6人目の魔女

Yakijyake

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第三十五話 彼との再会

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家について、夜に向けての準備を始めた。料理は何にしよう、どんなものにしようかと考えていたら、不意にある料理を思い出した。前に母に絶賛された料理。そうだ。あれを作ろう。
「カトリナさん、紅茶の茶葉はありますか?」
「あるけど、何に使うの?」
「このお肉に入れるのに」
怪訝そうな表情をする。無理もない。だって私も最初はそう思っていたし。
「あまり嫌そうにしないでくださいよ、この料理は前お母様が美味しいと言っていたものなので…」
「そう、エリーナが美味しいというのならきっと美味しいですね。茶葉は引き出しに入ってます。ご自由にどうぞ」
「ありがとうございます」
メインディッシュになるこの料理。失敗は許されない。
私を助けてくれた英雄が今日来る。誰かはわからない。でも誰が来てもいいように準備はした。私は今日もらった紺碧のドレスを纏いドアが開くのを待っていた。
神経を澄ませてじっとドアを見つめる。すると、ゆっくりとドアが開いていく。フリッツさんの後ろにいた人は私が知っている顔だった。
「ベレッタさん、覚えていますか?」
聞き覚えのある声。私の人生で知り合った人間はごく少数。そのうちの1人が彼。
「もちろん覚えてますよ、ベールさん」
私は今できる精一杯明るい声で言葉を返した。
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