6人目の魔女

Yakijyake

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第十六話 懺悔

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懺悔。壁に背中をよりかけ、私はただ忽然と座っていた。今私ができることは何もない。ただ座って母の無事を祈るほかないのだ。もし私が力持ちなら、この鉄格子をひん曲げて脱走できるかも知れない。もし私に瞬間移動とかなら、私は母に会いに行けるかも知れない。もしなにか特殊な能力があれば…
「………」
 考えるだけ虚しい妄想だった。入っている間、ありとあらゆる可能性を信じて色々試した。鉄格子、壁、床…しかし、どこにも抜け穴などなかった。完璧な閉鎖空間に閉じ込められてしまった。母は今どうしているだろか。少なくともここからは何も聞こえない。ただ、上から吹き抜ける風が禍々しい音を立てている。その風は森のとは違う風だった。
 私は床に寝そべった。これは悪夢だ。絶対に悪夢。時期に私は目を覚ますはずだ。そうすれば、きっといつもの見慣れた天井をまた見れるに決まっている。
 いつの間にか私は寝落ちしていた。目を覚ませばいつもどうり、これはただの夢だと信じて。
 私は寒さで目を覚ますことになる。私の願いは当然のように聞き捨てられた。かなり寒い。でも牢の中に窓も何もないのでは今が何時なのかわからない。ただ、奥にある廊下の窓は明るい。きっともう日は登っている。一番きて欲しくなかった日の出。私は数少ない可能性を信じてぼんやりと廊下を眺めた。寒さのせいか私は小さく身震いをした。
 最後の審判まで、あと10時間
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