31 / 73
ナイアシンの街
まだ倒せない
しおりを挟む
宿で一泊をした一行は翌日リトスの資料読み漁りに付き合うこととなった。
読み漁りに付き合うことにより全員が知識を共有できるとリトスの説得により隆は嫌々ながらも文字の多い資料をめくっては読み上げていく。
「アスモディアンは日に弱い種族が多く、死の街は一年中雲がかかっている…へぇ、意図的に雲を操ることなんてできるんだな」
「雨は降らないけどね。数十年前に私のいた村で雨が降らないからってバカが雲を操ろうとしたら雷降ってきて森が火事になりかけたことはあるけど」
「マジか…じゃあ死の街は年がら年中雷降ってるのか」
「そ、それはないと思うでござるよ?拙者も実際に行ったことはないでござるが毎日雷が降り注いでいたら今頃死の街はなくなっているでござる」
(だとしたら何者かがそういう種類の雲を生み出しているということになるね)
「雲を生み出すってすごいよな。学校で習ったけどあれって水蒸気の塊みたいなもんだろ?」
隆にふと視線が集まる。
「ん?どうしたんだ?」
「雲って…魔法で生み出すものじゃないの?」
「いやまぁそれもあると思うぞ?だけど雨が降る雲っていうのは熱によって蒸発した水分が空に行って、それが固まったものが雲っていうのは習ったな」
「じゃ、じゃあ外に水を撒けば雲になるでござるか?」
「それはないだろ。雲っていうのは大量の水分がないと作れないんだよ。それこそ湖とか海が近くにない場所は雨は降らないな」
「へぇ~隆って意外に博識なんだね」
「んなことねえよ。俺がいた世界じゃ当たり前だっただけだ。そういや俺のいた世界での科学の進歩とここの世界の科学の進歩ってやっぱり全然違うよな。その分こっちは魔法があるから差を埋めてる以上のことはあるが」
今更改めて異世界に来たということを感じる隆。
自身は魔法が使えないがそれを差し引いても前にいた世界よりは充実しているのだと周りの仲間を見て思うのだった。
それから三時間ほどすると山のようにあった資料は全て読み終えてしまい、家主から昼飯を頂いて家を出ることにした。
「それで、これからどうするんだ?このまま死の街に行っても俺は構わないんだが」
「いや、このメンバーじゃ全滅するのが目に見えてる。ほら、隆と私しか覚えてないけど私ら一回全滅してるんだよね。だから…」
(だから?)
「仲間を増やしに伝説の魔法使いがいるっていうパントテンっていう町に行こうと思う」
「パントテンでござるか。確かに伝説の魔法使いがいるとは聞いたことがあるでござるが…何十年前の情報でござるか?」
「七十年前」
「その魔法使いエルフでなければもう死んでるでござるな」
「だろうな…孫でもいりゃ話は別だろうが大体その孫が落ちこぼれだったり覚醒するまで時間かかるようなやつが大半だから期待できそうにねえな」
言いたい放題の二人だがリトスは余裕そうな笑みを浮かべている。
「生死については安心していいよ二人共。その魔法使いはエルフ!知ってのとおりエルフは外交関係に超がつくほど消極的だけど同族にはその分すごく優しいから!」
「フラグにしか聞こえねえ…」
(僕は町に行くことに賛成かな。何もしないより行動したほうがいいと思うし)
「まぁ…そりゃそうだが…」
「そうと決まれば早速町に行こっか。隆、ここからパントテンの町までどれくらいある?」
隆が地図を開き、パントテンという名前の町を探す。
近くにあるか探すが無い。
まさかとは思いリトスのいた村の周辺探しても無く、安心する。
「…なくね?」
「いやないことないでしょ。結構大きな町だって聞いたからすぐに分かるよ」
「大きな町?」
「あ、ここでござるよ」
ライナが指をさしたのはここから遥か東にある広がる海に書かれた島。
その名もパンテトン島。
「島じゃねーか!どうやってここまで行くんだよ!」
「あっれー…おかしいな。聞いた話じゃ町だって聞いたんだけど」
(海の近くまで行くのも長いし島までも大分あるね。森何個分あるんだろう)
一行が一週間以上かかって抜けられた森の広さとは比べ物にならない距離にある島。
船や浮遊魔法、馬車もない一行が目指してもたどり着けない場所であることは明らかだった。
「ど、どうしよっかな…海に行くまでに何かある?」
隆が地図を見直すと町や村は多くあった。
