勇者召喚に巻き込まれた水の研究者。言葉が通じず奴隷にされても、水魔法を極めて無双する

木塚麻弥

文字の大きさ
上 下
54 / 101
第2章 水の研究者、魔族と戦う

第54話 水の研究者 vs 水の魔族

しおりを挟む

「お、俺の目がおかしくなっちまったのか? 水魔法使いが、雷魔法使いを倒しちまった……。これ、夢じゃねーよな」

「だから言ったニャ。ウチのトールは最強だってニャ」

 ミーナが褒めてくれて嬉しい。でも今はそんなことより、さっきの戦闘音を聞いた他の奴らがここへ向かってきている。すぐに逃げなきゃいけない。

「ふたりとも、逃げますよー!」

「に、逃げるったって、ここの出入り口は一か所しか──」

水よマイン分離してレファフィリード 浸透しハディラ 揺れ動けナドニディラ

  雷魔法使いの血を使って地下牢の床に水を浸透させ、それを震わせた。特定の場所だけ震わせたことにより、石床の一部が崩落する。

「え、えぇぇぇぇええええ!? ゆ、床が、抜けやがった」

「ここ、下水道の間上なんです。少し匂いますが、ここから逃げます」

 頑張ればこの屋敷にいる全員を倒せなくはないけど、命を奪おうと襲ってきてもない奴らを一方的に殺してしまうのも気が引ける。だから下水道を通って逃げることにした。嗅覚の良いミーナには申し訳ない。

 と思っていたら、彼女はいつの間にか布で口と鼻を覆っていた。“行けるニャ”と言わんばかりにOKのハンドサインを見せてくる。

「で、でも、すぐ追いつかれるんじゃねーか? 下水は魔導都市全域に張り巡らされてるもんじゃねぇ。いくつかの貴族の屋敷を繋いで外界に流れるほぼ一本道だぞ」

水よマイン障壁となれレハキーフ

 厚さ3メートルくらいの水の壁で地下牢まで続く通路を塞いだ。

「これで時間が稼げるでしょう。この地下牢までこれなければ、下水から逃げたってのもしばらくは気付かれないはず」

「こ、これだけの水量を……。お前さん相当規格外な魔法使いだな」

「あと、雑菌いっぱいの下水道を通るので、身体に傷があるとヤバいです。だからこれを飲んでください」

「なんだこれ、治療薬の一種か? こんな綺麗なもん、見たことねーが」

 そう言いながらもガロンヌさんは俺が渡した小瓶の中身を飲み切ってくれた。

「恩人の指示だから中身も聞かずに飲んだが、なんだったん──って、おぉぉぉおおお! なんじゃこりゃ!? 傷が、全部消えたぞ! あと身体が軽い!!」

「世界樹から貰ったエリクサーです。上級治療薬だと傷が完全に消えるまでに時間がかかるので」

「エリクサー!? お、俺なんかのために、そんな貴重なものを」

 俺の杖を作ってもらう大切な職人さんですからね。このくらいのことはしますよ。エリクサーは世界樹に頼めば、またくれるだろうし。ガロンヌさんに恩を売っておけば、頑張って良いもの作ってくれるだろうって打算もある。

「敵が何人か俺の水に触れ始めています。そろそろ逃げますよ!」


 ──***──

 その後、俺たちは無事に貴族の屋敷から逃げ出した。

 そして騒ぎが大きくなる前に水と氷魔法の応用で宙に浮かび、城壁を超えて魔導都市から脱出することに成功した。

「まさかこの俺が空を飛べるとは。貴重な体験をさせてもらった」

「馬まで飛ばしちゃうとは思わなかったニャ」

 荷物も移動用の馬も。すべてを飛ばして一気に脱出していた。

「俺とミーナをここまで連れて来てくれた優秀なこの子たちを置いていくわけにはいかないからね」

 ここまでは良かった。

 かなり魔力を消費して逃げたが、水魔法は音も光も発生させない。目視できる位置にいなければ膨大な魔力が放出されていても、遠くからではまず気付かれない。だからヒトにはバレずに逃げることができた。

 ──そう。
 ヒトにはバレなかった。


「先ほどの強力な魔力反応。お前たちか?」

 馬を走らせ逃げる俺たちの前に、ひとりの男が立ちふさがった。

 彼の額には青く綺麗な角が生えている。瞳と髪は青みがかっていて、耳はエルフと人族の中間ぐらいの長さに尖がっていた。

 魔力量は今の俺より多い。

 コイツ、魔族だ。

「トール。こいつなんかヤバい気がするニャ」

「な、なんだ? 震えが止まらねぇ」

 ミーナも目の前の男が只者ではないと気付いた様子。ガロンヌさんは魔族が放つ殺気を含んだ魔力にあてられたようで、俺の背後で身体を小刻みに震わせていた。

「ミーナ、ガロンヌさんを守って」

 馬から降り、前に出る。
 
「……お前、魔法使いだな。人族にしては魔力量が多いが」

「貴方は魔族ですね?」

「確かに俺は魔族だ。しかしお前、どうして俺たちのことを知っている?」

「ま、魔族!?」
「これが、魔族かニャ」

 背後のふたりの声には恐怖と絶望が混じっていた。

「別の魔族に会ったことがあるんですよ」

「ほぅ。俺と別の魔族に会ったのに、どうしてお前は生きている? ヒトを殺さず見逃すような変わり者、俺が知る限るいないぞ」

 見逃してもらったわけじゃないからな。魔族を倒して、俺は今ここにいる。

「お前に興味が湧いた。お前の名は? どんな魔族に会った?」

「トールと言います。俺が会ったのは、雷を使う魔族さんでした」

 もしかしたらコイツがヒトと友好的なタイプの変わり者の魔族かもしれないという可能性を信じて、丁寧に答えておいた。

 でも何かが地雷だったようだ。

「雷の……。では、まさかお前が?」

 魔族から発せられる殺気が強くなる。

「雷を使う魔族はゼオルのみ。奴が遭遇した人族を見逃すなど絶対にない! そして奴は消滅した。俺は嫌いな奴だったが……。それでも、同胞を殺した者は許さん! 貴様、異世界から来た勇者だな!?」

「ち、違います!」

 俺は勇者ではないです。
 異世界から来たけども。

 巻き込まれただけです!

 なんて言い訳が通用する感じではなかった。

「貴様が勇者でなくとも構わん。それだけの魔力量。ゼオルと遭遇して生きていること。このふたつだけで、俺がお前を殺す理由になる。水よマイン!」
 
 魔族の周囲に大量の水が集まってきた。

 コイツ、水魔法が使える魔族か!

「これだけの水量を扱える水魔法を見るのは初めてか? これが我ら、魔族の力だ! さぁ、恐怖せよ!!」

 魔族はすごく良い笑顔だった。俺が驚いているのを見て、喜んでいる様子。

 でも俺はこの魔族が小物に思えた。魔力量は確かに多いが、言動からしてこいつが弱いんじゃないかと思い始めていた。

 なんとなくだけど、魔族が集めた水を奪えるんじゃないか。そう思ってしまった。

 試してみよう。

 魔力を放出し、魔族が集めた水を覆う。そしてその水から魔族の魔力を追いやるイメージで、俺の魔力を侵透させる。

 ……よし、いけそうだ。


水よマイン舞えリクォード


 魔族の周囲に滞空していた水がこちらに飛んできて、俺の周囲をふわふわと旋回し始めた。

「えっ」

 何が起きたのか、理解できない様子の魔族。

 俺は他人が魔法で集めた水でも奪えるってことが分かった。

「あ、えっ。なんで? なんで俺の水が? えっ?」

 魔族が集めてくれた水は、これまで俺が操作してきたどんな水より俺の意志が反映されていた。とてもスムーズに動かすことができる。

 いいな、この水。
 もっと欲しい。

「あなたが集めてくれた水。もらっちゃいました」

「ふ、ふざけるな! 人族がそんなこと、できるわけないだろうが!!」

 そう言われましても……。
 出来ちゃったからなぁ。

「何かの間違いだ! 俺の魔法が人族に盗られるはずがない!! 水よマイン!」

 先ほどより多くの水が集まってきた。

 おぉ、ラッキー!!

 再び魔族の水を俺の魔力で覆い、その制御権を奪い取る。

水よマイン舞えリクォード!」

 大量の水が俺の方に移動してきた。

「わ、わたすかぁぁぁあああ!!」

 一部の水に全力で魔力を流して、俺に盗られまいと必死に抵抗している水の魔族。

 俺としてはこれだけ大量に水をもらったので、もう満足している。

 こいつが集めた水は、今後も大切に使わせてもらおう。


水よマイン回れディスドーヴ
「かひゅ──」

 水の輪っかを出現させ、魔族の首の周りで超高速回転させる。俺に盗られまいと水を魔力で引っ張ることに躍起になっていた魔族は、避ける間もなく首を切断された。

 首を失った魔族の身体が膝から崩れ落ち、地面に倒れそうになる。しかしその身体は地面に着く前に真っ白な灰になって消えてしまった。

 まさか、1回で死んだのか?

 雷の魔族は窒息死させたあと、身体を切り刻み続けて3日後に身体が消滅したと世界樹から報告を受けていた。消え方は世界樹に聞いたのと同じだったので、倒せたのは間違いないだろう。

 小物っぽかったので、生き返れる残機がなかったのかもな。

 なんにせよ、13体出現するとされている魔族のうち、2体目を倒すことができた。

「……え。魔族を、倒せちゃったのかニャ?」

「う、うそだろ、おい」

 ガロンヌさんはともかく、ミーナには俺が魔族を倒すところを見せられて良かったと思う。これで俺に魔族を倒す力があると証明できた。

「弱い魔族で良かったです。さぁ、先に進みましょう──って、なんだあれ?」

 魔族がきえた場所。

 そこに綺麗な青い角が落ちていた。

 魔族の額に生えていたやつだ。

 ゲームとかだと、こーゆーのってレアアイテムになるんだよな。

「水魔族の角ゲットだぜ!!」

 雷魔族の角も残ってたりするのかな? あとで世界樹に確認しておこう。
しおりを挟む
感想 21

あなたにおすすめの小説

転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。

克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります! 辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する

高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。 手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

レベルが上がらずパーティから捨てられましたが、実は成長曲線が「勇者」でした

桐山じゃろ
ファンタジー
同い年の幼馴染で作ったパーティの中で、ラウトだけがレベル10から上がらなくなってしまった。パーティリーダーのセルパンはラウトに頼り切っている現状に気づかないまま、レベルが低いという理由だけでラウトをパーティから追放する。しかしその後、仲間のひとりはラウトについてきてくれたし、弱い魔物を倒しただけでレベルが上がり始めた。やがてラウトは精霊に寵愛されし最強の勇者となる。一方でラウトを捨てた元仲間たちは自業自得によるざまぁに遭ったりします。※小説家になろう、カクヨムにも同じものを公開しています。

巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?

サクラ近衛将監
ファンタジー
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。 *この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。 **週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~

きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。 洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。 レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。 しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。 スキルを手にしてから早5年――。 「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」 突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。 森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。 それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。 「どうせならこの森で1番派手にしようか――」 そこから更に8年――。 18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。 「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」 最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。 そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。

神様に与えられたのは≪ゴミ≫スキル。家の恥だと勘当されたけど、ゴミなら何でも再生出来て自由に使えて……ゴミ扱いされてた古代兵器に懐かれました

向原 行人
ファンタジー
 僕、カーティスは由緒正しき賢者の家系に生まれたんだけど、十六歳のスキル授与の儀で授かったスキルは、まさかのゴミスキルだった。  実の父から家の恥だと言われて勘当され、行く当ても無く、着いた先はゴミだらけの古代遺跡。  そこで打ち捨てられていたゴミが話し掛けてきて、自分は古代兵器で、助けて欲しいと言ってきた。  なるほど。僕が得たのはゴミと意思疎通が出来るスキルなんだ……って、嬉しくないっ!  そんな事を思いながらも、話し込んでしまったし、連れて行ってあげる事に。  だけど、僕はただゴミに協力しているだけなのに、どこかの国の騎士に襲われたり、変な魔法使いに絡まれたり、僕を家から追い出した父や弟が現れたり。  どうして皆、ゴミが欲しいの!? ……って、あれ? いつの間にかゴミスキルが成長して、ゴミの修理が出来る様になっていた。  一先ず、いつも一緒に居るゴミを修理してあげたら、見知らぬ銀髪美少女が居て……って、どういう事!? え、こっちが本当の姿なの!? ……とりあえず服を着てっ!  僕を命の恩人だって言うのはさておき、ご奉仕するっていうのはどういう事……え!? ちょっと待って! それくらい自分で出来るからっ!  それから、銀髪美少女の元仲間だという古代兵器と呼ばれる美少女たちに狙われ、返り討ちにして、可哀想だから修理してあげたら……僕についてくるって!?  待って! 僕に奉仕する順番でケンカするとか、訳が分かんないよっ! ※第○話:主人公視点  挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点  となります。

処理中です...