3 / 16
第3章 怪物たちの目覚め
しおりを挟む
兄妹たちが寝静まった夜のこと。
誰もいないリビングから声が聞こえてきた。
それは男性の声とも言える。
『ようやく来たな。今日、人間たちがここに入るのを見たぞ』
『そうか? オレには全く感じないが』
『顔までは分からないだろう。どうやって話す?』
『えっと、まずはあいさつから先じゃないかな』
黒いマントを身にまとうゴシックな服装が特徴の男がグラスを片手に持ちながら何かを飲む。
緑色のジャケットに黒いデニムが特徴の柄の悪い男は長い爪と牙を見つめながら考えこむ。
大きな身体でボロボロのコートを着た男は天井を見上げて唸り始める。
赤のチャイナ服(漢服)に黄色いお札を付けている少年がわくわくしながら飛び跳ねる。
血の匂い、獣の匂い、辺りが凍るような冷気。
彼らはそれぞれ自分の顔を見て不気味に笑う。
『狙いはそれぞれだろう。誰が好みだろうか……俺は黒髪の娘だ』
『おいマジかよ。オレは怖がっていた金髪の女だな』
『そうだな、あの男勝りな娘が気に入った。俺は彼女と話がしてみたい』
『僕は、あのお兄さんかな。なんだかカッコいいし』
彼女たちと話し合えばきっと分かりあえるはず。
彼らの願いは孤独を埋めること。
いっそ、その娘たちを自分の愛人にして花嫁にする。
神はとうとう我らに味方してくれたようだ、この縁という運命に。
満月の光が部屋の中に差し込み彼らの姿を映した。
『なあ、三人とも。必ずや我らの計画を達成させようではないか。これは今しかないチャンスだ!』
『当たり前だろ。絶対に彼女たちが帰らないようにオレも本気を出すぜ』
『ついにこの時が来た。俺は今とても幸せだ!』
『僕の求めていた願いが今ここで叶うときがきたんだ……。うれしいよ』
『二度と返さないようにしてやる』
彼らは高笑いしながらこの場を去り計画を実行した。
懐中時計が深夜二時を知らせる音が不気味に鳴り響く。
彼らが分かり合える理解者を探すまでは……。
恐怖の時間はすでに始まっていた。
それぞれの願いを叶えるために男たちは楽しそうに準備を始める。
誰もいないリビングから声が聞こえてきた。
それは男性の声とも言える。
『ようやく来たな。今日、人間たちがここに入るのを見たぞ』
『そうか? オレには全く感じないが』
『顔までは分からないだろう。どうやって話す?』
『えっと、まずはあいさつから先じゃないかな』
黒いマントを身にまとうゴシックな服装が特徴の男がグラスを片手に持ちながら何かを飲む。
緑色のジャケットに黒いデニムが特徴の柄の悪い男は長い爪と牙を見つめながら考えこむ。
大きな身体でボロボロのコートを着た男は天井を見上げて唸り始める。
赤のチャイナ服(漢服)に黄色いお札を付けている少年がわくわくしながら飛び跳ねる。
血の匂い、獣の匂い、辺りが凍るような冷気。
彼らはそれぞれ自分の顔を見て不気味に笑う。
『狙いはそれぞれだろう。誰が好みだろうか……俺は黒髪の娘だ』
『おいマジかよ。オレは怖がっていた金髪の女だな』
『そうだな、あの男勝りな娘が気に入った。俺は彼女と話がしてみたい』
『僕は、あのお兄さんかな。なんだかカッコいいし』
彼女たちと話し合えばきっと分かりあえるはず。
彼らの願いは孤独を埋めること。
いっそ、その娘たちを自分の愛人にして花嫁にする。
神はとうとう我らに味方してくれたようだ、この縁という運命に。
満月の光が部屋の中に差し込み彼らの姿を映した。
『なあ、三人とも。必ずや我らの計画を達成させようではないか。これは今しかないチャンスだ!』
『当たり前だろ。絶対に彼女たちが帰らないようにオレも本気を出すぜ』
『ついにこの時が来た。俺は今とても幸せだ!』
『僕の求めていた願いが今ここで叶うときがきたんだ……。うれしいよ』
『二度と返さないようにしてやる』
彼らは高笑いしながらこの場を去り計画を実行した。
懐中時計が深夜二時を知らせる音が不気味に鳴り響く。
彼らが分かり合える理解者を探すまでは……。
恐怖の時間はすでに始まっていた。
それぞれの願いを叶えるために男たちは楽しそうに準備を始める。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/children_book.png?id=95b13a1c459348cd18a1)
こちら御神楽学園心霊部!
緒方あきら
児童書・童話
取りつかれ体質の主人公、月城灯里が霊に憑かれた事を切っ掛けに心霊部に入部する。そこに数々の心霊体験が舞い込んでくる。事件を解決するごとに部員との絆は深まっていく。けれど、彼らにやってくる心霊事件は身の毛がよだつ恐ろしいものばかりで――。
灯里は取りつかれ体質で、事あるごとに幽霊に取りつかれる。
それがきっかけで学校の心霊部に入部する事になったが、いくつもの事件がやってきて――。
。
部屋に異音がなり、主人公を怯えさせる【トッテさん】。
前世から続く呪いにより死に導かれる生徒を救うが、彼にあげたお札は一週間でボロボロになってしまう【前世の名前】。
通ってはいけない道を通り、自分の影を失い、荒れた祠を修復し祈りを捧げて解決を試みる【竹林の道】。
どこまでもついて来る影が、家まで辿り着いたと安心した主人公の耳元に突然囁きかけてさっていく【楽しかった?】。
封印されていたものを解き放つと、それは江戸時代に封じられた幽霊。彼は門吉と名乗り主人公たちは土地神にするべく扱う【首無し地蔵】。
決して話してはいけない怪談を話してしまい、クラスメイトの背中に危険な影が現れ、咄嗟にこの話は嘘だったと弁明し霊を払う【嘘つき先生】。
事故死してさ迷う亡霊と出くわしてしまう。気付かぬふりをしてやり過ごすがすれ違い様に「見えてるくせに」と囁かれ襲われる【交差点】。
ひたすら振返らせようとする霊、駅まで着いたがトンネルを走る窓が鏡のようになり憑りついた霊の禍々しい姿を見る事になる【うしろ】。
都市伝説の噂を元に、エレベーターで消えてしまった生徒。記憶からさえもその存在を消す神隠し。心霊部は総出で生徒の救出を行った【異世界エレベーター】。
延々と名前を問う不気味な声【名前】。
10の怪異譚からなる心霊ホラー。心霊部の活躍は続いていく。
児童絵本館のオオカミ
火隆丸
児童書・童話
閉鎖した児童絵本館に放置されたオオカミの着ぐるみが語る、数々の思い出。ボロボロの着ぐるみの中には、たくさんの人の想いが詰まっています。着ぐるみと人との間に生まれた、切なくも美しい物語です。
ミズルチと〈竜骨の化石〉
珠邑ミト
児童書・童話
カイトは家族とバラバラに暮らしている〈音読みの一族〉という〈族《うから》〉の少年。彼の一族は、数多ある〈族〉から魂の〈音〉を「読み」、なんの〈族〉か「読みわける」。彼は飛びぬけて「読め」る少年だ。十歳のある日、その力でイトミミズの姿をしている〈族〉を見つけ保護する。ばあちゃんによると、その子は〈出世ミミズ族〉という〈族《うから》〉で、四年かけてミミズから蛇、竜、人と進化し〈竜の一族〉になるという。カイトはこの子にミズルチと名づけ育てることになり……。
一方、世間では怨墨《えんぼく》と呼ばれる、人の負の感情から生まれる墨の化物が活発化していた。これは人に憑りつき操る。これを浄化する墨狩《すみが》りという存在がある。
ミズルチを保護してから三年半後、ミズルチは竜になり、カイトとミズルチは怨墨に知人が憑りつかれたところに遭遇する。これを墨狩りだったばあちゃんと、担任の湯葉《ゆば》先生が狩るのを見て怨墨を知ることに。
カイトとミズルチのルーツをたどる冒険がはじまる。
イービル・ゲート~退魔師・涼風夜空~
はじめアキラ
児童書・童話
「七不思議に関わるのはやめておけ」
小学六年生の、加賀花火のクラスに転校してきた生意気な美少年、涼風夜空。
彼は自らを退魔師と名乗り、花火に騎士になってくれと頼んできた――この学校にある、異世界へ続く門を封じるために。
いなくなったクラスメートの少女。
学校に潜む異世界からの侵入者。
花火と夜空、二人の少女と少年が学校の怪異へ挑む。
極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。
猫菜こん
児童書・童話
私は人より目立たずに、ひっそりと生きていたい。
だから大きな伊達眼鏡で、毎日を静かに過ごしていたのに――……。
「それじゃあこの子は、俺がもらうよ。」
優しく引き寄せられ、“王子様”の腕の中に閉じ込められ。
……これは一体どういう状況なんですか!?
静かな場所が好きで大人しめな地味子ちゃん
できるだけ目立たないように過ごしたい
湖宮結衣(こみやゆい)
×
文武両道な学園の王子様
実は、好きな子を誰よりも独り占めしたがり……?
氷堂秦斗(ひょうどうかなと)
最初は【仮】のはずだった。
「結衣さん……って呼んでもいい?
だから、俺のことも名前で呼んでほしいな。」
「さっきので嫉妬したから、ちょっとだけ抱きしめられてて。」
「俺は前から結衣さんのことが好きだったし、
今もどうしようもないくらい好きなんだ。」
……でもいつの間にか、どうしようもないくらい溺れていた。
宝石アモル
緋村燐
児童書・童話
明護要芽は石が好きな小学五年生。
可愛いけれど石オタクなせいで恋愛とは程遠い生活を送っている。
ある日、イケメン転校生が落とした虹色の石に触ってから石の声が聞こえるようになっちゃって!?
宝石に呪い!?
闇の組織!?
呪いを祓うために手伝えってどういうこと!?
老犬ジョンと子猫のルナ
菊池まりな
児童書・童話
小さな町の片隅で、野良猫が子猫を生み、暖かく、安全な場所へと移動を繰り返しているうちに、一匹の子猫がはぐれてしまう。疲れきって倒れていたところを少年が助けてくれた。その家には老犬のジョンがいた。
忠犬ハジッコ
SoftCareer
児童書・童話
もうすぐ天寿を全うするはずだった老犬ハジッコでしたが、飼い主である高校生・澄子の魂が、偶然出会った付喪神(つくもがみ)の「夜桜」に抜き去られてしまいます。
「夜桜」と戦い力尽きたハジッコの魂は、犬の転生神によって、抜け殻になってしまった澄子の身体に転生し、奪われた澄子の魂を取り戻すべく、仲間達の力を借りながら奮闘努力する……というお話です。
※今まで、オトナ向けの小説ばかり書いておりましたが、
今回は中学生位を読者対象と想定してチャレンジしてみました。
お楽しみいただければうれしいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる