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ファウルダース侯爵家結婚編
愛しい奥さん ※
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もぞりと腕のぬくもりが身じろいだ。
それに気がついて、意識がふわっと上昇する。
愛しい人が自分に背を向けて、すやすやと深く眠りに着いてるのを確かめると、アンリはその首筋に口づける。
煩わしそうに身じろぐぬくもりに、アンリの頭の中は「可愛い」の一言で、埋め尽くされた。
自分よりずっとずっと小さな身体は、全ての布を取り去ってしまえば驚くほど細くて、壊さないようにできるかすごく心配だった。
それでも昨夜、自分を受け入れてくれた彼女は、常で見ることができないくらい艶やかで、アンリを魅了してやまなかった。
ふとアンリはその背中にある傷に目が向いた。
それはアンリと彼女を繋いだ、出会いの象徴。助けた証。守れなかった戒め。
アンリはそこにそっと口づける。
彼女の体がふるりと震えた。
もぞりと彼女が寝返りを打ち、こちら側へと向く。
うっすらと瞼が開いて、黒曜石の瞳が見えた。
「んぅ……?」
「起こしちゃったか。おはよ、由佳」
「アンリ……」
ふにゃりと由佳が笑う。
そんな彼女の額に、アンリはそっと口づけた。
「アンリ、おはよ」
「おはよう」
「ふふふ」
由佳は嬉しそうに笑って、すりすりとアンリにすり寄った。
しっとりとして柔らかな由佳の素肌が、アンリに密着する。
「ご機嫌だな」
「うん。朝からアンリにおはようが言えるの、とても嬉しい」
そういって無邪気に笑う由佳が、アンリにちゅっと小鳥のようなキスをするものだから、アンリは愛おしさが倍増だ。ほんとうにこの可愛いお姉さんは、時折びっくりするくらい可愛いことをしてくる。
アンリがお返しとばかりに口づけを返せば、由佳はころころと笑った。そしてさらにそのお返しとばかりに口づけを返してくる。
子供のような無邪気なじゃれ合いに、アンリはどこかくすぐったいような気持ちになる。
「んっ」
そうして何度も口づけを交わしあえば、由佳がふいに艶っぽい声をあげた。
アンリが動きを止めると、声を出した本人がびっくりしたようで目をまん丸くしてる。
それからそよっと視線を動かした。
「……アンリ」
「ん?」
「……あの」
「うん」
「その……」
そよそよと視線を動かしている由佳に、アンリは苦笑した。
これだけ密着していれば、気づかないわけもないか。
「……なんか、ごめん」
「そうだね。由佳が魅力的すぎるのが悪い」
「へっ?」
謝ってきた由佳に、アンリは意地悪そうに笑うと、体を起こして由佳へと覆いかぶさった。
猫のように目を細めて、アンリは由佳へとお伺いを立てる。
「由佳、抱きたい。だめ?」
「……いや、でも、朝だし…………」
「少しだけ、な?」
アンリがそう言ってちゅっと口づければ、由佳はおろおろと視線を動かして、やがて小さくこくんとうなずいた。
お許しが出た途端、アンリはパッと表情を輝かせ、由佳へと口づける。
さっきまでのような戯れる口づけではなく、濃厚で大人な、深い口づけだ。
舌を絡めれば、由佳の甘い声が鼻を抜けるように聞こえてくる。少々性急に蜜壺を探れば、由佳のそこは昨夜の名残かとっくに潤っていた。
自分を受け入れてくれる準備が整っているようで、アンリは嬉しくなる。お礼代わりに沢山のキスを贈れば、由佳の黒曜石の瞳がとろりと溶ける。甘く囀る可愛い人に、アンリの熱はさらに昂っていく。
「ぅ、はぁ……っ、んっ」
アンリは由佳の胸へと吸いつくと。丹念にその胸へ舌を這わせた。由佳がむずがゆそうに身をよじるのにあわせて、秘所へと指を這わす。
花の芽をくにくにと虐めてやれば、由佳の腰が大きくはねた。
「あっ、や、それっ、だめ……っ」
「駄目? 気持ちよくない?」
「うぅぅ……っ!」
由佳が唸ってアンリを睨みつけてくる。
その目は潤んでて、とても恨めしげだけれど、どちらかといえば悔しそうな表情にも取れるから、アンリは良い笑顔で返す。
「イっちまいな」
「きゃぅっ」
花芽を潰すようにこねてやれば、由佳がひどく可愛い声で啼いて、ぴくんと腰をはねさせた。
軽く達したらしい由佳が呼吸を乱す中、アンリはさらに指を這わせる。
つぷりと中指を一本、隘路に差し入れる。
「あ、アンリぃ……っ」
「怖くない、怖くない」
よしよしと頭を撫でてなだめてやれば、由佳は目をつむり、唇を噛んで、何かに耐えようとする。
「由佳、唇を噛んじゃだめだ」
「でも……」
「怖いなら、やめる」
アンリが手を止めれば、由佳は首を振った。
その様子を見て、アンリはつぷつぷと指を差し抜きする。
「……っ、う、はぁっ、あんっ」
「ここだっけか」
昨夜、由佳が一番可愛く啼いた場所を探り当てたアンリはそこを重点的に擦ってやる。
「ん、んっ、ふぁ……っ」
「由佳、気持ちいい?」
「きもちぃ……っ」
とろんと蕩けた由佳はすごく可愛い。
必死に快感を追って喘ぐ由佳に、アンリはその手の動きをもっと大胆なものへと変えた。
「あぁっ、やだっ、やっ、まっ……っ、ひぅっん!」
「我慢しないで。ほら、気持ちいいのはどこ?」
「うっ、はぁっ、イキそ……っ」
「いいよ。イきな」
「―――ッッ!」
アンリががぷりと噛みつくように由佳に口づける。
同時に花芽もこねてやれば、ひときわ大きく由佳の体に力が入り、ビクンッと跳ね、やがて弛緩した。
荒く呼吸する由佳にとろけるような笑顔を浮かべ、アンリはその蜜壺にすっかり昂った熱杭をあてがう。
「由佳、挿れてもいい?」
昨夜と同じようにおねだりするアンリに、由佳は熱に浮かされたような艷やかな視線を向ける。
「……きて」
愛しい奥さんからのお誘いに、アンリはゆっくりと腰を進めた。
由佳の中はすごく狭い。昨日もそうだったけれど、きゅうきゅうと食いちぎらんばかりにアンリの熱をしめつける。
眉をひそめながら、アンリは自分の欲を抑えるように由佳の中へと熱を埋めていく。
「……っく、ふ、ぅんっ」
「由佳……っ」
今すぐにでも腰を振りたくなる衝動をなんとか逃して、アンリは由佳に口づける。
なんとか最後まで入りきったところで、アンリは由佳を抱きしめた。
「ぜんぶ、はいった……?」
「ああ。全部入った」
「ふふ、うれしい……しあわせ」
夢見心地でアンリを抱きしめ返す由佳に、アンリも幸せな気持ちで満たされる。
「僕もしあわせ。由佳、愛してる」
「ふふ。私も愛してる」
きゅんっと由佳の中が締まる。
それに反応したアンリの熱が、はしたなく膨張した。
それに由佳がさらに反応して、せつなく啼く。
「あっ、っ……アンリ、大きくしないで……! ふぁっ」
「無理です。由佳が可愛すぎて無理」
由佳の可愛いセリフに、アンリは真面目に返す。健全な男子たるもの、愛しい人のこんな淫らで愛らしい痴態を前に、昂ることはあっても萎えることなんて絶対にないのである。
それでもしばらく馴染ませるためにじっとしていたアンリだけれど、そろそろ我慢の限界だ。
「由佳、動いてもいい?」
「んっ、いい、よ……っ」
由佳のお許しを得たアンリはゆっくりと腰を動かした。
ゆるゆると、由佳の気持ちいいところを擦るように、ゆっくりと。
「ふっ、ぅ、ああ……っ」
「由佳、可愛い。もっと声、聞かせて」
「ひぅっ!? あっあっ、だめっ、それだめぇっ」
トントンと小刻みにアンリは由佳の奥を揺さぶった。それまで気持ちよさそうに蕩けた表情をしていた由佳が、きゅっとシーツを握りだす。
必死に快感に耐えようとする由佳を見て、アンリはその胸に手を伸ばす。ゆるゆると胸を撫でて、時折その可愛らしい頂きをつまんでやれば、由佳は更に気持ちよさそうに啼いた。
「やだぁっ、イクっ、イクからぁっ」
「うん、いいよ。イキな?」
アンリがそう言うと、ぶんぶんと由佳が首をふる。
「やだっ、やだっ! いっしょ、いっしょがいいっ」
「……っ、あー、もう! 可愛い、すぎっ」
乱れながら、声をはしたなくあげながら、由佳がとても可愛いおねだりをするものだから、アンリもそれ以上は理性を保つのをやめた。
由佳のお望み通り自分も達せるように、由佳の奥へと自分の雄を打ちつける。
「あっ、あっ、ああっ! だめっ、おかしくなるっ、おかしくなる……っ」
「……っ」
由佳の嬌声がアンリの耳を犯すものだから、アンリの興奮はさらに高まった。
由佳の唇を奪い、その頭を両手で抑え、由佳の嬌声を飲み込みながら、その一番奥へと熱を叩きつける。
由佳から苦しそうに涙が一粒こぼれたけれど、アンリにはそれを拭ってやる余裕はなかった。
アンリの熱を食んでいた由佳の蜜壺がうねる。それから幾ばくもしないうちに、由佳の体が震え、アンリもまた己の熱を全て由佳の中へと吐き出した。
唇を離して、荒い呼吸を整えながら、アンリは由佳の肩口へと頭を預ける。
壮絶に気持ちよくて、どうにかなってしまいそうだった。
「うぅ……」
「っ、ごめん由佳っ、苦しかった!?」
「アンリのばかぁ……こわれちゃう……」
呻く由佳に慌ててアンリが上体を起こせば、しっとりと汗ばんで頬を上気させた由佳が、アンリを睨みつけた。
そのあまりにも色めいた姿にただでさえくらっときてしまうのに、その上とんでもなく可愛い台詞を由佳が言うものだから、アンリは困ってしまう。
アンリが何か言葉をかける前に、ぴくりと由佳の体が反応した。
そして恐ろしいものを見るように、未だ繋がったままの下腹部を見やる。
「え……? 嘘でしょ……」
「由佳……」
「そ、そんな可愛い顔しても無理! こわれちゃ……っ、きゃうんっ」
「ごめん、もう一回だけ」
「アンリのばかぁっ」
由佳に罵られてしまったけれど、アンリは「もう一回だけ」と繰り返して、年上の奥さんにおねだりを試みる。
ゆるゆると由佳の気持ちいいところを擦ってやれば、すぐに由佳にも官能の熱が戻ってくる。
結局由佳はアンリのお願いを聞いてくれて、日がすっかりと昇ったあと、ようやく二人の初夜が明けたのだった。
それに気がついて、意識がふわっと上昇する。
愛しい人が自分に背を向けて、すやすやと深く眠りに着いてるのを確かめると、アンリはその首筋に口づける。
煩わしそうに身じろぐぬくもりに、アンリの頭の中は「可愛い」の一言で、埋め尽くされた。
自分よりずっとずっと小さな身体は、全ての布を取り去ってしまえば驚くほど細くて、壊さないようにできるかすごく心配だった。
それでも昨夜、自分を受け入れてくれた彼女は、常で見ることができないくらい艶やかで、アンリを魅了してやまなかった。
ふとアンリはその背中にある傷に目が向いた。
それはアンリと彼女を繋いだ、出会いの象徴。助けた証。守れなかった戒め。
アンリはそこにそっと口づける。
彼女の体がふるりと震えた。
もぞりと彼女が寝返りを打ち、こちら側へと向く。
うっすらと瞼が開いて、黒曜石の瞳が見えた。
「んぅ……?」
「起こしちゃったか。おはよ、由佳」
「アンリ……」
ふにゃりと由佳が笑う。
そんな彼女の額に、アンリはそっと口づけた。
「アンリ、おはよ」
「おはよう」
「ふふふ」
由佳は嬉しそうに笑って、すりすりとアンリにすり寄った。
しっとりとして柔らかな由佳の素肌が、アンリに密着する。
「ご機嫌だな」
「うん。朝からアンリにおはようが言えるの、とても嬉しい」
そういって無邪気に笑う由佳が、アンリにちゅっと小鳥のようなキスをするものだから、アンリは愛おしさが倍増だ。ほんとうにこの可愛いお姉さんは、時折びっくりするくらい可愛いことをしてくる。
アンリがお返しとばかりに口づけを返せば、由佳はころころと笑った。そしてさらにそのお返しとばかりに口づけを返してくる。
子供のような無邪気なじゃれ合いに、アンリはどこかくすぐったいような気持ちになる。
「んっ」
そうして何度も口づけを交わしあえば、由佳がふいに艶っぽい声をあげた。
アンリが動きを止めると、声を出した本人がびっくりしたようで目をまん丸くしてる。
それからそよっと視線を動かした。
「……アンリ」
「ん?」
「……あの」
「うん」
「その……」
そよそよと視線を動かしている由佳に、アンリは苦笑した。
これだけ密着していれば、気づかないわけもないか。
「……なんか、ごめん」
「そうだね。由佳が魅力的すぎるのが悪い」
「へっ?」
謝ってきた由佳に、アンリは意地悪そうに笑うと、体を起こして由佳へと覆いかぶさった。
猫のように目を細めて、アンリは由佳へとお伺いを立てる。
「由佳、抱きたい。だめ?」
「……いや、でも、朝だし…………」
「少しだけ、な?」
アンリがそう言ってちゅっと口づければ、由佳はおろおろと視線を動かして、やがて小さくこくんとうなずいた。
お許しが出た途端、アンリはパッと表情を輝かせ、由佳へと口づける。
さっきまでのような戯れる口づけではなく、濃厚で大人な、深い口づけだ。
舌を絡めれば、由佳の甘い声が鼻を抜けるように聞こえてくる。少々性急に蜜壺を探れば、由佳のそこは昨夜の名残かとっくに潤っていた。
自分を受け入れてくれる準備が整っているようで、アンリは嬉しくなる。お礼代わりに沢山のキスを贈れば、由佳の黒曜石の瞳がとろりと溶ける。甘く囀る可愛い人に、アンリの熱はさらに昂っていく。
「ぅ、はぁ……っ、んっ」
アンリは由佳の胸へと吸いつくと。丹念にその胸へ舌を這わせた。由佳がむずがゆそうに身をよじるのにあわせて、秘所へと指を這わす。
花の芽をくにくにと虐めてやれば、由佳の腰が大きくはねた。
「あっ、や、それっ、だめ……っ」
「駄目? 気持ちよくない?」
「うぅぅ……っ!」
由佳が唸ってアンリを睨みつけてくる。
その目は潤んでて、とても恨めしげだけれど、どちらかといえば悔しそうな表情にも取れるから、アンリは良い笑顔で返す。
「イっちまいな」
「きゃぅっ」
花芽を潰すようにこねてやれば、由佳がひどく可愛い声で啼いて、ぴくんと腰をはねさせた。
軽く達したらしい由佳が呼吸を乱す中、アンリはさらに指を這わせる。
つぷりと中指を一本、隘路に差し入れる。
「あ、アンリぃ……っ」
「怖くない、怖くない」
よしよしと頭を撫でてなだめてやれば、由佳は目をつむり、唇を噛んで、何かに耐えようとする。
「由佳、唇を噛んじゃだめだ」
「でも……」
「怖いなら、やめる」
アンリが手を止めれば、由佳は首を振った。
その様子を見て、アンリはつぷつぷと指を差し抜きする。
「……っ、う、はぁっ、あんっ」
「ここだっけか」
昨夜、由佳が一番可愛く啼いた場所を探り当てたアンリはそこを重点的に擦ってやる。
「ん、んっ、ふぁ……っ」
「由佳、気持ちいい?」
「きもちぃ……っ」
とろんと蕩けた由佳はすごく可愛い。
必死に快感を追って喘ぐ由佳に、アンリはその手の動きをもっと大胆なものへと変えた。
「あぁっ、やだっ、やっ、まっ……っ、ひぅっん!」
「我慢しないで。ほら、気持ちいいのはどこ?」
「うっ、はぁっ、イキそ……っ」
「いいよ。イきな」
「―――ッッ!」
アンリががぷりと噛みつくように由佳に口づける。
同時に花芽もこねてやれば、ひときわ大きく由佳の体に力が入り、ビクンッと跳ね、やがて弛緩した。
荒く呼吸する由佳にとろけるような笑顔を浮かべ、アンリはその蜜壺にすっかり昂った熱杭をあてがう。
「由佳、挿れてもいい?」
昨夜と同じようにおねだりするアンリに、由佳は熱に浮かされたような艷やかな視線を向ける。
「……きて」
愛しい奥さんからのお誘いに、アンリはゆっくりと腰を進めた。
由佳の中はすごく狭い。昨日もそうだったけれど、きゅうきゅうと食いちぎらんばかりにアンリの熱をしめつける。
眉をひそめながら、アンリは自分の欲を抑えるように由佳の中へと熱を埋めていく。
「……っく、ふ、ぅんっ」
「由佳……っ」
今すぐにでも腰を振りたくなる衝動をなんとか逃して、アンリは由佳に口づける。
なんとか最後まで入りきったところで、アンリは由佳を抱きしめた。
「ぜんぶ、はいった……?」
「ああ。全部入った」
「ふふ、うれしい……しあわせ」
夢見心地でアンリを抱きしめ返す由佳に、アンリも幸せな気持ちで満たされる。
「僕もしあわせ。由佳、愛してる」
「ふふ。私も愛してる」
きゅんっと由佳の中が締まる。
それに反応したアンリの熱が、はしたなく膨張した。
それに由佳がさらに反応して、せつなく啼く。
「あっ、っ……アンリ、大きくしないで……! ふぁっ」
「無理です。由佳が可愛すぎて無理」
由佳の可愛いセリフに、アンリは真面目に返す。健全な男子たるもの、愛しい人のこんな淫らで愛らしい痴態を前に、昂ることはあっても萎えることなんて絶対にないのである。
それでもしばらく馴染ませるためにじっとしていたアンリだけれど、そろそろ我慢の限界だ。
「由佳、動いてもいい?」
「んっ、いい、よ……っ」
由佳のお許しを得たアンリはゆっくりと腰を動かした。
ゆるゆると、由佳の気持ちいいところを擦るように、ゆっくりと。
「ふっ、ぅ、ああ……っ」
「由佳、可愛い。もっと声、聞かせて」
「ひぅっ!? あっあっ、だめっ、それだめぇっ」
トントンと小刻みにアンリは由佳の奥を揺さぶった。それまで気持ちよさそうに蕩けた表情をしていた由佳が、きゅっとシーツを握りだす。
必死に快感に耐えようとする由佳を見て、アンリはその胸に手を伸ばす。ゆるゆると胸を撫でて、時折その可愛らしい頂きをつまんでやれば、由佳は更に気持ちよさそうに啼いた。
「やだぁっ、イクっ、イクからぁっ」
「うん、いいよ。イキな?」
アンリがそう言うと、ぶんぶんと由佳が首をふる。
「やだっ、やだっ! いっしょ、いっしょがいいっ」
「……っ、あー、もう! 可愛い、すぎっ」
乱れながら、声をはしたなくあげながら、由佳がとても可愛いおねだりをするものだから、アンリもそれ以上は理性を保つのをやめた。
由佳のお望み通り自分も達せるように、由佳の奥へと自分の雄を打ちつける。
「あっ、あっ、ああっ! だめっ、おかしくなるっ、おかしくなる……っ」
「……っ」
由佳の嬌声がアンリの耳を犯すものだから、アンリの興奮はさらに高まった。
由佳の唇を奪い、その頭を両手で抑え、由佳の嬌声を飲み込みながら、その一番奥へと熱を叩きつける。
由佳から苦しそうに涙が一粒こぼれたけれど、アンリにはそれを拭ってやる余裕はなかった。
アンリの熱を食んでいた由佳の蜜壺がうねる。それから幾ばくもしないうちに、由佳の体が震え、アンリもまた己の熱を全て由佳の中へと吐き出した。
唇を離して、荒い呼吸を整えながら、アンリは由佳の肩口へと頭を預ける。
壮絶に気持ちよくて、どうにかなってしまいそうだった。
「うぅ……」
「っ、ごめん由佳っ、苦しかった!?」
「アンリのばかぁ……こわれちゃう……」
呻く由佳に慌ててアンリが上体を起こせば、しっとりと汗ばんで頬を上気させた由佳が、アンリを睨みつけた。
そのあまりにも色めいた姿にただでさえくらっときてしまうのに、その上とんでもなく可愛い台詞を由佳が言うものだから、アンリは困ってしまう。
アンリが何か言葉をかける前に、ぴくりと由佳の体が反応した。
そして恐ろしいものを見るように、未だ繋がったままの下腹部を見やる。
「え……? 嘘でしょ……」
「由佳……」
「そ、そんな可愛い顔しても無理! こわれちゃ……っ、きゃうんっ」
「ごめん、もう一回だけ」
「アンリのばかぁっ」
由佳に罵られてしまったけれど、アンリは「もう一回だけ」と繰り返して、年上の奥さんにおねだりを試みる。
ゆるゆると由佳の気持ちいいところを擦ってやれば、すぐに由佳にも官能の熱が戻ってくる。
結局由佳はアンリのお願いを聞いてくれて、日がすっかりと昇ったあと、ようやく二人の初夜が明けたのだった。
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