49 / 73
サルチルの町
今更になって
しおりを挟む
隆がアランの質問攻めにあっているその一方、リトス達がいる部屋ではライナとラルアは寝ており、リトスは部屋にやってきた誰かに口を押えられて起こされていた。
「っぷはぁ!…魔王か」
「いかにも。最近話し相手がいなくて暇でのぅ、酒を飲めとは言わんからゆっくり話さぬか?」
「そんな下手に出なくても魔王なんだから強引に連れていくなりすればいいのに」
「そうはいかん。おぬしは妾の友人なのだからな。友人に優しくせぬものは誰にでも優しくできぬだろう?」
リトスは隆のことを聞かれたのかと驚いたがラルアに優しくしているので自分に言ったのではないと胸をなでおろす。
「それはそうと早く妾のところに来ぬか。おぬしらの倒したアメジストとおぬしらを全滅させたトパーズは他の町に行っておるから城は妾と数人くらいしかおらんぞ」
「その数人も強いんでしょ?そりゃあ魔王のあんたからすれば弱いんだろうけどさ…死の街すら突破できるか不安だっていうのに更にその先なんて無理無理」
「それを何とかするのが勇者ご一行であろう。死の街で戦いを経験して妾を倒せるくらいになったら城に来て妾の部下を撃破して、満を持して妾に挑み、絶望的な力の差に慄き、しかしそれでも諦めず…というのが理想じゃな」
リトスが見えていないことを良いことに気配を消してリトスの頬をつついて遊ぶ魔王。
話しにくいリトスは指を払って腕を組む。
「その理想叶うの数年先になるけど大丈夫?しかも時間経てば経つほど魔王と戦う理由がなくなるけど」
「なぜ無くなる?隆は妾を倒すために呼ばれたのであろう?」
「隆が呼ばれたのは私の生まれ故郷であるエルフの森。そして魔王が侵攻したってデマが流されたのは最初に行ったチアミンの街」
「そうじゃったな。だが何故滅多に森の外に出ないエルフがそんなデマを知った?」
「それは…」言葉を続けようとしたリトスだがその先が出なかった。
言われてみれば変だった。森の中に侵入者は入ってくるが友好関係を結んでいる人間はいない。
ヒューマンのいる町で一番近い町はエルフを売り物としているヒューマンしかおらずこちらに狩られる命を張って有益な情報をくれる人がいるとはとても考えづらい。
「あの男…なんて名前だったっけ…グラム?違うな…村長でもないし…」
村にいた男エルフの名前を一人一人挙げては声と名前を一致させて「違う」と否定をする。
「記憶力がいいのぅ」
「生まれてずっと人口変わらないからね。…思い出した。ストロだ」
ストロ。それはまだリトスの視覚があった頃一度告白をしてきた男だった。
しかし狩人としての生活や自分の時間を優先したいリトスは数秒の間も許さずに断っていた。
それから数日間は「片付けの手伝いをする」「君の力になりたい」としつこく迫られたがそのたびに「いらない」と断っていた。
すると今度は弓を隠されたり井戸の中に落とされかけたりと意地悪をされ、それを知った村長に村を追放されかけていた。
それからは真面目に働くようになり、リトスに近づくこともなくなった。
「しかしだとしたらなんであのタイミングで…」
「視覚を失ったのは二年前じゃったな。その男は病気に関係しておらんのか?」
「関係ないと思うなー。でもまぁ視覚失ってすぐに言ったら疑われるのは当然だし二年待つ…のかな?」
「妾に聞かれても何とも言えん。知りたければ森に行けばいいじゃろう」
「えー帰るの…帰りたくないんだけど」
「帰らねば妾と数年、もしくは数十年かけて戦うことになるぞ?」
「うっ…でも隆達になんて言えばいいんだろう。もうあんな村には帰らないみたいなこと一度言ってるしな」
「そんなもの適当でいいだろう。知った後隆達がどんな反応をするのかは知らんがの」
そういえばそうだったと寝ているラルアに視線を向けるリトス。
前にも旅の目的が無くなればどうなるのかと考えて先延ばしにしていたがもうそんなことはできなくなっていた。
