北欧フィンランド オーロラの下で

野生のリスに会いにいく

海沿いの遊歩道沿いにはちょっとした森があって、そこには野生のリスやウサギが生息している。
私も散歩中に何度も見かけたことがあるが、遠くから眺めるだけで近づいてみたことはなかった。

そんな時、同僚がインスタグラムに、彼女の子供が野生のリスに餌付けしている動画を上げているのを見た。
フィンランドのリスはピンと立った長めの耳に、グレーと茶が混じった毛色、ふさふさのしっぽが特徴。
聞けば、病院の裏手の遊歩道入り口付近に木製の鳥の巣箱があり、そこに行けばリスを間近で見られるという。

家に着くや否や、冷蔵庫にあったクリスマスのグロッギ用のレーズンとアーモンドの残りを握りしめ、早速木箱のある場所へと向かった。


歩くこと約10分、巣箱の場所に着いてリスの姿を探した。
巣箱には鳥の餌が入っていたが、鳥の姿もリスの姿もなかった。
しばらくして、巣箱から少し離れた高い木の上に、一匹のリスを発見。
静かに近づき、その木の下の石の上にアーモンドを撒いてみた。
リスは少し警戒しているようだったが、私がその場を離れると、するすると木から降りてきた。

その間に、巣箱の台にもレーズンとアーモンドを置いてリスが来るのを待った。
すると、さっきのリスとは別のリスがどこからともなく現れて巣箱に近づくと、台の上のレーズンを頬張りだした。
しばらくしてさっきのリスもやってきて、もう一匹と交代するように入れ替わり、レーズンをかじりだす。
両手でレーズンを持って食べる姿がめちゃめちゃ愛らしくて、ずっと見ていられる。

と思ったら、巣箱の中に入ったり出たりを数回繰り返し、巣箱が括り付けてある木を登ったり下りたりし始めた。
動画を撮りたくてカメラを向けていたのだが、すばしっこすぎて焦点を合わせるのに苦労する。
二匹が別の木へ移動したのを見届けて、遊歩道に戻る。
折角なので、このまま遊歩道を散歩することにした。


裁判所の近くの公園まで来たとき、一本の木の下にオレンジ色の何かがたくさんばら撒かれているのを発見した。
白い雪の上なので、オレンジ色が一層際立って見え、一体何なのか確かめたくなった。
近寄ってみると、それはニンジンだった。
フィンランド産のニンジンは日本のものより細くて小ぶりだが、そのニンジンが丸のまま70~80本くらい、豪快にばら撒かれている景色はなんとも異様だった。

そのすぐそばには、鳥の巣箱が設置されていた。
その状況から、このニンジンが野生のウサギの為にばら撒かれたのだとピンと来た。
誰の仕業かは検討もつかないが、思わず、ニンジンを撒いているフィンランド人のおじいちゃんを想像して、なんだか微笑ましくなった。


つづく・・

＊リスとニンジンの動画をTikTokにあげているので良かったら見に来てください^^　@peony0_0