天空の蒼鷲 ーされど地に伏す竜 ー

すだちかをる

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異界の森

二人の美少女-Ⅰ-

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「貴様は何者だ? 何故此処で倒れている?」

 重い瞼を開けると、そこには金髪の少女が立っていた。
 仰向けに倒れている俺に少女は碧眼の瞳で訝しげに見やると、形の良い眉を顰めた。
 とにかく聞きたい事は山ほど有るのだが、とりあえず。
 俺は少女の問いに応えてやる。

「お前こそ誰だ」

「きさまっ、SAWソウの者だな!」

 すると少女は俺の傍から軽やかに飛び離れ、鋭い眼光を放った。
 背中から身の丈以上の大剣を走らせ、未だ倒れたままの俺に身構える。
 いや、待て、何だ大剣それは!

「応えろっ、お前はSAWの者か?」

 ようやく気だるい体を奮い起こし立ち上がった俺に、少女が猶も大声で問う。
 それが俺の後頭部に響き、ズキンと痛む。
 徐に片手を頭に回した。
 血は出ていない。
 しかし大きなこぶが出来ていた。・
 ・・頭でも打ったのか、俺は。
 でも一体何処で・・・というか、此処は何処だ・・・森?

 



「おい、応えろっ!お前はSAWの者なのかと聞いている!!」

 辺りを見渡していた俺に少女が三度、尋ねてきた。
 視線を少女に合わすと、彼女はまだ俺に大剣を向けて身構えていた。
 身長は俺より頭二つ程低く、女性の平均身長よりは少し低い。
 金髪の長い髪は、よく見ると後ろで一つに結っている。
 澄んだ碧眼の瞳にすっと通った鼻筋。
 口許は少し前歯が大きくリスのような愛嬌がある。
 紛れもなく美少女。
 しかし視線を下げると・・・何故か中世騎士のような重装鎧ヘビーアーマーを身に纏っていた。
 ・・・外国のコスプレイヤーか? ・・・にしては、日本語が上手いな。
 ところで、さっきから彼女が言っている『SAW』ってなんだ?

「もういい、お前が誰だって構わねぇ。名乗らぬのなら、斬る!!」

「えっ」

 刹那、俺の懐に飛び込んできた少女が携えていた大剣をなぎ払った。
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