今いる町を出れば死の街は目の前にあるも同然となり一度故郷に帰るとなればここしかない。
「例えば…例えばの話。ストロがデマ流した犯人だと確定して私か誰かが制裁を加えて皆がバラバラになって…そうしたらあんたはどうするの?」
「そうじゃなぁ。おぬしらが妾に挑まなくなるのはつまらぬし一度相手をしてやろう。そうしたらあとは一緒に考えてやろう」
「え?戦うの?」
「隆はそのために呼ばれたのじゃろうが。一度あやつとは戦っておるが妾を魔王だとは見抜けぬかったし魔王として戦ってやらぬと悲しいじゃろう」
「くっくっく」といたずらな笑みを浮かべる魔王。
「では次会うときは妾の城、もしくはおぬしの村じゃな」
そう言うと魔王は姿を消し、横になったリトスは考えることをやめて眠りについた。
その翌日。覚悟を決めたリトスは宿屋の外に隆達を集め大切な話があると切り出した。
「実はね…私の村に代々伝わる魔王を倒す武器があるの」
自分は何を言っているのだろうとリトスは思った。
もう少しまともなことは言えなかったのだろうと。
しかし起きてからこれ以外何も浮かばなかったのである。
こんなことを信じるのはよほどのアホくらいだろう。
しかし、それを信じる者はいた。
「マジか。もしかして伝説の剣ってやつか!いやでもエルフの森にあるんだし弓と矢っていう可能性もあるよな…」
隆である。
元居た世界で異世界ファンタジーが大好きだった彼はこういった「実は最初にいた村に伝説の武器がある」といった展開に熱くなってしまう。
「いやいや何を信じているでござるか隆殿。他種族との交流に超がつくほど消極的なエルフにそんなものが作れるわけがないでござるよ」
呆れたようにため息をつくライナ。
しかしそのライナの煽りにも似たため息はリトスの脳をフル回転させるには十分だった。
「ええ、作るのは無理。だけど興味本位でどこぞのヒューマンが森に入ってエルフに殺されていたとしたら?」
「あり得る話だよな!」
やかましい程にテンションが高い隆。
今すぐにでも口に武器を突っ込みたいところだが信じている人数が少ないためここは勢いで押し切るしかない。
「魔王を倒せる伝説の武器を仮に持っていたとして…さてはてその人物は何故リトスさんの村に?」
「きっと迷い込んだんでしょ。近くには奴隷の町もあるんだしそこにエルフが売ってなくて仲間にしに来たんでしょ」
(それに前行った町の騎士団だっけ?あの人達が唯一魔王に対抗できたって言ってたし普通あの人達が持ってるはずだよね)
「まぁ普通はそう考えるよね。けど何故かあるの」
もうこれ以上正論を言われると何も言えなくなる。
しかし隆は「行ってみればわかるだろ!と」大声を上げ無理矢理納得させた。
「ったく、もうちょっと早く言ってくれよな。なんでこう重要な武器とかって最後まで渋られるんだか…」
「ごめん。…ありがとう」
「え?なんて?聞こえなかった」
「なーにも言ってない!ごめんね皆寄り道させて。村に戻ってパパっと取ってくればいいから」
「絶対何か起こるでござるよ…」
ライナの不安は見事的中することになる。
「っぷはぁ!…魔王か」
「いかにも。最近話し相手がいなくて暇でのぅ、酒を飲めとは言わんからゆっくり話さぬか?」
「そんな下手に出なくても魔王なんだから強引に連れていくなりすればいいのに」
「そうはいかん。おぬしは妾の友人なのだからな。友人に優しくせぬものは誰にでも優しくできぬだろう?」
リトスは隆のことを聞かれたのかと驚いたがラルアに優しくしているので自分に言ったのではないと胸をなでおろす。
「それはそうと早く妾のところに来ぬか。おぬしらの倒したアメジストとおぬしらを全滅させたトパーズは他の町に行っておるから城は妾と数人くらいしかおらんぞ」
「その数人も強いんでしょ?そりゃあ魔王のあんたからすれば弱いんだろうけどさ…死の街すら突破できるか不安だっていうのに更にその先なんて無理無理」
