隘路

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とある友達

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今、両親は出掛けている。
これは良いチャンスだ。

俺はじいちゃんに断って家を出る。
向かう先は、俺の親友である実玲の家だ。

今日の天気は、夏なら恨めしくなるであろう晴天。
道を歩き、横に見える畑では何かをドラム缶に入れて燃している。煙が目の前まで流されてくるので、少し不快だ。

俺は実玲に頼まれて、二人で進めている事がある。
かなり手間がかかるので、学生である俺達は冬休みを利用してチマチマと確実に終らせようとしている。

このままのペースなら、冬休みが終わる2日前には終わるかな…

考えながら歩いていたら、前方に煙が立っているのが見えた。目線で煙の下を辿っていくと、ドラム缶と実玲がいた。

俺は実玲に近づきながら声をかける。

悠斗「実玲、どうだ?」

実玲「あぁ、順調だよ、多分ね。」

悠斗「中は?」

実玲「あと40%くらい残ってるかな?」

悠斗「早く終らせたい?これ」

実玲「まあね、でも考える時間もほしい」

悠斗「確かに、そうだな。ここの全部燃したら中入ろう」

実玲「うん」

どうやら順調のようだ。
実玲は頭が良いから、今回も他と変わらず無事に終わると信じてる。

俺達は家の中に入って作業を始めた。
最初は慣れなかったが、もう大分マシになってきた。

実玲「いや~悪いね、冬休みなのに手伝ってもらって」

悠斗「まあ、仕方ない。やらないといけない事だからな」

実玲「頼れるのが悠斗しかいなくってさ、本当ありがとう」

悠斗「いやいや、俺も実玲には恩があるから」

俺は実玲に助けられた。

今、俺が人と普通に接する事が出来るのは実玲のおかげに違いない。正直、返しきれない恩のような気がする。

そして、この事を考えると毎回の様にあの頃の記憶が甦って、脳で再生される。俺はその記憶と共に生きてきて、振り返るたびに成長を実感してきた。

その記憶の始まりは、毎回同じところからだ。
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