28 / 30
028 復讐計画とは
しおりを挟む
翌日、朱里は結衣の家に来ていた。
外では人目があるということで結衣が呼んだ。
結衣からすると、朱里に住所を知られたくなかった。
いかにも芸能界の与太話が好きそうなカスだからだ。
しかし、この女と外で打ち合わせをするのは危険だとも思った。
家に呼んだのはやむを得なかったからに他ならない。
「女の子の部屋みたいですね」
結衣の部屋は、朱里が思っているよりも可愛らしかった。
ぬいぐるみがあり、ベッドシーツは白とピンクを基調とした柄物だ。
もっとシックで大人びた空間かと思っていた。
「そりゃ女の子だからね。朱里は吉川と同い年なんでしょ。つまり私とは1歳差なわけ。だったら、こういう部屋でも普通でしょ」
結衣はダイニングテーブルに朱里をつかせる。
その向かいに自らも座り、「それより」と切り出す。
「復讐方法の検討をしようか」
「はい」
「じゃあ、朱里が事前に考えておいた策を聞かせてちょうだい。それを私が実行できるかどうか判断するから」
「分かりました」
朱里は懐から紙を取り出した。
折りたたまれたもので、開くと復讐の案が書いてある。
思ったよりたくさん考えてきたな、と結衣は思った。
「住所の暴露はどうでしょうか? 結衣さんだったら二人の住所を突き止めることができますよね。それをネットに公開するんです」
「意味ないわ。引っ越しすれば終わりだから。芸能人はそういうのに慣れているのよ。もっとも、あの二人の場合は引っ越しすら必要ないわよ。バレても大丈夫なようにセキュリティの強固な所に住んでいるから」
「じゃあ住所の暴露は駄目ですね」
「ネットを使うなら捏造の書き込みのほうが効くんじゃない?」
「やったけど通用しませんでした」
「それは貴方の書き込み内容が業界人ぽくないからじゃないの?」
朱里はむっとした。
「だったら結衣さんが書き込み内容を考えて下さいよ。私がそれをそのまま掲示板に書きますから」
「分かったわ。じゃあ――」
結衣がペラペラとネタを話す。
芸能業界に長くいただけあり、リアリティに溢れていた。
「書き込みますよ?」
「やってちょうだい」
朱里は躊躇うことなく書き込みボタンを押した。
初めて雪穂の悪口を書き込んだ時、彼女はこのボタンを押すまでに1時間も悩んだ。心臓がバクバクして、不安で不安でたまらなかった。
次の書き込みでも30分は悩んだ。
今ではノータイムである。
「返事が来ました」
「ネットって本当に早いんだね」
結衣はネットのことをよく知らない。
PCの操作は論外として、スマホのことも分からなかった。
スマホですることといえばラインか動画の視聴くらいなもの。
SNSはマネージャーに任せていた。
「これが返事ですよ」
朱里が書き込みについた反応を見せる。
冷めたものばかりであった。
大吉や雪穂の絶対的な人気を痛感する。
「本当に通用しないわね……」
「週刊誌にたれ込むってのはどうですか?」
言ったのは朱里だ。
結衣は「週刊誌?」と首をかしげる。
「結衣さんは業界のことに詳しいですよね。それにあの二人と同じ事務所だった。だったら何かしらのネタは握っているんじゃないんですか?」
朱里が興奮気味に言う。
我ながら名案だ、と彼女は思っていた。
しかし結衣は「ふん」と鼻で笑う。
「それが出来たら苦労しないわよ」
「じゃあ、何もないんですか?」
「高峯さんのプロ意識の高さは相当だからね。一般人が思う以上にあの子は徹底しているもの。週刊誌にたれ込むネタなんか微塵も作らないわよ」
「だったら大吉を――」
「吉川大吉も無理。あの男はそもそも業界に染まっていないから。芸能人の友達がいるって話を聞いたことがないし、知っての通り高峯さん以外の女には一切の関心を持っていない。だから女関係のボロも絶対に出ない。プロ意識が高いかどうかは分からないけど、隙がないのは確かよ」
「じゃあ、裏垢とかないんですか?」
「裏垢って?」
「トゥイッターとかSNSの個人アカウントのことですよ。芸能人はマネージャーとかと一緒に公式アカウントで情報を発信するけど、それとは別に一般人を装った個人用のアカウントもあるって言うじゃないですか」
結衣は「あー」と理解した。
たしかにそういう話を聞いたことがある。
「それも無理よ。あの二人……というか、ウチの事務所はSNS周りの扱いはすごくうるさいから。個人でSNSをすること自体が契約で禁止されているから。SNSをしたい時は、事務所の用意した公式アカウントを使わなければならない。それだって発信前にマネージャーの許可が必要なのよ。で、あの二人が契約に違反することはないから、裏垢とやらは絶対にないと断言できるわ」
