20 / 101
第1章 水の研究者、異世界へ
第20話 野営(※)
しおりを挟む「ダメにゃ。次の町まではまだ遠そうニャ」
「そう。偵察ありがと」
日が沈んできた。少しミーナに先行してもらい、小高い丘の上から周囲を確認してもらったが、見渡せる範囲に人が住む村や町はなかったようだ。
「今日はここで野営しようか」
「ウチは平気だけど、トールは良いのかニャ?」
「ここで寝るしかなければそうするよ」
ミーナが心配そうに聞いてきた。野宿もできない軟弱者と思われているのだろうか? 舐めないでもらいたい。確かにこのようなキャンプ道具も持たない状態で野外で寝る経験はない。それでも研究が忙しくて家に帰れず、何日も研究所の硬い床で寝たことはある。子どもの頃は親に連れられてキャンプしたことだってあるんだ。
逆に俺はこの状況に少しワクワクしていた。
「周りが見えなくなっても移動し続ける方が危険だろ」
「確かにそうニャ。それじゃ、今日はこの辺で寝れそうな場所探すニャ。ちなみにトールは地面と木の上、どっちがいいかニャ?」
そうか、ミーナは猫獣人だったな。地上を闊歩する夜行性の魔物に襲われにくい木の上で寝るって選択肢があるんだ。
「俺は地面で寝るよ。木から落ちないように寝られないし、こいつらのそばにいて守ってやらないと」
そう言いながら、俺たちをここまで乗せてきてくれた馬の背を撫でた。魔物の襲撃にも怯えることなく、冷静に俺たちの指示に従ってくれた優秀な馬たちだ。これからの移動のためにも失うわけにはいかない。
「ならウチも下で寝るニャ。トールのそばで寝てるのが一番安全だからニャ」
「うん。自動防御する水魔法は範囲指定型だから、そばにいてくれた方が良いな」
ただ、安全と言い切ることはできない。俺がミーナを襲わない保証ができないからだ。でもさすがに、外でヤるのは我慢した方が良いか。自動防御魔法を展開したとしても危ない気がするが──
「ちなみに今日はするのかニャ?」
「……おい、まさか」
「そのまさかニャ」
ミーナが俺に身体を寄せ、俺の息子を触ってくる。
「トールにご奉仕するのがウチの役目ニャ。トールの魔法が自動で守ってくれて安全なら、今晩しない理由がないニャ」
「お、俺はそんなことさせるためにミーナを連れてきたわけじゃない!」
襲わない保証ができないなどとふざけて考えていても、ほんとにするつもりはないんだ。もちろん彼女とヤりたくないわけじゃない。ただ俺も時と場をわきまえる理性くらいは持ち合わせているつもりだ。
「じゃあ、ウチは通訳として? それとも戦闘要員? ウチはどうしたら、何を頑張ればトールのお役にたてるか教えてほしいニャ!」
「無理になにかを頑張る必要なんてないよ。俺はただ、ミーナみたいな可愛い子と一緒に旅をできたら楽しいかなって思って」
ミーナを引き寄せ、ギュッと抱きしめる。
「戦闘とか、危ないことは全部俺がやる。野営の見張りとかも任せてくれ。3日くらいなら連続で徹夜できる。慣れてるから問題ない。だから、俺についてきてくれるだけで十分なんだ」
「……でも、トールのここはウチとシたいって言ってるニャ」
愚息が最大サイズになっていた。
良い感じなセリフを言って綺麗に収めようとしたのに。なんでだ、我が息子よ! 確かにミーナを抱きしめた時にふわっといい香りがしたし、武具を身に付けていない彼女の柔らかな胸の感触が伝わってきたからって……。今はダメだろ!!
「こんなに大きくなって、すごぐ辛そうニャ」
ミーナが俺のズボンを手ですりすりしてくる。コイツもコイツで、せっかく我慢してる俺になんでそんな仕打ちをするんだよ! 俺に襲われたいのか!? ここは野外だぞ! 魔物が来るかもしれないんだぞ!?
「いくらトールの魔法で守られてるって言っても、魔物はたくさん寄ってくるかもしれないニャ。ただ外でするのもドキドキするけど、魔物に見られながらなんて」
俺の耳元に口を近づけたミーナが囁く。
「すっごく興奮しそうニャ」
はい、アウトー! アウトです。もう我慢できませーん! 囁き声がエロ過ぎるし、耳元でそんなこと言われたら紳士な俺でも無理です。絶対に襲います。
というか、俺の身体はもう動いてます。
「あっ、トール…ん、んんっ!」
俺の手が勝手にミーナの胸を服の上から揉んでいた。彼女の口から洩れる嬌声が俺をいっそう興奮させる。
ちなみにミーナを待っている間、魔物に襲われないよう自動防御の水魔法は周囲に展開済みだった。展開といっても、俺の魔力を溶け込ませて複数の詠唱をした水を用意し、その水が入った容器を周囲にいくつか置いただけ。これで近づいてきた奴らを自動で迎撃してくれる。俺の魔力を含んだ水を事前に飲んでおけば、自動攻撃の対象外となる。もちろん馬たちにも飲まさせた。
だから魔物の襲撃など気にせずミーナを襲える。
「だ、だめニャ。そ、そこ──んっ!!」
幾度となくミーナと身体を重ね、だんだんと彼女の好きな場所が分かってきた。敏感な部分に指を這わせるたびにビクンと身を震わせるのが可愛い。そしてそれを必死に隠そうとしている様子が俺の嗜虐心を増長させる。
「ミーナ、脱いじゃおっか」
野外で女性を脱がせるなんて紳士にあるまじき行為だ。絶対にやっちゃダメ。だけど我慢してた俺を挑発してきたのは彼女のほう。
俺はもう、己の欲望に身を任せることにした。
0
応援よろしくお願いします!!
別作品も投稿してます! こっちも見てねー!!
スキル【特許権】で高位魔法や便利魔法を独占!
俺の考案した魔法を使いたいなら、特許使用料を
ステータスポイントでお支払いください
お気に入りに追加
922
あなたにおすすめの小説
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

