明るい浮気問題

pusuga

文字の大きさ
上 下
2 / 15

進まない尋問

しおりを挟む
 浮気をしたかも知れないし、してないかも知れないと言う妻。
 正確に言うと、先日の同窓会の後、朝起きたら知らない人の家のベッドで――――その後、確認したが誰もいなかったから、とりあえず帰って来たとの事。無論、居酒屋で楽しく飲んで騒いだ以降の記憶無し。

 「…………」

 「――――本当にごめんなさい」

 「すまん。突然の――――しかも最高級寿司が並んでいる状況で、期待ハズレのやりきれない気持ちと色々ツッコミたい気持ち、及び混乱している脳内、ちょっと順を追って尋問させてくれ」

 「え?尋問?私、容疑者なの?」

 「事件ファイルナンバー1919、浮気をしたかも知れない新婚妻――――の容疑者だ」

 「うん。わかった。なんかHなビデオみたいな感じで、やだね?あ、大ちゃんは食べながらでいいよ」

 「…………」

 これは夢だ。

 妻が浮気の自白をしていると言う話しだぞ。コミカル過ぎないか?いくら変わった妻だとしても限度があるだろ。俺も中二病を拗らせた過去があるが、妻の反応は現実的じゃない。総合的に考えても、夢と言う結論で間違いないだろう。
 とりあえず、ホッペをつねってみるか?

 「ウッ!?」

 「どうしたの?」

 「サビが……」

 「え?ワサビ?サビ抜きって言ったのに……店員さん呼ぶね」
  
 感覚は現実だ。
 夢じゃない。
  
 て言うか、そもそも妻が朝帰りなんかした記憶ないぞ?
 ――――そうか。俺が二泊三日の出張の時か……。仕方ない。腹を括ろう。

 「では改めて聞くが、いつの話だ?俺が出張の時か?」

 「うん……」

 「同窓会に行くなんて聞いてないぞ?」

 「言ったよ!しかも、出張じゃなかったら迎えに行ったのに……って言ってたじゃんか」

 「問題なのはそこじゃない」

 「どこなの?同窓会に行く事を聞いてないって事じゃないの?」

 「同窓会に行った事が問題だ」

 「え~!それは横暴じゃない?」

 「何が横暴なんだ?」

 「だって、行く事自体が問題なら、駄目って言ってくれれば良かったじゃんか」

 「それは……お前が楽しそうに話すから……」

 「許可してくれたのに、行った事が問題っておかしくない?横暴――――あ!この場合、理不尽って表現のが的確だよね?」

 「なんでもいいんだよ!と、とにかく、お前が朝起きたら、知らない人の家のベッドで朝を迎えた――――これは紛れもなく事実だし、人道に外れた事をしてるじゃないか!」

 「ちょっと待って?まだ、そこまで話しが行ってないよ?一から順を追うなら、同窓会始まってからの様子からじゃない?」

 「…………」

 当事者であり、立場と言う概念を取っぱらった場合、妻の言う事は間違ってないと思ったので、順を追って尋問する事にしよう。

 

 

 

 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

久野市さんは忍びたい

白い彗星
青春
一人暮らしの瀬戸原 木葉の下に現れた女の子。忍びの家系である久野市 忍はある使命のため、木葉と一緒に暮らすことに。同年代の女子との生活に戸惑う木葉だが……? 木葉を「主様」と慕う忍は、しかし現代生活に慣れておらず、結局木葉が忍の世話をすることに? 日常やトラブルを乗り越え、お互いに生活していく中で、二人の中でその関係性に変化が生まれていく。 「胸がぽかぽかする……この気持ちは、いったいなんでしょう」 これは使命感? それとも…… 現代世界に現れた古き忍びくノ一は、果たして己の使命をまっとうできるのか!? 木葉の周囲の人々とも徐々に関わりを持っていく……ドタバタ生活が始まる! 小説家になろう、ノベルピア、カクヨムでも連載しています!

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

処理中です...