本当の最強チートは妹のパンツをテイスティングすることだった件。

加賀いるか

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15話「モヒカンの鏡」

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そんなこんなで俺と早希とアルシャは、ギルドに行くと言って聞かないエアに付き添う形でギルドへやってきたのだった。
今日は働かず部屋でぐーすか寝ているつもりだったんだけどなあ……

「ついたわ!  早速クエスト掲示板へGOよ!」

ギルドに着いて早々、エアが早歩きでクエスト掲示板の方へ向かってゆく。
その後ろを早希とアルシャは慌ててついていく姿が見えた。
どうせすぐには決まらないんだし、俺はゆっくり行こう。

「おう、ソウタ。またエアの姉ちゃんがなんかやらかしたか?」

「ん?  ああ、ヤダカか。それがさあ、今朝からエアがわめき散らしやがってな?  なんだかんだでクエストを受けることになっちまったんだよ」

「よくわからねえが、お前もさんざん煽ったんだろ?」

「まあそうなんだけどさ……」

こいつはヤダカ。ギルドで仲良くなった冒険者の一人だ。
チンピラ風の男で、金髪のモヒカンヘアーをしている。
俺は心の中でこいつのことをモヒカンエースと呼んでいる。

「なあモヒカンエース」

「モヒカンエースって誰だ!?」

「ああ悪い、つい心の中の呼び名が……おっと」

「お前俺のことを心の中でそう呼んでんのか!?」

やべ、つい心の中の呼び名で呼んじゃった。

「まあまあ、そこはおいといて」

「おいとけねえよ!?」

「ヤダカ、お前のパーティが見当たらないんだけど、どこいったん?」

「こいつ無視して続けやがった!!  」

うるせえやつだ。
ちなみにモヒカンエースの職業はソルジャーで、魔法は使えないがそれなりに剣の使いには長けている。
モヒカンエースのパーティメンバーにはウィザードのマチ、アーチャーのオンバが居て、それなりにバランスのとれたパーティメンバーとなっている。
いつもはモヒカンエース共々3人で一緒に行動しているんだが、今はこいつしか居ない。
ちなみにマチは黒髪ショートヘアーのいわゆる魔女っ子小学生みたいな見た目で、それなりにかわいい。
早希には遠く及ばないけど。
オンバは坊主頭の浅黒い肌をした長身の男だ。
俺は心の中でこいつらをそれぞれ
魔女っ子ロリ、ブラックトーテムと呼んでいる。
ちなみに早希たんのことはラブリーマイエンジェル早希たんと呼んでいる。

「あ、あいつらか?  あいつらは……」

「ああっ!!  ヤダカ、いたっ!!」

「こんなとこにいやがった!!  覚悟しろよこのクソ野郎!!  おいソウタ、そいつ捕まえろ!!」

「!?」

「やべっ!  おいソウタ、またな!!」

叫び声に反応してギルドの入り口を見ると、マチとオンバのふたりが鬼の形相でこちらを睨みながら走ってきていた。
俺は言われたとおりモヒカンエースを捕まえようとしたが、一瞬で逃げられてしまった。

「くそっ!!  逃げ足の速いやつめ!!  捕まえたらひどいぞ!  ソウタも捕まえてくれよぉ」

「いやー悪い悪い、捕まえようとしたんだけどその前に逃げられちまったわ」

「ねえソウタ、あいつどこに行くかとか言ってた?」

「いや、なんも聞いてないな、すまん。ただ雑談してただけだ」

「そう……アタシたちから逃げ回ってるというのに、のんきに雑談なんかしてたの……ほんとに憎らしい男ね……!」

なんだろう、ここまでこいつらが怒ってるとこなんてはじめて見たな。
なにやらかしたのかちょっと聞いてみるか。

「なあ魔女っ子ロリ、ブラックトーテム」

「魔女っ子ロリ!?」

「ブラックトーテム!?」

やべ。また心の中の呼び名が。

「すまん、つい心の中の呼び名が」

「「アンタ(お前)アタシ(オレ)のことを心の中でそう呼んでるの(か)!?」」

「まあいいじゃん、それよりさ」

「「まあよくないよ!!」」

「あいつ何したん?  お前らがそこまで怒るってことは相当やらかしたんだろうけど」

「「こいつ無視して続けやがった!!」」

こいつらパーティ全員同じ反応しやがる。
おもしれえ。
まあひとまずは理由が気になるから聞こう。あいつどんなひでえことしたんだろうか。

「まあいいか、聞いてくれよ。あいつオレらが楽しみにしてたプリンをひとりで食べちまいやがってな?」

存外クソくだらねえ理由だったわ……
なにこいつら、そんなことで人を殺しそうな勢いで追い詰めてんの?

「それだけでももうブッコロ案件なのよ。それで、その場でブチ切れてふたりで問い詰めたの。そしたらあいつなんて言ったと思う?」

「なんつったの?」

「『あぁ?  うるせえなあ……てめぇら仮にも冒険者だろ?  冒険者ってぇのは常に弱肉強食だ。つまり、あんなとこにいかにも食って下さいと言わんばかりに入れとくてめぇらが間抜けだっただけだよ、悔しかったら次からは俺様にハンティングされないとこに入れときやがれ』って言いやがったのよ!?」

おおう……それはさすがに許せんな、俺でもブチ切れる。

「だから、オレたちは弱肉強食ならお前を狩ってもかまわないよな?  と言ってあいつを半○しにしようとしたんだが、あいつ逃げ足が速くてな……クソ、ただじゃおかねえぞ」

「それは許せんわ、よし、俺もあいつを捕まえるのに協力して……」

「兄さん、なにしてるんですか?  兄さんが来ないからエアさんカンカンですよ?」

俺もモヒカンエースを捕まえようと腰を上げると、早希がすぐそばに来て俺に声をかけた。

「お、サキちゃんおはよう!」

「サキちゃんやっほ!  どうしたの?」

「あ、オンバさん、マチさんおはようございます!  今日はエアさんの活躍を見るためにクエストを受けに来たんですが、エアさんを煽った肝心の兄さんが来ないので探しにきたんですよ」

「え……ソウタあんたこんなとこで油売ってていいの?」

「本来の用事ほったらかしてどうすんだよ……ヤダカのクソは俺たちだけで探すから、ソウタは早く行ってやりな」

うわ、そうだ、ギルドに来た理由ってエアのためにクエスト受けにきたんだったわ……

「すっかり忘れてたわ……」

「もう兄さん、だめですよ?  はやく来てください。ではオンバさん、マチさんまた後ほど!」

「おう、がんばってな!」

「いってらっしゃーい!」

「マチ、オンバ、クエスト終わった後まだモヒカンエースのこと探してたら手伝ってやるからなー!」

「モヒカンエース!?」

「モヒカンエース!?」

俺は早希に引きずられながらエアとアルシャの待つクエスト掲示板前まで連行された。
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