎朝この時間に王太后陛下は顔を出して、一緒にお茶をするのが日課になっている。
「ユーリお腹はどう?」
リビングルームに入ってきた王太后陛下は、いつもの私とユーリ様の間の椅子に座ってユーリ様のお腹に手を伸ばすと、そのお腹を愛しそうに撫でた。
「まぁいつも通りだよ」
ユーリ様の返事に「それはいいことね!」と笑った彼女は、次にわたしに視線を移して。
「あらアルマ!今日は珍しいタイプのドレスを着てるのね?」
やはりめざとくドレスに目をつけてきた。
「たまにはいいかと思いまして」
今度は慌てずに上手く微笑むことができた、、、そう思ったのに
「ふふ、ジェイドとうまく行っているようで何よりだわ」
ごくごく自然に微笑まれて、私はぽかんとして、そしてユーリ様と目が合う。
「まぁ私の母上だからね」
そう言って肩をすくめられてしまった。
なんとか心を落ち着けて、アイシャに用意してもらったドレスに身を包んでリビングルームに向かえば、めざとく私の装いに気づいたユーリ様に声をかけられて、、、。
「たまには、違うものもいいかなって思って」
そう誤魔化して朝食の席に着く。
すぐに侍女達が紅茶を出してくれたので。お茶に手を伸ばす。
「あ、もしかしてキスマーク?」
ガチャン
唐突なユーリ様の言葉に、思わず私は持ち上げかけたカップをソーサーの上に落としかけて、けたたましい音が部屋中に響いた。
「だったりして!って言おうとしたけど、、、まさか図星?」
あまりの私の反応に、ユーリ様はこちらを覗き込んできた。
「っ、ああのっ」
何をどう説明していいのやら、むしろ言っていいものなのだろうか?というか恥ずかしい!
色々な思いがせめぎ合ってきて慌てる。
それなのに、そんな私を見たユーリ様は
「わぁ!何もうその顔たまんないんだけど!あぁお腹さえ大きくなければ、いますぐにでもアルマに抱きつきたい!!」
なぜか、テンションを上げられて。
「あぁ、でもジェイドに怒られるから辞めるよ。うん、そうだね、落ち着こう」
そう言って、自身の胸を押さえる。
つられて私も何故か少し冷静になって、2人して胸を押さえて深呼吸する謎の時間が生まれた。
「ふふそれで、どこまで行ったの」
一通り落ち着いて、お茶を飲み朝食を食べ始めると、すでに食べ終えたユーリ様はハーブティーを片手に興味深々だった。
もうここまできたら隠すこともできないだろう?なにせ相手はユーリ様なのだから。
「どこ?」
しかし彼女の問いの意味が分からない私は首を傾ける。
「え、まさか最後まで!?」
驚いたように身を乗り出すユーリ様だけれど、私は
「最後?」
また首を傾けることとなる。なにをもって最後までとなるのか、正直私には分からないのだ。
「うん、最後まで、、は違うみたいだねどうやら」
そんな私の反応にユーリ様は何かしらを理解したように頷かれる。
「多分、、、入り口でもないって」
よく分からないけれど、昨日ジェイドに言われた言葉を反芻してみる。もしかしたらユーリ様にだったら伝わるのかもしれないと思ったのだけど
「え、何?先っちょだけってやつ?よくあいつ我慢できたね」
なんだか余計に驚かれた。
そして私も驚いた
「え?先っちょ?胸の?」
それだけでどこを触られたのかすら分かるのか!?流石ユーリ様、、、と。
そして
「え、、、?なにちがうの、、、!?まさか胸止まり?」
拍子抜けしたように問われて、そこで私は余計な事を言ってしまった事に気がついて、赤面する。
私のその反応を肯定と理解したらしいユーリ様は、椅子の背にゆっくりと背中をつけると、ハーブティーを飲みながら
「なるほど、時間をかけて開発するつもりなのね、あいつ」
となにやら楽しそうに呟いた。
「開発?」
首を傾けて説明を求めたわたしに、ユーリ様はパタパタと手を振った。
「うーん、アルマは気にしなくていいよ!あいつに任せとけばいいよ。あ!でも痛かったり嫌なことははっきり言わないとだめだからね!最初が肝心」
そう最後には釘を刺すようにピシリと言われて、なんのことやらわからない私は、
「はぁ」
と曖昧にうなずいた。
「で?現時点でなんか困りごとはある?」
そう問われて
「困りごとですか?」と考える。
何なら全部に困っているのだが、、、正直的を得た質問ができるかどうかもわからない。強いて言えば
「あの声が、、、」
そう、声が恥ずかしすぎる事だろうか、我慢しようとしてもどうしても出てしまうし、ジェイドは聞かせろと言う、、、どうしたら自然に押さえられるのだろうか?
ユーリ様ならば何かコツを知っているのではないかと思ったけれど。
「あぁ、声ね!最初は恥ずかしいよね!大丈夫だよ!すぐ慣れるから」
「慣れ!?」
笑い飛ばされて一蹴されてしまった。
「何ならあちらは喜ぶんだから出せばいいよ!まぁ時々声が出せないシチュエーションてのも燃えるんだけどね!」
「声が、、、だせない?」
出したくなくても、出てしまうのに、出してはダメって、もはやよくわからない。
そんな私の考えを読み取ったのか、ユーリ様は「気にしないで」と顔の前で手を振ると。
「んーまぁそれは慣れたら楽しめばいいよ!とにかく、恥ずかしがらないで出せばいいよ!」
「そんなっ!」
恥ずかしい!どう頑張っても恥ずかしいのに!そう抗議しようとしたのだけれど。
「まぁその内声なんて気にならなくなるくらいの状況になるから大丈夫っ、いっ!」
そう軽快に笑われて、、、途中でユーリ様が顔を歪めた。
慌てて私は腰を浮かせる。
「大丈夫ですか!?」
「あはは、大丈夫!んー最近ちょこちょこ張ったり傷んだりねぇ、どうやらもう産まれる準備に入っているサインなんだってさぁ」
お腹をさすりながら、まだ少し痛そうにそれでも明るく笑うユーリ様は、お腹に向かって「いたた!ついでに蹴らないでよぉ」とどうやらお腹を蹴ってきたお腹の我が子に抗議している。
なんだかその姿はとても微笑ましくて、ゆっくり椅子に座り直して朝食を食べる作業に戻る。
「まぁほら、議会も来週までだしねぇ。それ以降まではなんとかお腹にはいてくれると思うし大丈夫だよ」
「そうですか」
流石に生まれたのを秘密にしておく事は不可能だ。もし議会がある内に生まれてしまうと国王も王妃も不在の状況になってしまう。そうなるのはあまりよろしくないようで、どうにかそこまでは引き伸ばしたいというのがユーリ様と先王陛下、ジフロードの考えらしい。
医師の話では、現在の状況で有ればそれまでに産まれてくる可能性は少ないという事らしいので、ユーリ様も気楽にゆったりと構えている。
その時リビングルームをノックする音が響いて、王太后陛下がひょこりとお顔を出した。
王太后陛下と先王陛下は、ユーリ様がお怪我をされた事になってから王妃政務の手伝いといった名目で、今は誰も使っていない西の塔に一時的に滞在してくださっている。
ここ最近、だいたい毎朝この時間に王太后陛下は顔を出して、一緒にお茶をするのが日課になっている。
「ユーリお腹はどう?」
リビングルームに入ってきた王太后陛下は、いつもの私とユーリ様の間の椅子に座ってユーリ様のお腹に手を伸ばすと、そのお腹を愛しそうに撫でた。
「まぁいつも通りだよ」
ユーリ様の返事に「それはいいことね!」と笑った彼女は、次にわたしに視線を移して。
「あらアルマ!今日は珍しいタイプのドレスを着てるのね?」
やはりめざとくドレスに目をつけてきた。
「たまにはいいかと思いまして」
今度は慌てずに上手く微笑むことができた、、、そう思ったのに
「ふふ、ジェイドとうまく行っているようで何よりだわ」
ごくごく自然に微笑まれて、私はぽかんとして、そしてユーリ様と目が合う。
「まぁ私の母上だからね」
そう言って肩をすくめられてしまった。
0
お気に入りに追加
1,855
あなたにおすすめの小説
【R-18】年下国王の異常な執愛~義母は義息子に啼かされる~【挿絵付】
臣桜
恋愛
『ガーランドの翠玉』、『妖精の紡いだ銀糸』……数々の美辞麗句が当てはまる17歳のリディアは、国王ブライアンに見初められ側室となった。しかし間もなくブライアンは崩御し、息子であるオーガストが成人して即位する事になった。17歳にして10歳の息子を持ったリディアは、戸惑いつつも宰相の力を借りオーガストを育てる。やがて11年後、21歳になり成人したオーガストは国王となるなり、28歳のリディアを妻に求めて……!?
※毎日更新予定です
※血の繋がりは一切ありませんが、義息子×義母という特殊な関係ですので地雷っぽい方はお気をつけください
※ムーンライトノベルズ様にも同時連載しています
「後宮の棘」R18のお話
香月みまり
恋愛
『「後宮の棘」〜行き遅れ姫の嫁入り〜』
のR18のみのお話を格納したページになります。
本編は作品一覧からご覧ください。
とりあえず、ジレジレストレスから解放された作者が開放感と衝動で書いてます。
普段に比べて糖度は高くなる、、、ハズ?
暖かい気持ちで読んでいただけたら幸いです。
R18作品のため、自己責任でお願いいたします。
【本編完結】若き公爵の子を授かった夫人は、愛する夫のために逃げ出した。 一方公爵様は、妻死亡説が流れようとも諦めません!
はづも
恋愛
本編完結済み。番外編がたまに投稿されたりされなかったりします。
伯爵家に生まれたカレン・アーネストは、20歳のとき、幼馴染でもある若き公爵、ジョンズワート・デュライトの妻となった。
しかし、ジョンズワートはカレンを愛しているわけではない。
当時12歳だったカレンの額に傷を負わせた彼は、その責任を取るためにカレンと結婚したのである。
……本当に好きな人を、諦めてまで。
幼い頃からずっと好きだった彼のために、早く身を引かなければ。
そう思っていたのに、初夜の一度でカレンは懐妊。
このままでは、ジョンズワートが一生自分に縛られてしまう。
夫を想うが故に、カレンは妊娠したことを隠して姿を消した。
愛する人を縛りたくないヒロインと、死亡説が流れても好きな人を諦めることができないヒーローの、両片想い・幼馴染・すれ違い・ハッピーエンドなお話です。
つがいの皇帝に溺愛される幼い皇女の至福
ゆきむら さり
恋愛
稚拙な私の作品をHOTランキング(7/1)に入れて頂き、ありがとうございます✨読んで下さる皆様のおかげです🧡
〔あらすじ〕📝強大な魔帝国を治める時の皇帝オーブリー。壮年期を迎えても皇后を迎えない彼には、幼少期より憧れを抱く美しい人がいる。その美しい人の産んだ幼な姫が、自身のつがいだと本能的に悟る皇帝オーブリーは、外の世界に憧れを抱くその幼な姫の皇女ベハティを魔帝国へと招待することに……。
完結した【堕ちた御子姫は帝国に囚われる】のスピンオフ。前作の登場人物達の子供達のお話。加えて、前作の登場人物達のその後も書かれておりますので、気になる方は、是非ご一読下さい🤗
ゆるふわで甘いお話し。溺愛。ハピエン🩷
※設定などは独自の世界観でご都合主義となります。
◇稚拙な私の作品📝にお付き合い頂き、本当にありがとうございます🧡
交換された花嫁
秘密 (秘翠ミツキ)
恋愛
「お姉さんなんだから我慢なさい」
お姉さんなんだから…お姉さんなんだから…
我儘で自由奔放な妹の所為で昔からそればかり言われ続けてきた。ずっと我慢してきたが。公爵令嬢のヒロインは16歳になり婚約者が妹と共に出来きたが…まさかの展開が。
「お姉様の婚約者頂戴」
妹がヒロインの婚約者を寝取ってしまい、終いには頂戴と言う始末。両親に話すが…。
「お姉さんなのだから、交換して上げなさい」
流石に婚約者を交換するのは…不味いのでは…。
結局ヒロインは妹の要求通りに婚約者を交換した。
そしてヒロインは仕方無しに嫁いで行くが、夫である第2王子にはどうやら想い人がいるらしく…。
後宮の棘
香月みまり
キャラ文芸
蔑ろにされ婚期をのがした25歳皇女がついに輿入り!相手は敵国の禁軍将軍。冷めた姫vs堅物男のチグハグな夫婦は帝国内の騒乱に巻き込まれていく。
☆完結しました☆
スピンオフ「孤児が皇后陛下と呼ばれるまで」の進捗と合わせて番外編を不定期に公開していきます。
第13回ファンタジー大賞特別賞受賞!
ありがとうございました!!
大嫌いな次期騎士団長に嫁いだら、激しすぎる初夜が待っていました
扇 レンナ
恋愛
旧題:宿敵だと思っていた男に溺愛されて、毎日のように求められているんですが!?
*こちらは【明石 唯加】名義のアカウントで掲載していたものです。書籍化にあたり、こちらに転載しております。また、こちらのアカウントに転載することに関しては担当編集さまから許可をいただいておりますので、問題ありません。
――
ウィテカー王国の西の辺境を守る二つの伯爵家、コナハン家とフォレスター家は長年に渡りいがみ合ってきた。
そんな現状に焦りを抱いた王家は、二つの伯爵家に和解を求め、王命での結婚を命じる。
その結果、フォレスター伯爵家の長女メアリーはコナハン伯爵家に嫁入りすることが決まった。
結婚相手はコナハン家の長男シリル。クールに見える外見と辺境騎士団の次期団長という肩書きから女性人気がとても高い男性。
が、メアリーはそんなシリルが実は大嫌い。
彼はクールなのではなく、大層傲慢なだけ。それを知っているからだ。
しかし、王命には逆らえない。そのため、メアリーは渋々シリルの元に嫁ぐことに。
どうせ愛し愛されるような素敵な関係にはなれるわけがない。
そう考えるメアリーを他所に、シリルは初夜からメアリーを強く求めてくる。
――もしかして、これは嫌がらせ?
メアリーはシリルの態度をそう受け取り、頑なに彼を拒絶しようとするが――……。
「誰がお前に嫌がらせなんかするかよ」
どうやら、彼には全く別の思惑があるらしく……?
*WEB版表紙イラストはみどりのバクさまに有償にて描いていただいたものです。転載等は禁止です。
契約期間が終わったので、お飾りの妻を引退しようと思います。
野地マルテ
恋愛
伯爵の契約妻ミエーレは、義父を看取った後もんもんと考えていた。ミエーレは『余命いくばくもない父親を安心させたい』と言う伯爵ギドの依頼でお飾りの妻──いわゆる契約妻になっていた。優しかった義父が亡くなって早二月。ギドからは契約満了の通達はなく、ミエーレは自分から言い出した方が良いのかと悩む。ミエーレはギドのことが好きだったが、ギドから身体を求められたことが一切無かったのだ。手を出す気にもならない妻がいるのはよくないだろうと、ミエーレはギドに離縁を求めるが、ギドから返ってきた反応は予想外のものだった。
◆成人向けの小説です。※回は露骨な性描写あり。ご自衛ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる