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第五話 SIDE:ライト
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ヒューゴ侯爵邸から王城に帰る馬車の中、僕は発狂した。
「何でだ!」
7年前に初めて会った時から好きで好きでしかたがない愛しい婚約者のアリシアが、学生寮に入るだと!?
そんな話は聞いてないっ。
誰に当たるわけにも行かず、歯を食いしばりながら唸るように僕は言った。
「一緒に登校したかったのに・・・・・・」
僕はあまりのショックに頭を抱えて項垂れたまま王城までの道程を馬車の中で過ごした。
僕の宮殿の前に着いて馬車が停まった。
馬車を降りて僕は一人、倉庫に向かう。
ガラガラとシャッターを上げれば、そこには真新しい馬車が一台。
「これに乗ってアリシアを迎えに行きたかったのに・・・・・・」
僕は暫くの間悲しみに浸っていたが、やるべきことがまだあると自分を奮い立たせた。
向かうべきところは唯一つ、父上の執務室だ。
「父上、ライトです。今よろしいですか?」
ノックをしながらそう言えば、「ああ、入れ」と返事があったので入室した。
「・・・・・・あ、先客がおられましたか」
僕の髪色は母上譲りの黒だが、父上は兄上と瓜二つで金髪に青い目をしている。
父上だけかと思っていたら、二人の来客がいた。
一人は王国騎士団の副団長ケビン・デフェル。
ケビンは僕が14歳で王国騎士団の団長になるまで団長を勤めていた凄腕の騎士だ。
子爵家の生まれで確か今年で34歳。
屈託なく笑う、とても頼りになる爽やかな男だ。もう一人は・・・・・・。
「お久しぶりでございます。先の戦では命を助けていただきまして心より感謝いたします」
助けた人の数は無数だし、正直言って誰を助けたとか覚えてない。
それに僕からしたらアリシア以外は皆同じだ。
暫くの間誰だったか思い出そうとしてもなかなか思い出せなかったが、隣に座るケビンと同じ赤い髪と緑の瞳を見比べてふと思い出した。
以前ケビンに家族写真を見せてもらった事があって、確か僕と同じ歳のソフィアという娘がいると言ってた様な・・・・・・。
「ああ、ケビンの娘のティアラ嬢・・・・・・で合ってるかな?」
「はい。ティアラでございます」
「ライト、いいところに来た。まあ、座りなさい」
父上に言われては致し方なくソファーに座る。
本当は、アカデミーの学生寮に入る許可が今すぐにでも欲しいのに。
「来月からお前もティアラもアカデミーに入学するだろう」
「はい。その事で実は僕も父上に相談が・・・・・・」
「ライト、お前がアカデミーでティアラを守ってくれないか?」
「・・・・・・は?何故ですか?」
僕の質問に申し訳無さそうに答えたのは父上ではなくケビンだった。
「ライト殿下、すみません。実はこんな物が我が家に送られてきたんです」
ケビンがスッと僕に一枚の紙切れを見せた。
それは・・・・・・。
「ティアラ・デフェルのアカデミー入学を辞めさせろ。さもなくば命はないと思え?・・・・・・これって、脅迫状?」
何種類もの印刷物から切り取った紙を貼り並べて作られた手作りの脅迫状だった。
大胆な人間がいるものだ。
王国騎士団の副団長の娘に脅迫状を送りつけるとは。
「陛下に相談したらいい考えがあると言われて。それに、他に頼れる人もいなくて」
いや、いるだろう。
ケビン、お前顔広いじゃないか。
別に僕じゃなくたっていいはずだろう。
「ケビンから話を聞いて、ちょうどライトも入学するからお前に守らせればいいと提案したんだ」
また、面倒な事を思いついてくれたものだ。
しかしケビンの娘とあっては無下にはできない。
でも、アカデミーではアリシア以外の事に気を使いたくない。
僕が考え込んでいると、父上が僕に聞いてきた。
「そういえば、ライト。お前の要件は何なのだ?」
「はい。アカデミーの入学後は学生寮から通おうと思いますがいいでしょうか?」
僕が言うと、父上は「何を馬鹿な事を・・・・・・」と言ったが、不意に何かを閃いたようポンと手を打って言った。
「・・・・・・駄目だ、と言いたいところだが、お前の返答次第では許可しようではないか」
そうきたか。
「つまり、アカデミーでティアラ嬢の護衛をするなら学生寮に入ってもいいと言うことですか?」
父上は返事の代わりに首を縦に振った。
僕としては学生寮に入る事が出来ればいいんだ。
守るとこの場で父上には言って、ティアラ嬢の事は腕のいい護衛に任せればいい。
「分かりました。ティアラ嬢の護衛を僕が引き受けましょう」
僕は躊躇うことなく父上の提案にのった。
でも、これが僕とアリシアの仲を悪くする原因になるなんてこの時の僕は考えもしなかった。
父上の執務室を出て、学生寮に入る許可を貰った僕は足取り軽く自分の宮殿に戻っていく。
父上の住む本宮殿と僕の住む宮殿を繋ぐ廊下を歩いていた時だった。
「ラ~イト!」
不意に後ろから僕を呼ぶ声の主は兄上。
気まぐれで飄々とした兄上と話をするのはあまり気が向かないが、アリシアと普通に会話が出来るようになったのは兄上のおかげだ。
ここはお礼を言ってさっさと立ち去るのが得策だろうと僕は考えた。
「兄上、ご無沙汰しています。この間のアドバイスのお陰でアリシアと楽しいアカデミー生活が送れそうです。ありがとうございました」
「え?何の事?」
本当に忘れているのか、あえてとぼけているのか分からないが、兄上は よくわからないな、と首を横に傾けた。
「アリシアと目も合わせられずに過ごした7年を打破するために兄上が教えてくれた魔法の言葉のお陰で、見事アリシアとたくさん会話が出来ました」
「・・・・・・ああ、あの時の話ね」
兄上が、ああ 思い出したとにっこり笑った。
それは一週間前の事ーーー。
◇◇◇◇
「ラ~イト。元気?」
僕が武術場で剣の稽古をしていた時だ。
こんな風に軽く僕に声をかけるのは兄上だけ。
兄上に向けてシュンと振り下ろした木刀は、いとも容易く右手の親指と人差し指の二本の指先で摘んで止められた。
兄上は僕より背が少し高い。
年は五つ上で二十歳になる。
金色の髪が太陽の光でキラキラ光っている。
「いいなぁ、その黒髪。俺も黒が良かった」
「またそれですか。だったら黒に染めたらどうですか?」
僕が王国騎士団の団長になった一年前位から兄上がそう言ってくることがちょくちょくある。
「あ、その案いいね」と兄上は笑った。
僕は汗をかいた服を着替えながら兄上と会話を続けた。
「だって、こんなキンキラの髪の毛目立ってしょうがないだろう。僕も黒が良かったな~」
「金だろうが黒だろうが、兄上の顔なら何色でも目立つと思いますけど。僕、忙しいのでもう行きますね」
僕は早く部屋に戻ってアリシアの絵姿を見て休みたかった。
僕が兄上の前を通り過ぎようとした時、兄上が言った。
「もうすぐアリシアとのお茶会があるんだろう」
その言葉にビクッと僕は反応した。
「何で知ってるんですか」
「オルガに聞いた」
オルガ・ダレス。アリシアの従姉妹か。
従姉妹・・・・・・。親しい間柄を表すその言葉、めちゃくちゃ羨ましい立ち位置だ。
「兄上は、オルガ嬢とは随分と仲が良いのですね」
「まあね」
女性に関心のない兄上が、オルガとだけは気さくに話をする。
聞けば色んな発明品を作っていて、とても興味深いんだそうだ。
「それはそうとお前さ、アリシアと会話したくないの?」
耳がダンボになる。ダンボが何かは知らないが、遠い異国にはそんな例えがあるらしい。
まさしく今の僕がそれだった。
意味としては、興味があり過ぎて耳が大きくなるくらいな過度な反応を示す、といった所らしい。
「しっ、したい。でも7年も目すら合わせてないし、会話なんて会った日の天気の話を一言話す位で、まともな会話をしたことがないのです。一体何と話しかければいいんですか?兄上」
「大丈夫だ。とっておきの魔法の言葉がある」
「ま、魔法の言葉?」
「真実の愛、という言葉を知っているか?」
真実の愛、それくらい知っている。
それが何だと言うんだ。
「女性はその言葉に弱いんだ。真実の愛に気づいたとか言えば、何かしら反応があるはずだ」
「気づいたとか、そんなの嘘になる。既に僕は7年前から真実にアリシアを愛している」
「でも、態度で表してこなかったでしょ?要はきっかけだよ。多少の嘘も必要な時があるさ」
「じゃあ、7年前から実は君を愛していた、でいいじゃないか」
「ばっかだな、ライト。今まで目も合わせなかった相手にそんな事いきなり言われてみろよ。俺なら引く」
戦場しかしらない僕は、アリシアとの今の関係がいい方向に行くならと思い兄上の言葉に従った。
そうしたら、なんとアリシアは僕に嫌われていると思っていたらしく、挙げ句の果てに婚約解消やら、妾がどうのと訳の分からない事ばかり言ってきた。
その場で誤解は解けたものの、あの時誤解が解けていなければ大変な事になっていた事は予想がつく。
◇◇◇◇
ふと風が吹き、桜の花びらが僕の顔の前をチラチラ流れて現実に戻された。
「兄上、本当にありがとう」
「たった二人の兄弟だ。お前達がうまくいってるなら良かったよ」
「兄上も早くいい人を見つけられたらいいね」
「ああ。そうだな」
僕と兄上はその後は何も話さず、兄上は僕が自分の宮殿に入るのを見ると本宮殿に戻っていった。
「何でだ!」
7年前に初めて会った時から好きで好きでしかたがない愛しい婚約者のアリシアが、学生寮に入るだと!?
そんな話は聞いてないっ。
誰に当たるわけにも行かず、歯を食いしばりながら唸るように僕は言った。
「一緒に登校したかったのに・・・・・・」
僕はあまりのショックに頭を抱えて項垂れたまま王城までの道程を馬車の中で過ごした。
僕の宮殿の前に着いて馬車が停まった。
馬車を降りて僕は一人、倉庫に向かう。
ガラガラとシャッターを上げれば、そこには真新しい馬車が一台。
「これに乗ってアリシアを迎えに行きたかったのに・・・・・・」
僕は暫くの間悲しみに浸っていたが、やるべきことがまだあると自分を奮い立たせた。
向かうべきところは唯一つ、父上の執務室だ。
「父上、ライトです。今よろしいですか?」
ノックをしながらそう言えば、「ああ、入れ」と返事があったので入室した。
「・・・・・・あ、先客がおられましたか」
僕の髪色は母上譲りの黒だが、父上は兄上と瓜二つで金髪に青い目をしている。
父上だけかと思っていたら、二人の来客がいた。
一人は王国騎士団の副団長ケビン・デフェル。
ケビンは僕が14歳で王国騎士団の団長になるまで団長を勤めていた凄腕の騎士だ。
子爵家の生まれで確か今年で34歳。
屈託なく笑う、とても頼りになる爽やかな男だ。もう一人は・・・・・・。
「お久しぶりでございます。先の戦では命を助けていただきまして心より感謝いたします」
助けた人の数は無数だし、正直言って誰を助けたとか覚えてない。
それに僕からしたらアリシア以外は皆同じだ。
暫くの間誰だったか思い出そうとしてもなかなか思い出せなかったが、隣に座るケビンと同じ赤い髪と緑の瞳を見比べてふと思い出した。
以前ケビンに家族写真を見せてもらった事があって、確か僕と同じ歳のソフィアという娘がいると言ってた様な・・・・・・。
「ああ、ケビンの娘のティアラ嬢・・・・・・で合ってるかな?」
「はい。ティアラでございます」
「ライト、いいところに来た。まあ、座りなさい」
父上に言われては致し方なくソファーに座る。
本当は、アカデミーの学生寮に入る許可が今すぐにでも欲しいのに。
「来月からお前もティアラもアカデミーに入学するだろう」
「はい。その事で実は僕も父上に相談が・・・・・・」
「ライト、お前がアカデミーでティアラを守ってくれないか?」
「・・・・・・は?何故ですか?」
僕の質問に申し訳無さそうに答えたのは父上ではなくケビンだった。
「ライト殿下、すみません。実はこんな物が我が家に送られてきたんです」
ケビンがスッと僕に一枚の紙切れを見せた。
それは・・・・・・。
「ティアラ・デフェルのアカデミー入学を辞めさせろ。さもなくば命はないと思え?・・・・・・これって、脅迫状?」
何種類もの印刷物から切り取った紙を貼り並べて作られた手作りの脅迫状だった。
大胆な人間がいるものだ。
王国騎士団の副団長の娘に脅迫状を送りつけるとは。
「陛下に相談したらいい考えがあると言われて。それに、他に頼れる人もいなくて」
いや、いるだろう。
ケビン、お前顔広いじゃないか。
別に僕じゃなくたっていいはずだろう。
「ケビンから話を聞いて、ちょうどライトも入学するからお前に守らせればいいと提案したんだ」
また、面倒な事を思いついてくれたものだ。
しかしケビンの娘とあっては無下にはできない。
でも、アカデミーではアリシア以外の事に気を使いたくない。
僕が考え込んでいると、父上が僕に聞いてきた。
「そういえば、ライト。お前の要件は何なのだ?」
「はい。アカデミーの入学後は学生寮から通おうと思いますがいいでしょうか?」
僕が言うと、父上は「何を馬鹿な事を・・・・・・」と言ったが、不意に何かを閃いたようポンと手を打って言った。
「・・・・・・駄目だ、と言いたいところだが、お前の返答次第では許可しようではないか」
そうきたか。
「つまり、アカデミーでティアラ嬢の護衛をするなら学生寮に入ってもいいと言うことですか?」
父上は返事の代わりに首を縦に振った。
僕としては学生寮に入る事が出来ればいいんだ。
守るとこの場で父上には言って、ティアラ嬢の事は腕のいい護衛に任せればいい。
「分かりました。ティアラ嬢の護衛を僕が引き受けましょう」
僕は躊躇うことなく父上の提案にのった。
でも、これが僕とアリシアの仲を悪くする原因になるなんてこの時の僕は考えもしなかった。
父上の執務室を出て、学生寮に入る許可を貰った僕は足取り軽く自分の宮殿に戻っていく。
父上の住む本宮殿と僕の住む宮殿を繋ぐ廊下を歩いていた時だった。
「ラ~イト!」
不意に後ろから僕を呼ぶ声の主は兄上。
気まぐれで飄々とした兄上と話をするのはあまり気が向かないが、アリシアと普通に会話が出来るようになったのは兄上のおかげだ。
ここはお礼を言ってさっさと立ち去るのが得策だろうと僕は考えた。
「兄上、ご無沙汰しています。この間のアドバイスのお陰でアリシアと楽しいアカデミー生活が送れそうです。ありがとうございました」
「え?何の事?」
本当に忘れているのか、あえてとぼけているのか分からないが、兄上は よくわからないな、と首を横に傾けた。
「アリシアと目も合わせられずに過ごした7年を打破するために兄上が教えてくれた魔法の言葉のお陰で、見事アリシアとたくさん会話が出来ました」
「・・・・・・ああ、あの時の話ね」
兄上が、ああ 思い出したとにっこり笑った。
それは一週間前の事ーーー。
◇◇◇◇
「ラ~イト。元気?」
僕が武術場で剣の稽古をしていた時だ。
こんな風に軽く僕に声をかけるのは兄上だけ。
兄上に向けてシュンと振り下ろした木刀は、いとも容易く右手の親指と人差し指の二本の指先で摘んで止められた。
兄上は僕より背が少し高い。
年は五つ上で二十歳になる。
金色の髪が太陽の光でキラキラ光っている。
「いいなぁ、その黒髪。俺も黒が良かった」
「またそれですか。だったら黒に染めたらどうですか?」
僕が王国騎士団の団長になった一年前位から兄上がそう言ってくることがちょくちょくある。
「あ、その案いいね」と兄上は笑った。
僕は汗をかいた服を着替えながら兄上と会話を続けた。
「だって、こんなキンキラの髪の毛目立ってしょうがないだろう。僕も黒が良かったな~」
「金だろうが黒だろうが、兄上の顔なら何色でも目立つと思いますけど。僕、忙しいのでもう行きますね」
僕は早く部屋に戻ってアリシアの絵姿を見て休みたかった。
僕が兄上の前を通り過ぎようとした時、兄上が言った。
「もうすぐアリシアとのお茶会があるんだろう」
その言葉にビクッと僕は反応した。
「何で知ってるんですか」
「オルガに聞いた」
オルガ・ダレス。アリシアの従姉妹か。
従姉妹・・・・・・。親しい間柄を表すその言葉、めちゃくちゃ羨ましい立ち位置だ。
「兄上は、オルガ嬢とは随分と仲が良いのですね」
「まあね」
女性に関心のない兄上が、オルガとだけは気さくに話をする。
聞けば色んな発明品を作っていて、とても興味深いんだそうだ。
「それはそうとお前さ、アリシアと会話したくないの?」
耳がダンボになる。ダンボが何かは知らないが、遠い異国にはそんな例えがあるらしい。
まさしく今の僕がそれだった。
意味としては、興味があり過ぎて耳が大きくなるくらいな過度な反応を示す、といった所らしい。
「しっ、したい。でも7年も目すら合わせてないし、会話なんて会った日の天気の話を一言話す位で、まともな会話をしたことがないのです。一体何と話しかければいいんですか?兄上」
「大丈夫だ。とっておきの魔法の言葉がある」
「ま、魔法の言葉?」
「真実の愛、という言葉を知っているか?」
真実の愛、それくらい知っている。
それが何だと言うんだ。
「女性はその言葉に弱いんだ。真実の愛に気づいたとか言えば、何かしら反応があるはずだ」
「気づいたとか、そんなの嘘になる。既に僕は7年前から真実にアリシアを愛している」
「でも、態度で表してこなかったでしょ?要はきっかけだよ。多少の嘘も必要な時があるさ」
「じゃあ、7年前から実は君を愛していた、でいいじゃないか」
「ばっかだな、ライト。今まで目も合わせなかった相手にそんな事いきなり言われてみろよ。俺なら引く」
戦場しかしらない僕は、アリシアとの今の関係がいい方向に行くならと思い兄上の言葉に従った。
そうしたら、なんとアリシアは僕に嫌われていると思っていたらしく、挙げ句の果てに婚約解消やら、妾がどうのと訳の分からない事ばかり言ってきた。
その場で誤解は解けたものの、あの時誤解が解けていなければ大変な事になっていた事は予想がつく。
◇◇◇◇
ふと風が吹き、桜の花びらが僕の顔の前をチラチラ流れて現実に戻された。
「兄上、本当にありがとう」
「たった二人の兄弟だ。お前達がうまくいってるなら良かったよ」
「兄上も早くいい人を見つけられたらいいね」
「ああ。そうだな」
僕と兄上はその後は何も話さず、兄上は僕が自分の宮殿に入るのを見ると本宮殿に戻っていった。
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