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032 絶望の嵐
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ひとたび天候が荒れ始めると、そこからは一瞬だった。
大雨と暴風に成長する。
かつて島でも味わった暴風雨が、再び俺たちを襲った。
「やばいやばいやばい! やばいよ雅人君!」
「一緒に漕ぐぞ!」
俺はスマホをポケットに入れて加勢した。
「「いっち、にー! いっち、にー!」」
声を合わせてパドルを漕ぐ。
「さっきまで晴れていたのに何で!?」
「海は天気が変わりやすいって言うからな!」
「だからってこれは変わりすぎでしょ!」
「同感だ!」
大粒の雨が全身を打ち付け、強烈な風が波を煽る。
波が荒れているせいで全く進まない。
いや、もしかしたら進んでいるのかもしれない。
ただ、進んでいるという感じが全くしなかった。
「うわ!」
伊織がイカダから放り出されそうになる。
俺は慌てて左手を伸ばして彼女の服を掴んだ。
「ありがとう雅人君!」
「あまり端で漕がないほうがいい! 漕ぎにくくても余裕をもたせるんだ!」
「了解!」
全力で漕いで漕いで漕ぎまくる。
イカダが右に左に揺れようがおかまいなしだ。
「そういえばさっき、何を言おうとしていたの?」
伊織が尋ねてきた。
「何のことだ?」
「画期的な何とかって!」
「ああ、そのことか。暗くてもコンパスアプリを使えば真っ直ぐ進めることに気づいたんだよ!」
「でもあのアプリぶっ壊れているでしょ!?」
「表示はな! でも方角の感知機能は無事だ!」
「どういうこと!?」
「細かいことは端折るが、俺たちが正しい方角を分かっている状態でアプリを起動すれば、針路のズレを修正するのに活かせるってことだ!」
「すごいじゃん!」
「だがこの天気じゃ暗闇以前の問題だ!」
風の向きが安定しない。
追い風と思いきや逆風になるなど滅茶苦茶だ。
そのせいで波が四方八方から押し寄せてきて鬱陶しい。
「俺たちが何をしたって言うんだよ!」
「お天道様のバカヤロー!」
吠える俺たち。
驚くことに、この咆哮が天に届いた。
「「お?」」
ピタッと雨が止んだのだ。
風も穏やかになり、雲が薄れていく。
「すごいな! 俺たちが吠えたら快晴が戻ってきたぞ!」
「ありがとうございますお天道様ぁ!」
伊織が腰を下ろす。
「休んでいていいよ。俺が漕いでおく」
「ごめん、お願い! 私ちょっと休憩!」
そう言いつつ、水筒を渡してきた。
蓋が開いていてすぐに飲める状態だ。
「サンキュー」
中の水を一気飲みすると、水筒を海に捨てた。
◇
その後もしばらくは快適な航行が続いた。
クソ暑い中、30分ごとに交代しながらパドルを漕ぐ。
「さっきの暴風雨で荷物を失わなかったのは不幸中の幸いだな」
俺は屋根の下で休みながらドライフルーツを頬張る。
確認しないで口に含んだが、どうやらバナナを食べたようだ。
独特の風味が口の中に広がった。
「屋根のおかげだね!」
「全くだ。こんな形で役に立つとは思わなかったぜ」
屋根が壁となり、土器の落下を防いでいた。
日よけ目的で作った物が予期せぬ形で助けてくれた。
「今ってどのくらい進んだのかな?」
「たぶん15キロくらいじゃないか」
「それだけ!? もう海に出て6時間は経っているのに!」
「1時間以上も暴風雨で停滞していたからなぁ。あの時にどれだけ進めたかにもよるが、全く進めていないなら15キロが関の山だと思う」
「説明されたら納得!」
「じゃ、そろそろ交代だ。水分はケチるなよー」
「もちろん!」
俺は立ち上がり、伊織とタッチする。
パドルを漕ぐ前に、ポケットからスマホを取り出して確認。
「まだ圏外だな」
伊織に「これ」とスマホを渡そうとする。
しかし、彼女は首を振った。
「雅人君が持ってて!」
「いいのか?」
「うん! 私のスカート、ポケットがついていないから! 胸ポケットに入れていると寝転んだ時に落ちそうだし!」
「そういうことなら……」
俺はスマホをズボンのポケットに突っ込んだ。
「明日の朝には到着できるよう頑張るぞ!」
「おー!」
到着予定時刻が順調に延びる中、諦めずにパドルを漕ぐ。
(状況は悪い……が、まだ諦めるほどではない!)
波は穏やか。
風も肌では感じられない程度の微風。
食糧も十分にある。
大丈夫だ。
それに、俺たちにはスマホという希望がある。
陸まで辿り着かなくても、途中で電波が入るはずだ。
そうなれば救助要請の電話を掛けられる。
(ゴールまで着かなくてもいい。電波が入ればそれで助かる!)
一寸先に絶望が佇む中、微かな希望にしがみついている。
運命という名の綱を渡っているかのような状況だ。
「こういう人生もありなんじゃねぇの!」
思わず叫ぶ。
「いきなり吠えてどうしたの!? まるで私みたいじゃん!」
「最高にイイ女と漂流記の一つでも書けそうな経験をしているんだ! そう考えたら今の状況も言うほど悪かないと思ってな!」
伊織の「あはは」という笑い声が背中に当たる。
「もうすぐゴールだ、楽しみにしていろ伊織!」
「12時間以上の距離は『もうすぐ』って言わないよ!」
「細かいことは気にしたら負けだ!」
悲鳴を上げる体に鞭を打ち、「うおおおおお!」と漕ぎまくる。
それによっていくらかスピードが上がった。
しかし――。
「おい、嘘だろ……」
「もういいでしょ! 何でまたなのー!」
――再び雨が降り始めた。
しかも前回と同じだ。
あっという間に大雨になり、風も強まった。
「降ったり止んだり、希望が見えたり消えたり、ふざけるなよ!」
「そーだそーだ!」
伊織も加わり二人でパドルを漕ぐ。
だが、今回はすぐに漕ぐのをやめることになった。
「無理だ! 船にしがみつこう!」
「分かった!」
前回よりも雨風が強くて立っていられなかったのだ。
俺たちは横になり、片手でイカダの後端を掴む。
反対の手や足を使って土器を押さえた。
「屋根があるから両サイドは平気だが、後ろや前は開いている。土器を守るぞ!」
「うん!」
船がぐわんぐわん揺れる中、死ぬ気で耐える。
この嵐が一刻も早く去ることを祈って。
「あ!」
伊織の悲鳴が聞こえる。
「どうした!?」
「雅人君、ドライフルーツが!」
ドライフルーツの詰まった土器の一つが海に投げ出された。
「気にするな! どうにもならん!」
「ごめん! パドルも一本落ちた!」
「大丈夫だ! 予備を作っておいてよかったな!」
波によってイカダの角度が上がる。
本来なら水平だったはずのイカダが垂直付近まで傾いた。
「「うわぁ!」」
もはや土器を守る余裕もない。
俺たちは両手でイカダにしがみついた。
その代償として、土器とパドルをいくつか失う。
「「ふぅ……!」」
どうにか波が落ち着いた。
暴風雨は続いているが、イカダは水平を向いている。
束の間の安寧だ。
「今の内に水分補給だ!」
互いに水筒を一本ずつ空にする。
命の源である水分だけは欠かすわけにいかない。
「土器の半分を失っちゃったね……」
伊織が呟く。
たしかに10個あった土器が5個に減っていた。
「だが大半はドライフルーツだ。貴重な飲み水は守れた」
ドライフルーツと水筒なら水筒のほうが大事だ。
メシは何日か抜いても平気だが、水は1日でも抜くと危ない。
残酷な暑さの続く今夏なら尚更だ。
「それにしてもこのイカダ、すごい耐久度だね。あれだけの波でも壊れずに済んでいるなんて」
そう言って土器を中央に寄せる伊織。
「蔓でガチガチに結んだのが奏功したみたいだな」
「板を打ち付けたのもよかったんじゃない?」
「かもなぁ」
暴風雨の中、どうにか一服することができた。
「立って漕ぐのは危ないし座って漕ぐか。力は落ちるけど安全だ」
伊織が「そうしよう!」と同意する。
しかし、俺たちが座ってパドルを漕ぐことはなかった。
「まずいぞ伊織!」
俺は後ろを指した。
「え?」
伊織が振り返る。
「ちょ……」
言葉を失う伊織。
それは俺も同じだった。
ビルの如き巨大な高波が迫ってきているのだ。
「急いで逃げないと!」
「無理だ!」
俺はパドルを離し、その手で伊織の背中を押して伏せさせた。
「来るぞ! 衝撃に備えろ!」
次の瞬間、高波が俺たちを飲み込んだ。
今しがた耐久度を評価したばかりのイカダが、一瞬にして壊れた。
大雨と暴風に成長する。
かつて島でも味わった暴風雨が、再び俺たちを襲った。
「やばいやばいやばい! やばいよ雅人君!」
「一緒に漕ぐぞ!」
俺はスマホをポケットに入れて加勢した。
「「いっち、にー! いっち、にー!」」
声を合わせてパドルを漕ぐ。
「さっきまで晴れていたのに何で!?」
「海は天気が変わりやすいって言うからな!」
「だからってこれは変わりすぎでしょ!」
「同感だ!」
大粒の雨が全身を打ち付け、強烈な風が波を煽る。
波が荒れているせいで全く進まない。
いや、もしかしたら進んでいるのかもしれない。
ただ、進んでいるという感じが全くしなかった。
「うわ!」
伊織がイカダから放り出されそうになる。
俺は慌てて左手を伸ばして彼女の服を掴んだ。
「ありがとう雅人君!」
「あまり端で漕がないほうがいい! 漕ぎにくくても余裕をもたせるんだ!」
「了解!」
全力で漕いで漕いで漕ぎまくる。
イカダが右に左に揺れようがおかまいなしだ。
「そういえばさっき、何を言おうとしていたの?」
伊織が尋ねてきた。
「何のことだ?」
「画期的な何とかって!」
「ああ、そのことか。暗くてもコンパスアプリを使えば真っ直ぐ進めることに気づいたんだよ!」
「でもあのアプリぶっ壊れているでしょ!?」
「表示はな! でも方角の感知機能は無事だ!」
「どういうこと!?」
「細かいことは端折るが、俺たちが正しい方角を分かっている状態でアプリを起動すれば、針路のズレを修正するのに活かせるってことだ!」
「すごいじゃん!」
「だがこの天気じゃ暗闇以前の問題だ!」
風の向きが安定しない。
追い風と思いきや逆風になるなど滅茶苦茶だ。
そのせいで波が四方八方から押し寄せてきて鬱陶しい。
「俺たちが何をしたって言うんだよ!」
「お天道様のバカヤロー!」
吠える俺たち。
驚くことに、この咆哮が天に届いた。
「「お?」」
ピタッと雨が止んだのだ。
風も穏やかになり、雲が薄れていく。
「すごいな! 俺たちが吠えたら快晴が戻ってきたぞ!」
「ありがとうございますお天道様ぁ!」
伊織が腰を下ろす。
「休んでいていいよ。俺が漕いでおく」
「ごめん、お願い! 私ちょっと休憩!」
そう言いつつ、水筒を渡してきた。
蓋が開いていてすぐに飲める状態だ。
「サンキュー」
中の水を一気飲みすると、水筒を海に捨てた。
◇
その後もしばらくは快適な航行が続いた。
クソ暑い中、30分ごとに交代しながらパドルを漕ぐ。
「さっきの暴風雨で荷物を失わなかったのは不幸中の幸いだな」
俺は屋根の下で休みながらドライフルーツを頬張る。
確認しないで口に含んだが、どうやらバナナを食べたようだ。
独特の風味が口の中に広がった。
「屋根のおかげだね!」
「全くだ。こんな形で役に立つとは思わなかったぜ」
屋根が壁となり、土器の落下を防いでいた。
日よけ目的で作った物が予期せぬ形で助けてくれた。
「今ってどのくらい進んだのかな?」
「たぶん15キロくらいじゃないか」
「それだけ!? もう海に出て6時間は経っているのに!」
「1時間以上も暴風雨で停滞していたからなぁ。あの時にどれだけ進めたかにもよるが、全く進めていないなら15キロが関の山だと思う」
「説明されたら納得!」
「じゃ、そろそろ交代だ。水分はケチるなよー」
「もちろん!」
俺は立ち上がり、伊織とタッチする。
パドルを漕ぐ前に、ポケットからスマホを取り出して確認。
「まだ圏外だな」
伊織に「これ」とスマホを渡そうとする。
しかし、彼女は首を振った。
「雅人君が持ってて!」
「いいのか?」
「うん! 私のスカート、ポケットがついていないから! 胸ポケットに入れていると寝転んだ時に落ちそうだし!」
「そういうことなら……」
俺はスマホをズボンのポケットに突っ込んだ。
「明日の朝には到着できるよう頑張るぞ!」
「おー!」
到着予定時刻が順調に延びる中、諦めずにパドルを漕ぐ。
(状況は悪い……が、まだ諦めるほどではない!)
波は穏やか。
風も肌では感じられない程度の微風。
食糧も十分にある。
大丈夫だ。
それに、俺たちにはスマホという希望がある。
陸まで辿り着かなくても、途中で電波が入るはずだ。
そうなれば救助要請の電話を掛けられる。
(ゴールまで着かなくてもいい。電波が入ればそれで助かる!)
一寸先に絶望が佇む中、微かな希望にしがみついている。
運命という名の綱を渡っているかのような状況だ。
「こういう人生もありなんじゃねぇの!」
思わず叫ぶ。
「いきなり吠えてどうしたの!? まるで私みたいじゃん!」
「最高にイイ女と漂流記の一つでも書けそうな経験をしているんだ! そう考えたら今の状況も言うほど悪かないと思ってな!」
伊織の「あはは」という笑い声が背中に当たる。
「もうすぐゴールだ、楽しみにしていろ伊織!」
「12時間以上の距離は『もうすぐ』って言わないよ!」
「細かいことは気にしたら負けだ!」
悲鳴を上げる体に鞭を打ち、「うおおおおお!」と漕ぎまくる。
それによっていくらかスピードが上がった。
しかし――。
「おい、嘘だろ……」
「もういいでしょ! 何でまたなのー!」
――再び雨が降り始めた。
しかも前回と同じだ。
あっという間に大雨になり、風も強まった。
「降ったり止んだり、希望が見えたり消えたり、ふざけるなよ!」
「そーだそーだ!」
伊織も加わり二人でパドルを漕ぐ。
だが、今回はすぐに漕ぐのをやめることになった。
「無理だ! 船にしがみつこう!」
「分かった!」
前回よりも雨風が強くて立っていられなかったのだ。
俺たちは横になり、片手でイカダの後端を掴む。
反対の手や足を使って土器を押さえた。
「屋根があるから両サイドは平気だが、後ろや前は開いている。土器を守るぞ!」
「うん!」
船がぐわんぐわん揺れる中、死ぬ気で耐える。
この嵐が一刻も早く去ることを祈って。
「あ!」
伊織の悲鳴が聞こえる。
「どうした!?」
「雅人君、ドライフルーツが!」
ドライフルーツの詰まった土器の一つが海に投げ出された。
「気にするな! どうにもならん!」
「ごめん! パドルも一本落ちた!」
「大丈夫だ! 予備を作っておいてよかったな!」
波によってイカダの角度が上がる。
本来なら水平だったはずのイカダが垂直付近まで傾いた。
「「うわぁ!」」
もはや土器を守る余裕もない。
俺たちは両手でイカダにしがみついた。
その代償として、土器とパドルをいくつか失う。
「「ふぅ……!」」
どうにか波が落ち着いた。
暴風雨は続いているが、イカダは水平を向いている。
束の間の安寧だ。
「今の内に水分補給だ!」
互いに水筒を一本ずつ空にする。
命の源である水分だけは欠かすわけにいかない。
「土器の半分を失っちゃったね……」
伊織が呟く。
たしかに10個あった土器が5個に減っていた。
「だが大半はドライフルーツだ。貴重な飲み水は守れた」
ドライフルーツと水筒なら水筒のほうが大事だ。
メシは何日か抜いても平気だが、水は1日でも抜くと危ない。
残酷な暑さの続く今夏なら尚更だ。
「それにしてもこのイカダ、すごい耐久度だね。あれだけの波でも壊れずに済んでいるなんて」
そう言って土器を中央に寄せる伊織。
「蔓でガチガチに結んだのが奏功したみたいだな」
「板を打ち付けたのもよかったんじゃない?」
「かもなぁ」
暴風雨の中、どうにか一服することができた。
「立って漕ぐのは危ないし座って漕ぐか。力は落ちるけど安全だ」
伊織が「そうしよう!」と同意する。
しかし、俺たちが座ってパドルを漕ぐことはなかった。
「まずいぞ伊織!」
俺は後ろを指した。
「え?」
伊織が振り返る。
「ちょ……」
言葉を失う伊織。
それは俺も同じだった。
ビルの如き巨大な高波が迫ってきているのだ。
「急いで逃げないと!」
「無理だ!」
俺はパドルを離し、その手で伊織の背中を押して伏せさせた。
「来るぞ! 衝撃に備えろ!」
次の瞬間、高波が俺たちを飲み込んだ。
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