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第1章
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『アレは「ゾンビ」と似通った性質を持っているようだ。知能は人間より低い。筋力は成人男性に少し劣る。(男女、年齢による差あり?)感染源は不明。(未知のウイルス?)噛まれると感染する可能性が高い。特効薬、不明。武器による攻撃○、機能停止、不可。』
「つまりは銃とかの距離取れるものがあった方がいいって事ですね。」
「銃ならありますよね」
そうなんだよなぁ。謎に銃がある。ずっと銃はダメだったくせに、他国で今のような緊急事態が多発してるとかで銃の携帯が許可された。対Z以外の発砲は禁止、Z以外に発砲した場合、罪に問われる。とはいっても銃の扱いに民間人がすぐになれる筈もなく、事態が落ち着くまで大抵の学校は休校、会社も休みになっている。民間の銃の練習機関を使っている人も多いようだ。
「それに使えるしな」
僕たちは先生の謎のコネのおかげで銃の扱い方を学んだ。とりわけ紫月さんはなれるのが早かった。流石、『Battle or Survival』 の世界チャンピオンなだけはある。『Battle or Survival』 通称『ハトかサバか』、なんと言うかダサい。大人気の携帯ゲームでありゲームセンターではオモチャの銃で戦え、サバイバルゲームまである。紫月さんはその世界大会全てで優勝している。若き天才ゲーマー姫奈紫月、通称『いばら姫』。よく『いばら姫様』と呼ばれている。
「今日の部活のテーマは『黒幕見つけよう選手権』だよ。一番に黒幕見つけた人の勝ち。私はソウと組むから、先輩たちも組んで。先生は大人だし一人で」
紫月さんがいつものようにテーマをホワイトボードに書き読み上げた。
「そろそろ、まずいぞ」
いつの間にか部屋の外にいた環先輩が扉を開いて言う。
「アレがこっちに来てる」
「なら、はじめ――!」
紫月さんの声で皆一斉に武器を選びだす。紫月さんは「オートマチック」と「アサルトライフル」、環先輩は「レボルバー」と「スナイパーライフル」、星月先輩は「オートマチック」と「ショットガン」を選んだ。僕は「レボルバー」と「ハンティングナイフ」にした。それでいいのかと聞かれたが僕にはこれが合っている。色々試したが、やはり小型の方が手に馴染む。
「あ、あのー、これはチーム戦なんですよね。それならライフルは紫月さんに任せた方がいいですよね」
紫月さんは銃の扱いに長けている。特にライフル。僕はナイフの方が専門だしな。
「先生はどうされるんですか?」
星月先輩が聞く。
「私は要らない。自分の分は用意してあるんでな」
流石、だな。
「集合はどうするんだ?」
先生が聞く。そういえば決めていなかったな。
「そんなの決める必要ないですよ。だって、みなさん探偵なんだから黒幕ぐらい見つけられるでしょ」
紫月さんがニコリと笑う。彼女が言いたいのは、こんな事件の黒幕、つまりは真相を突き止められない人間がこの探偵屋にはいないって事だ。
「言ってくれるじゃねぇか新人」
そう、なんだかんだ言って馴染んではいるが彼女は部員歴がいちばん短いのだ。偉そうにしてはいるけど、これでも他の人たちと話す時よりはマシらしい。敬語を使うのは無駄に歳喰っている人間じゃなくて中身が大人の、上の人間だけらしい。社会で苦労しそうなタイプだ。まぁ、悪くはないが。そう言うところも含めて嫌いにはなれないんだよな。
「しーちゃんの言うとりね。でもわたし、容赦しないわよ。やるなら全力で、でしょ」
紫月さんが喜びの舞を始める。
「そ、そろそろ、い、行かないと」
「あ、ホントだね。行こっか、ソウ」
はい、僕はシズの望む通りに。
「何か言った?」
「い、いえ、な、何も」
危ない、危ない、今の彼女にバレるわけにはいかないもんな。
僕たちは学校を出て情報収集をする子にした。先輩は校内を見てから行くらしい。先生は、何をする気だ?行く場所があると言ってどこかに行ってしまった。
「つまりは銃とかの距離取れるものがあった方がいいって事ですね。」
「銃ならありますよね」
そうなんだよなぁ。謎に銃がある。ずっと銃はダメだったくせに、他国で今のような緊急事態が多発してるとかで銃の携帯が許可された。対Z以外の発砲は禁止、Z以外に発砲した場合、罪に問われる。とはいっても銃の扱いに民間人がすぐになれる筈もなく、事態が落ち着くまで大抵の学校は休校、会社も休みになっている。民間の銃の練習機関を使っている人も多いようだ。
「それに使えるしな」
僕たちは先生の謎のコネのおかげで銃の扱い方を学んだ。とりわけ紫月さんはなれるのが早かった。流石、『Battle or Survival』 の世界チャンピオンなだけはある。『Battle or Survival』 通称『ハトかサバか』、なんと言うかダサい。大人気の携帯ゲームでありゲームセンターではオモチャの銃で戦え、サバイバルゲームまである。紫月さんはその世界大会全てで優勝している。若き天才ゲーマー姫奈紫月、通称『いばら姫』。よく『いばら姫様』と呼ばれている。
「今日の部活のテーマは『黒幕見つけよう選手権』だよ。一番に黒幕見つけた人の勝ち。私はソウと組むから、先輩たちも組んで。先生は大人だし一人で」
紫月さんがいつものようにテーマをホワイトボードに書き読み上げた。
「そろそろ、まずいぞ」
いつの間にか部屋の外にいた環先輩が扉を開いて言う。
「アレがこっちに来てる」
「なら、はじめ――!」
紫月さんの声で皆一斉に武器を選びだす。紫月さんは「オートマチック」と「アサルトライフル」、環先輩は「レボルバー」と「スナイパーライフル」、星月先輩は「オートマチック」と「ショットガン」を選んだ。僕は「レボルバー」と「ハンティングナイフ」にした。それでいいのかと聞かれたが僕にはこれが合っている。色々試したが、やはり小型の方が手に馴染む。
「あ、あのー、これはチーム戦なんですよね。それならライフルは紫月さんに任せた方がいいですよね」
紫月さんは銃の扱いに長けている。特にライフル。僕はナイフの方が専門だしな。
「先生はどうされるんですか?」
星月先輩が聞く。
「私は要らない。自分の分は用意してあるんでな」
流石、だな。
「集合はどうするんだ?」
先生が聞く。そういえば決めていなかったな。
「そんなの決める必要ないですよ。だって、みなさん探偵なんだから黒幕ぐらい見つけられるでしょ」
紫月さんがニコリと笑う。彼女が言いたいのは、こんな事件の黒幕、つまりは真相を突き止められない人間がこの探偵屋にはいないって事だ。
「言ってくれるじゃねぇか新人」
そう、なんだかんだ言って馴染んではいるが彼女は部員歴がいちばん短いのだ。偉そうにしてはいるけど、これでも他の人たちと話す時よりはマシらしい。敬語を使うのは無駄に歳喰っている人間じゃなくて中身が大人の、上の人間だけらしい。社会で苦労しそうなタイプだ。まぁ、悪くはないが。そう言うところも含めて嫌いにはなれないんだよな。
「しーちゃんの言うとりね。でもわたし、容赦しないわよ。やるなら全力で、でしょ」
紫月さんが喜びの舞を始める。
「そ、そろそろ、い、行かないと」
「あ、ホントだね。行こっか、ソウ」
はい、僕はシズの望む通りに。
「何か言った?」
「い、いえ、な、何も」
危ない、危ない、今の彼女にバレるわけにはいかないもんな。
僕たちは学校を出て情報収集をする子にした。先輩は校内を見てから行くらしい。先生は、何をする気だ?行く場所があると言ってどこかに行ってしまった。
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