「じゃあ残っているのはコレしかないじゃないですか」
朱里が一番下の項目を指す。
そこには「悪い男を使って拉致」と書いてあった。
「ドラマの観すぎでしょ」
結衣が口に手を当てて笑う。
それから真顔で言った。
「ぶっちゃけやろうと思えばできるけど、絶対にオススメしない」
「どうしてですか?」
「朱里はゴシップとか好きそうだし聞いたことあると思うけど、芸能界って裏社会ともそれなりに繋がりがあるんだよね」
「ヤ、ヤクザですか?」
「まぁそういうの。もちろん直接取引しているわけじゃないよ。ただ、何かあった時のツテとして、誰かしらはそういう組織に連絡がつけられる業界なのよ。持ちつ持たれつって言うのかな。だからオススメしない。拉致を依頼したってバレただけで何をされるか分からないからさ」
「じゃあ、結衣さんがされて一番嫌だった嫌がらせってなんですか?」
「んー、家のドアノブに使用済みの避妊具が掛けてあったことかな」
「うわぁ……。でも、それいいですね。それにしましょうよ!」
結衣が「だからぁ」と呆れる。
「あの二人のマンションは厳重なんだって。カメラがいっぱいあるから、バレずに悪戯なんて無理だよ。絶対にバレる」
「いいじゃないですか。バレたって」
「えっ」
「私は雪穂に、結衣さんは大吉に人生を壊されたんですよ。なのに、私達の人生を壊したあの二人は幸せに過ごしている。こんな悔しいことないじゃないですか。互いに落ちるところまで落ちたわけですし、ここから巻き返すなんてどうやったって無理。だったら足を引っ張ってやりましょうよ! あの二人の! 死なば諸共、道連れですよ!」
朱里はヒートアップしていた。
アレコレ話している間に気が乗ってきたのだ。
少し楽しいとさえ思っていた。
「たしかに……そうね……」
朱里の言葉は結衣に響いた。
「私の芸能生活は終わった。戻ることはできない。こんな人生、ないのも同じだわ。朱里の言う通り巻き返すのも不可能。だったら、未練なんかない」
「そうですよ! 一緒に嫌がらせしてやりましょう!」
「分かったわ、でも――」
結衣がニヤリと笑う。
「――どうせ逮捕されるなら、もっと派手にやりましょ」
外では人目があるということで結衣が呼んだ。
結衣からすると、朱里に住所を知られたくなかった。
いかにも芸能界の与太話が好きそうなカスだからだ。
しかし、この女と外で打ち合わせをするのは危険だとも思った。
家に呼んだのはやむを得なかったからに他ならない。
「女の子の部屋みたいですね」
結衣の部屋は、朱里が思っているよりも可愛らしかった。
ぬいぐるみがあり、ベッドシーツは白とピンクを基調とした柄物だ。
もっとシックで大人びた空間かと思っていた。
「そりゃ女の子だからね。朱里は吉川と同い年なんでしょ。つまり私とは1歳差なわけ。だったら、こういう部屋でも普通でしょ」
結衣はダイニングテーブルに朱里をつかせる。
その向かいに自らも座り、「それより」と切り出す。
「復讐方法の検討をしようか」
「はい」
「じゃあ、朱里が事前に考えておいた策を聞かせてちょうだい。それを私が実行できるかどうか判断するから」
「分かりました」
朱里は懐から紙を取り出した。
折りたたまれたもので、開くと復讐の案が書いてある。
思ったよりたくさん考えてきたな、と結衣は思った。
「住所の暴露はどうでしょうか? 結衣さんだったら二人の住所を突き止めることができますよね。それをネットに公開するんです」
「意味ないわ。引っ越しすれば終わりだから。芸能人はそういうのに慣れているのよ。もっとも、あの二人の場合は引っ越しすら必要ないわよ。バレても大丈夫なようにセキュリティの強固な所に住んでいるから」
「じゃあ住所の暴露は駄目ですね」
「ネットを使うなら捏造の書き込みのほうが効くんじゃない?」
「やったけど通用しませんでした」
「それは貴方の書き込み内容が業界人ぽくないからじゃないの?」
朱里はむっとした。
「だったら結衣さんが書き込み内容を考えて下さいよ。私がそれをそのまま掲示板に書きますから」
「分かったわ。じゃあ――」
結衣がペラペラとネタを話す。
芸能業界に長くいただけあり、リアリティに溢れていた。
「書き込みますよ?」
「やってちょうだい」
朱里は躊躇うことなく書き込みボタンを押した。
