36 / 59
第36話 城の内部紹介
しおりを挟むこんにちは。
僕、クルフィン。
エルフ族で、今年七歳になったよ。
エルフは五歳くらいまでは人族の子どもと同じくらいの早さで成長するんだけど、それ以降の成長はすごくゆっくりなんです。
だから身長がなかなかおっきくならないのが僕の悩み。
僕とほとんど歳が変わらない羊獣人のメイちゃんは、僕よりも背が高い。今後も僕はあんまり成長できないのに、メイちゃんはどんどんおっきくなっちゃうって思うとちょっと悲しい。
種族が違うから、仕方ないのかな……。
──っと。
こんな暗い話してもつまんないね。
楽しいことをお話しよう。
そうだね……。
それじゃ、僕の新しいお家。
このお城を案内するって言うのはどうかな?
うん、興味がある?
オッケー!
なら、さっそく中に入ろう。
ちなみにこのお城の周囲には僕のママの魔具で『にんしきそがいの魔法』ってのがかけられていて、僕たち家族じゃなきゃお城を見ることもできないんだ。凄いでしょ。
お城は周りをぐるっと高い壁で囲われてて、敷地に入るための出入り口は正門と裏口がある。他にも秘密の出入り口があるんだけど、パパに家族以外には内緒だよって言われてるから君にはまだ教えてあげられないかな。
壁の中に入るとシスタお姉ちゃんたちが育ててる野菜の畑がある。ここでできたお野菜は僕も食べれるよ。お姉ちゃんたちが頑張って育ててくれたのだからね。
建物の中に入るよ。
……どう?
びっくりするよね。
僕も初めて入ったとき驚いたもん。
ほんとにここが僕たちのお家になるの!? って。
天井にあるおっきな照明はシャンデリアって言うらしい。ロビーの床に敷かれた真っ赤な絨毯はふかふかで、靴のまんまで歩いていいのか不安になる。でもクリーンって魔法がかけられてる高級品だから、汚れることがないんだ。この絨毯の上を歩くことで、お城の内部に土とかを入れないようにしているみたい。
だから君も、ちょっとここを歩いて。
うん。ありがとね。
ロビーの正面にあるお部屋は応接室って言うんだけど、パパやママはあんまりお客さんを呼ぶつもりがないらしいからほとんど使われてない。
左右にある大きく曲がった階段を上がっていくと二階だね。向かって右側が僕たち子どもが寝るお部屋。左側にはパパとママが寝るお部屋がある。寝るとき寂しいから、みんなでパパたちのお部屋に行っちゃうこともある。パパたちはちょっと困った顔をするときもあるけど、いつも僕らと一緒に寝てくれるんだ。パパもママも、大好き!!
君も家族になったら、僕らと一緒に寝ようね。
ん? 心配なの?
大丈夫だよ。パパはすっごく優しいし、パパが良いよって言ってくれればママも許してくれる。だからそんな不安そうな顔をしないで。
さ、お城の案内をつづけるよー。
ロビーの左側に進んでいくと食堂がある。ここで家族みんなが集まってご飯を食べるの。みんなで食べるごはんって、すごく良いんだよ。ママやお姉ちゃんたちが作ってくれる料理もおいしいから期待してね。
なんだか良いにおいがする。
ちょっと行ってみようか。
今日の料理当番はミィお姉ちゃんみたい。
そう、あの猫獣人の女の人だよ。
ミィお姉ちゃんはお魚料理が多いかな。
自分でおっきなお魚を捕まえてきて料理してる。
あれ? もしかして君、お腹空いてる?
そっか。ちょっと待ってね。
「あっ! クルフィン! あんた、またつまみ食いして!!」
「あははは。ごめんなさーい」
少しパンをもらってきたよ。
夕飯はまだまだ先だから。
ん? 僕が怒られないか?
