霊感兄妹の大冒険 古城にはモンスターがいっぱい⁉

幽刻ネオン

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第6章 古城の真実と怪物たちの真実

憂炎&ジンの場合

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 水の音と声を出すと反響はんきょうする場所に来ている。
あいかわらず、まっ暗で廊下よりもヤバイんじゃないかと、雰囲気ふんいきが。
僕とジンは地下室まで来てここに宝探しをすることになった。
「……なんだか、いかにもって感じだな」
『早く見つけないとな。弱音よわねを吐くなら今のうちだぞ』
「調子に乗りやがって……だったら、お前のデカい足音をなんとかしろ」
ネズミやコウモリもびびって隠れてしまったじゃないか。
薬品の匂いが鼻にツンとくる。
思ったより静かすぎて逆に落ち着かない。
ジンは僕を逃がさまいと背後で鬼のようについてくる。
「ついたか。いや、不気味すぎんだろ」
『思ったよりずいぶんと口が回るな。正直に言え。本当は怖いのだろう?』
「ふざけるな、そんなことはない」
僕はジンに拳をつきあげようとするが大きな手で止められる。
ここは研究室だろうか、落ちているのはフラスコでよごれた白衣はくい
椅子とテーブルがあるにしては、せまい部屋だなと確信かくしんした。
「うわっ!?」
『大丈夫か?』
僕が足を踏み外し転ぶとジンは大きな手で抑えた。
からかっているのか素直に助けたいのかはっきりしろ。
そんな僕の心の中の本音を知っているようにジンがにらみつける。
『そろそろ隠さなくてもいいだろう。頼むから正直に話してくれ』
「……はあ。ああ、そうさ。少し緊張しているんだよ!」
突然、ジンは大きな手で僕を掴む。
「なんだよ……言いたいことは言ったぞ」
ジンは辺りを見回しながら語りだす。

『ここで俺は目を覚ました。思い出したぞ。ある科学者が俺をつくり最初は喜んだもののすぐに顔を青ざめ逃げていった。創造主そうぞうしゅともっと話がしたかっただけなのに。創造主が逃げたあと、何年か経ち二人の男女がここへやってきた。お互い愛し合い幸せそうだった。俺はなぜか許せなくなり二人に自分の悲しみを伝えようと話そうとした。だが男の方が察したのか女を安心させようと努力したらしい。俺を見ても何も言わずただ食料や本を持ってきたのだ。それから朝になりここを出ていった日には孤独になった。ある嵐の日に小夜という娘が来てくれたのはいいが案の定、創造主と同じ反応をしたのだ。。初めてそう言われたときの怒りは今でも忘れない。だが小夜は俺を閉じ込めくさりでつないだそうだ。かしこいヤツだと思ったよ。そしてイヴァンとコールが助けにきてくれて様々な知識ちしきを知った』

「……悪かった、黙って聞いていたらなんだか何も言い返せなくなっちまった」
ジンの悲しみがここまで強く伝わるとは。
二人の男女はきっと父さんと母さんだ。
まさか父さんが隠していたのって、ジンたちのことを知っていたのか。
「驚いたよ、それに小夜がここへ来たときもジンが怖くなって倒さなきゃと、パニックになっていたんだな。おい、待てよ。科学者っていったい誰のことだ?」
『なんでも昔ここに住んでいた青年らしい。イヴァンが弁護士の男と出会い、コールはお前と同じくらいの好青年を見たと言っていたな。確か三人は友達だったような』
「今は生きているのか……?」
『どうだろう』
僕はなんだか胸騒ぎがしてきて全てを知りたくないと思っている自分がいる。
(住んでいた三人の男? 父さんたちが住んでいた家じゃないのか?)
「……まさか」
するとジンはニヤリと不気味に笑い、僕を握りつぶそうとしていた。
しかも力がどんどん強くなっていき最初に出会ったときよりも姿に。
「やめろ……苦しい」
『ああ、悪いな。なぜだろう、憂炎がまるで自分の愛する人に見えてきて仕方がない。ここまで話を聞いてくれるなんて……俺の悲しみも伝わった』
まるで愛する子供のように僕を抱きしめる。
(ジンが本当に望んでいるのは、きっと……)
すると青白い光が強く閃光し、僕は目をつぶった。
「ま、まぶしいっ!」
『おお。きっとあれがそうに違いない』
何かを確信したジンは光の方向へと向かう。
テーブルの上に何かが置いてあるのが少し見える。
その正体は懐中時計かいちゅうどけいだった。
宝石店ほうせきてんに売ってそうな、ごうかでアンティーク調なデザイン。
「もしかしてこいつが……宝?」
『だろうな。ほら、憂炎にあげよう』
受け取るとその懐中時計は首にかける形式けいしきになっていた。
刹那せつな、僕の脳内にビリッと電流でんりゅうが走る。
かすかに誰かの叫び声が聞こえたような気がした。
「おい! 今の、まさか……」
『俺も感じたぞ。よし友達を助けにいこうじゃないか。近道はそこだな、しっかり捕まっていろ』
大きな扉をジンは拳あげ、音を立てながら突き破る。
もう少しで真実にり着く気がしたから。
「うああああああっ! 早いっ!」
『手段は選ばない。行くぞ!』
その衝撃しょうげきでくずれていく研究室を、僕はだまってみていた。
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