16 / 46
016 二日目の朝、工房にて
しおりを挟む
夜、悠人と美優がセックスに耽っている頃――。
多くの生徒は不安に駆られていた。
寝ている間に魔物が学校を襲撃してきたらどうしよう、と。
このままずっとこの世界で過ごすことになるのだろうか、と。
辛うじて耐えられたのは、まだ一日目だからだ。
悠人や美優のいなかった日中の集会は酷い有様だった。
下手すれば暴動に発展しかねない程のパニックが広がっていた。
教師たちは必死になって「すぐに帰れるから落ち着いて」となだめた。
だが、このまま帰れない日が続けばどうなるか。
結果は火を見るより明らかだった。
◇
翌朝、目を覚ました悠人は驚いた。
「やべ、服を着てねぇ!」
そう、裸だったのだ。
マットの上で大の字に寝ていた。
隣には同じく裸の美優が眠っている。
下半身に目を向けると、ペニスが勃起していた。
打ち上げ前のロケットの如く天に向いている。
俗に「朝立ち」と呼ばれる現象だ。
「起きろ美優、まずいぞ! 俺たちは裸で寝ちまったようだ!」
「もうちょっと寝させてよぉ……むにゃむにゃ……」
美優は悠人の右半身にしがみついて離れない。
「他の奴等が体育倉庫に来ても知らないぞ。裸を見せたいなら好きにしろ!」
「ほぇ? 裸を見せるぅ?」
美優の目が薄らと開く。
頭は全く働かないが、状況を理解することはできた。
「わわっ! 裸じゃん! 私ら!」
「分かったらさっさと離れて服を着ろ」
「だね!」
二人は大慌てで立ち上がり、そこらに散乱する服を拾った。
「ヤりまくったせいで体がベトついているな」
「だねぇ……」
話しながら服を着る二人。
それが済んで「ふぅ」と息を吐いたところで――。
「グォオオオオオオオオオオオオ!」
外から咆哮が聞こえてきた。
「なんだ!?」
天井を見上げる悠人。
声は空から聞こえてきたように感じた。
「倉庫の中にまで響くほどだから相当だよ今の!」
「それで昨夜は遠慮なく喘いでいたわけか」
「そうそう! 倉庫でどれだけ騒いでも体育館にいないと聞こえないから心ゆくまで声を出せるの……ってそうじゃなくて! やばいってことだよ!」
「防壁があるから大丈夫だと思うが、念のため様子を見に行こう」
二人は駆け足で体育館を出た。
本館に向かって伸びる連絡通路からそーっと空を窺う。
「あれって……もしかして!?」
「おいおい、あんなのまでいるのかよ」
上空には赤いドラゴンがいた。
半透明の青い壁――防壁の向こう側を滑るように飛んでいる。
遠いから小さく見えるが、距離を考慮すると結構な大きさに違いない。
「分かってはいたけど、本当に異世界なんだね……!」
「さすがにアイツには勝てる気がしねぇな」
悠人はドラゴンが飛び去るのを眺めていた。
◇
顔を洗った二人は、朝食の調達を行うことにした。
夜明けまでヤりまくっていたためお腹が空いて仕方ない。
食堂の利用が禁じられているため、外に出る必要があった。
そのためには武器が必要だ。
いつも拝借してばかりでは悪いため自作することにした。
そんなわけで、二人は工房にやってきた。
「すごいな。高校の一施設とは思えないほど本格的だ」
「でしょー! ウチの学校、実は物作り系の部活も強いんだよ。なんかの大会で準優勝になったこともある!」
「なんかの大会ってなんだ……」
と、苦笑いで工房内を見回す悠人。
携帯型の電動工具から設置型の大型機器まで何でもござれだ。
果てには立派な炉まで備えていて、小さな町工場より豪華だった。
「それより武器を作ろうよ! 機械はある! 材料も揃っている! その気になれば刀だって作れるはず! この世界じゃ銃刀法違反も関係ない!」
「たしかにそうだけど、今回は弓矢とナイフだけでいいだろう。刀とかそういう本格的な武器は、教師か誰か専門的な知識を有している奴に任せたほうがいい。時間だってかかるしな」
「私は分からないので任せる!」
「まずは弓矢からだ。美優は弓を扱えるか?」
「もちろん無理!」
「なら俺の分だけでいいな」
適当な木材を成形して弓の形にする。
「この木を切る機械はバンドソーって言うんだ」
「へぇ! じゃあ、この道具は? これも木を切るやつっぽいけど」
「それはハンドソーだ」
「バンドソーにハンドソー!? さすがにウソでしょー!」
「マジだって」
話しながらも作業は順調に進む。
微調整してフィット感を整えたたら仕上げだ。
弦を張り、サンドペーパーで本体を研磨し、ワックスを塗る。
「なんでワックスを塗るの?」
