恋はあせらず

 暖かく優しい風と共に甘い香りが鼻をくすぐる。
「恋はあせっちゃダメよ」
 ドライヤーの風切音を超えてママの声が優しく耳に届く。
「ゆっくりと時間をかけて育めばいいの」
 三面鏡と仲良しな、まあるくて柔らかい椅子。ママが綺麗になる魔法の椅子。
 ママのお化粧道具でイタズラするから勝手に座るとしかられるけれど、お風呂上がりにはいつもお尻を優しく包んでくれる。
 床に届かない足をぶらつかせた私にとって、それはすごく幸せな時間。
「なぜって?素敵な恋はそう簡単には訪れないものよ」
 暖かい風と共に髪の間をジグザグに指が動く。
 忙しなく動いていた手は最後にそっと肩に触れる。
「与え与えられる事に幸せを感じられたらそれが恋よ」
 優しく微笑むママの顔は鏡の奥まで続いていた。

 お陰様で私、宇佐美 鈴香は恋愛に対して不器用に育ちました。
24h.ポイント 0pt
0
小説 192,194 位 / 192,194件 恋愛 57,271 位 / 57,271件

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

彼の瞳に映らないように

奏 -sou-
恋愛
ロイド皇太子との出会いは 令嬢たちにいじめられてる真っ最中でした そのあとよく校内でばったりと会うことが多くなりロイド皇太子の婚約者であるイザベルに目をつけられるようになってしまう。 だけどこの思いは止められない。 さあ、イザベルに隠れてロイド皇太子と愛を育んで婚約者の座を奪おう!! ミニゲームをクリアしてロイド皇太子の好感度を上げよう!クリアすると他のキャラを攻略できる!! PG12対象(小学生以下のお子様が視聴する際、保護者の助言・指導が必要です) ーーーーーーーー そんなゲームを姪がやってる姿を傍観者として見ていた記憶がある私の現在名はイザベル・シュワット 某人気オトメゲームの悪役令嬢の名前と一緒だと気づいたのは主役であるマリアージュとロイド皇太子が周りにはバレて無いだろうと思ってるようだけどバレバレの恋してます感を出してきだした辺りから。 このゲーム初めから複数人選べれるんじゃなくてまずは皇太子をクリアしないと周りのイケメンたちを選べないゲームらしくて、どう考えても自分の運命は良くて家族の縁を切られ追放、悪くて打首だったはず。 残念だけどロイド皇太子に何の感情もない私はこのチャンスを利用させていただきます。 ということで、打首は避けたいけれど追放コース目指して悪役令嬢に適度に徹します。 どうぞ、マリアージュ男爵令嬢と幸せに。 って、あれ?どういうことかしら。 私の第三のステキな人生の幕開けをしたはずなのだけど、、 ▷▶︎▷ ⚠️その後(本編)での注意 ※過去編で多少の性的描写の表現があります ※過去編以降に話が進むにつれて18歳以下禁止内容が多くなります。 のんびり更新/転生/選択肢END有り

皇帝陛下は身ごもった寵姫を再愛する

真木
恋愛
燐砂宮が雪景色に覆われる頃、佳南は紫貴帝の御子を身ごもった。子の未来に不安を抱く佳南だったが、皇帝の溺愛は日に日に増して……。※「燐砂宮の秘めごと」のエピローグですが、単体でも読めます。

お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。

下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。 またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。 あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。 ご都合主義の多分ハッピーエンド? 小説家になろう様でも投稿しています。

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

旦那の真実の愛の相手がやってきた。今まで邪魔をしてしまっていた妻はお祝いにリボンもおつけします

暖夢 由
恋愛
「キュリール様、私カダール様と心から愛し合っておりますの。 いつ子を身ごもってもおかしくはありません。いえ、お腹には既に育っているかもしれません。 子を身ごもってからでは遅いのです。 あんな素晴らしい男性、キュリール様が手放せないのも頷けますが、カダール様のことを想うならどうか潔く身を引いてカダール様の幸せを願ってあげてください」 伯爵家にいきなりやってきた女(ナリッタ)はそういった。 女は小説を読むかのように旦那とのなれそめから今までの話を話した。 妻であるキュリールは彼女の存在を今日まで知らなかった。 だから恥じた。 「こんなにもあの人のことを愛してくださる方がいるのにそれを阻んでいたなんて私はなんて野暮なのかしら。 本当に恥ずかしい… 私は潔く身を引くことにしますわ………」 そう言って女がサインした書類を神殿にもっていくことにする。 「私もあなたたちの真実の愛の前には敵いそうもないもの。 私は急ぎ神殿にこの書類を持っていくわ。 手続きが終わり次第、あの人にあなたの元へ向かうように伝えるわ。 そうだわ、私からお祝いとしていくつか宝石をプレゼントさせて頂きたいの。リボンもお付けしていいかしら。可愛らしいあなたととてもよく合うと思うの」 こうして一つの夫婦の姿が形を変えていく。 --------------------------------------------- ※架空のお話です。 ※設定が甘い部分があるかと思います。「仕方ないなぁ」とお赦しくださいませ。 ※現実世界とは異なりますのでご理解ください。

アルバートの屈辱

プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。 『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。

処理中です...