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第1章

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「いや、すごいなぁ。お前『雪時雨ゆきしぐれ』か?」
「お兄さんが黒幕か」
「まさか、ガキだったのはな。お前には色々聞きたいことがあるんだ。ついてきてもらおうか」
そんなのお断りだ。おろしていた銃を黒幕に向ける。
「シヅが生きていたら考えたかもな、でも、もう遅い。さよならだ、『虹月につき』」
「その子を、姫奈紫月を、生き返らせる方法を俺らが持ってるとか考えないわけ?」
「『虹月』は味方じゃないだろ。悪いな」
銃をこめかみに当て引き金を引く。
「さよならだな、四週目の十一月一日、いや二日か」
僕の意識は薄れていく。黒幕が『虹月』が何か言っている気がするがよく聞こえない。当たり前だ、僕は死んだのだから。また、目が覚めれば五週目にいるのだろう。


今回は謎が多すぎる。第一に普段敵対するものが味方になったこと。第二にシヅの行動の著しい変化。第三に先生の登場変化。まぁ、これはいつものことか。
僕はいつになれば、シヅの明日を見れる?いつになれば彼女が死なない日が来る?いつになれば、いつになれば……

「フフフ、ハハハ、アハハハ。こんな世界要らない。壊れちゃえばいいんだよ、ね。ねぇ、もっともっと踊ってよ。壊してよ。こんな世界に意味がないんだって証明してよ、黒幕さん? いや、真相を知っていた、私のパートナーさん?」

シヅの声がする。また、世界が始まるのか。僕はまた……

「『雪時雨』に会えるとはな」
「何をしている、暁虹あかつきこう
「まだ、先生してたんですか。そんなに楽しいですか、教師ごっこは?」
「質問に答えろ、顧問命令だ」
「答えませんよ、俺はもう部員じゃない。優秀な後輩に譲りましたからね。『探偵屋』は」


彼はまだまだ真相を知らない。まだ真実の欠片が足りない。
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