「一番の理由は耐水性の向上だ。木材は水に弱いからな」
「なるほど!」
あっという間に弓が完成した。
次は矢の製作だ。
「矢は最初の一本だけ俺が作るから、そのあとは美優が担当な」
「えー! 私、作り方なんか分からないよ?」
「大丈夫。美優がポンコツであることを想定して、この工房には便利でハイテクな機械が用意されている」
悠人は「あれだ」と、工房の奥にある機械を指した。
業務用の高性能3Dプリンタだ。
「おー! 私、授業で3Dプリンタを使ったことあるよ! みんなでアクセサリーを設計して作ったの!」
「へぇ」
「反応薄ッ!」
「残念ながら美優に頼みたいのは設計じゃない。設計やフィラメント選びは俺がするから、美優は必要に応じてフィラメントの交換をしてくれたらそれでいい」
「なんか簡単そう! ところでフィラメントってなに?」
「3Dプリンタにおけるインクみたいなものだ。普通のプリンタと違い、3Dプリンタではグルグル巻かれた細い糸みたいな物を使う。そのグルグルがフィラメントだ」
「要するにインクみたいなものね!」
「…………」
悠人は無視して3Dプリンタに向かう。
「無視かよッ!」とツッコミを入れつつ美優が続く。
「矢のデザインをするからちょっと待ってな」
悠人は3Dプリンタの手前にあるパソコンを操作した。
慣れた手つきで設計図を作っていく。
「ほんと悠人って何でもできるよねー」
「おかげで親に捨てられても食い扶持には困らないぜ」
「いいじゃん! 自分の力で生きていけるならそれで! 前を向こう!」
「両親と仲がいい奴に言われてもな」
笑いながら、悠人はフィラメントの選択を行う。
「お、UTFがあるじゃん。分かってるなこの学校」
「UTFって?」
「Ultra Timber Flexの略称だ。今年出たばかりのフィラメントでな、名前から分かる通り木材に近い性質を持っている。高性能で安いから木造住宅に革命を起こすって言われているよ」
「おー! なんかすごそう! ウルトラだし!」
設計とフィラメントの選択が終わった。
悠人は「プリント」と書かれたボタンをクリックする。
3Dプリンタがおもむろに動き出し、彼のデザインした矢を作っていく。
ものの数十秒で一本目が仕上がった。
「完璧だな」
矢を持ち上げて微笑む悠人。
見た目は鏃から矢羽根まで木で作られた矢だ。
質感も限りなく木に近い。
「サイズも問題ないし、あとは使い心地だけだな」
悠人はその場で矢を放った。
美優が「ちょ!?」と驚いているが気にしない。
矢は彼の思い描いた通りの軌道で飛んだ。
「よし、使い勝手も完璧だ」
「おー!」
「この矢を量産するから、フィラメントの交換が必要になった時だけ頼む」
「了解! 悠人はナイフを作るの?」
「おう。ナイフは美優もいるよな?」
「もちろん! 素手じゃこの世界は生きていけないってばよ!」
「なんだその口調」
悠人は工房内を移動してカスタムナイフの製造に取りかかる。
ナイフは「ストック&リムーバル」という製法で作ることにした。
削り出した鋼材を研いで焼き入れするだけというお手軽なものだ。
焼き入れ作業が自宅だと難しいけれど、この工房なら問題ない。
「結局、私の出番がないまま終わったよー!」
悠人が作業をしていると美優がやってきた。
プリントされた矢の入った革張りの筒を悠人に見せる。
「その矢筒は?」
「私が作った! 正確には3Dプリンタが作った!」
「ということは自分で設計したわけか」
「いんや! それはAIがやってくれた! 私はボタンを押しただけ!」
「なるほど、どうりで完璧なクオリティに仕上がっているわけか」
「私もやるもんでしょー!」
「ふっ、クリックしただけのくせに誇らしげだな」
そんなこんなでカスタムナイフが完成した。
「美優、ナイフ用のホルスターは?」
「ここに!」
「さすがはAIだ。これまた完璧だな」
「指示したのは私だから!」
「やれやれ、手柄の主張が激しい女だ」
二人はホルスターを腰に装着し、そこにナイフを差した。
「誰にも自慢できないのが悲しいね、弓矢もナイフもいい感じなのに」
「仕方ないさ。いま俺たちと話すのは得策じゃない」
「だからって逃げなくてもいいのに!」
二人が工房に来た時、中には複数の生徒と教師がいた。
魔物と戦うための武器を作ろうとしていたのだ。
しかし二人の姿を見た途端、そそくさと逃げていった。
別に彼らのことが嫌いというわけではない。
東谷に目を付けられたくないからだ
悠人が東谷を返り討ちにした件は、昨夜の内に広まっていた。
「皆に悪意がないのは分かっているし、別に目くじらを立てることでもないさ。それより朝食の調達に行こう」
「さんせーい! 武器を新調したし魔物との戦いが楽しみだねー!」
一夜経て、敵の呼び方が「化け物」から「魔物」に変わっていた。
「楽しみとか言うけど戦うのは俺だぞ」
「私だっていざとなれば戦うし!」
「どうだかな」
二人は笑いながら工房を出ようとする。
その時、工房の扉が開いてある人物が入ってきた。
「よかったー、間に合った。もう出発しちゃったかと思ったよー」
家庭科部の部長こと葵だ。
トンデモサイズの胸がプルンプルン揺れていた。
多くの生徒は不安に駆られていた。
寝ている間に魔物が学校を襲撃してきたらどうしよう、と。
このままずっとこの世界で過ごすことになるのだろうか、と。
辛うじて耐えられたのは、まだ一日目だからだ。
悠人や美優のいなかった日中の集会は酷い有様だった。
下手すれば暴動に発展しかねない程のパニックが広がっていた。
教師たちは必死になって「すぐに帰れるから落ち着いて」となだめた。
だが、このまま帰れない日が続けばどうなるか。
結果は火を見るより明らかだった。
◇
翌朝、目を覚ました悠人は驚いた。
「やべ、服を着てねぇ!」
そう、裸だったのだ。
マットの上で大の字に寝ていた。
隣には同じく裸の美優が眠っている。
下半身に目を向けると、ペニスが勃起していた。
打ち上げ前のロケットの如く天に向いている。
俗に「朝立ち」と呼ばれる現象だ。
「起きろ美優、まずいぞ! 俺たちは裸で寝ちまったようだ!」
「もうちょっと寝させてよぉ……むにゃむにゃ……」
美優は悠人の右半身にしがみついて離れない。
「他の奴等が体育倉庫に来ても知らないぞ。裸を見せたいなら好きにしろ!」
「ほぇ? 裸を見せるぅ?」
美優の目が薄らと開く。
頭は全く働かないが、状況を理解することはできた。
「わわっ! 裸じゃん! 私ら!」
「分かったらさっさと離れて服を着ろ」
「だね!」
二人は大慌てで立ち上がり、そこらに散乱する服を拾った。
「ヤりまくったせいで体がベトついているな」
「だねぇ……」
話しながら服を着る二人。
それが済んで「ふぅ」と息を吐いたところで――。
「グォオオオオオオオオオオオオ!」
外から咆哮が聞こえてきた。
「なんだ!?」
天井を見上げる悠人。
声は空から聞こえてきたように感じた。
「倉庫の中にまで響くほどだから相当だよ今の!」
「それで昨夜は遠慮なく喘いでいたわけか」
「そうそう! 倉庫でどれだけ騒いでも体育館にいないと聞こえないから心ゆくまで声を出せるの……ってそうじゃなくて! やばいってことだよ!」
「防壁があるから大丈夫だと思うが、念のため様子を見に行こう」
二人は駆け足で体育館を出た。
本館に向かって伸びる連絡通路からそーっと空を窺う。
「あれって……もしかして!?」
「おいおい、あんなのまでいるのかよ」
上空には赤いドラゴンがいた。
半透明の青い壁――防壁の向こう側を滑るように飛んでいる。
遠いから小さく見えるが、距離を考慮すると結構な大きさに違いない。
「分かってはいたけど、本当に異世界なんだね……!」
「さすがにアイツには勝てる気がしねぇな」
悠人はドラゴンが飛び去るのを眺めていた。
◇
顔を洗った二人は、朝食の調達を行うことにした。
夜明けまでヤりまくっていたためお腹が空いて仕方ない。
食堂の利用が禁じられているため、外に出る必要があった。
そのためには武器が必要だ。
いつも拝借してばかりでは悪いため自作することにした。
そんなわけで、二人は工房にやってきた。
「すごいな。高校の一施設とは思えないほど本格的だ」
「でしょー! ウチの学校、実は物作り系の部活も強いんだよ。なんかの大会で準優勝になったこともある!」
「なんかの大会ってなんだ……」
と、苦笑いで工房内を見回す悠人。
携帯型の電動工具から設置型の大型機器まで何でもござれだ。
果てには立派な炉まで備えていて、小さな町工場より豪華だった。
「それより武器を作ろうよ! 機械はある! 材料も揃っている! その気になれば刀だって作れるはず! この世界じゃ銃刀法違反も関係ない!」
「たしかにそうだけど、今回は弓矢とナイフだけでいいだろう。刀とかそういう本格的な武器は、教師か誰か専門的な知識を有している奴に任せたほうがいい。時間だってかかるしな」
「私は分からないので任せる!」
「まずは弓矢からだ。美優は弓を扱えるか?」
「もちろん無理!」
「なら俺の分だけでいいな」
適当な木材を成形して弓の形にする。
「この木を切る機械はバンドソーって言うんだ」
「へぇ! じゃあ、この道具は? これも木を切るやつっぽいけど」
「それはハンドソーだ」
「バンドソーにハンドソー!? さすがにウソでしょー!」
「マジだって」
話しながらも作業は順調に進む。
微調整してフィット感を整えたたら仕上げだ。
弦を張り、サンドペーパーで本体を研磨し、ワックスを塗る。
「なんでワックスを塗るの?」
「一番の理由は耐水性の向上だ。木材は水に弱いからな」
「なるほど!」
あっという間に弓が完成した。
次は矢の製作だ。
「矢は最初の一本だけ俺が作るから、そのあとは美優が担当な」
「えー! 私、作り方なんか分からないよ?」
「大丈夫。美優がポンコツであることを想定して、この工房には便利でハイテクな機械が用意されている」
悠人は「あれだ」と、工房の奥にある機械を指した。
業務用の高性能3Dプリンタだ。
「おー! 私、授業で3Dプリンタを使ったことあるよ! みんなでアクセサリーを設計して作ったの!」
「へぇ」
「反応薄ッ!」
「残念ながら美優に頼みたいのは設計じゃない。設計やフィラメント選びは俺がするから、美優は必要に応じてフィラメントの交換をしてくれたらそれでいい」
「なんか簡単そう! ところでフィラメントってなに?」
「3Dプリンタにおけるインクみたいなものだ。普通のプリンタと違い、3Dプリンタではグルグル巻かれた細い糸みたいな物を使う。そのグルグルがフィラメントだ」
「要するにインクみたいなものね!」
「…………」
悠人は無視して3Dプリンタに向かう。
「無視かよッ!」とツッコミを入れつつ美優が続く。
「矢のデザインをするからちょっと待ってな」
悠人は3Dプリンタの手前にあるパソコンを操作した。
慣れた手つきで設計図を作っていく。
「ほんと悠人って何でもできるよねー」
「おかげで親に捨てられても食い扶持には困らないぜ」
「いいじゃん! 自分の力で生きていけるならそれで! 前を向こう!」
「両親と仲がいい奴に言われてもな」
笑いながら、悠人はフィラメントの選択を行う。
「お、UTFがあるじゃん。分かってるなこの学校」
「UTFって?」
「Ultra Timber Flexの略称だ。今年出たばかりのフィラメントでな、名前から分かる通り木材に近い性質を持っている。高性能で安いから木造住宅に革命を起こすって言われているよ」
「おー! なんかすごそう! ウルトラだし!」
設計とフィラメントの選択が終わった。
悠人は「プリント」と書かれたボタンをクリックする。
3Dプリンタがおもむろに動き出し、彼のデザインした矢を作っていく。
ものの数十秒で一本目が仕上がった。
「完璧だな」
矢を持ち上げて微笑む悠人。
見た目は鏃から矢羽根まで木で作られた矢だ。
質感も限りなく木に近い。
「サイズも問題ないし、あとは使い心地だけだな」
悠人はその場で矢を放った。
美優が「ちょ!?」と驚いているが気にしない。
矢は彼の思い描いた通りの軌道で飛んだ。
「よし、使い勝手も完璧だ」
「おー!」
「この矢を量産するから、フィラメントの交換が必要になった時だけ頼む」
「了解! 悠人はナイフを作るの?」
「おう。ナイフは美優もいるよな?」
「もちろん! 素手じゃこの世界は生きていけないってばよ!」
「なんだその口調」
悠人は工房内を移動してカスタムナイフの製造に取りかかる。
ナイフは「ストック&リムーバル」という製法で作ることにした。
削り出した鋼材を研いで焼き入れするだけというお手軽なものだ。
焼き入れ作業が自宅だと難しいけれど、この工房なら問題ない。
「結局、私の出番がないまま終わったよー!」
悠人が作業をしていると美優がやってきた。
プリントされた矢の入った革張りの筒を悠人に見せる。
「その矢筒は?」
「私が作った! 正確には3Dプリンタが作った!」
「ということは自分で設計したわけか」
「いんや! それはAIがやってくれた! 私はボタンを押しただけ!」
「なるほど、どうりで完璧なクオリティに仕上がっているわけか」
「私もやるもんでしょー!」
「ふっ、クリックしただけのくせに誇らしげだな」
そんなこんなでカスタムナイフが完成した。
「美優、ナイフ用のホルスターは?」
「ここに!」
「さすがはAIだ。これまた完璧だな」
「指示したのは私だから!」
「やれやれ、手柄の主張が激しい女だ」
二人はホルスターを腰に装着し、そこにナイフを差した。
「誰にも自慢できないのが悲しいね、弓矢もナイフもいい感じなのに」
「仕方ないさ。いま俺たちと話すのは得策じゃない」
「だからって逃げなくてもいいのに!」
二人が工房に来た時、中には複数の生徒と教師がいた。
魔物と戦うための武器を作ろうとしていたのだ。
しかし二人の姿を見た途端、そそくさと逃げていった。
別に彼らのことが嫌いというわけではない。
東谷に目を付けられたくないからだ
悠人が東谷を返り討ちにした件は、昨夜の内に広まっていた。
「皆に悪意がないのは分かっているし、別に目くじらを立てることでもないさ。それより朝食の調達に行こう」
「さんせーい! 武器を新調したし魔物との戦いが楽しみだねー!」
一夜経て、敵の呼び方が「化け物」から「魔物」に変わっていた。
「楽しみとか言うけど戦うのは俺だぞ」
「私だっていざとなれば戦うし!」
「どうだかな」
二人は笑いながら工房を出ようとする。
その時、工房の扉が開いてある人物が入ってきた。
「よかったー、間に合った。もう出発しちゃったかと思ったよー」
家庭科部の部長こと葵だ。
トンデモサイズの胸がプルンプルン揺れていた。
14
お気に入りに追加
417
あなたにおすすめの小説
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
【書籍化】パーティー追放から始まる収納無双!~姪っ子パーティといく最強ハーレム成り上がり~
くーねるでぶる(戒め)
ファンタジー
【24年11月5日発売】
その攻撃、収納する――――ッ!
【収納】のギフトを賜り、冒険者として活躍していたアベルは、ある日、一方的にパーティから追放されてしまう。
理由は、マジックバッグを手に入れたから。
マジックバッグの性能は、全てにおいてアベルの【収納】のギフトを上回っていたのだ。
これは、3度にも及ぶパーティ追放で、すっかり自信を見失った男の再生譚である。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
異世界帰りの底辺配信者のオッサンが、超人気配信者の美女達を助けたら、セレブ美女たちから大国の諜報機関まであらゆる人々から追われることになる話
kaizi
ファンタジー
※しばらくは毎日(17時)更新します。
※この小説はカクヨム様、小説家になろう様にも掲載しております。
※カクヨム週間総合ランキング2位、ジャンル別週間ランキング1位獲得
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
異世界帰りのオッサン冒険者。
二見敬三。
彼は異世界で英雄とまで言われた男であるが、数ヶ月前に現実世界に帰還した。
彼が異世界に行っている間に現実世界にも世界中にダンジョンが出現していた。
彼は、現実世界で生きていくために、ダンジョン配信をはじめるも、その配信は見た目が冴えないオッサンということもあり、全くバズらない。
そんなある日、超人気配信者のS級冒険者パーティを助けたことから、彼の生活は一変する。
S級冒険者の美女たちから迫られて、さらには大国の諜報機関まで彼の存在を危険視する始末……。
オッサンが無自覚に世界中を大騒ぎさせる!?
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第三章フェレスト王国エルフ編
男女比の狂った世界で愛を振りまく
キョウキョウ
恋愛
男女比が1:10という、男性の数が少ない世界に転生した主人公の七沢直人(ななさわなおと)。
その世界の男性は無気力な人が多くて、異性その恋愛にも消極的。逆に、女性たちは恋愛に飢え続けていた。どうにかして男性と仲良くなりたい。イチャイチャしたい。
直人は他の男性たちと違って、欲求を強く感じていた。女性とイチャイチャしたいし、楽しく過ごしたい。
生まれた瞬間から愛され続けてきた七沢直人は、その愛を周りの女性に返そうと思った。
デートしたり、手料理を振る舞ったり、一緒に趣味を楽しんだりする。その他にも、色々と。
本作品は、男女比の異なる世界の女性たちと積極的に触れ合っていく様子を描く物語です。
※カクヨムにも掲載中の作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる