父に代わり、悪魔に身を捧げることになりまして…。

卯月終

文字の大きさ
上 下
6 / 10

6

しおりを挟む
何というか、可愛い。
天使のよう、この表現が正しいかは分からないが。
人間なら天使に例えるのか。

「悪魔さんは?悪魔さんの名前は?」

俺か、俺は

「トイフェル。」

「トイフェルさん?トイフェル様?」

「トイ、でいい。様はどっちでも。」

「なら、トイさん。」

「あぁ。」

「トイと言えばオモチャ?」

「玩具ではない。」
悪魔だ。

「ごめんなさい。」

「構わん、気にしてない。」
人に名前をつける時に玩具なんて付けないだろ。

「そうですか?」

安心しろ、そう言いながら黒髪を撫でる。
シュバルツハーリックだったか。
サラサラしている。

「ふぁー。」

あくび?人間にとっては寝る時間か。

「気がつかなくて悪かったな。
ひとまず、この部屋を使え。」

「えっ?
この部屋はトイさんのなんじゃ?」

「我は人間とは違う。
人間が眠る時間に起きる夜型の生き物だ。」

「お風呂もある。
ベッドも自由に使え。

後で飲み物と着替えを持って来させる。」

「ありがとうございます。」

「では、失礼する。」

「失礼いたします。」

■□■□■□■□

はぁー、緊張した。
怖かった。

「母様、大丈夫かな?」

父様が血まみれで倒れて。
母様が殺されかけて。
私が支払いを…。

あれっ?まだ私支払ってないよね。
いつ払えばいいんだろう。
どうしたらいいのかな?

お風呂入る?でも着替えもタオルもないし…。
コンコンコン。誰?

「お着替えをお持ちしました。」

この声はディーナーさん?

「開けてもいいですか?」

「あっ、はい。大丈夫です。」

「失礼します。
お着替えをどうぞ。」

「ありがとうございます。」

ディーナーさんが手に持つ物の方を見る?
カップにお皿?

「こちらはティーセットです。
好きなものを好きなだけどうぞ。
お菓子もありますので。」

「他にも必要なものがあればおっしゃってください。」

「タオルが欲しいです。
あと、ペンとメモが…。」

「タオルはバスタオルで構いませんか?
ペンとメモは何に使われますか?」

「はい、バスタオルをお願いします。
ペンとメモは日記を書きたくて…。
無理なら良いんです。」

「問題ありません。お持ちします。」

程なくして、コン コン コン。
と音がする。
ディーナーさんと扉の叩き方が違う?

「しっつれいしまーす!」

金髪に朱色の瞳をした女の人が入ってきた。
綺麗な人。

「可愛いー!」

ビクッ。体が勝手に震える。
ベッドの影に隠れるように距離を取る。

「メーフェ!!」

ディーナーさんの声だ。

「失礼しました。
メーフェ、扉を開けるのは許可を得てからだ。
それにセイン様が驚いている。
いきなり抱き着こうとするな。
セイン様は旦那様が連れて来た大事なお客様なんだ。」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~

恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん) は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。 しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!? (もしかして、私、転生してる!!?) そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!! そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません

ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは 私に似た待望の男児だった。 なのに認められず、 不貞の濡れ衣を着せられ、 追い出されてしまった。 実家からも勘当され 息子と2人で生きていくことにした。 * 作り話です * 暇つぶしにどうぞ * 4万文字未満 * 完結保証付き * 少し大人表現あり

処理中です...