「それを何とかするのが勇者ご一行であろう。死の街で戦いを経験して妾を倒せるくらいになったら城に来て妾の部下を撃破して、満を持して妾に挑み、絶望的な力の差に慄き、しかしそれでも諦めず…というのが理想じゃな」
リトスが見えていないことを良いことに気配を消してリトスの頬をつついて遊ぶ魔王。
話しにくいリトスは指を払って腕を組む。
「その理想叶うの数年先になるけど大丈夫?しかも時間経てば経つほど魔王と戦う理由がなくなるけど」
「なぜ無くなる?隆は妾を倒すために呼ばれたのであろう?」
「隆が呼ばれたのは私の生まれ故郷であるエルフの森。そして魔王が侵攻したってデマが流されたのは最初に行ったチアミンの街」
「そうじゃったな。だが何故滅多に森の外に出ないエルフがそんなデマを知った?」
「それは…」言葉を続けようとしたリトスだがその先が出なかった。
言われてみれば変だった。森の中に侵入者は入ってくるが友好関係を結んでいる人間はいない。
ヒューマンのいる町で一番近い町はエルフを売り物としているヒューマンしかおらずこちらに狩られる命を張って有益な情報をくれる人がいるとはとても考えづらい。
「あの男…なんて名前だったっけ…グラム?違うな…村長でもないし…」
村にいた男エルフの名前を一人一人挙げては声と名前を一致させて「違う」と否定をする。
「記憶力がいいのぅ」
「生まれてずっと人口変わらないからね。…思い出した。ストロだ」
ストロ。それはまだリトスの視覚があった頃一度告白をしてきた男だった。
しかし狩人としての生活や自分の時間を優先したいリトスは数秒の間も許さずに断っていた。
それから数日間は「片付けの手伝いをする」「君の力になりたい」としつこく迫られたがそのたびに「いらない」と断っていた。
すると今度は弓を隠されたり井戸の中に落とされかけたりと意地悪をされ、それを知った村長に村を追放されかけていた。
それからは真面目に働くようになり、リトスに近づくこともなくなった。
「しかしだとしたらなんであのタイミングで…」
「視覚を失ったのは二年前じゃったな。その男は病気に関係しておらんのか?」
「関係ないと思うなー。でもまぁ視覚失ってすぐに言ったら疑われるのは当然だし二年待つ…のかな?」
「妾に聞かれても何とも言えん。知りたければ森に行けばいいじゃろう」
「えー帰るの…帰りたくないんだけど」
「帰らねば妾と数年、もしくは数十年かけて戦うことになるぞ?」
「うっ…でも隆達になんて言えばいいんだろう。もうあんな村には帰らないみたいなこと一度言ってるしな」
「そんなもの適当でいいだろう。知った後隆達がどんな反応をするのかは知らんがの」
そういえばそうだったと寝ているラルアに視線を向けるリトス。
前にも旅の目的が無くなればどうなるのかと考えて先延ばしにしていたがもうそんなことはできなくなっていた。
今いる町を出れば死の街は目の前にあるも同然となり一度故郷に帰るとなればここしかない。
「例えば…例えばの話。ストロがデマ流した犯人だと確定して私か誰かが制裁を加えて皆がバラバラになって…そうしたらあんたはどうするの?」
「そうじゃなぁ。おぬしらが妾に挑まなくなるのはつまらぬし一度相手をしてやろう。そうしたらあとは一緒に考えてやろう」
「え?戦うの?」
「隆はそのために呼ばれたのじゃろうが。一度あやつとは戦っておるが妾を魔王だとは見抜けぬかったし魔王として戦ってやらぬと悲しいじゃろう」
「くっくっく」といたずらな笑みを浮かべる魔王。
「では次会うときは妾の城、もしくはおぬしの村じゃな」
そう言うと魔王は姿を消し、横になったリトスは考えることをやめて眠りについた。
その翌日。覚悟を決めたリトスは宿屋の外に隆達を集め大切な話があると切り出した。
「実はね…私の村に代々伝わる魔王を倒す武器があるの」
自分は何を言っているのだろうとリトスは思った。
もう少しまともなことは言えなかったのだろうと。
しかし起きてからこれ以外何も浮かばなかったのである。
こんなことを信じるのはよほどのアホくらいだろう。
しかし、それを信じる者はいた。
「マジか。もしかして伝説の剣ってやつか!いやでもエルフの森にあるんだし弓と矢っていう可能性もあるよな…」
隆である。
元居た世界で異世界ファンタジーが大好きだった彼はこういった「実は最初にいた村に伝説の武器がある」といった展開に熱くなってしまう。
「いやいや何を信じているでござるか隆殿。他種族との交流に超がつくほど消極的なエルフにそんなものが作れるわけがないでござるよ」
呆れたようにため息をつくライナ。
しかしそのライナの煽りにも似たため息はリトスの脳をフル回転させるには十分だった。
「ええ、作るのは無理。だけど興味本位でどこぞのヒューマンが森に入ってエルフに殺されていたとしたら?」
「あり得る話だよな!」
やかましい程にテンションが高い隆。
今すぐにでも口に武器を突っ込みたいところだが信じている人数が少ないためここは勢いで押し切るしかない。
「魔王を倒せる伝説の武器を仮に持っていたとして…さてはてその人物は何故リトスさんの村に?」
「きっと迷い込んだんでしょ。近くには奴隷の町もあるんだしそこにエルフが売ってなくて仲間にしに来たんでしょ」
(それに前行った町の騎士団だっけ?あの人達が唯一魔王に対抗できたって言ってたし普通あの人達が持ってるはずだよね)
「まぁ普通はそう考えるよね。けど何故かあるの」
もうこれ以上正論を言われると何も言えなくなる。
しかし隆は「行ってみればわかるだろ!と」大声を上げ無理矢理納得させた。
「ったく、もうちょっと早く言ってくれよな。なんでこう重要な武器とかって最後まで渋られるんだか…」
「ごめん。…ありがとう」
「え?なんて?聞こえなかった」
「なーにも言ってない!ごめんね皆寄り道させて。村に戻ってパパっと取ってくればいいから」
「絶対何か起こるでござるよ…」
ライナの不安は見事的中することになる。
0
お気に入りに追加
27
あなたにおすすめの小説
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
【完結】辺境伯令嬢は新聞で婚約破棄を知った
五色ひわ
恋愛
辺境伯令嬢としてのんびり領地で暮らしてきたアメリアは、カフェで見せられた新聞で自身の婚約破棄を知った。真実を確かめるため、アメリアは3年ぶりに王都へと旅立った。
※本編34話、番外編『皇太子殿下の苦悩』31+1話、おまけ4話
寵愛のいる旦那様との結婚生活が終わる。もし、次があるのなら緩やかに、優しい人と恋がしたい。
にのまえ
恋愛
リルガルド国。公爵令嬢リイーヤ・ロイアルは令嬢ながら、剣に明け暮れていた。
父に頼まれて参加をした王女のデビュタントの舞踏会で、伯爵家コール・デトロイトと知り合い恋に落ちる。
恋に浮かれて、剣を捨た。
コールと結婚をして初夜を迎えた。
リイーヤはナイトドレスを身に付け、鼓動を高鳴らせて旦那様を待っていた。しかし寝室に訪れた旦那から出た言葉は「私は君を抱くことはない」「私には心から愛する人がいる」だった。
ショックを受けて、旦那には愛してもられないと知る。しかし離縁したくてもリルガルド国では離縁は許されない。しかしリイーヤは二年待ち子供がいなければ離縁できると知る。
結婚二周年の食事の席で、旦那は義理両親にリイーヤに子供ができたと言い出した。それに反論して自分は生娘だと医師の診断書を見せる。
混乱した食堂を後にして、リイーヤは馬に乗り伯爵家から出て行き国境を越え違う国へと向かう。
もし、次があるのなら優しい人と恋がしたいと……
お読みいただき、ありがとうございます。
エブリスタで四月に『完結』した話に差し替えいたいと思っております。内容はさほど、変わっておりません。
それにあたり、栞を挟んでいただいている方、すみません。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる