93 / 95
14-7
しおりを挟む
「ヤバい。マジで、祐樹…」
「いきそう?」
腰を大きく回すように揺らしていると、孝弘がいきなり枕から身を起こしてきた。
「見てるだけとかやっぱ無理」
ぐっと体を起こすと祐樹の腰を掴む。
対面座位になって突き上げるように腰を動かしてきた。力強い律動で祐樹を翻弄する。
「あ、ああ、いいっ」
さっきまで自分で快感をコントロールしていたのに、そこから更に引き上げられて祐樹は背中をしならせた。孝弘の肩に手をかけてこらえようとするけれど、孝弘はちゃんと祐樹のいいところを的確に抉って来た。
「や、そんなしたら、イク」
「いいよ、俺もいきそう」
孝弘も余裕はないようで、引き延ばされることはなく、祐樹はそのまま絶頂を迎えた。一瞬の緊張の後、びくびくと痙攣するように腰が揺れた。自分の放ったもので下腹が濡れた感触を感じてすぐに、孝弘が中で弾けた。
しばらく二人とも黙って、息を整えていた。抱き合って密着した体がしっとりしている。孝弘が大きく、はーっとため息をついた。
「マジでエロ過ぎて眠気も飛んだわ」
「嫌だった?」
「まさか。大歓迎って言ってんの」
「うん、おれもよかった」
「つーか、祐樹も実はけっこう酔ってるよな?」
「…あー、そうかもね」
そう言えば、酔うと大胆になると言われたことがあった気もする。祐樹にとっても日本酒は久しぶりだったし、そんなに飲むこともないから酔っていたのかもしれない。
「こんなふうになるならもっと飲ませりゃよかった」
「何言ってんの」
「もっとしたいってこと」
孝弘の手が背中を撫でて、祐樹を誘惑する。
「眠いんじゃなかったの?」
「だから眠気は飛んだって。煽られてまだ興奮してる」
まだ向かい合った孝弘の上に乗ったままだ。
「重くない?」
「少しな。なあ、もっかいしよう。今度は俺の好きにやらして」
そう言いながら、祐樹を押し倒してくる。一旦体を離して、押し倒されるまま大人しくシーツに背中をつけると、孝弘が身を寄せて鎖骨に口づけた。
「いいよ、何回でも。おれもまだ足りない」
平日だけど、孝弘の誕生日なんだしいいやとうなずいた。
「うん。明日は祐樹が起こしてな」
にやりと楽しげに笑った孝弘がちゅっと胸の先に口づけて、祐樹は「ん」と喉をそらした。
結局、プレゼントを渡せたのは翌朝になった。
約束通り、祐樹がそっと肩を揺すって起こしたら、孝弘は大きくあくびして、目を開けて幸せそうに笑った。無防備な笑顔にとくんと心臓が跳ねる。
もう何度もこうして一緒に寝て、起こされたり起こしたりしているのに、やっぱりドキドキする。大好きだと思う。
シャワーを浴びて、祐樹が作った卵とじうどんの朝食を食べたあと、封筒を渡した。
「誕生日おめでとう。遅くなったけど、これプレゼント」
どんな顔をするだろう。内心のドキドキを隠して、何食わぬ顔で孝弘が淹れたコーヒーを一口飲む。表情を読まれないようちょっとうつむいて、こっそり孝弘を窺った。
「ありがとう」
受け取った孝弘は「開けていい?」と薄い封筒を開いた。
中には出張で見慣れたCITS(中国国際旅行社)のロゴが入ったチケットホルダー。そこに挟まれた成田行きのチケットを見て、ちょっと困惑顔で首を傾げた。エアチケットは祐樹と孝弘の二人分だ。
「日本に行くの?」
言いながら日付を確認して「ああ、春節休暇」と納得したようだ。
ちょっとお知らせです!
2/1から『略奪された香種の花嫁』という、アジアファンタジーオメガバースものを連載開始しています。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/28475021/168593640
崇国後宮序列最下位の楊遼玲(ヤンリャオリン)は香種(Ω)男子。
望まない入城だった遼玲は後宮での栄華など求めておらず、皇帝に召されることなく後宮でのんびり暮らしていた。
そこへ「草原の盟主へ再嫁せよ」と皇帝からの勅命が下る。
崇国から長城を超えた塞外の地、異民族に嫁ぐことになった遼玲は西へ向かう旅に出る。
という中華&アジアファンタジーです。
ぜひご覧くださいませm(__)m
「いきそう?」
腰を大きく回すように揺らしていると、孝弘がいきなり枕から身を起こしてきた。
「見てるだけとかやっぱ無理」
ぐっと体を起こすと祐樹の腰を掴む。
対面座位になって突き上げるように腰を動かしてきた。力強い律動で祐樹を翻弄する。
「あ、ああ、いいっ」
さっきまで自分で快感をコントロールしていたのに、そこから更に引き上げられて祐樹は背中をしならせた。孝弘の肩に手をかけてこらえようとするけれど、孝弘はちゃんと祐樹のいいところを的確に抉って来た。
「や、そんなしたら、イク」
「いいよ、俺もいきそう」
孝弘も余裕はないようで、引き延ばされることはなく、祐樹はそのまま絶頂を迎えた。一瞬の緊張の後、びくびくと痙攣するように腰が揺れた。自分の放ったもので下腹が濡れた感触を感じてすぐに、孝弘が中で弾けた。
しばらく二人とも黙って、息を整えていた。抱き合って密着した体がしっとりしている。孝弘が大きく、はーっとため息をついた。
「マジでエロ過ぎて眠気も飛んだわ」
「嫌だった?」
「まさか。大歓迎って言ってんの」
「うん、おれもよかった」
「つーか、祐樹も実はけっこう酔ってるよな?」
「…あー、そうかもね」
そう言えば、酔うと大胆になると言われたことがあった気もする。祐樹にとっても日本酒は久しぶりだったし、そんなに飲むこともないから酔っていたのかもしれない。
「こんなふうになるならもっと飲ませりゃよかった」
「何言ってんの」
「もっとしたいってこと」
孝弘の手が背中を撫でて、祐樹を誘惑する。
「眠いんじゃなかったの?」
「だから眠気は飛んだって。煽られてまだ興奮してる」
まだ向かい合った孝弘の上に乗ったままだ。
「重くない?」
「少しな。なあ、もっかいしよう。今度は俺の好きにやらして」
そう言いながら、祐樹を押し倒してくる。一旦体を離して、押し倒されるまま大人しくシーツに背中をつけると、孝弘が身を寄せて鎖骨に口づけた。
「いいよ、何回でも。おれもまだ足りない」
平日だけど、孝弘の誕生日なんだしいいやとうなずいた。
「うん。明日は祐樹が起こしてな」
にやりと楽しげに笑った孝弘がちゅっと胸の先に口づけて、祐樹は「ん」と喉をそらした。
結局、プレゼントを渡せたのは翌朝になった。
約束通り、祐樹がそっと肩を揺すって起こしたら、孝弘は大きくあくびして、目を開けて幸せそうに笑った。無防備な笑顔にとくんと心臓が跳ねる。
もう何度もこうして一緒に寝て、起こされたり起こしたりしているのに、やっぱりドキドキする。大好きだと思う。
シャワーを浴びて、祐樹が作った卵とじうどんの朝食を食べたあと、封筒を渡した。
「誕生日おめでとう。遅くなったけど、これプレゼント」
どんな顔をするだろう。内心のドキドキを隠して、何食わぬ顔で孝弘が淹れたコーヒーを一口飲む。表情を読まれないようちょっとうつむいて、こっそり孝弘を窺った。
「ありがとう」
受け取った孝弘は「開けていい?」と薄い封筒を開いた。
中には出張で見慣れたCITS(中国国際旅行社)のロゴが入ったチケットホルダー。そこに挟まれた成田行きのチケットを見て、ちょっと困惑顔で首を傾げた。エアチケットは祐樹と孝弘の二人分だ。
「日本に行くの?」
言いながら日付を確認して「ああ、春節休暇」と納得したようだ。
ちょっとお知らせです!
2/1から『略奪された香種の花嫁』という、アジアファンタジーオメガバースものを連載開始しています。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/28475021/168593640
崇国後宮序列最下位の楊遼玲(ヤンリャオリン)は香種(Ω)男子。
望まない入城だった遼玲は後宮での栄華など求めておらず、皇帝に召されることなく後宮でのんびり暮らしていた。
そこへ「草原の盟主へ再嫁せよ」と皇帝からの勅命が下る。
崇国から長城を超えた塞外の地、異民族に嫁ぐことになった遼玲は西へ向かう旅に出る。
という中華&アジアファンタジーです。
ぜひご覧くださいませm(__)m
5
お気に入りに追加
43
あなたにおすすめの小説


別れようと彼氏に言ったら泣いて懇願された挙げ句めっちゃ尽くされた
翡翠飾
BL
「い、いやだ、いや……。捨てないでっ、お願いぃ……。な、何でも!何でもするっ!金なら出すしっ、えっと、あ、ぱ、パシリになるから!」
そう言って涙を流しながら足元にすがり付くαである彼氏、霜月慧弥。ノリで告白されノリで了承したこの付き合いに、βである榊原伊織は頃合いかと別れを切り出したが、慧弥は何故か未練があるらしい。
チャライケメンα(尽くし体質)×物静かβ(尽くされ体質)の話。
人生に疲れて南の島へ
ゆまは なお
BL
日本の会社でパワハラに遭って退職した酒井陽斗は、思いつきで受けた試験に合格し、南の島へ日本語教師として赴任する。
そこで大倉修二というガイド兼カメラマンの日本人に出会って…。
2022年春庭で発行された溺愛平凡アンソロジーという同人誌に載せた作品の改訂版です。
他サイトにも転載してます。
ペイン・リリーフ
こすもす
BL
事故の影響で記憶障害になってしまった琴(こと)は、内科医の相澤に紹介された、精神科医の篠口(しのぐち)と生活を共にすることになる。
優しく甘やかしてくれる篠口に惹かれていく琴だが、彼とは、記憶を失う前にも会っていたのではないかと疑いを抱く。
記憶が戻らなくても、このまま篠口と一緒にいられたらいいと願う琴だが……。
★7:30と18:30に更新予定です(*´艸`*)
★素敵な表紙は らテて様✧︎*。
☆過去に書いた自作のキャラクターと、苗字や名前が被っていたことに気付きました……全く別の作品ですのでご了承ください!

いつかコントローラーを投げ出して
せんぷう
BL
オメガバース。世界で男女以外に、アルファ・ベータ・オメガと性別が枝分かれした世界で新たにもう一つの性が発見された。
世界的にはレアなオメガ、アルファ以上の神に選別されたと言われる特異種。
バランサー。
アルファ、ベータ、オメガになるかを自らの意思で選択でき、バランサーの状態ならどのようなフェロモンですら影響を受けない、むしろ自身のフェロモンにより周囲を調伏できる最強の性別。
これは、バランサーであることを隠した少年の少し不運で不思議な出会いの物語。
裏社会のトップにして最強のアルファ攻め
×
最強種バランサーであることをそれとなく隠して生活する兄弟想いな受け
※オメガバース特殊設定、追加性別有り
.


離したくない、離して欲しくない
mahiro
BL
自宅と家の往復を繰り返していた所に飲み会の誘いが入った。
久しぶりに友達や学生の頃の先輩方とも会いたかったが、その日も仕事が夜中まで入っていたため断った。
そんなある日、社内で女性社員が芸能人が来ると話しているのを耳にした。
テレビなんて観ていないからどうせ名前を聞いたところで誰か分からないだろ、と思いあまり気にしなかった。
翌日の夜、外での仕事を終えて社内に戻って来るといつものように誰もいなかった。
そんな所に『すみません』と言う声が聞こえた。
学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語
紅林
BL
『桜田門学院高等学校』
日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ
しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ
そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる