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第二十三話 アーレントの過去③ ※第十七話と被る部分があります
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「生け捕ってたくさん領主から金を巻き上げるかぁ?それとも一気に殺すかぁ?なぁ、お前はどっちがいい?」
「・・・・・・どっちもお断りよっ」
ティアラはドレスの下の足首に隠し持っていたナイフをスッと抜き取り、目の前の賊に刃先を向けた。
「なら 死ね!!」
その手に大きな鎌を持ち、品のない声でギャハハと笑いながら賊が窓から侵入して来る。
敵の持つ大鎌にティアラ持つ小さなナイフでは到底敵わない。
ティアラは敵に向けたナイフをグルっと自分に向け直して自らの心臓めがけて振り下ろした。
「おや、いい目をしてるね 君」
あと数センチで私の心臓に到達するはずのそのナイフがピタッと止まった。
ティアラ手を掴んだのはライトに変装したアーレントだっだ。
見ると、賊の大鎌を右肩に受けてティアラの前に盾になるように立ちはだかっている。
「だっ、誰だテメェっ・・・・・・」
「もうすぐこの世から消える君に自己紹介する必要ってある?」
アーレントは黒い髪と青い瞳で鼻から下を布で隠し、何かのためにと用意しておいた王国騎士団の制服に着替えていた。
大鎌を受けた際に傷を負った制服の肩部分が赤く色づいている。
「で、殿下?怪我を・・・・・・」
「え?私のこと知ってるの?」
顔半分が隠れているが、さっきあったばかりの黒髪に青い瞳のライトをティアラは覚えていた。
しかしさっき会ったときよりなんだか物腰が柔らかく背も少し大きい気がして少しの違和感を抱くがアーレントの肩からの出血に意識を戻す。
「そんな事より、血がっ」
右肩の制服が破れて傷が見える。
そこまで深くはないようだが、早く治療をしないと最悪の場合破傷風になってしまうとティアラが心配をする。
「・・・・・・おい、コラァ。テメェ 何ヒーロー気取ってんだぁ。ぶっ殺すぞっ!」
ライトに扮したアーレントの後ろから賊の男が大鎌を再度振り上げて唸った。
アーレントが「も~、煩いなぁ」と言って見事な剣捌きで賊を一撃した。
あっという間の事にティアラはあ然とする。
「ふー、やれやれ。こいつが最後の賊だからこれで一安心だよ」
「あのっ。助けていただきありがとうございます」
アーレントは座り込むティアラに手を差し伸べ、ティアラはその手をきゅっと掴んだ。
「・・・・・・」
アーレントは、目の前の少女の赤い髪と碧の瞳に幼い頃の既視感を抱く。
赤ん坊のあの小さな手だ。
繋いだ手からこの子がティアラという確信をアーレントはする。
「あの、何か?」
探していたティアラが突然目の前にいると分かり、アーレントは驚きを隠せない。
しかし、それ以上に隠しきれない喜びが湧いてきて顔が綻んだ。
「いや。可愛いなと思って」
「・・・・・・んなっ」
照れるティアラを椅子に座らせ、アーレントはピッと剣を薙ぎ払って賊の血を吹き飛ばし鞘に剣を納める。
「してよ。手当」
アーレントが右肩をティアラに向けてそう言った。
ガラスの破片が床一面に散らばる小屋で、ティアラは薬箱を取り出して応急処置をする。
幸い出血も少なかったが、大鎌で切られた傷跡は残ると思われた。
「すみません。傷が残るかと思われます」
「大丈夫。君が私を見つける目印だと思えばいい」
「ですが・・・・・・」
アーレントは、これはティアラを自分との接点を作るチャンスだと思いニヤリとして言う。
「責任、取ってくれるの?」
「え?」
「私はどうやら君を気に入った様だ。自分の死を目前にあの堂々たる態度。この出会いは運命なのかもしれない」
暫くの間アーレントとティアラは見つめ合っていた。
「運命」と言うその言葉にティアラの顔はかぁっと赤くなる。
「君の名前は?」
あくまでも真摯に。
十四年も前からティアラのことをずっと心に思っていたなんてバレないようにアーレントは話す。
「ティアラです。ティアラ・デフェル!」
ティアラの口から名前を聞くとアーレントは満面の笑みを浮かべる。
顔の半分は布で隠していたとしてもその好意は伝わっていてティアラも頬を赤く染めている。
その時遠くからティアラを呼ぶケビンの声が聞こえてきた。
「デフェル子爵の声だね。私は行くよ。ではまた 愛しい人。必ず君を迎えに来るから」
アーレントはここでケビンに出くわすわけにも行かず去り際にティアラにそう言って小屋を後にした。
アーレントは既のところでケビンに出会すことなく馬を止めた小高い丘にまで行くと、辺りは夕陽に包まれていた。
元々来ていた服と変装マスク外してアーレントはアーレントに戻り、馬を走らせた。
そして誰にもバレないようにこっそり王城の裏から無事に入城し部屋に戻った。
◇◇◇◇
数日後、デフェル領を襲った賊を退治した功績でライトが王国騎士団団長に就任しケビンが副団長になったことをアーレントは聞かされた。
その祝の宴が今宵デフェル子爵邸で行われる事となり、アーレントも参加することとなった。
ティアラに堂々と会えると喜ぶのも束の間、なんとティアラはアーレントに見向きもせず、ライトのあとばかりを追っていた。
「ライト様は来年度アカデミーに入学されるとお聞きしました。私も勉強は苦手ですが努力して入学しようと思っております」
恥ずかしそうに躊躇いがちに時折ちらっとライトを見つめるティアラの瞳は恋する女性の瞳だった。
その光景にアーレントは絶句をした。
そしてアーレントは考えた。
どうしたらティアラをアカデミーに入学させないようにできるかを。
「・・・・・・そうだ。いい事を考えついたぞ」
アーレントはフッと苦笑いを浮かべるとティアラやライトに挨拶することもなくデフェル子爵邸を後にした。
王城に帰宅すると使用人にいろんな種類の本を何冊か運ぶように伝えた。
すぐさま何十冊ものいろんな分野の本がアーレントの執務室に運ばれた。
使用人が立ち去るとアーレントは本を開いたかと思うとハサミを取り出した。
ジャキン、ジャキン。
暫くの間アーレントの執務室からハサミの音が鳴り響く。
小一時間後、テーブルの上に何冊もの本が散乱し、どの本も共通して何箇所かアーレントによって切り抜かれていた。
執務机に座るアーレントが手に持つ本をじっと見つめていると、「あった」と言ってハサミを持ち本のページの一部を切り取った。
「命」という字を切り抜き、机の上に置いてある紙の上に置いた。
「これでよし、と」
何枚もの紙の切り抜きで作られた文字は「命」という先程アーレントが本から切り抜いた紙を置くことで一つの文章を完成させた。
『ティアラ・デフェルのアカデミー入学を辞めさせろ。さもなくば命はないと思え』
「うん。上出来」
アーレントはそう言って満足そうに笑った。
「ティアラ、君をアカデミーの男達に見せるなんて私は耐えられそうにない。だからアカデミーは諦めてくれ」
こうして脅迫状は隠密にデフェル子爵邸に送られていった。
「・・・・・・どっちもお断りよっ」
ティアラはドレスの下の足首に隠し持っていたナイフをスッと抜き取り、目の前の賊に刃先を向けた。
「なら 死ね!!」
その手に大きな鎌を持ち、品のない声でギャハハと笑いながら賊が窓から侵入して来る。
敵の持つ大鎌にティアラ持つ小さなナイフでは到底敵わない。
ティアラは敵に向けたナイフをグルっと自分に向け直して自らの心臓めがけて振り下ろした。
「おや、いい目をしてるね 君」
あと数センチで私の心臓に到達するはずのそのナイフがピタッと止まった。
ティアラ手を掴んだのはライトに変装したアーレントだっだ。
見ると、賊の大鎌を右肩に受けてティアラの前に盾になるように立ちはだかっている。
「だっ、誰だテメェっ・・・・・・」
「もうすぐこの世から消える君に自己紹介する必要ってある?」
アーレントは黒い髪と青い瞳で鼻から下を布で隠し、何かのためにと用意しておいた王国騎士団の制服に着替えていた。
大鎌を受けた際に傷を負った制服の肩部分が赤く色づいている。
「で、殿下?怪我を・・・・・・」
「え?私のこと知ってるの?」
顔半分が隠れているが、さっきあったばかりの黒髪に青い瞳のライトをティアラは覚えていた。
しかしさっき会ったときよりなんだか物腰が柔らかく背も少し大きい気がして少しの違和感を抱くがアーレントの肩からの出血に意識を戻す。
「そんな事より、血がっ」
右肩の制服が破れて傷が見える。
そこまで深くはないようだが、早く治療をしないと最悪の場合破傷風になってしまうとティアラが心配をする。
「・・・・・・おい、コラァ。テメェ 何ヒーロー気取ってんだぁ。ぶっ殺すぞっ!」
ライトに扮したアーレントの後ろから賊の男が大鎌を再度振り上げて唸った。
アーレントが「も~、煩いなぁ」と言って見事な剣捌きで賊を一撃した。
あっという間の事にティアラはあ然とする。
「ふー、やれやれ。こいつが最後の賊だからこれで一安心だよ」
「あのっ。助けていただきありがとうございます」
アーレントは座り込むティアラに手を差し伸べ、ティアラはその手をきゅっと掴んだ。
「・・・・・・」
アーレントは、目の前の少女の赤い髪と碧の瞳に幼い頃の既視感を抱く。
赤ん坊のあの小さな手だ。
繋いだ手からこの子がティアラという確信をアーレントはする。
「あの、何か?」
探していたティアラが突然目の前にいると分かり、アーレントは驚きを隠せない。
しかし、それ以上に隠しきれない喜びが湧いてきて顔が綻んだ。
「いや。可愛いなと思って」
「・・・・・・んなっ」
照れるティアラを椅子に座らせ、アーレントはピッと剣を薙ぎ払って賊の血を吹き飛ばし鞘に剣を納める。
「してよ。手当」
アーレントが右肩をティアラに向けてそう言った。
ガラスの破片が床一面に散らばる小屋で、ティアラは薬箱を取り出して応急処置をする。
幸い出血も少なかったが、大鎌で切られた傷跡は残ると思われた。
「すみません。傷が残るかと思われます」
「大丈夫。君が私を見つける目印だと思えばいい」
「ですが・・・・・・」
アーレントは、これはティアラを自分との接点を作るチャンスだと思いニヤリとして言う。
「責任、取ってくれるの?」
「え?」
「私はどうやら君を気に入った様だ。自分の死を目前にあの堂々たる態度。この出会いは運命なのかもしれない」
暫くの間アーレントとティアラは見つめ合っていた。
「運命」と言うその言葉にティアラの顔はかぁっと赤くなる。
「君の名前は?」
あくまでも真摯に。
十四年も前からティアラのことをずっと心に思っていたなんてバレないようにアーレントは話す。
「ティアラです。ティアラ・デフェル!」
ティアラの口から名前を聞くとアーレントは満面の笑みを浮かべる。
顔の半分は布で隠していたとしてもその好意は伝わっていてティアラも頬を赤く染めている。
その時遠くからティアラを呼ぶケビンの声が聞こえてきた。
「デフェル子爵の声だね。私は行くよ。ではまた 愛しい人。必ず君を迎えに来るから」
アーレントはここでケビンに出くわすわけにも行かず去り際にティアラにそう言って小屋を後にした。
アーレントは既のところでケビンに出会すことなく馬を止めた小高い丘にまで行くと、辺りは夕陽に包まれていた。
元々来ていた服と変装マスク外してアーレントはアーレントに戻り、馬を走らせた。
そして誰にもバレないようにこっそり王城の裏から無事に入城し部屋に戻った。
◇◇◇◇
数日後、デフェル領を襲った賊を退治した功績でライトが王国騎士団団長に就任しケビンが副団長になったことをアーレントは聞かされた。
その祝の宴が今宵デフェル子爵邸で行われる事となり、アーレントも参加することとなった。
ティアラに堂々と会えると喜ぶのも束の間、なんとティアラはアーレントに見向きもせず、ライトのあとばかりを追っていた。
「ライト様は来年度アカデミーに入学されるとお聞きしました。私も勉強は苦手ですが努力して入学しようと思っております」
恥ずかしそうに躊躇いがちに時折ちらっとライトを見つめるティアラの瞳は恋する女性の瞳だった。
その光景にアーレントは絶句をした。
そしてアーレントは考えた。
どうしたらティアラをアカデミーに入学させないようにできるかを。
「・・・・・・そうだ。いい事を考えついたぞ」
アーレントはフッと苦笑いを浮かべるとティアラやライトに挨拶することもなくデフェル子爵邸を後にした。
王城に帰宅すると使用人にいろんな種類の本を何冊か運ぶように伝えた。
すぐさま何十冊ものいろんな分野の本がアーレントの執務室に運ばれた。
使用人が立ち去るとアーレントは本を開いたかと思うとハサミを取り出した。
ジャキン、ジャキン。
暫くの間アーレントの執務室からハサミの音が鳴り響く。
小一時間後、テーブルの上に何冊もの本が散乱し、どの本も共通して何箇所かアーレントによって切り抜かれていた。
執務机に座るアーレントが手に持つ本をじっと見つめていると、「あった」と言ってハサミを持ち本のページの一部を切り取った。
「命」という字を切り抜き、机の上に置いてある紙の上に置いた。
「これでよし、と」
何枚もの紙の切り抜きで作られた文字は「命」という先程アーレントが本から切り抜いた紙を置くことで一つの文章を完成させた。
『ティアラ・デフェルのアカデミー入学を辞めさせろ。さもなくば命はないと思え』
「うん。上出来」
アーレントはそう言って満足そうに笑った。
「ティアラ、君をアカデミーの男達に見せるなんて私は耐えられそうにない。だからアカデミーは諦めてくれ」
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