私、美味しくありません!!

卯月終

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第3章 悪魔契約

夢と現実。

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というかそろそろ起きてもいいんじゃないかな?

「フィオリア。」
そう名前を呼びながら髪をすく。
綺麗な赤茶色の髪。さらさらしてる。
きっと愛されて大切に育てられたのだろう。

❖❖❖❖❖

夢は嫌い。夢は嫌い。
いつも血塗れ。
胸が痛くなる。辛い。悲しい。

幸せは不安。いつか壊れそう。
儚く美しい。だから不安になる。

現実も嫌い。現実は事実。
夢なら醒めたら消えてくれる。
でも現実は消えない。消えてくれない。
どんなに辛くても。どんなに悲しくても。
何度神に祈っても。
だから現実は嫌い。


起きたくないな。
目は醒めてる。でも起きたくない。
髪であそばないでほしい。
私はおもちゃじゃない。

「お目覚めか?」

な、何で……。
お目覚めじゃないもん。目覚めてないもん。

「起きろ。」
キンッと、耳障りな音がする。
何この音。頭に直接響くような。
キンッ。
さらに強くなる。
キンッ。

「狸寝入りか?」

「違います。」
頭痛いから起きることにした。
不協和音というわけではないのに頭が耳が
おかしくなりそう。

「嘘が下手だな。分かりやすい。」

「嘘って何のことですか??」

「狸寝入り。
フィオリア嘘つくのは上手いが、俺には効かないな。
顔には出ないけど心にはわかりやすくあらわれてる。」

「心読めるの?」

「あぁ、契約相手だからな。
他にも…。」

目の前にいる悪魔がパチンと指を鳴らす。

「うっ。」
さっきの音がする。
やめて、そう言いたいのに声が出ない。
必死に睨む。

「こんな感じだな。」

「何するの!?」
はぁはぁ、声は出たけど……。

「魔族の得意技。」

「得意技…?」

「魔法だよ。
契約相手を縛るためのな。」

「それが代償…?」

「いや、枷だな。
代償はまた別。」

「枷?」

「契約相手を縛り付けるもの、それが枷。
物理的にもだが精神的にも。」

「……。」



「フィオリアちゃん起きた?」

「あぁ。」

誰だっけ、このチャラそうな悪魔ヒト


「誰だっけって……。
はぁ、、シオリア=ハール。」

私、声に出て。

「そんなに慌てて口を塞がなくても。
声に出てないから。」

「なら、」

「心読みは悪魔の得意技だからな。」

?」

「心を読むと書いて。」

「つまりフィオリアの思った事は俺らに筒抜け。」

、、、「えーーー!?」

ど、どうしよう。

「だから顔には出てなくてもわかるんだよな。」

そ、そんな。そんなの

「そんなの困ります!!」

「さっきも言ったんだがな。心読めるって。」

そういえば…。
でも、私、このチャラそうな…

ギロっと睨まれた。

あぁ、そうだ違う違う。
チャラ…じゃなくてシオリアさん?とは契約
結んでないよね?ない、よね???
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