大丈夫だよ。いつものことだから。
このパンはママが焼いてくれたやつで、みんな大好きなの。僕もお腹空いたから、半分こで良い? うん、ありがと。それじゃこっちが君のね。
さて、食べ終わったしお城案内の続きだよ。
ロビーの右側に進んでいくとお風呂とか倉庫がある。
僕はパパやテルー兄と一緒に入ってる。
たまにママと一緒に入ることもあるかな。
今日は僕が君を洗ってあげるね。
「クルフィン。それ、どうしたんだ?」
「パパ!」
振り返ると僕のパパがいた。
「この子ね、お城の外で見つけたの。ひとりみたいで……」
「拾ってきちゃったのか。翼があるし、ただのトカゲじゃなさそうだが」
パパの後ろにママもいた。
「この子、うちで飼っていい?」
「クルフィンがちゃんと面倒を見れるならいいぞ」
「お、おい。ケイト」
「やったぁぁぁあ! パパ、ありがと!!」
良かった。
これで君も僕の家族だよ。
「キュイ!」
「こいつ、竜の幼体じゃないのか?」
ママが何か言っていたけど、僕は家族になったこの子の名前を考え始めていた。
12
あなたにおすすめの小説
パワハラ騎士団長に追放されたけど、君らが最強だったのは僕が全ステータスを10倍にしてたからだよ。外れスキル《バフ・マスター》で世界最強
こはるんるん
ファンタジー
「アベル、貴様のような軟弱者は、我が栄光の騎士団には不要。追放処分とする!」
騎士団長バランに呼び出された僕――アベルはクビを宣言された。
この世界では8歳になると、女神から特別な能力であるスキルを与えられる。
ボクのスキルは【バフ・マスター】という、他人のステータスを数%アップする力だった。
これを授かった時、外れスキルだと、みんなからバカにされた。
だけど、スキルは使い続けることで、スキルLvが上昇し、強力になっていく。
僕は自分を信じて、8年間、毎日スキルを使い続けた。
「……本当によろしいのですか? 僕のスキルは、バフ(強化)の対象人数3000人に増えただけでなく、効果も全ステータス10倍アップに進化しています。これが無くなってしまえば、大きな戦力ダウンに……」
「アッハッハッハッハッハッハ! 見苦しい言い訳だ! 全ステータス10倍アップだと? バカバカしい。そんな嘘八百を並べ立ててまで、この俺の最強騎士団に残りたいのか!?」
そうして追放された僕であったが――
自分にバフを重ねがけした場合、能力値が100倍にアップすることに気づいた。
その力で、敵国の刺客に襲われた王女様を助けて、新設された魔法騎士団の団長に任命される。
一方で、僕のバフを失ったバラン団長の最強騎士団には暗雲がたれこめていた。
「騎士団が最強だったのは、アベル様のお力があったればこそです!」
これは外れスキル持ちとバカにされ続けた少年が、その力で成り上がって王女に溺愛され、国の英雄となる物語。
没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます
六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。
彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。
優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。
それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。
その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。
しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。
※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。
詳細は近況ボードをご覧ください。
【薬師向けスキルで世界最強!】追放された闘神の息子は、戦闘能力マイナスのゴミスキル《植物王》を究極進化させて史上最強の英雄に成り上がる!
こはるんるん
ファンタジー
「アッシュ、お前には完全に失望した。もう俺の跡目を継ぐ資格は無い。追放だ!」
主人公アッシュは、世界最強の冒険者ギルド【神喰らう蛇】のギルドマスターの息子として活躍していた。しかし、筋力のステータスが80%も低下する外れスキル【植物王(ドルイドキング)】に覚醒したことから、理不尽にも父親から追放を宣言される。
しかし、アッシュは襲われていたエルフの王女を助けたことから、史上最強の武器【世界樹の剣】を手に入れる。この剣は天界にある世界樹から作られた武器であり、『植物を支配する神スキル』【植物王】を持つアッシュにしか使いこなすことができなかった。
「エルフの王女コレットは、掟により、こ、これよりアッシュ様のつ、つつつ、妻として、お仕えさせていただきます。どうかエルフ王となり、王家にアッシュ様の血を取り入れる栄誉をお与えください!」
さらにエルフの王女から結婚して欲しい、エルフ王になって欲しいと追いかけまわされ、エルフ王国の内乱を治めることになる。さらには神獣フェンリルから忠誠を誓われる。
そんな彼の前には、父親やかつての仲間が敵として立ちはだかる。(だが【神喰らう蛇】はやがてアッシュに敗れて、あえなく没落する)
かくして、後に闘神と呼ばれることになる少年の戦いが幕を開けた……!
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。
克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位
2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
【完結】魔王を倒してスキルを失ったら「用済み」と国を追放された勇者、数年後に里帰りしてみると既に祖国が滅んでいた
きなこもちこ
ファンタジー
🌟某小説投稿サイトにて月間3位(異ファン)獲得しました!
「勇者カナタよ、お前はもう用済みだ。この国から追放する」
魔王討伐後一年振りに目を覚ますと、突然王にそう告げられた。
魔王を倒したことで、俺は「勇者」のスキルを失っていた。
信頼していたパーティメンバーには蔑まれ、二度と国の土を踏まないように察知魔法までかけられた。
悔しさをバネに隣国で再起すること十数年……俺は結婚して妻子を持ち、大臣にまで昇り詰めた。
かつてのパーティメンバー達に「スキルが無くても幸せになった姿」を見せるため、里帰りした俺は……祖国の惨状を目にすることになる。
※ハピエン・善人しか書いたことのない作者が、「追放」をテーマにして実験的に書いてみた作品です。普段の作風とは異なります。
※小説家になろう、カクヨムさんで同一名義にて掲載予定です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる