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ヘラジカ・メルビとの出会い
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先日、街の中心から車で40分の森の中にある「ノルディックワイルドライフケアセンター」を訪れる機会に恵まれた。会社が外国人を対象に特別に企画したテストツアーで、総勢25人程が参加した。
ここで私たちは、一頭のヘラジカ、メルビ(Hirvi Mervi)と出会う。
「ノルディックワイルドライフケアセンター」は、マルック・ハルユさんが個人で運営されている、傷ついた野生動物を保護・ケアする施設。
施設にはメルビの他に傷ついた野生の鳥や小動物がいて、マルックさんがそれらの治療や世話にあたっている。
メルビは1歳の雌のヘラジカで、生まれて間もなく弱った状態で森の中で偶然発見され、マルックさんの保護施設にやってきた。当時はまともに立つこともできなかったという。
マルックさん曰く、野生動物は厳しい自然環境の中で生き延びるため、母親が弱っている方の子供を放棄することがあるという。
恐らくメルビの母親も、生きるためにそうした選択をせざるを得なかったのかもしれない。
ヘラジカを実際に見たことがある人は、まずその大きさに驚くと思う。
メルビも例外ではなく、1歳ですでにマルックさんの身長を超えている。
(ちなみに私のプロフィールのアイコンに一緒に写っているのがメルビ。)
野生のヘラジカは、通常人間の気配を感じると逃げてしまうという。
遭遇するとしたら、夜中森の中の一本道を車で走っている時に急に飛び出してきたヘラジカに車ごと衝突する時か、ハンティングでヘラジカを捕獲する時くらい。
なので、生きているヘラジカを触ることなんて、普通に生活していたらまず経験できることではない。
今回参加した全員が野生のヘラジカを実際に見るのは初めてだったので、行きの車内はわくわくとドキドキが渦巻いていた。
ワイルドライフケアセンターへ行く前に、レプロット橋のたもとにあるBerny'sというカフェレストランで、メルビについてのビデオを見ながらワイルドライフケアセンターの説明を受ける。
日によって気性に差があるとのことで若干不安だったが、この日メルビはとても穏やかでご機嫌だった。
初めて訪問した私たちにも驚くことなく、マルックさんに促されフェンスの方へゆっくり歩いて来てくれた。
最初はお互い様子を伺う感じで、私も恐る恐る手を伸ばしてみる。
徐々に近くに来てくれて、ついには手の届く位置まで顔を近づけてくれた。
間近で見ると、全体的に固い毛質なのに鼻先だけ違ってふわふわに見えたので思わず触れてみた。
思った通り、ベルベットのような柔らかい手触り。
まっすぐこちらを見つめる大きな瞳はとても純粋で、優しさにあふれていた。
なんだかとても癒されて、周りを見るとみんなも笑顔になっていた。
メルビと別れた後、私たちは雪深い森の中を少し散策して、たどり着いた休憩所でマルックさんが火を起こし、みんなで焚火にあたりながら熱いコーヒーをいただいた。
16時頃だったがすでに辺りは薄暗く、鮮やかな炎のオレンジ色がみんなの顔を照らしていたのがとても印象的に映った。
(この時の様子がYoutubeにアップされています。
興味がある方は「Villieläinhoitola Raippaluoto, Mervi Hirvi」で検索してみてください。)
つづく・・
ここで私たちは、一頭のヘラジカ、メルビ(Hirvi Mervi)と出会う。
「ノルディックワイルドライフケアセンター」は、マルック・ハルユさんが個人で運営されている、傷ついた野生動物を保護・ケアする施設。
施設にはメルビの他に傷ついた野生の鳥や小動物がいて、マルックさんがそれらの治療や世話にあたっている。
メルビは1歳の雌のヘラジカで、生まれて間もなく弱った状態で森の中で偶然発見され、マルックさんの保護施設にやってきた。当時はまともに立つこともできなかったという。
マルックさん曰く、野生動物は厳しい自然環境の中で生き延びるため、母親が弱っている方の子供を放棄することがあるという。
恐らくメルビの母親も、生きるためにそうした選択をせざるを得なかったのかもしれない。
ヘラジカを実際に見たことがある人は、まずその大きさに驚くと思う。
メルビも例外ではなく、1歳ですでにマルックさんの身長を超えている。
(ちなみに私のプロフィールのアイコンに一緒に写っているのがメルビ。)
野生のヘラジカは、通常人間の気配を感じると逃げてしまうという。
遭遇するとしたら、夜中森の中の一本道を車で走っている時に急に飛び出してきたヘラジカに車ごと衝突する時か、ハンティングでヘラジカを捕獲する時くらい。
なので、生きているヘラジカを触ることなんて、普通に生活していたらまず経験できることではない。
今回参加した全員が野生のヘラジカを実際に見るのは初めてだったので、行きの車内はわくわくとドキドキが渦巻いていた。
ワイルドライフケアセンターへ行く前に、レプロット橋のたもとにあるBerny'sというカフェレストランで、メルビについてのビデオを見ながらワイルドライフケアセンターの説明を受ける。
日によって気性に差があるとのことで若干不安だったが、この日メルビはとても穏やかでご機嫌だった。
初めて訪問した私たちにも驚くことなく、マルックさんに促されフェンスの方へゆっくり歩いて来てくれた。
最初はお互い様子を伺う感じで、私も恐る恐る手を伸ばしてみる。
徐々に近くに来てくれて、ついには手の届く位置まで顔を近づけてくれた。
間近で見ると、全体的に固い毛質なのに鼻先だけ違ってふわふわに見えたので思わず触れてみた。
思った通り、ベルベットのような柔らかい手触り。
まっすぐこちらを見つめる大きな瞳はとても純粋で、優しさにあふれていた。
なんだかとても癒されて、周りを見るとみんなも笑顔になっていた。
メルビと別れた後、私たちは雪深い森の中を少し散策して、たどり着いた休憩所でマルックさんが火を起こし、みんなで焚火にあたりながら熱いコーヒーをいただいた。
16時頃だったがすでに辺りは薄暗く、鮮やかな炎のオレンジ色がみんなの顔を照らしていたのがとても印象的に映った。
(この時の様子がYoutubeにアップされています。
興味がある方は「Villieläinhoitola Raippaluoto, Mervi Hirvi」で検索してみてください。)
つづく・・
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