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第三章〜サードフィル〜
第六十話 「通商条約締結会談 Part3」
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しかし、ここで僕が勝ちへの焦りを見せれば、シールズの思う壺だ。なぁに、焦る事はないではないか。この男は血筋だけで、その椅子に座っている空虚な男だ。僕のように、商魂逞しく何かを生み出すような、発想も力もない少し腕が立つ程度の剣士だぁ。
少し腕が立つだけとは、過少評価かな。だが、少なくとも僕以上の文化人では無い筈だ。僕にウオッカを横取りされても、プライドを傷つけられていない所を見ると、蒸留酒の市場価値にまるで気付いていなかったのではないか?
ケケケッ、そう考えると僕は何で今まで目の前の男に困惑していたんだ? 敵を自ら大きくする必要はない。主導権はこちらにあるのだから。
「えぇ、私も構いません。ちょうど、大変美味しい料理を頂けた所でしたから。デザートが食べたいと思っておりました。それに、侯爵閣下が普段からどういったお酒を飲まれているのか、非常に興味深いところでもあります。侯爵閣下の好みが分かれば、私がご用意して贈らせていただきましょう」
「それは有難い提案であるな、大使殿。有り難くはあるが、貴殿に私が欲する酒は用意できないと思うぞ?」
「……? それは一体どう言う意味でしょうか」
「百聞は一見にしかずと言う奴でな。私も全てはわかっておらんのだ。とにかく、飲んでみるといい。日頃より、美味なる食材に金を惜しまない貴殿の事だ。きっと、気に入るであろうよ」
「はぁ、それは実に楽しみですな」
明らかに、シールズの纏う空気が変わった。ここから、逆転できるような切り札を持っているのだろうか。
まさか……、僕のブラフに気づいたのか?
伯爵の合図によって、晩餐の間に控えていた使用人たちが動き出した。僕とシールズのもとに、それぞれ台車を押して使用人がやってきた。その台車には、アガペー製のデカンタとグラス、そして小皿、その小皿の上に何やら茶色い球体状の物が幾つか盛られていた。
使用人たちは、目の前でデカンタから酒を注いでいく。デカンタの中に見える琥珀色の液体に、僕は見覚えがない。色の付いた酒、アレスは土地柄さまざまな民族が商売をしている為に、多くの種類のお酒も売られている。その酒の中にも、数多くの色の付いた物があったが、どれもワインの様に透き通ってはいなかった。
大抵、濁っているような色合いを持っているものが殆どだ。にもかかわらず、目の前でグラスに注がれた酒を見ると、思わず手に取ってシャンデリアの光を当ててしまう程、透き通った美しい琥珀色に僕は魅入られてしまった。
ここで、僕の心と背筋に冷たい何かが走ったのを感じた。これが、酒だと言うのか……。知らない、見た瞬間から僕の知らない酒の存在に体が強張ってしまった。
そんな酒を前にして、シールズは優雅にグラスを何度か揺らし、香りを楽しんでからそれを口に運び、少しの感嘆を漏らすのであった。
その様子を見て自然と、僕の喉が鳴った気がした。
「毒など盛ってはいない。 好きに楽しまれよ大使殿。会談を続けるにも喉が渇いてはいかんだろうからな。はははっ」
僕は、この為に雇った<渇欲の戦士団>魔法使いのリナを見やった。すると、彼女は少し頷いて言った。
「肯定……、とても美味しそう。私も飲みたい」
馬鹿を言うな、今はそれどころじゃない。
安全も確認し、私はまず香りを嗅いだのだが……。あまりの香り高さに鼻腔を支配された。そしてそれを頭が理解すると目の前の景色が、信じられないことに葡萄畑へと変わり、あたり一面に色とりどりの花畑が現れた。
……なんだ? この酒の匂いは……幻覚が見えるほどに幾重にも香りが重なっている。葡萄酒の持つ華やかさとフルーティーな甘み、すっきりとした花の香りに、蜂蜜のような喉に絡みつくような重厚な甘さまで……それで居て強烈な酒精の香りも感じられる。僕の知っている酒とは、これほどまでに、高貴な物であったろうか。
僕の常識が崩れる音がする。この酒を飲む勇気が、まるで出ない。
「…………ぅあ、あぁぁ、あっ、っあ……」
「どうされたのだ? 今回のウイスキーは、少々甘みが強いな。私の口にはあまり合わないが如何かな?」
ういすきー? 聞き覚えのない単語だ。この酒の名前なのか、知らない。
受け入れられない現実に混乱した。それでも、確かめるほかない。飲んだら、案外大した事ないかもしれない。……そうだ、きっとそうに違いない。全ての贅沢を経験してきたんだ。
僕はゆっくり、グラスに口をつけようとした。
たまたま、血筋が良いだけで、なんの苦労もなくその椅子に座っている男が、僕の知らない美酒を飲んでいるはずがっ。
流れ込んでくる、琥珀色の液体が口の中で黄金の様に輝いているのがわかった。最初に感じるのは、白ワインの華やかな甘みだ。それでいて、バニラや花の蜜のようなしっとりとした甘さ。最後に、重厚で荒削りな木材と煙の香りが甘さを攫っていく。
く、口の中で、三度、三度も味が変わった!! な、なんだ、これ……。
言葉にならない、本当になんだ、これ。眩暈がする……僕は、アレス商国、十三大尽会、第十三席次のカシーム・ボンク……。
僕はグラスを手からすべり落としてしまった。その時、決定的な烙印を背に押された気がした。シールズは、普段からこの酒を飲んでいる? たかが王国の暴力を担当している侯爵風情が、こんな美酒を……?
「うぁぁぁあああああ!! 知らない、なんだこれ、なんだこれ、なんだこれぇぇぇ!! 僕が、僕が、この僕がぁぁっ! 知らない、知らない、美酒の美酒の匂いぃぃぃぃ! それに酒とは思えぬ華やかかつ重厚な味わぃぃぃがっ、するぅぅん!!!!」
僕の頭の中に、会談の二文字はすでになく。僕の知らない、僕の持っていないこの蒸留酒の正体を知りたくて仕方なかった。この酒は、市場価値を……市場価値?
いや僕の商魂が叫んでいる、この酒は必ず新たな富の象徴となる物である。
少し腕が立つだけとは、過少評価かな。だが、少なくとも僕以上の文化人では無い筈だ。僕にウオッカを横取りされても、プライドを傷つけられていない所を見ると、蒸留酒の市場価値にまるで気付いていなかったのではないか?
ケケケッ、そう考えると僕は何で今まで目の前の男に困惑していたんだ? 敵を自ら大きくする必要はない。主導権はこちらにあるのだから。
「えぇ、私も構いません。ちょうど、大変美味しい料理を頂けた所でしたから。デザートが食べたいと思っておりました。それに、侯爵閣下が普段からどういったお酒を飲まれているのか、非常に興味深いところでもあります。侯爵閣下の好みが分かれば、私がご用意して贈らせていただきましょう」
「それは有難い提案であるな、大使殿。有り難くはあるが、貴殿に私が欲する酒は用意できないと思うぞ?」
「……? それは一体どう言う意味でしょうか」
「百聞は一見にしかずと言う奴でな。私も全てはわかっておらんのだ。とにかく、飲んでみるといい。日頃より、美味なる食材に金を惜しまない貴殿の事だ。きっと、気に入るであろうよ」
「はぁ、それは実に楽しみですな」
明らかに、シールズの纏う空気が変わった。ここから、逆転できるような切り札を持っているのだろうか。
まさか……、僕のブラフに気づいたのか?
伯爵の合図によって、晩餐の間に控えていた使用人たちが動き出した。僕とシールズのもとに、それぞれ台車を押して使用人がやってきた。その台車には、アガペー製のデカンタとグラス、そして小皿、その小皿の上に何やら茶色い球体状の物が幾つか盛られていた。
使用人たちは、目の前でデカンタから酒を注いでいく。デカンタの中に見える琥珀色の液体に、僕は見覚えがない。色の付いた酒、アレスは土地柄さまざまな民族が商売をしている為に、多くの種類のお酒も売られている。その酒の中にも、数多くの色の付いた物があったが、どれもワインの様に透き通ってはいなかった。
大抵、濁っているような色合いを持っているものが殆どだ。にもかかわらず、目の前でグラスに注がれた酒を見ると、思わず手に取ってシャンデリアの光を当ててしまう程、透き通った美しい琥珀色に僕は魅入られてしまった。
ここで、僕の心と背筋に冷たい何かが走ったのを感じた。これが、酒だと言うのか……。知らない、見た瞬間から僕の知らない酒の存在に体が強張ってしまった。
そんな酒を前にして、シールズは優雅にグラスを何度か揺らし、香りを楽しんでからそれを口に運び、少しの感嘆を漏らすのであった。
その様子を見て自然と、僕の喉が鳴った気がした。
「毒など盛ってはいない。 好きに楽しまれよ大使殿。会談を続けるにも喉が渇いてはいかんだろうからな。はははっ」
僕は、この為に雇った<渇欲の戦士団>魔法使いのリナを見やった。すると、彼女は少し頷いて言った。
「肯定……、とても美味しそう。私も飲みたい」
馬鹿を言うな、今はそれどころじゃない。
安全も確認し、私はまず香りを嗅いだのだが……。あまりの香り高さに鼻腔を支配された。そしてそれを頭が理解すると目の前の景色が、信じられないことに葡萄畑へと変わり、あたり一面に色とりどりの花畑が現れた。
……なんだ? この酒の匂いは……幻覚が見えるほどに幾重にも香りが重なっている。葡萄酒の持つ華やかさとフルーティーな甘み、すっきりとした花の香りに、蜂蜜のような喉に絡みつくような重厚な甘さまで……それで居て強烈な酒精の香りも感じられる。僕の知っている酒とは、これほどまでに、高貴な物であったろうか。
僕の常識が崩れる音がする。この酒を飲む勇気が、まるで出ない。
「…………ぅあ、あぁぁ、あっ、っあ……」
「どうされたのだ? 今回のウイスキーは、少々甘みが強いな。私の口にはあまり合わないが如何かな?」
ういすきー? 聞き覚えのない単語だ。この酒の名前なのか、知らない。
受け入れられない現実に混乱した。それでも、確かめるほかない。飲んだら、案外大した事ないかもしれない。……そうだ、きっとそうに違いない。全ての贅沢を経験してきたんだ。
僕はゆっくり、グラスに口をつけようとした。
たまたま、血筋が良いだけで、なんの苦労もなくその椅子に座っている男が、僕の知らない美酒を飲んでいるはずがっ。
流れ込んでくる、琥珀色の液体が口の中で黄金の様に輝いているのがわかった。最初に感じるのは、白ワインの華やかな甘みだ。それでいて、バニラや花の蜜のようなしっとりとした甘さ。最後に、重厚で荒削りな木材と煙の香りが甘さを攫っていく。
く、口の中で、三度、三度も味が変わった!! な、なんだ、これ……。
言葉にならない、本当になんだ、これ。眩暈がする……僕は、アレス商国、十三大尽会、第十三席次のカシーム・ボンク……。
僕はグラスを手からすべり落としてしまった。その時、決定的な烙印を背に押された気がした。シールズは、普段からこの酒を飲んでいる? たかが王国の暴力を担当している侯爵風情が、こんな美酒を……?
「うぁぁぁあああああ!! 知らない、なんだこれ、なんだこれ、なんだこれぇぇぇ!! 僕が、僕が、この僕がぁぁっ! 知らない、知らない、美酒の美酒の匂いぃぃぃぃ! それに酒とは思えぬ華やかかつ重厚な味わぃぃぃがっ、するぅぅん!!!!」
僕の頭の中に、会談の二文字はすでになく。僕の知らない、僕の持っていないこの蒸留酒の正体を知りたくて仕方なかった。この酒は、市場価値を……市場価値?
いや僕の商魂が叫んでいる、この酒は必ず新たな富の象徴となる物である。
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