初めて雪穂の悪口を書き込んだ時、彼女はこのボタンを押すまでに1時間も悩んだ。心臓がバクバクして、不安で不安でたまらなかった。
次の書き込みでも30分は悩んだ。
今ではノータイムである。
「返事が来ました」
「ネットって本当に早いんだね」
結衣はネットのことをよく知らない。
PCの操作は論外として、スマホのことも分からなかった。
スマホですることといえばラインか動画の視聴くらいなもの。
SNSはマネージャーに任せていた。
「これが返事ですよ」
朱里が書き込みについた反応を見せる。
冷めたものばかりであった。
大吉や雪穂の絶対的な人気を痛感する。
「本当に通用しないわね……」
「週刊誌にたれ込むってのはどうですか?」
言ったのは朱里だ。
結衣は「週刊誌?」と首をかしげる。
「結衣さんは業界のことに詳しいですよね。それにあの二人と同じ事務所だった。だったら何かしらのネタは握っているんじゃないんですか?」
朱里が興奮気味に言う。
我ながら名案だ、と彼女は思っていた。
しかし結衣は「ふん」と鼻で笑う。
「それが出来たら苦労しないわよ」
「じゃあ、何もないんですか?」
「高峯さんのプロ意識の高さは相当だからね。一般人が思う以上にあの子は徹底しているもの。週刊誌にたれ込むネタなんか微塵も作らないわよ」
「だったら大吉を――」
「吉川大吉も無理。あの男はそもそも業界に染まっていないから。芸能人の友達がいるって話を聞いたことがないし、知っての通り高峯さん以外の女には一切の関心を持っていない。だから女関係のボロも絶対に出ない。プロ意識が高いかどうかは分からないけど、隙がないのは確かよ」
「じゃあ、裏垢とかないんですか?」
「裏垢って?」
「トゥイッターとかSNSの個人アカウントのことですよ。芸能人はマネージャーとかと一緒に公式アカウントで情報を発信するけど、それとは別に一般人を装った個人用のアカウントもあるって言うじゃないですか」
結衣は「あー」と理解した。
たしかにそういう話を聞いたことがある。
「それも無理よ。あの二人……というか、ウチの事務所はSNS周りの扱いはすごくうるさいから。個人でSNSをすること自体が契約で禁止されているから。SNSをしたい時は、事務所の用意した公式アカウントを使わなければならない。それだって発信前にマネージャーの許可が必要なのよ。で、あの二人が契約に違反することはないから、裏垢とやらは絶対にないと断言できるわ」
「じゃあ残っているのはコレしかないじゃないですか」
朱里が一番下の項目を指す。
そこには「悪い男を使って拉致」と書いてあった。
「ドラマの観すぎでしょ」
結衣が口に手を当てて笑う。
それから真顔で言った。
「ぶっちゃけやろうと思えばできるけど、絶対にオススメしない」
「どうしてですか?」
「朱里はゴシップとか好きそうだし聞いたことあると思うけど、芸能界って裏社会ともそれなりに繋がりがあるんだよね」
「ヤ、ヤクザですか?」
「まぁそういうの。もちろん直接取引しているわけじゃないよ。ただ、何かあった時のツテとして、誰かしらはそういう組織に連絡がつけられる業界なのよ。持ちつ持たれつって言うのかな。だからオススメしない。拉致を依頼したってバレただけで何をされるか分からないからさ」
「じゃあ、結衣さんがされて一番嫌だった嫌がらせってなんですか?」
「んー、家のドアノブに使用済みの避妊具が掛けてあったことかな」
「うわぁ……。でも、それいいですね。それにしましょうよ!」
結衣が「だからぁ」と呆れる。
「あの二人のマンションは厳重なんだって。カメラがいっぱいあるから、バレずに悪戯なんて無理だよ。絶対にバレる」
「いいじゃないですか。バレたって」
「えっ」
「私は雪穂に、結衣さんは大吉に人生を壊されたんですよ。なのに、私達の人生を壊したあの二人は幸せに過ごしている。こんな悔しいことないじゃないですか。互いに落ちるところまで落ちたわけですし、ここから巻き返すなんてどうやったって無理。だったら足を引っ張ってやりましょうよ! あの二人の! 死なば諸共、道連れですよ!」
朱里はヒートアップしていた。
アレコレ話している間に気が乗ってきたのだ。
少し楽しいとさえ思っていた。
「たしかに……そうね……」
朱里の言葉は結衣に響いた。
「私の芸能生活は終わった。戻ることはできない。こんな人生、ないのも同じだわ。朱里の言う通り巻き返すのも不可能。だったら、未練なんかない」
「そうですよ! 一緒に嫌がらせしてやりましょう!」
「分かったわ、でも――」
結衣がニヤリと笑う。
「――どうせ逮捕されるなら、もっと派手にやりましょ」
1
お気に入りに追加
68
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
先輩に退部を命じられた僕を励ましてくれたアイドル級美少女の後輩マネージャーを成り行きで家に上げたら、なぜかその後も入り浸るようになった件
桜 偉村
恋愛
別にいいんじゃないんですか? 上手くならなくても——。
後輩マネージャーのその一言が、彼の人生を変えた。
全国常連の高校サッカー部の三軍に所属していた如月 巧(きさらぎ たくみ)は、自分の能力に限界を感じていた。
練習試合でも敗因となってしまった巧は、三軍キャプテンの武岡(たけおか)に退部を命じられて絶望する。
武岡にとって、巧はチームのお荷物であると同時に、アイドル級美少女マネージャーの白雪 香奈(しらゆき かな)と親しくしている目障りな存在だった。
だから、自信をなくしている巧を追い込んで退部させ、香奈と距離を置かせようとしたのだ。
そうすれば、香奈は自分のモノになると思っていたから。
武岡の思惑通り、巧はサッカー部を辞めようとしていた。
しかし、そこに香奈が現れる。
成り行きで香奈を家に上げた巧だが、なぜか彼女はその後も彼の家を訪れるようになって——。
「これは警告だよ」
「勘違いしないんでしょ?」
「僕がサッカーを続けられたのは、君のおかげだから」
「仲が良いだけの先輩に、あんなことまですると思ってたんですか?」
甘酸っぱくて、爽やかで、焦れったくて、クスッと笑えて……
オレンジジュース(のような青春)が好きな人必見の現代ラブコメ、ここに開幕!
※これより下では今後のストーリーの大まかな流れについて記載しています。
「話のなんとなくの流れや雰囲気を抑えておきたい」「ざまぁ展開がいつになるのか知りたい!」という方のみご一読ください。
【今後の大まかな流れ】
第1話、第2話でざまぁの伏線が作られます。
第1話はざまぁへの伏線というよりはラブコメ要素が強いので、「早くざまぁ展開見たい!」という方はサラッと読んでいただいて構いません!
本格的なざまぁが行われるのは第15話前後を予定しています。どうかお楽しみに!
また、特に第4話からは基本的にラブコメ展開が続きます。シリアス展開はないので、ほっこりしつつ甘さも補充できます!
※最初のざまぁが行われた後も基本はラブコメしつつ、ちょくちょくざまぁ要素も入れていこうかなと思っています。
少しでも「面白いな」「続きが気になる」と思った方は、ざっと内容を把握しつつ第20話、いえ第2話くらいまでお読みいただけると嬉しいです!
※基本は一途ですが、メインヒロイン以外との絡みも多少あります。
※本作品は小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しています。
幻想神姫ヴァルキュリア・ミラージュ
黒陽 光
ファンタジー
――――守りたいヒトたちの、守りたい笑顔の為に。
戦部戒斗は幼馴染みのアンジェリーヌ・”アンジェ”・リュミエールや、居候している記憶喪失の乙女・間宮遥とともに実家の喫茶店を手伝う日々を送っていた。
ある日、学園に通うアンジェのクラスに真っ赤な髪の転入生が訪れる。その名はセラフィナ・”セラ”・マックスウェル。新しい友達が出来たと喜ぶアンジェと、そして満更でもない様子のセラ。戒斗や遥とも知り合い、そうして皆は幸せな日々を送っていた。
――――だが、その平穏な日々は何の前触れもなく崩れ去ることになる。
戒斗たちの前に突然姿を現した異形の怪物・バンディット。誰も太刀打ち出来ないまま、人々が襲われていく。
そして、バンディットは戒斗とアンジェまでもを毒牙に掛けようとした。
「…………お二人を守れるのなら。誰かの笑顔を、戒斗さんやアンジェさんの笑顔を守れるのなら……私は、戦います」
「――――チェンジ・セイレーン!!」
その瞬間――――間宮遥は人ならざる存在へと生まれ変わる。人類の進化形、乙女の秘めた可能性の具現化。人間の守護者たる、武力を司りし神の遣い――――神姫ウィスタリア・セイレーンへと。
蒼の乙女が人を超えた戦乙女へと覚醒する時、物語の歯車は回り出す。神姫とバンディット、人智を越えた超常の戦いが、今まさに始まろうとしていた――――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる