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第三話 これは立派な犯罪ね
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本日 我がヒューゴ侯爵邸は、急に来ることになったライト殿下をお迎えするための準備で慌ただしい。
廊下の方から使用人達のパタパタ小走りに走る足音が絶え間なく聞こえてくる。
私はというと、まだベッドの中なのだけど。
「お じょ う さ ま」
「!!」
背後から急に殺気を感じ振り向くと同時に、ぬくぬくの羽毛布団をガシッと掴まれた。
「いつまで ぐ~たらしてるんですかっ!?」
「きゃー、今起きるからお布団返してっ」
私の抵抗も虚しく物凄い力によって羽毛布団は剥ぎ取られた。
柔らかい赤毛を三つ編みおさげにした、髪よりも少し薄い赤い瞳で黒縁眼鏡をかけた侍女のアンナがテキパキとベッドの上を片付けていく。
「アンナ、あと少しだけ寝させて~」
「駄目です。もう十分寝てますし、4時間後にライト殿下が来られるんですからっ」
私はベッドから追い出され、窓際のソファーに移動させられた。
その後も綺麗にベットメイキングをするアンナから視線を時計に移すと只今11時。
殿下は昼食を取ったあと午後のティータイムに合わせて来るってことね。
「あら?これは何ですか?」
そう言って私のベッドの枕元からアンナがオルガに貰ったあの眼鏡を持ち上げた。
「あ、それオルガに借りた物なの。頂戴」
「借りた物は大事に扱って下さいね」
「はーい」
どれどれ本当に眼鏡をかけたら消えるのかと怪しみつつ眼鏡をかけ、壁に掛かる小さな鏡を覗けば本当に眼鏡は消えていた。
す、凄い。
どういう構造になってるの、これ!?
オルガ、天才かっ!?
私は一旦眼鏡を外し、凄い性能の眼鏡を食い入るように見た。
私が眼鏡に釘付けになっていると、コンコンとドアがノックされ私の代わりにアンナが対応するべく扉を開けに行った。
アンナが扉を開けると、慌てた様子の使用人がアンナに話しかけている。
アンナは使用人との話が終わると私のところにやって来て言った。
「お嬢様、少々人手が足りないそうで応援の要請がありました。少し席を外してもよろしいでしょうか」
「ええ、いいわよ。そこの服を着とけばいいのよね」
私は手のひらをヒラヒラ振ってアンナを送り出した。
一応は侯爵令嬢な私だけど、15歳になってから もうすぐアカデミーに入学するための準備として着替えは自分で出来るようにしているから、アンナがいなくても何の問題もないのだ。
重たい腰をソファーから起こして、私はドレスに着替えることにした。
茶色い髪と茶色い瞳の地味な私が、少しでも明るく映えて見えるようにと、ドレスは大体パステルカラーが選ばれる。
今日はパステルブルーだった。
「それにしても、凄い眼鏡ね」
私は一度外した眼鏡をもう一度かけて鏡を覗き込んだ。
もちろんメガネはスッと消えている。
アンナが出て行って少しして、コンコンとドアをノックする音がした。
もちろんアンナだと思って「どうぞ」と言えば、入ってきたのはまさかの人物だった。
「すまない。入るぞ」
ちょっと、待って。この声って・・・・・・。
「・・・・・・ラ、ライト殿下?」
私の思った通り、入ってきたのはやっぱりライト殿下だったのだけど、私は殿下を見てその場で氷のように固まってしまった。
何ですかその格好はっ。
なぜかライト殿下が上半身裸で入室してきたのだ。
「午前中出掛ける予定が急に無くなったんだ。ちょうどヒューゴ侯爵家の前を通りかかったから少し早いが来てしまった」
来てしまったじゃないわよ。
早く来ちゃったのはいいとして、何で私の部屋に上半身裸で来るの!?
誰も殿下を止めなかったの?
色んな疑問が頭の中でグルグルして思わず顔を手で覆ったけど、指の隙間から見える殿下の肉体美に見とれてしまった。
さすが国境付近の最前線で戦っている王国騎士団の若き団長なだけあるわね。
無数ある小さな傷さえ男の勲章と言わんばかりに美しいわ。
あ、右鎖骨の下にほくろがある。・・・・・・何だか不埒ね。
「何をジロジロ見ているんだ?」
「す、すみません。あまりにも美しい肉体美だったもので・・・・・・」
「は?」
殿下は上半身裸なのを何の問題もないと言わんばかりに堂々と歩いて私の方に近づいてきた。
部屋の中に小さなテーブルと椅子が二つあって、殿下がそこの椅子に腰を下ろした。
私もおずおずと、殿下の前の椅子に座った。
「で、殿下。寒くないのですか?」
「まったく」
「なら、良かったです」
暦の上では3月で春だけど、まだ暖かいとは言えない気候だからそんな格好なら寒いのではないかと思ったけど、持ち前の筋肉が燃えていて寒くないって事かしら?
男の人って、ちょっと理解不能だわ。
ついでに一昨日まで顔も見れなかった殿下の上半身裸に ここまで興奮する自分自身も理解不能・・・・・・。
破廉恥な自分の思考にクラっとし片手で顔を覆ったときにカチャリと異物を感じて手が止まる。
あ、眼鏡を着けていたのを忘れたわ。
私は今は透明になって掛けていることも忘れていた。
っていうか、心の声なんて何も聞こえないじゃないのよ。
これ、オルガの失敗作ね。
こんな駄作眼鏡もう要らないわ。
私は殿下に怪しまれないように後ろを向いて眼鏡を外した。
そして視線を殿下に戻して瞬間、目の前に座っている殿下に驚いた。
そこには普通の、上半身裸じゃなくて、かっちり首襟のついた品の良い黒を貴重にした正装の殿下がいたのだ!
え?手品ですか!?一瞬で服を着るとかいうそういう手品?いやいや、それは違うわよね。そんなの意味ないもの。だったら、どういう事・・・・・・?
カチャリ。
私は手の中にある さっき外したオルガの発明品の眼鏡をもう一度見た。
その時、昨日のオルガの言葉をふと思い出した。
『今回は、相手の中が見れる眼鏡。これはね・・・・・・』
『なるほど!心の中が覗ける眼鏡って事ね』
『ん・・・・・・。まぁ、覗けるのは確かよ』
覗けるって、まさか心の中じゃなくて服の中
が覗けるって事?
まさかとは思いながらも、もう一度眼鏡をササッと着けて殿下を見れば、案の定殿下は上半身裸で・・・・・・。
ちょっと、これって立派な犯罪じゃないの?痴漢行為よね!?こんなの恋するのに何の役に立つって言うのよ。
ちゃんと何を覗けるのか確認しなかった私も悪いけど、なんて危険な物を発明するのかしら。恐るべし オルガ。
取り敢えずまたバレないように眼鏡を外して通常の服装の殿下を見る。
やっぱり、オルガの発明にまともな物を求めちゃいけなかったのよ。
私が一旦頭を落ち着かせるために洗面台に行こうとして席を立ったその時・・・・・・。
ポト、と眼鏡が落ちた。
「ん?アリシア。君、眼鏡なんて持っていたのか?」
そう言って落ちた眼鏡を殿下が拾おうと席を立った。
「い、いえ、それは私の物ではなくって・・・・・・。あ!殿下、それはっ」
「ん?伊達眼鏡か?」
拾うのを止めようとした時には時すでに遅し、素早い身のこなしの殿下が私の横で跪き眼鏡を持って品定めをするかのように見ている。
私は最悪の事態は避けなくてはと、咄嗟に殿下の手から眼鏡を弾き飛ばした。
ドサッ・・・・・・。
眼鏡は遠くに落とせたものの、殿下の手を勢い良く振り払ったせいで体のバランスが崩れて、私は殿下の上に恐れ多くも乗り上げてしまった。
「いきなり何だ、アリシアっ」
「す、すいません。すいませんっ」
体格差でいったら頭2個分くらい大きい殿下が、顔を真っ赤にしてこっちを見ていた。
その顔が、7年前のあの初めて会った時の殿下の顔と重なって、不謹慎にも私は笑ってしまった。
「プッ・・・・・・」
「な、何で笑うんだっ」
「だって、殿下が8歳の時に初めて会った時みたいな顔をするんですもの。何だか可愛くて」
私がクスクス笑えば、殿下が何かムスッとした顔で私に言った。
「君は、とんでもない女性だ。今も昔も変わらない。そうやって僕を一瞬で虜にする危険な女性だ」
んなっ。
何て可愛らしい事を言う殿下でしょう。
「でも・・・・・・。腕力なら自身がある。君をこうやって押し倒すくらい簡単なんだ」
「えっ・・・・・・」
気づくと殿下と私の位置が逆転していた。
黒い髪から覗く青い瞳が綺麗過ぎて頭がおかしくなりそうになった。
「お嬢様、お待たせしまし・・・・・・、あら?ライト殿下もいらっしゃったのですね。お食事の用意が整いましたので、お二人共応接室までお越しください」
バァンと、断りの言葉もノックもなくアンナが入室してきたが、間一髪のところで私とライト殿下は離れてお互いさっきまで座っていたいた椅子に戻り、アンナの話を聞くことができた。
「あら?お嬢様、外はまだまだ肌寒いと言うのに顔が真っ赤ですよ。大丈夫ですか?」
「だ、大丈夫よ」
変に気の利くアンナが私の顔を覗いてきたので大丈夫と伝えたら、意地悪な顔で殿下が私にこっそり言った。
「本当に、大丈夫?」
意地悪い顔でライト殿下が言うその言葉に、私はカアッと全身が熱くなった。
意地悪ね、と殿下だけに聞こえる声で言えば、アハハと殿下は優しく微笑んだ。
その表情がどストライク過ぎて、しばらく私の心臓はバクバクしっぱなしだった。
廊下の方から使用人達のパタパタ小走りに走る足音が絶え間なく聞こえてくる。
私はというと、まだベッドの中なのだけど。
「お じょ う さ ま」
「!!」
背後から急に殺気を感じ振り向くと同時に、ぬくぬくの羽毛布団をガシッと掴まれた。
「いつまで ぐ~たらしてるんですかっ!?」
「きゃー、今起きるからお布団返してっ」
私の抵抗も虚しく物凄い力によって羽毛布団は剥ぎ取られた。
柔らかい赤毛を三つ編みおさげにした、髪よりも少し薄い赤い瞳で黒縁眼鏡をかけた侍女のアンナがテキパキとベッドの上を片付けていく。
「アンナ、あと少しだけ寝させて~」
「駄目です。もう十分寝てますし、4時間後にライト殿下が来られるんですからっ」
私はベッドから追い出され、窓際のソファーに移動させられた。
その後も綺麗にベットメイキングをするアンナから視線を時計に移すと只今11時。
殿下は昼食を取ったあと午後のティータイムに合わせて来るってことね。
「あら?これは何ですか?」
そう言って私のベッドの枕元からアンナがオルガに貰ったあの眼鏡を持ち上げた。
「あ、それオルガに借りた物なの。頂戴」
「借りた物は大事に扱って下さいね」
「はーい」
どれどれ本当に眼鏡をかけたら消えるのかと怪しみつつ眼鏡をかけ、壁に掛かる小さな鏡を覗けば本当に眼鏡は消えていた。
す、凄い。
どういう構造になってるの、これ!?
オルガ、天才かっ!?
私は一旦眼鏡を外し、凄い性能の眼鏡を食い入るように見た。
私が眼鏡に釘付けになっていると、コンコンとドアがノックされ私の代わりにアンナが対応するべく扉を開けに行った。
アンナが扉を開けると、慌てた様子の使用人がアンナに話しかけている。
アンナは使用人との話が終わると私のところにやって来て言った。
「お嬢様、少々人手が足りないそうで応援の要請がありました。少し席を外してもよろしいでしょうか」
「ええ、いいわよ。そこの服を着とけばいいのよね」
私は手のひらをヒラヒラ振ってアンナを送り出した。
一応は侯爵令嬢な私だけど、15歳になってから もうすぐアカデミーに入学するための準備として着替えは自分で出来るようにしているから、アンナがいなくても何の問題もないのだ。
重たい腰をソファーから起こして、私はドレスに着替えることにした。
茶色い髪と茶色い瞳の地味な私が、少しでも明るく映えて見えるようにと、ドレスは大体パステルカラーが選ばれる。
今日はパステルブルーだった。
「それにしても、凄い眼鏡ね」
私は一度外した眼鏡をもう一度かけて鏡を覗き込んだ。
もちろんメガネはスッと消えている。
アンナが出て行って少しして、コンコンとドアをノックする音がした。
もちろんアンナだと思って「どうぞ」と言えば、入ってきたのはまさかの人物だった。
「すまない。入るぞ」
ちょっと、待って。この声って・・・・・・。
「・・・・・・ラ、ライト殿下?」
私の思った通り、入ってきたのはやっぱりライト殿下だったのだけど、私は殿下を見てその場で氷のように固まってしまった。
何ですかその格好はっ。
なぜかライト殿下が上半身裸で入室してきたのだ。
「午前中出掛ける予定が急に無くなったんだ。ちょうどヒューゴ侯爵家の前を通りかかったから少し早いが来てしまった」
来てしまったじゃないわよ。
早く来ちゃったのはいいとして、何で私の部屋に上半身裸で来るの!?
誰も殿下を止めなかったの?
色んな疑問が頭の中でグルグルして思わず顔を手で覆ったけど、指の隙間から見える殿下の肉体美に見とれてしまった。
さすが国境付近の最前線で戦っている王国騎士団の若き団長なだけあるわね。
無数ある小さな傷さえ男の勲章と言わんばかりに美しいわ。
あ、右鎖骨の下にほくろがある。・・・・・・何だか不埒ね。
「何をジロジロ見ているんだ?」
「す、すみません。あまりにも美しい肉体美だったもので・・・・・・」
「は?」
殿下は上半身裸なのを何の問題もないと言わんばかりに堂々と歩いて私の方に近づいてきた。
部屋の中に小さなテーブルと椅子が二つあって、殿下がそこの椅子に腰を下ろした。
私もおずおずと、殿下の前の椅子に座った。
「で、殿下。寒くないのですか?」
「まったく」
「なら、良かったです」
暦の上では3月で春だけど、まだ暖かいとは言えない気候だからそんな格好なら寒いのではないかと思ったけど、持ち前の筋肉が燃えていて寒くないって事かしら?
男の人って、ちょっと理解不能だわ。
ついでに一昨日まで顔も見れなかった殿下の上半身裸に ここまで興奮する自分自身も理解不能・・・・・・。
破廉恥な自分の思考にクラっとし片手で顔を覆ったときにカチャリと異物を感じて手が止まる。
あ、眼鏡を着けていたのを忘れたわ。
私は今は透明になって掛けていることも忘れていた。
っていうか、心の声なんて何も聞こえないじゃないのよ。
これ、オルガの失敗作ね。
こんな駄作眼鏡もう要らないわ。
私は殿下に怪しまれないように後ろを向いて眼鏡を外した。
そして視線を殿下に戻して瞬間、目の前に座っている殿下に驚いた。
そこには普通の、上半身裸じゃなくて、かっちり首襟のついた品の良い黒を貴重にした正装の殿下がいたのだ!
え?手品ですか!?一瞬で服を着るとかいうそういう手品?いやいや、それは違うわよね。そんなの意味ないもの。だったら、どういう事・・・・・・?
カチャリ。
私は手の中にある さっき外したオルガの発明品の眼鏡をもう一度見た。
その時、昨日のオルガの言葉をふと思い出した。
『今回は、相手の中が見れる眼鏡。これはね・・・・・・』
『なるほど!心の中が覗ける眼鏡って事ね』
『ん・・・・・・。まぁ、覗けるのは確かよ』
覗けるって、まさか心の中じゃなくて服の中
が覗けるって事?
まさかとは思いながらも、もう一度眼鏡をササッと着けて殿下を見れば、案の定殿下は上半身裸で・・・・・・。
ちょっと、これって立派な犯罪じゃないの?痴漢行為よね!?こんなの恋するのに何の役に立つって言うのよ。
ちゃんと何を覗けるのか確認しなかった私も悪いけど、なんて危険な物を発明するのかしら。恐るべし オルガ。
取り敢えずまたバレないように眼鏡を外して通常の服装の殿下を見る。
やっぱり、オルガの発明にまともな物を求めちゃいけなかったのよ。
私が一旦頭を落ち着かせるために洗面台に行こうとして席を立ったその時・・・・・・。
ポト、と眼鏡が落ちた。
「ん?アリシア。君、眼鏡なんて持っていたのか?」
そう言って落ちた眼鏡を殿下が拾おうと席を立った。
「い、いえ、それは私の物ではなくって・・・・・・。あ!殿下、それはっ」
「ん?伊達眼鏡か?」
拾うのを止めようとした時には時すでに遅し、素早い身のこなしの殿下が私の横で跪き眼鏡を持って品定めをするかのように見ている。
私は最悪の事態は避けなくてはと、咄嗟に殿下の手から眼鏡を弾き飛ばした。
ドサッ・・・・・・。
眼鏡は遠くに落とせたものの、殿下の手を勢い良く振り払ったせいで体のバランスが崩れて、私は殿下の上に恐れ多くも乗り上げてしまった。
「いきなり何だ、アリシアっ」
「す、すいません。すいませんっ」
体格差でいったら頭2個分くらい大きい殿下が、顔を真っ赤にしてこっちを見ていた。
その顔が、7年前のあの初めて会った時の殿下の顔と重なって、不謹慎にも私は笑ってしまった。
「プッ・・・・・・」
「な、何で笑うんだっ」
「だって、殿下が8歳の時に初めて会った時みたいな顔をするんですもの。何だか可愛くて」
私がクスクス笑えば、殿下が何かムスッとした顔で私に言った。
「君は、とんでもない女性だ。今も昔も変わらない。そうやって僕を一瞬で虜にする危険な女性だ」
んなっ。
何て可愛らしい事を言う殿下でしょう。
「でも・・・・・・。腕力なら自身がある。君をこうやって押し倒すくらい簡単なんだ」
「えっ・・・・・・」
気づくと殿下と私の位置が逆転していた。
黒い髪から覗く青い瞳が綺麗過ぎて頭がおかしくなりそうになった。
「お嬢様、お待たせしまし・・・・・・、あら?ライト殿下もいらっしゃったのですね。お食事の用意が整いましたので、お二人共応接室までお越しください」
バァンと、断りの言葉もノックもなくアンナが入室してきたが、間一髪のところで私とライト殿下は離れてお互いさっきまで座っていたいた椅子に戻り、アンナの話を聞くことができた。
「あら?お嬢様、外はまだまだ肌寒いと言うのに顔が真っ赤ですよ。大丈夫ですか?」
「だ、大丈夫よ」
変に気の利くアンナが私の顔を覗いてきたので大丈夫と伝えたら、意地悪な顔で殿下が私にこっそり言った。
「本当に、大丈夫?」
意地悪い顔でライト殿下が言うその言葉に、私はカアッと全身が熱くなった。
意地悪ね、と殿下だけに聞こえる声で言えば、アハハと殿下は優しく微笑んだ。
その表情がどストライク過ぎて、しばらく私の心臓はバクバクしっぱなしだった。
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