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第3章 悪魔契約
契約と枷。
しおりを挟む私、どうなるの?
殺されるの?
だとしたら、その前に
会いたい、会いたい。
リーファに会いたい。
お父様に会いたい、お母様に会いたい。
パパ、ママ………。
あれっ?
私、お父様とお母様のことパパ、ママなんて
呼んだことないよね?誰?誰なの?
私の願望?パパ、ママって呼びたかったの?
何で?何?
「フィオリア。
もう、終わったぞ。」
「何が?」
「契約。代償も刻み込んだしな。」
「刻む?どこに?」
「……。世界には知らない方が幸せなことも
あるからな。」
何、それ。
「何をしたの!?」
「……。」
「答え痛っ。」
痛い。痛い、痛いーー。
「暴れるからだ。」
「なら、教えて、よ。」
「断る。」
「……。私、殺されないの?」
「何でだ?」
「代償って命のイメージがあったから。」
「命か。
魂なら寿命が尽きた後に頂くが、命までは取らない。」
「そうなんだ。」
「ただ、悪魔に魂を食べられたらその存在は
虚無と化す。」
「虚無?」
「死後ならあまり影響はないが、
生きている時に魂を失えば心を持たない
心臓が動いているだけの傀儡とかすというわけだ。」
「く、ぐ、つ……。」
「何だ?殺されたかったのか?」
「そんなわけ、」
「だから、暴れるな。
大人しくしとけ。」
つーー。
痛い、痛いよ。
「まぁ、例え死後でも影響がないわけではないがな。」
「??」
「悪魔に魂を食べられたら、
天国にも地獄にも行くことができない。」
「それがどう影響するの?」
「転生する機会が永遠に失われるんだよ。
例え、地獄に堕ちようとも更生すれば
転生できる可能性はある。
だが、悪魔に魂を食べられたら一巻の終わりだ。」
「ハール。説明助かった。」
「そう、なんだ。」
「興味ないんだな。
転生出来ないこと、気にならないのか。」
「別に気にならないわけじゃない。
でも、そんなの些細なことだから。」
それに、これ以上泣こうものなら
何されるか分からない。
「そろそろ休みたい、です。」
「あぁ、そうだな。
疲れているよな。」
カチャッ。
手錠が外れた。
それだけではなく、檻の鍵も外された。
何を企んでいるの?
「お手洗いはそっちの扉。
お風呂はそっち。
何か欲しいものあったらその電話使え。
可能な限りは用意する。」
「何で?」
「どうかしたか?」
「何で、何で急に優しいの?
何を企んでいるの?」
「別に何も。
ただ、」
「ただ?」
「契約の代償貰うついでに多少の枷は
つけさせてもらった。」
だから、逃げようと問題ないってこと?
「まぁ、扉は閉めるが。
ゆっくり休めよ。」
「おやすみー、いい夢を。」
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