レベルが上がらずパーティから捨てられましたが、実は成長曲線が「勇者」でした
桐山じゃろ
ファンタジー
同い年の幼馴染で作ったパーティの中で、ラウトだけがレベル10から上がらなくなってしまった。パーティリーダーのセルパンはラウトに頼り切っている現状に気づかないまま、レベルが低いという理由だけでラウトをパーティから追放する。しかしその後、仲間のひとりはラウトについてきてくれたし、弱い魔物を倒しただけでレベルが上がり始めた。やがてラウトは精霊に寵愛されし最強の勇者となる。一方でラウトを捨てた元仲間たちは自業自得によるざまぁに遭ったりします。※小説家になろう、カクヨムにも同じものを公開しています。

巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?
サクラ近衛将監
ファンタジー
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。
*この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。
**週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**

凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!

スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~
きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。
洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。
レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。
しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。
スキルを手にしてから早5年――。
「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」
突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。
森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。
それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。
「どうせならこの森で1番派手にしようか――」
そこから更に8年――。
18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。
「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」
最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。
そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。

神様に与えられたのは≪ゴミ≫スキル。家の恥だと勘当されたけど、ゴミなら何でも再生出来て自由に使えて……ゴミ扱いされてた古代兵器に懐かれました
向原 行人
ファンタジー
僕、カーティスは由緒正しき賢者の家系に生まれたんだけど、十六歳のスキル授与の儀で授かったスキルは、まさかのゴミスキルだった。
実の父から家の恥だと言われて勘当され、行く当ても無く、着いた先はゴミだらけの古代遺跡。
そこで打ち捨てられていたゴミが話し掛けてきて、自分は古代兵器で、助けて欲しいと言ってきた。
なるほど。僕が得たのはゴミと意思疎通が出来るスキルなんだ……って、嬉しくないっ!
そんな事を思いながらも、話し込んでしまったし、連れて行ってあげる事に。
だけど、僕はただゴミに協力しているだけなのに、どこかの国の騎士に襲われたり、変な魔法使いに絡まれたり、僕を家から追い出した父や弟が現れたり。
どうして皆、ゴミが欲しいの!? ……って、あれ? いつの間にかゴミスキルが成長して、ゴミの修理が出来る様になっていた。
一先ず、いつも一緒に居るゴミを修理してあげたら、見知らぬ銀髪美少女が居て……って、どういう事!? え、こっちが本当の姿なの!? ……とりあえず服を着てっ!
僕を命の恩人だって言うのはさておき、ご奉仕するっていうのはどういう事……え!? ちょっと待って! それくらい自分で出来るからっ!
それから、銀髪美少女の元仲間だという古代兵器と呼ばれる美少女たちに狙われ、返り討ちにして、可哀想だから修理してあげたら……僕についてくるって!?
待って! 僕に奉仕する順番でケンカするとか、訳が分かんないよっ!
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる