幻影の讃美歌

ごさまる

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第二章

〜奴ら〜

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ハデスは素早く駆け出すと、物凄い勢いでジャンプし、高くかかげた剣は、銀色の炎をまとい鋭く光った。
ハデスは迷うことなく、後ろ姿の女に剣を振り下ろした!

グシャリっ!

《グワァァァ~や、め、ろォ~おのれぇぇ~》 

ジュワァァァァ!

女の右肩から、真っ白な煙が出てきた!

「ミーミルっ!今だっ!」

ボワッッ!!

ハデスが叫ぶとミーミルが左手の手の平で銀色に光った小さな魔方陣を出した。

シュンッ!

思いっきり女めがけて魔方陣を投げると、たちまち魔方陣は大きく広がり、あっという間に女を包み込んだ。

「ダミアン様っ!今です!」

「♪いっただきま~すっ♪」

グワァッ!

大きな口を開けてダミアンが「悪」を食らう、

「♪ご馳走様でしたっ!アハッ♪」

「フゥ・・」

ミーミルとハデスは振り返ると、優が駆け寄った。

「・・ご、ごめんなさい・・つい・・」

「あれほどルシファー様が言っていた事が・・理解出来ていないようだな・・」

ハデスが呆れて優に言うとダミアンが続けて言った、

「・・同情・・それがここでは・・命取りになる、気持ちはわからんでもないが、ここは人間界ではない・・わかったな・・?」

「ハデス、ミーミル・・ダミアン、ご、ごめんなさい・・きをつけるね・・」

困惑した中、ダミアンが

「♪ミーミル浄化がすんだ・・封印宜しくね♪アハッ」

「はっ!ダミアン様・・」

口からピンクの玉を取り出し、ミーミルに封印してもらった。

「・・優、貴様の行動が皆を危険にさらすことにつながる、軽卒な行動はつつしめ・・いいな?」

ルシファーからの一喝でシュンとなる優であった。

           *****************


気を取り直し先に進む一行、しばらく進むと 辺りが真っ赤に染まった空間に出た。

「・・やっとお出ましだ・・」

ルシファーの言葉に緊張が走った。

髪の長い女が立っている、眼からは血の涙が流れ、手には何やらブランド物のバックを持っている。

《・・クヤシイィィ・・いくら頑張っても・・優・・貴方以上に評価されない・・メイクだってブランドだって・・貴方以上に頑張っているのに・・ナゼ・・ネタマシイィ・・ニクラシイィィ・・》

女は物凄い形相で優を睨んでいる!

「・・優・・こいつに見覚えあるな?・・」

「・・うん、会社の同僚で和美だ・・みき先輩と一緒に私を・・孤立させて楽しんでいる人の一人・・」

そこまで言うと優の表情が一変した!

首をかしげ目を見開き、口元には笑みを浮かべルシファーにこう言った。

「・・奴らは喰うとうまいかな?」








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