その中でも一際目立つのが「ピリドキ」という大きな町。
地図に大きく城が書かれており、いかにその城が大きいのかが分かる。
(やけに大きい城だね。トロルが住んでるみたいだ)
「ピリドキの城主『ドゥダー』が住んでる城のことね。城下町もかなり大きいし純粋なヒューマンしか住んでない町だから仲間雇うにはいい場所かもね」
「ピリキドっていうと条約結ぶ前の魔王との戦いで積極的に参加していたでござるな。そういえば今回はまだ動いていないでござるな」
「魔王の方がまだ動いてねえからじゃねえか?んじゃ次に目指す場所はピリキドでいいな?」
頷く三人を確認すると隆は街の出口へと歩み始めた。
歩いていると隆が行った黒いテントがまだあり、隆は占いの内容を思い出す。
(ピンクの恋沙汰っていうのは終わった…次は赤で炎に気をつけるようにって言ってたな。どこが燃えるのかってとこまでは見えなかったらしいが燃えるとしたらあそこしかねえよな。緑と黒に関しちゃ今考えることでもねえし…)
もう一度行って仲間の未来も見てもらおうかと考えたが、余計な混乱を起しても嫌なので素通りをすることにした。
その頃、黒いテントの中ではアメジストが占い師の格好をして隆を待っていた。
そして布が開き、中に入ってきたのは全く知らない獣人の男だった。
「街の人から聞いたんだけどここって占いする場所でしょ?俺旅人だからちょっと占ってくれない?お金は多めに出すからさ?」
「ああ、占ってあげるよ。じゃあまずこの水晶を見てごらん?」
男が水晶を見つめると水晶の色は変わらず、文句を言おうと顔を上げようとすると不意に首を掴まれて顔面に強烈な打撃が入った。
それもただの打撃ではなく、アメジストの拳は体から発する熱によって千度を超える熱に覆われていた。
ことはもちろん無事ではなく、アメジストが投げ捨てると既に息をしていない。
「あーこれで何人目だよー。あの人間来ないじゃん」
殺した男を霧状にして消滅させるアメジスト。
外から誰かが入ってくる音がするとすぐさま椅子に座り、「お入りください」と優しそうな声で話す。
中に入ってきたのは同じ魔王の部下でリトスを魔王の部下にならないかと誘った男。
「ありゃ、エルフの勧誘に失敗したカーネリアンじゃん」
「はは、あの男に負けたやつが言うかよ。それよりアメジスト、あいつらこの街出たけど追いかけなくていいのかァ?」
笑いかけるカーネリアンに呆然とするアメジスト。
しばらくしてから「んなわけないじゃん!」と叫び、霧になって去っていった。
「あいつ…本当に人の話最後まで聞かないな。行き先教えてやろうと思ったのになァ…さて、俺も動くとするかね」
読み漁りに付き合うことにより全員が知識を共有できるとリトスの説得により隆は嫌々ながらも文字の多い資料をめくっては読み上げていく。
「アスモディアンは日に弱い種族が多く、死の街は一年中雲がかかっている…へぇ、意図的に雲を操ることなんてできるんだな」
「雨は降らないけどね。数十年前に私のいた村で雨が降らないからってバカが雲を操ろうとしたら雷降ってきて森が火事になりかけたことはあるけど」
「マジか…じゃあ死の街は年がら年中雷降ってるのか」
「そ、それはないと思うでござるよ?拙者も実際に行ったことはないでござるが毎日雷が降り注いでいたら今頃死の街はなくなっているでござる」
(だとしたら何者かがそういう種類の雲を生み出しているということになるね)
「雲を生み出すってすごいよな。学校で習ったけどあれって水蒸気の塊みたいなもんだろ?」
隆にふと視線が集まる。
「ん?どうしたんだ?」
「雲って…魔法で生み出すものじゃないの?」
「いやまぁそれもあると思うぞ?だけど雨が降る雲っていうのは熱によって蒸発した水分が空に行って、それが固まったものが雲っていうのは習ったな」
「じゃ、じゃあ外に水を撒けば雲になるでござるか?」
「それはないだろ。雲っていうのは大量の水分がないと作れないんだよ。それこそ湖とか海が近くにない場所は雨は降らないな」
「へぇ~隆って意外に博識なんだね」
「んなことねえよ。俺がいた世界じゃ当たり前だっただけだ。そういや俺のいた世界での科学の進歩とここの世界の科学の進歩ってやっぱり全然違うよな。その分こっちは魔法があるから差を埋めてる以上のことはあるが」
今更改めて異世界に来たということを感じる隆。
自身は魔法が使えないがそれを差し引いても前にいた世界よりは充実しているのだと周りの仲間を見て思うのだった。
それから三時間ほどすると山のようにあった資料は全て読み終えてしまい、家主から昼飯を頂いて家を出ることにした。
「それで、これからどうするんだ?このまま死の街に行っても俺は構わないんだが」
「いや、このメンバーじゃ全滅するのが目に見えてる。ほら、隆と私しか覚えてないけど私ら一回全滅してるんだよね。だから…」
(だから?)
「仲間を増やしに伝説の魔法使いがいるっていうパントテンっていう町に行こうと思う」
「パントテンでござるか。確かに伝説の魔法使いがいるとは聞いたことがあるでござるが…何十年前の情報でござるか?」
「七十年前」
「その魔法使いエルフでなければもう死んでるでござるな」
「だろうな…孫でもいりゃ話は別だろうが大体その孫が落ちこぼれだったり覚醒するまで時間かかるようなやつが大半だから期待できそうにねえな」
言いたい放題の二人だがリトスは余裕そうな笑みを浮かべている。
「生死については安心していいよ二人共。その魔法使いはエルフ!知ってのとおりエルフは外交関係に超がつくほど消極的だけど同族にはその分すごく優しいから!」
「フラグにしか聞こえねえ…」
(僕は町に行くことに賛成かな。何もしないより行動したほうがいいと思うし)
「まぁ…そりゃそうだが…」
「そうと決まれば早速町に行こっか。隆、ここからパントテンの町までどれくらいある?」
隆が地図を開き、パントテンという名前の町を探す。
近くにあるか探すが無い。
まさかとは思いリトスのいた村の周辺探しても無く、安心する。
「…なくね?」
「いやないことないでしょ。結構大きな町だって聞いたからすぐに分かるよ」
「大きな町?」
「あ、ここでござるよ」
ライナが指をさしたのはここから遥か東にある広がる海に書かれた島。
その名もパンテトン島。
「島じゃねーか!どうやってここまで行くんだよ!」
「あっれー…おかしいな。聞いた話じゃ町だって聞いたんだけど」
(海の近くまで行くのも長いし島までも大分あるね。森何個分あるんだろう)
一行が一週間以上かかって抜けられた森の広さとは比べ物にならない距離にある島。
船や浮遊魔法、馬車もない一行が目指してもたどり着けない場所であることは明らかだった。
「ど、どうしよっかな…海に行くまでに何かある?」
隆が地図を見直すと町や村は多くあった。
その中でも一際目立つのが「ピリドキ」という大きな町。
地図に大きく城が書かれており、いかにその城が大きいのかが分かる。
(やけに大きい城だね。トロルが住んでるみたいだ)
「ピリドキの城主『ドゥダー』が住んでる城のことね。城下町もかなり大きいし純粋なヒューマンしか住んでない町だから仲間雇うにはいい場所かもね」
「ピリキドっていうと条約結ぶ前の魔王との戦いで積極的に参加していたでござるな。そういえば今回はまだ動いていないでござるな」
「魔王の方がまだ動いてねえからじゃねえか?んじゃ次に目指す場所はピリキドでいいな?」
頷く三人を確認すると隆は街の出口へと歩み始めた。
歩いていると隆が行った黒いテントがまだあり、隆は占いの内容を思い出す。
(ピンクの恋沙汰っていうのは終わった…次は赤で炎に気をつけるようにって言ってたな。どこが燃えるのかってとこまでは見えなかったらしいが燃えるとしたらあそこしかねえよな。緑と黒に関しちゃ今考えることでもねえし…)
もう一度行って仲間の未来も見てもらおうかと考えたが、余計な混乱を起しても嫌なので素通りをすることにした。
その頃、黒いテントの中ではアメジストが占い師の格好をして隆を待っていた。
そして布が開き、中に入ってきたのは全く知らない獣人の男だった。
「街の人から聞いたんだけどここって占いする場所でしょ?俺旅人だからちょっと占ってくれない?お金は多めに出すからさ?」
「ああ、占ってあげるよ。じゃあまずこの水晶を見てごらん?」
男が水晶を見つめると水晶の色は変わらず、文句を言おうと顔を上げようとすると不意に首を掴まれて顔面に強烈な打撃が入った。
それもただの打撃ではなく、アメジストの拳は体から発する熱によって千度を超える熱に覆われていた。
ことはもちろん無事ではなく、アメジストが投げ捨てると既に息をしていない。
「あーこれで何人目だよー。あの人間来ないじゃん」
殺した男を霧状にして消滅させるアメジスト。
外から誰かが入ってくる音がするとすぐさま椅子に座り、「お入りください」と優しそうな声で話す。
中に入ってきたのは同じ魔王の部下でリトスを魔王の部下にならないかと誘った男。
「ありゃ、エルフの勧誘に失敗したカーネリアンじゃん」
「はは、あの男に負けたやつが言うかよ。それよりアメジスト、あいつらこの街出たけど追いかけなくていいのかァ?」
笑いかけるカーネリアンに呆然とするアメジスト。
しばらくしてから「んなわけないじゃん!」と叫び、霧になって去っていった。
「あいつ…本当に人の話最後まで聞かないな。行き先教えてやろうと思ったのになァ…さて、俺も動くとするかね」
0
お気に入りに追加
27
あなたにおすすめの小説
嫌われ者の皇族姫
shishamo346
ファンタジー
両親に似ていないから、と母親からも、兄たち姉たちから嫌われたシーアは、歳の近い皇族の子どもたちにいじめられ、使用人からも蔑まれ、と酷い扱いをうけていました。それも、叔父である皇帝シオンによって、環境は整えられ、最低限の皇族並の扱いをされるようになったが、まだ、皇族の儀式を通過していないシーアは、使用人の子どもと取り換えられたのでは、と影で悪く言われていた。
家族からも、同じ皇族からも蔑まされたシーアは、皇族の儀式を受けた時、その運命は動き出すこととなります。
なろう、では、皇族姫という話の一つとして更新しています。設定が、なろうで出たものが多いので、初読みではわかりにくいところがあります。
僕のおつかい
麻竹
ファンタジー
魔女が世界を統べる世界。
東の大地ウェストブレイ。赤の魔女のお膝元であるこの森に、足早に森を抜けようとする一人の少年の姿があった。
少年の名はマクレーンといって黒い髪に黒い瞳、腰まである髪を後ろで一つに束ねた少年は、真っ赤なマントのフードを目深に被り、明るいこの森を早く抜けようと必死だった。
彼は、母親から頼まれた『おつかい』を無事にやり遂げるべく、今まさに旅に出たばかりであった。
そして、その旅の途中で森で倒れていた人を助けたのだが・・・・・・。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
※一話約1000文字前後に修正しました。
他サイト様にも投稿しています。
元侯爵令嬢は冷遇を満喫する
cyaru
恋愛
第三王子の不貞による婚約解消で王様に拝み倒され、渋々嫁いだ侯爵令嬢のエレイン。
しかし教会で結婚式を挙げた後、夫の口から開口一番に出た言葉は
「王命だから君を娶っただけだ。愛してもらえるとは思わないでくれ」
夫となったパトリックの側には長年の恋人であるリリシア。
自分もだけど、向こうだってわたくしの事は見たくも無いはず!っと早々の別居宣言。
お互いで交わす契約書にほっとするパトリックとエレイン。ほくそ笑む愛人リリシア。
本宅からは屋根すら見えない別邸に引きこもりお1人様生活を満喫する予定が・・。
※専門用語は出来るだけ注釈をつけますが、作者が専門用語だと思ってない専門用語がある場合があります
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
宣誓のその先へ
ねこかもめ
ファンタジー
幼き日の絶望をのりこえ必ずや《魔物》を滅ぼすと誓った少年ユウ。
騎士となった彼は、新しい日常の中で戯けた日々を送りながらも誓いを果たさんと戦う。
同じく騎士となった幼馴染の少女アイシャをはじめ、
先輩や後輩、屋敷のメイドなど、多くの仲間と共に突き進む。
戦いの果てに、ユウが見出す《答え》は…。
【小説家になろう】
こちらでは どんどん話が進んでますので、ぜひこちらもよろしくお願い致します!https://t.co/G71YaZqVBV
※小説家になろう、ノベルアップ+にも投稿しています。
【完結】引きこもり令嬢は迷い込んできた猫達を愛でることにしました
かな
恋愛
乙女ゲームのモブですらない公爵令嬢に転生してしまった主人公は訳あって絶賛引きこもり中!
そんな主人公の生活はとある2匹の猫を保護したことによって一変してしまい……?
可愛い猫達を可愛がっていたら、とんでもないことに巻き込まれてしまった主人公の無自覚無双の幕開けです!
そしていつのまにか溺愛ルートにまで突入していて……!?
イケメンからの溺愛なんて、元引きこもりの私には刺激が強すぎます!!
毎日17時と19時に更新します。
全12話完結+番外編
「小説家になろう」でも掲載しています。
転生錬金術師・葉菜花の魔石ごはん~食いしん坊王子様のお気に入り~
豆狸
ファンタジー
異世界に転生した葉菜花には前世の料理を再現するチートなスキルがあった!
食いしん坊の王国ラトニーで俺様王子様と残念聖女様を餌付けしながら、可愛い使い魔ラケル(モフモフわんこ)と一緒に頑張るよ♪
※基本のんびりスローライフ? で、たまに事件に関わります。
※本編は葉菜花の一人称、ときどき別視点の三人称です。
※ひとつの話の中で視点が変わるときは★、同じ視点で場面や時間が変わるときは☆で区切っています。
※20210114、11話内の神殿からもらったお金がおかしかったので訂正しました。
転生調理令嬢は諦めることを知らない
eggy
ファンタジー
リュシドール子爵の長女オリアーヌは七歳のとき事故で両親を失い、自分は片足が不自由になった。
それでも残された生まれたばかりの弟ランベールを、一人で立派に育てよう、と決心する。
子爵家跡継ぎのランベールが成人するまで、親戚から暫定爵位継承の夫婦を領地領主邸に迎えることになった。
最初愛想のよかった夫婦は、次第に家乗っ取りに向けた行動を始める。
八歳でオリアーヌは、『調理』の加護を得る。食材に限り刃物なしで切断ができる。細かい調味料などを離れたところに瞬間移動させられる。その他、調理の腕が向上する能力だ。
それを「貴族に相応しくない」と断じて、子爵はオリアーヌを厨房で働かせることにした。
また夫婦は、自分の息子をランベールと入れ替える画策を始めた。
オリアーヌが十三歳になったとき、子爵は隣領の伯爵に加護の実験台としてランベールを売り渡してしまう。
同時にオリアーヌを子爵家から追放する、と宣言した。
それを機に、オリアーヌは弟を取り戻す旅に出る。まず最初に、隣町まで少なくとも二日以上かかる危険な魔獣の出る街道を、杖つきの徒歩で、武器も護衛もなしに、不眠で、歩ききらなければならない。
弟を取り戻すまで絶対諦めない、ド根性令嬢の冒険が始まる。
主人公が酷く虐げられる描写が苦手な方は、回避をお薦めします。そういう意味もあって、R15指定をしています。
追放令嬢ものに分類されるのでしょうが、追放後の展開はあまり類を見ないものになっていると思います。
2章立てになりますが、1章終盤から2章にかけては、「令嬢」のイメージがぶち壊されるかもしれません。不快に思われる方にはご容赦いただければと存じます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる