あの日、北京の街角で4 大連デイズ

ゆまは なお

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 蛍光ブルーと言う発色のいい色のせいか、予想したほど卑猥な感じはしないものの、その布地の少なさは何だか心許ない。
 
 まあいいかと上からパジャマ代わりのロングTシャツをかぶってリビングに行くと、孝弘がにやにやして待っていた。

「どう?」
「なんか落ち着かない」

「見せて」
 と言って、Tシャツの裾をめくる。ここで恥ずかしがるのもどうかと平静な表情を保って、好きにさせた。

「おー、こういう感じなんだ」
「これ、買ったの?」

「いや、貰いもん」
「え、誰に?」

 買ってくるのもすごいと思ったが、誰からこんなものを貰うんだと驚いたら、あっさり返事があった。

「こないだ接待で使った店の小姐《シャオジエ》」
 ああなんだと気が抜けた。店で配るアメニティグッズだったのか。

「祐樹が穿いたらどんな感じかなって思って」
「なんか間抜けじゃない?」

「いや、けっこういい感じ」

 そう言いながらするりとお尻を撫でる。本来なら布地があるはずのそこは何もなくて、直接素肌に触れてしまう。

「シャワーしてくるからベッドで待ってて」
 さっさと立ち上がった孝弘が振り返る。

「穿いたまましよう」
 それが今夜のおねだりらしい。

 祐樹は苦笑して寝室へ向かう。
 初めて穿いたОバックはお尻がすうすうしてどうにも変な感じだった。

「あ、あっ、孝ひ、ろ」

 枕を抱えて後ろから孝弘を受け入れて、祐樹は背中をしならせた。いつもと違う下着はほんの少し違和感があって、それが感覚を微妙に鋭くさせる気がする。

「たいして変わらないかなって思ってたけど」
 孝弘がはっはっと短い息の合間に呟く。

「これ、意外と興奮するな」
「んっ、あ……っ、なにが?」

「色白いから、明るい青って祐樹の肌に映える感じ」

 腰を撫でていた孝弘の手が前に回る。そこはさっきから窮屈そうに布地を押し上げていた。孝弘がフロントのゴムを下げると、浅めの生地からぐんっと抜け出してくる。先端はもうとろりと濡れていた。

「あっ、あ、ん」

 手の中に包まれて扱かれると、途端に快感がこみ上げる。前を触られながら後ろを突かれると気持ちよくて声が抑えられない。孝弘は祐樹を味わうようにゆっくりした抜き差しで腰を使い、発情を促しあう。

「祐樹は? いつもと違う?」
「なんか…、絡まる感じが、へん?」

「絡まる? ああ、これ?」

 下着をつけたままなので、足のつけ根にぐるりと輪になった部分が巻きついた状態だ。普段のセックスでは脱いでしまうから、そんな場所に圧迫を感じるのがおかしな感じがする。

「ちょっと前から見せて」

 一旦、体を離して祐樹をぐるりと上に向かせて足を抱えると、孝弘はちょっと眉をしかめた。嫌悪ではなく、少しだけ困ったような嬉しいのを堪えるような表情。


「なに?」
「これ、前から見たほうが卑猥な感じ」

「卑猥ってなに」
 と言いながら体を起こそうとして視界に入った下肢のありさまは確かに卑猥だった。



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