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「アオバ、アオバ……」
リュカが苦しげな声で呼ぶのを聞いた。
力強い律動に引き上げられるようにまた昂ぶっている。
噛みつくようなキスをされて、口腔を舌で舐めまわされた。息が苦しい、でも離れたくない。
ぐっとひときわ強く叩きつけるように奥を突いたリュカが動きを止めた。体内でびくびくと震えたのが伝わり、中でどくどくと精液が出されたのを感じる。
碧馬も三度目の絶頂に持って行かれ、いっそう強くあまい香りが漂った。
しばらく二人とも荒い息をついているだけだった。
碧馬はまだ何をしたのかよく理解できずに呆然としていた。
リュカが両肩に抱えあげていた足を下ろして、ようやく自分がリュカとセックスしたのだと思い至った。
「あ、あの、俺…、なんか……」
口を開いたものの、何を言えばいいかわからずに口ごもる。
「悪かった。アオバがあんまりかわいくて、理性がぶっ飛んだ」
リュカは苦い口調だった。
「本当はもっと優しくしたかったのに」
何もかも初めてだと知っていたから、本当はじっくり時間をかけるつもりだった。
でも発情した碧馬の泣き顔と声に煽られて理性なんて一瞬で飛んでしまった。
「ううん、来てくれてありがとう」
あそこでリュカが助けに来てくれなかったらどうなっていただろう。
リュカは首を振って、熱っぽい瞳で告げた。
「好きだ、アオバ」
ずっと態度には出していたが、言葉で言われて心が震えるくらい嬉しかった。
「俺も、俺もリュカが好き」
夢中で答えたら、まだ繋がりを解かないままだったリュカがぐっと頭をもたげた。体内に感じる存在感にぞくりと肌が粟立つ。
「え? ちょっと」
「ああ、まだ治まらない。アオバもまだイケるだろう?」
すでに三度も達したのに、まだ奥が疼いていてリュカに反応している。受け入れたままのそこがきゅんとリュカを締めつけて快感を覚えた。
連動するように性器がまた芯を持ち始める。
そんな自分に碧馬は戸惑った。こんなことは今までなかった。
「俺の体、どうなってんの?」
不安を滲ませた碧馬に、リュカは落ち着いた口調で答えた。
「心配ない、発情期だからだ。αの精を受ければ一時的に治まるが、半日くらいでまたこうなる」
驚いた。
発情期って本当にそういう状態になるんだ。
「大丈夫だ。五日ほどで治まる。それまでここにいればいい」
「え、あの、抑制剤は?」
「飲む必要はないだろ? 俺がいるのに」
雄の顔したリュカに言われて、碧馬は今さらながら真っ赤になった。
「本当にアオバはかわいいな」
囁きながらキスをされて、うっとりと目を閉じた。
それからしばらく、リュカは力強い律動で碧馬を翻弄した。
リュカが苦しげな声で呼ぶのを聞いた。
力強い律動に引き上げられるようにまた昂ぶっている。
噛みつくようなキスをされて、口腔を舌で舐めまわされた。息が苦しい、でも離れたくない。
ぐっとひときわ強く叩きつけるように奥を突いたリュカが動きを止めた。体内でびくびくと震えたのが伝わり、中でどくどくと精液が出されたのを感じる。
碧馬も三度目の絶頂に持って行かれ、いっそう強くあまい香りが漂った。
しばらく二人とも荒い息をついているだけだった。
碧馬はまだ何をしたのかよく理解できずに呆然としていた。
リュカが両肩に抱えあげていた足を下ろして、ようやく自分がリュカとセックスしたのだと思い至った。
「あ、あの、俺…、なんか……」
口を開いたものの、何を言えばいいかわからずに口ごもる。
「悪かった。アオバがあんまりかわいくて、理性がぶっ飛んだ」
リュカは苦い口調だった。
「本当はもっと優しくしたかったのに」
何もかも初めてだと知っていたから、本当はじっくり時間をかけるつもりだった。
でも発情した碧馬の泣き顔と声に煽られて理性なんて一瞬で飛んでしまった。
「ううん、来てくれてありがとう」
あそこでリュカが助けに来てくれなかったらどうなっていただろう。
リュカは首を振って、熱っぽい瞳で告げた。
「好きだ、アオバ」
ずっと態度には出していたが、言葉で言われて心が震えるくらい嬉しかった。
「俺も、俺もリュカが好き」
夢中で答えたら、まだ繋がりを解かないままだったリュカがぐっと頭をもたげた。体内に感じる存在感にぞくりと肌が粟立つ。
「え? ちょっと」
「ああ、まだ治まらない。アオバもまだイケるだろう?」
すでに三度も達したのに、まだ奥が疼いていてリュカに反応している。受け入れたままのそこがきゅんとリュカを締めつけて快感を覚えた。
連動するように性器がまた芯を持ち始める。
そんな自分に碧馬は戸惑った。こんなことは今までなかった。
「俺の体、どうなってんの?」
不安を滲ませた碧馬に、リュカは落ち着いた口調で答えた。
「心配ない、発情期だからだ。αの精を受ければ一時的に治まるが、半日くらいでまたこうなる」
驚いた。
発情期って本当にそういう状態になるんだ。
「大丈夫だ。五日ほどで治まる。それまでここにいればいい」
「え、あの、抑制剤は?」
「飲む必要はないだろ? 俺がいるのに」
雄の顔したリュカに言われて、碧馬は今さらながら真っ赤になった。
「本当にアオバはかわいいな」
囁きながらキスをされて、うっとりと目を閉じた。
それからしばらく、リュカは力強い律動で碧馬を翻弄した。
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