異世界は都合よくまわらない!

采火

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オージェ伯爵邸襲撃事件編

ご主人様と天落香4 ※

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どうしよう、眠れない。

ベッドに入って横になったものの、全然眠れない。
火照った体が暑くて、着ている服で逆上せてしまいそうになる。
窓は開けてるけど、風向きが悪いのかあまり風が入ってこなくて部屋に熱気がこもる気がした。

体は気だるいから、なんとか目をつむって眠ろうとするけど、目を瞑るとお腹の辺りがむずむずする感覚が強調されて、余計に眠れない。

じりじりとした熱に身を焦がしながら、じっとベッドで身を固める。

どれくらいそうしていたんだろう。

暑さに耐えきれなくてワンピースのボタンをほとんど外した。お腹のむずむずは身をくねらせてなんとか解消しようとする。

日が沈んで風向きが変わった。ひんやりとした風が私の体をふわりと撫でていく。

「ふ、ぁ……っ」

気が狂いそう。
絶対これ、風邪とか熱中症じゃない気がする。

不規則に刺激を与えてくる風から少しでも逃れようと、ベッドから転がるように床に降りる。
でもそこが限界だった。

「あっ」

立とうとしても体に力が入らない。
体の奥のむず痒さと、焦がされるような熱さに喘いだ。

どうしようもなくて、ぐらぐらする頭で耐えていると、コンコンと私室の扉がノックされた。

「ユカさん?」

返事がないのを怪訝に思ったのか、サリムさんが入ってきた気配がした。

「大丈夫ですか」

声が近づいてくる。小さな部屋だもの、そりゃ見つかるよね。

サリムさんの足が見えた。それから膝。
膝をついたんだと理解すると同時、体を抱き起こされた。

「ひゃう……っ」
「ユカさん?」

自分でも驚くほど甘い声が出た。ぐらぐらする頭をもたげてサリムさんを見れば、いつもの無表情を崩して眉間にシワを寄せていた。

「……失礼しますよ」
「んっ」

膝の裏にも腕を入れられる。触られたところからお腹の方へ向かうようにぞわぞわした。
サリムさんが私をベッドへ横たえる。私はせめて体の熱が逃げるようにと、羞恥心もなく仰向けになる。開襟された胸が少しだけ涼しいけど、それも気休めだ。

「……熱いのですか?」
「ん……あつ、い」

サリムさんがボタンを留めようとするのを、身をよじってさける。サリムさんはロワイエ様を呼びに行くと言って、一度部屋を出た。

ベッドの上でジリジリと熱とむず痒さに耐えていると、また足音が聞こえた。今度はさっきより騒がしい。

「本当に媚薬ですか?」
「症状的にそれが一番近いですね。見てもらえば分かるかと」
「いつ盛られたのかは?」
「馬車の時点で様子がおかしかったのを考えると、市でしょう。ただ、食事に盛られたとして、ユカさんが狙われる理由がありませんし、媚薬にしては症状が出始めたのが遅いのも気になります」
「そうですか……ではサリム、仕事を命じましょう。私が美味しく頂いている間、貴方は情報を集めてきてください」
「美味しくて……医者に見せて解毒させればよろしいでしょう」
「いえいえ、こういう時じゃないと味見ができませんでしょう? 特にユカは。せっかくの据え膳なんですから」
「ほんとこういう方面は下衆いですよねあんた」
「ふふ、父上もその方が喜ぶでしょう。取り込みたがってるのには間違いないんですし、この際私の妹だろうと妻だろうと、形式はこだわらなくとも」
「……嫌われないようにだけ注意してくださいよ」
「もちろん。ふふ、とろとろに蕩かして、自分から望ませて差し上げますよ」
「無抵抗な女性にそれとか最低ですね」
「なんとでも。ほら、お行きなさい」

二人の話し声が止んで、足音が一つ離れていく。
なんだか不穏な会話だったから何とか上体を起こして扉の方を見れば、ロワイエ様が微笑んでこちらを見ていた。

「ふふ、ユカ。起きていましたか」
「ロワイエ様……ひぁっ」
「おや、本当に感度が上がってるんですね」

ロワイエ様が頬を撫でるだけで、変な声が出る。頬を撫でていた手が、するりとはだけてるワンピースの胸元をさらにくつろげた。
さすがに私は身をよじる。

「やだぁ、見ないで……」
「怖くありませんよ。確かめたいことがあるだけですから」

ロワイエ様が私の背中に手を差し入れて、上体を起こした私の体を支えた。
そして、空いてる手でくるくると私の胸を撫でまわす。

「ロワイエ様、やめて、離して、おかしくなりそうなの……」
「今やめてつらくなるのはユカですよ。ほら、見えますか? 貴女の可愛らしいこの乳首、立ちましたよ」

え? ちくび?
私は自分の体を見下ろした。小さな胸の先についている突起が、ぷっくりと膨らんでいる。
カッと全身が羞恥で沸騰した。

やだ、どうして!?

もっといえば、お腹のむずむずが一層増していく。
そういえば、さっきの会話でロワイエ様とサリムはなんと言っていた? 霧散しそうになる思考を精一杯かき集める。

びやく……鼻薬……媚薬?
それってえっちな気分になるお薬だよね!?
なんで!?

「効果が遅いわりには、素晴らしい効果ですね……それともユカの体が淫乱なのか……ふふ、どちらにせよお楽しみはこれからです」
「え、いや、あの、ロワイエ様……っぁ!」
「大丈夫、たっぷりと可愛がって差し上げますから」

そう言いながら、ロワイエ様は私の胸をまさぐり続ける。
なんで、どうして、こうなるの?

「やだぁ、はなして、はなして……っ」
「ほら大人しくしてください。……先に一度イカせたら大人しくなりますか?」

楽しそうにそう言いながらロワイエ様の手がするするの私の下半身へと移動していく。何とか手を押し退けようとするけど、力が入らなくてびくともしない。

「ふふ、なんとも可愛らしい抵抗ですね」

ちゅっと目蓋にキスをおとされる。
ちがう、ちがうの、そうじゃないの。

「やめて、やめ……ひんっ!?」
「濡れるほどではないですが……湿ってはいますね。重畳です」

ロワイエ様が私のショーツに指を潜り込ませた。ゆるりと繁みをかきわけて、秘所の口を暴かれる。
指が秘所の芽に触れた。

「あぁ、あった。ここですね」
「ひぁ、ぁっ、やだぁっ」

ぐりぐりと肉の芽をこねられる。
むずむずしていたお腹の奥がぐるぐるする。

「や、ぁっ!」

ピリッとした感覚が全身を突き抜けて、ひくんっと体が跳ねると、少しだけお腹のむずむずが解消された気がした。

「ふふ、その調子ですよ。あぁ、もうこんなにも濡れて。かなり効果の高い薬のようですね。珍しい」
「あ、あ、あああっ!」
「イきましたか」

秘所の一部をぐりぐりされ続けて、先程よりも大きく体が跳ねた。背中をそらして、痺れるようなそれを逃がす。

なに、今の。

息が乱れて、何が起きたのか分からない。ぐらぐらする頭がもっともっとって言ってる。
こんな恥ずかしいところを弄られて体が反応する原因は、いくらユニコーンとお友達であろうと知識としては知ってる。

私、ロワイエ様に感じちゃったの……?

混乱してる頭で息を整えるけど、一度スイッチの入ったロワイエ様は容赦がなかった。

ゆるゆると溢れ始めた蜜を絡めるように秘所をまさぐり続ける。

「ふふ、ユカ。ご主人様が気持ちよくさせてあげますからね」

ご主人様が奉仕するってどんなんですか。
もう訳が分からない頭で、そう思ったのは確実に現実逃避だ。

ゆるゆると股の間で動く指が肉の芽に擦れる度、少しだけ収まってたお腹のむずむずがまた増してくる。

私はなんとか腕を動かしてロワイエ様を拒絶する。

「やめて、ください、こんなこと……!」
「私はユカのためを思ってやっているのですよ。そのままでは体がつらいでしょう?」
「でも……や、っあん!」
「私に任せてください。楽にして差し上げますから。少しばかりお礼はいただきますけどね」

ちゅっと首もとにキスをされる。
れろりと舐められて、体がピクッと反応した。

「あぁ、ユカは甘いですね……それにこの香りは天落香……まるで天降り人を落とした言い伝えのようですね」

さしずめユカが天降り人ですか、とロワイエ様が呟いて、一瞬動きを止めた。そのまま少しの間考え込む素振りを見せる。

その間にも、私はなんとかロワイエ様を押し退けようとするけど、それに気づいたロワイエ様にくすくすと笑われた。

「困った人ですね」

やんわりと腕を捕まれ、ベッドに押し倒される形になる。捕まれていた腕は頭上で拘束されたままだ。

「ひっ……!」
「怖くありませんよ。これは治療です。暴力なんかじゃありません。ね? ユカ? ご主人様がそう言うのですから、そんな顔をするものではありませんよ」

やんわりと嗜めるように言うけれど、ロワイエ様は腕の拘束を決して緩めない。ロワイエ様はそんな顔と軽く言うけれど、私は百パーセント顔が強ばってる自覚がある。

だって怖い。
ロワイエ様が怖い。
私を押さえつけて、私をなぶろうとしている。

「いや、いやぁ! はなして!」

これは駄目だと、本能が警鐘を鳴らす。
この行為の先にあるものを、私は知ってる。
ちらちらと頭の隅に横切る記憶。

下卑た笑い、私をねじ伏せる力、ぬらりと光る赤と、虚ろにこちらを見る瞳。
そして突き刺される痛み。

フラッシュバックする記憶に意識をとられていると、不埒な指先がつぷりと秘所の肉を割って入ってこようとする。

「いやぁぁぁぁぁぁぁ!」

ぞわっと肌が粟立つ。
恐怖で顔が歪む。

「大丈夫ですよ、ユカ。ね、ほら……」
「いやぁ! やめて! はなしてぇっ!」

涙をこぼしながら、ばたばたと暴れると、ロワイエ様がため息をつかれ、花芯に沈めようとしていた指を抜き取った。

「せっかくですから久しぶりに抜こうと思ったのですが……中は諦めますか」

残念そうにそう言うと、ロワイエ様は少し考えてまた肉芽を弄り出す。

「いや、やめ、ぁあっ」
「媚薬の処理もありますし……中でイカせた方がすぐ終わるのですが、貴女が嫌がるのでこちらでイキましょうね? ───媚薬が抜けるまで、どれ程の時間がかかるか分かりませんが」

何やらロワイエ様が不穏な言葉を吐いて、ぎゅぅぅぅと肉芽をつまんだ。

びりりっとした快感が、全身を突き抜けていく。

「あああっ」
「ふふ、まぁこれも遊戯の一つと思えば……なかなか面白いかもしれません」

体が痙攣しているのに、ロワイエ様は肉芽を弄る手をやめない。
私は泣きながら快感を逃そうと身を捩る。

なんで、どうして、こんなことに。

ロワイエ様が私の肉芽をいじめる。イッてるのに、こねられて、つままれて、お腹の奥がびくつく。長時間そんなことを繰り返されれば、気が狂いそうになる。

欲しいのはそこじゃないと本能が叫ぶ。
もっと、もっとお腹の奥を触って欲しくなる。

「は、あっ……ああっ、だめぇ! もう、やめ、て、ああっ」
「ふふ……あぁ、ユカ、そろそろ私も見ているだけじゃつらいので、少し体をお借りしますよ?」

ロワイエ様がズボンの前をくつろげた。私をいじめていた手を離し、ぽろんとこぼれた己を握った。

私にのしかかったまま、ロワイエ様は自分の分身をしごく。

「これくらいのお礼は頂いてもいいですよね?」
「ひぅん」

ロワイエ様は体の位置をずらして、高ぶったソレを私の胸の間、谷間にすらならないそこに押し当てる。太股で器用に私の胸を寄せ集めなけなしの谷間を作られると、胸の突起にロワイエ様の大腿が擦れた。

ロワイエ様の陰茎の頭が私の小さな胸の間から、こちらに鎌首をもたげている。
ぼんやりと何をするつもりなのか見つめていると、ロワイエ様はその位置でまた自分をしごきだした。揺れる振動で、私の胸の突起がまたロワイエ様の大腿にこすれる。

「ふ、ぁあっ」
「あぁ、あぁ、ほら、ユカ……私の痴態をよくご覧なさい」

ロワイエ様の熱っぽい言葉と共に、私の首へと白濁が飛び散った。
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