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第1章 はじまりは突然に!?
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森の奥にある、とある建物が大きくそびえ立つ。
西洋のお城にも見えなくもない。
いや、あれは間違いなく古城だ。
夜だから余計に、不気味に見えてくる。
人気もなくただそこにあるだけ。
そんな時だった。
大きな扉の前に一人の人物がいた。
開けるのをためらっているのだろうか。
なぜ後ろ向きなのかが謎である、中に入ったあとなのだろうか。
その人物は息切れしている、今にも倒れそうだ。
すると大粒の雨が降ってきてその人物の身体にあたる。
何かを恐れたのか走り出していた。
「来ないで...! 私が悪かった。だから許して……!」
男か女の声すらもわからない中性的な声が叫びだす。
すると扉が急に開きだし、そこから黒い手が現れその人物の身体を掴む。
「え……」
叫び声とともに、その人物は吸い込まれるように扉の中へと入る。
雨は朝になるまで激しく降っていた……。
S県若田市のとある一軒家で、にぎやかな声が聞こえてくる。
とても楽しそうな雰囲気が伝わっているよう。
ここがその自宅だ。
リビングには長いソファーに四人の人物が座っていた。
どの子も見た目からして個性的。
「今日から冬休み! 何をしようかなー」
真ん中に座っているピンクのスタジャンに白のスカートがとくちょうの女の子。
ハーフアップの黒髪にルビーのようなキレイな赤い瞳。
彼女の名前は、皇あやね。
皇家の三女で中学二年生。
「ふふっ。お姉ちゃん、今日もご機嫌ですわね」
左側に座っている水色のロリータワンピースがとくちょうの女の子。
セミロングヘアの金髪、優しくておっとり系。
彼女の名前は、エミリー・スメラギ。
皇家の末っ子で中学一年生。
小学生まではイギリスに留学していた。
外人のような名前だが、生粋の日本人である。
「おいおい、気持ちが昂るのもいいが宿題も忘れるなよ?」
右がわに座っているショートヘアの緑髪にモスグリーン色のチャイナ服に黒のジャケットにジーンズがとくちょう。
彼女の名前は、皇憂炎。
皇家の長女で中学三年生。
男装をしているのは自分を守るためだとか。
彼女も小学生までは香港に留学していた。
こちらも、れっきとした日本人。
「どうだか。冬休みはこうも騒がしいのか」
憂炎の隣に座っている藍色のライダージャケットに黒のダメージジーンズ姿の青年。
黒髪のミディアムにピアスとネックレスには十字架がとくちょう。
彼の名前は、皇大我。
皇家の長男で高校二年生。
この『兄妹』はとても仲良し。
「わかってるよ。お姉ちゃん、私はちゃんとできる子だし」
「とか言ってすぐに後悔するのが、お前だからな」
「あ……姉さん。言い過ぎよ」
「ははっ。今日も平和だな」
今日は四人で他愛のない雑談をしていた。
こうやって面と向かって話すのは久々だから騒がしいのも無理はない。
冬休み期間がはじまり、どこの学生もみんなこんな感じだろう。
この皇家も、本当は家族と話せばもっと良かったのだが。
「今日もお母さんとお父さん、お仕事で忙しいね」
「ええ。少し残念ですわ……たまには家に帰ってきてもいいのに」
あやねとエミリーは親に話したいことがありすぎて落ち着かないのだ。
釘を刺すかのごとく、憂炎と大我はぶっきらぼうに言う。
「あまえるな。気持ちは分からなくもないが二人は今が踏ん張りどきなんだぜ? 少しは大人になったらどうだ」
「同感だ。少しは危機感を持って行動してほしいものだな」
二人の発言にイラっとした、あやねが文句を言う。
「お姉ちゃん、お兄ちゃん。なにもそこまで言わなくてもいいでしょ? エミリーもそう思うよね?」
「えっ……わたくしはその。ケンカはやめてください……」
今にも泣きそうな末っ子の顔を見た三人は気まずくなる。
そう、エミリーは争い事やケンカが大嫌いでその場面に直面するといつも泣き出すのだ。
これにはさすがにまずいと思いお互い顔を見合わせた。
「ご、ごめん。エミリー……私が言い過ぎたね」
「つい感情が高ぶったようだ……。すまない」
「やれやれだぜ……まったく」
エミリーは安心してほっと胸をなでおろす。
あやねは笑っていて、憂炎は怒っているときが多いからエミリーはそれでも心配してくれると信じている。
兄の大我は影で見守るようにする。
普通の家庭ではあまりないのだが、皇家では日常茶飯事だ。
優しい姉だからすぐ仲直りをする。
エミリーを泣かせたらいちばん危険だ。
「わかればいいのよ。姉さんこそ会いたいのは変わりませんものね」
「ぐっ……。まあ否定はしないが……そうだよ」
「お姉ちゃん、正直だなー」
「どうした? 恥ずかしくて何も言えなくなったようだな」
「大我まで……!?ウソが嫌いなだけだ! 勘違いするなよ……」
「はーい、でもそんなお姉ちゃんも大好きだよ。わたしは」
あやねの純粋な告白に頬を赤面し、舌打ちする憂炎。
となりでエミリーがくすくす、と両手をおさえながら笑っていた。
そんな平和な日常が続くのかと思ったときだった。
突然、受話器に置いてある電話が鳴りだし憂炎が出る。
びっくりしたエミリーがおびえて、子ウサギのように震えるのをあやねが優しく抱きしめた。
大我は憂炎の仕草を見て何かを察したようだ。
「きゃっ……いったいなんですの?」
「大丈夫だよ。お姉ちゃんがなんとかしてくれるから」
「静かにしろ……。はい、もしもし?」
なんだか憂炎の様子がおかしくなり口調が悪くなることに気づいた三人。
すると親の名前をあげた瞬間、二人は叫び声をあげた。
「ええっ!?」
「……ああ、わかった。今からパソコンを出す。じゃあまたあとで」
冷ややかな声色で着信を切ると二人が飛び出してきた。
きっと、内容が知りたくて仕方がないのだろう。
「ねえ! いま……お母さんとお父さんって言ったよね」
「いったい何があったのですか!?」
「今から説明する! まず落ち着いてそこに座れ。準備するから待っていろ」
「すぐに終わるだろうな」
二人は「は、はいっ!」と強くうなずきながら言う通りにソファーに座る。
大我はくだらない、と無愛想な顔で腕を組み座る。
憂炎がノートパソコンを取り出し、リモートオンラインツールのサイトにアクセスしている。
どういった内容にしろ、憂炎がこんなにも焦り出すなんて珍しい。
アイディーやパスワードを素早いタイピングで打ちこむ。
「これで映るはず……おっ、きた」
画面が二人の人物に切りかわり、あやねとエミリーは喜びの悲鳴をあげた。
やっと会いたかった親がこうして今、画面越しにいるから。
「お母さん、お父さん! 久しぶり、元気にしてた?」
「ああ……お母さま、お父さま。二人にあえてわたくしとっても嬉しいわ!」
二人の期待に母、凛子は笑顔で手を振って応える。
だが、憂炎と大我の顔色を察した父、霧人は無言のままだった。
「はーい! もちろん元気よ。わたしはもう……子どもたちの顔を見られて嬉しいわ」
「うん! あれ? どうかしたの?」
「二人に会えて嬉しくないのですか……?」
心配そうに二人は憂炎と大我を見るが霧人の顔を見たままだ。
凛子はそれに察したのか少し困った顔になる。
憂炎は無視して話しかける。
「父さん。さっきの話の内容。本当なんだよな?」
「ああ。お前たちにしか頼めないからな」
あやねとエミリーがそわそわしながら耳打ちをする、緊迫な空気が苦手なためかなんとかごまかしているみたいのようだ。
(お姉ちゃん、どうしたんだろ)
(元気がありませんね、わたくしたち何か悪いことしましたの?)
我に返った憂炎は二人の方を見て、そして冷徹な声で話す。
「二人とも、いい雰囲気をぶちこわして悪いが。ここから父さんが真面目な話をするらしい。黙ってよく聞くんだ。母さん、またメールとかで伝えてくれ」
「憂炎は相変わらずね。でも、安心して任せられるわ。大我も妹の面倒をお願い。わたしは残念ながら仕事に戻るけど二人のことよろしくね。それじゃあ、また!」
スーツ姿の凛子が手を振りながら仕事場へと走って向かっていった。
残った霧人が真ん中に座り真剣な目で語りだした。
「あやね、エミリー、憂炎、大我。久しぶりだな。感動の再開はここまでだ、ここからは父さんからの大事なお願いを聞いてほしい。一回しか言わないからよく聞け」
ごくりと唾をのみこむ、あやねとエミリー。
憂炎と大我は、強くうなずいた。
電話に出た本人が一番冷静なのは妹たちを無駄に心配させたくはないから。
そして霧人は話し出した。
「お前たちには、別荘近くにある古城の調査をしてもらう。冬休みはそこに泊まり行きなさい。管理人には連絡してある」
それは四人にとって一種のはじまりにすぎなかった。
なぜか、それは内容があまりにも長すぎるからだ。
大我が父の話す内容に頭を抱えたのは、ひみつ。
西洋のお城にも見えなくもない。
いや、あれは間違いなく古城だ。
夜だから余計に、不気味に見えてくる。
人気もなくただそこにあるだけ。
そんな時だった。
大きな扉の前に一人の人物がいた。
開けるのをためらっているのだろうか。
なぜ後ろ向きなのかが謎である、中に入ったあとなのだろうか。
その人物は息切れしている、今にも倒れそうだ。
すると大粒の雨が降ってきてその人物の身体にあたる。
何かを恐れたのか走り出していた。
「来ないで...! 私が悪かった。だから許して……!」
男か女の声すらもわからない中性的な声が叫びだす。
すると扉が急に開きだし、そこから黒い手が現れその人物の身体を掴む。
「え……」
叫び声とともに、その人物は吸い込まれるように扉の中へと入る。
雨は朝になるまで激しく降っていた……。
S県若田市のとある一軒家で、にぎやかな声が聞こえてくる。
とても楽しそうな雰囲気が伝わっているよう。
ここがその自宅だ。
リビングには長いソファーに四人の人物が座っていた。
どの子も見た目からして個性的。
「今日から冬休み! 何をしようかなー」
真ん中に座っているピンクのスタジャンに白のスカートがとくちょうの女の子。
ハーフアップの黒髪にルビーのようなキレイな赤い瞳。
彼女の名前は、皇あやね。
皇家の三女で中学二年生。
「ふふっ。お姉ちゃん、今日もご機嫌ですわね」
左側に座っている水色のロリータワンピースがとくちょうの女の子。
セミロングヘアの金髪、優しくておっとり系。
彼女の名前は、エミリー・スメラギ。
皇家の末っ子で中学一年生。
小学生まではイギリスに留学していた。
外人のような名前だが、生粋の日本人である。
「おいおい、気持ちが昂るのもいいが宿題も忘れるなよ?」
右がわに座っているショートヘアの緑髪にモスグリーン色のチャイナ服に黒のジャケットにジーンズがとくちょう。
彼女の名前は、皇憂炎。
皇家の長女で中学三年生。
男装をしているのは自分を守るためだとか。
彼女も小学生までは香港に留学していた。
こちらも、れっきとした日本人。
「どうだか。冬休みはこうも騒がしいのか」
憂炎の隣に座っている藍色のライダージャケットに黒のダメージジーンズ姿の青年。
黒髪のミディアムにピアスとネックレスには十字架がとくちょう。
彼の名前は、皇大我。
皇家の長男で高校二年生。
この『兄妹』はとても仲良し。
「わかってるよ。お姉ちゃん、私はちゃんとできる子だし」
「とか言ってすぐに後悔するのが、お前だからな」
「あ……姉さん。言い過ぎよ」
「ははっ。今日も平和だな」
今日は四人で他愛のない雑談をしていた。
こうやって面と向かって話すのは久々だから騒がしいのも無理はない。
冬休み期間がはじまり、どこの学生もみんなこんな感じだろう。
この皇家も、本当は家族と話せばもっと良かったのだが。
「今日もお母さんとお父さん、お仕事で忙しいね」
「ええ。少し残念ですわ……たまには家に帰ってきてもいいのに」
あやねとエミリーは親に話したいことがありすぎて落ち着かないのだ。
釘を刺すかのごとく、憂炎と大我はぶっきらぼうに言う。
「あまえるな。気持ちは分からなくもないが二人は今が踏ん張りどきなんだぜ? 少しは大人になったらどうだ」
「同感だ。少しは危機感を持って行動してほしいものだな」
二人の発言にイラっとした、あやねが文句を言う。
「お姉ちゃん、お兄ちゃん。なにもそこまで言わなくてもいいでしょ? エミリーもそう思うよね?」
「えっ……わたくしはその。ケンカはやめてください……」
今にも泣きそうな末っ子の顔を見た三人は気まずくなる。
そう、エミリーは争い事やケンカが大嫌いでその場面に直面するといつも泣き出すのだ。
これにはさすがにまずいと思いお互い顔を見合わせた。
「ご、ごめん。エミリー……私が言い過ぎたね」
「つい感情が高ぶったようだ……。すまない」
「やれやれだぜ……まったく」
エミリーは安心してほっと胸をなでおろす。
あやねは笑っていて、憂炎は怒っているときが多いからエミリーはそれでも心配してくれると信じている。
兄の大我は影で見守るようにする。
普通の家庭ではあまりないのだが、皇家では日常茶飯事だ。
優しい姉だからすぐ仲直りをする。
エミリーを泣かせたらいちばん危険だ。
「わかればいいのよ。姉さんこそ会いたいのは変わりませんものね」
「ぐっ……。まあ否定はしないが……そうだよ」
「お姉ちゃん、正直だなー」
「どうした? 恥ずかしくて何も言えなくなったようだな」
「大我まで……!?ウソが嫌いなだけだ! 勘違いするなよ……」
「はーい、でもそんなお姉ちゃんも大好きだよ。わたしは」
あやねの純粋な告白に頬を赤面し、舌打ちする憂炎。
となりでエミリーがくすくす、と両手をおさえながら笑っていた。
そんな平和な日常が続くのかと思ったときだった。
突然、受話器に置いてある電話が鳴りだし憂炎が出る。
びっくりしたエミリーがおびえて、子ウサギのように震えるのをあやねが優しく抱きしめた。
大我は憂炎の仕草を見て何かを察したようだ。
「きゃっ……いったいなんですの?」
「大丈夫だよ。お姉ちゃんがなんとかしてくれるから」
「静かにしろ……。はい、もしもし?」
なんだか憂炎の様子がおかしくなり口調が悪くなることに気づいた三人。
すると親の名前をあげた瞬間、二人は叫び声をあげた。
「ええっ!?」
「……ああ、わかった。今からパソコンを出す。じゃあまたあとで」
冷ややかな声色で着信を切ると二人が飛び出してきた。
きっと、内容が知りたくて仕方がないのだろう。
「ねえ! いま……お母さんとお父さんって言ったよね」
「いったい何があったのですか!?」
「今から説明する! まず落ち着いてそこに座れ。準備するから待っていろ」
「すぐに終わるだろうな」
二人は「は、はいっ!」と強くうなずきながら言う通りにソファーに座る。
大我はくだらない、と無愛想な顔で腕を組み座る。
憂炎がノートパソコンを取り出し、リモートオンラインツールのサイトにアクセスしている。
どういった内容にしろ、憂炎がこんなにも焦り出すなんて珍しい。
アイディーやパスワードを素早いタイピングで打ちこむ。
「これで映るはず……おっ、きた」
画面が二人の人物に切りかわり、あやねとエミリーは喜びの悲鳴をあげた。
やっと会いたかった親がこうして今、画面越しにいるから。
「お母さん、お父さん! 久しぶり、元気にしてた?」
「ああ……お母さま、お父さま。二人にあえてわたくしとっても嬉しいわ!」
二人の期待に母、凛子は笑顔で手を振って応える。
だが、憂炎と大我の顔色を察した父、霧人は無言のままだった。
「はーい! もちろん元気よ。わたしはもう……子どもたちの顔を見られて嬉しいわ」
「うん! あれ? どうかしたの?」
「二人に会えて嬉しくないのですか……?」
心配そうに二人は憂炎と大我を見るが霧人の顔を見たままだ。
凛子はそれに察したのか少し困った顔になる。
憂炎は無視して話しかける。
「父さん。さっきの話の内容。本当なんだよな?」
「ああ。お前たちにしか頼めないからな」
あやねとエミリーがそわそわしながら耳打ちをする、緊迫な空気が苦手なためかなんとかごまかしているみたいのようだ。
(お姉ちゃん、どうしたんだろ)
(元気がありませんね、わたくしたち何か悪いことしましたの?)
我に返った憂炎は二人の方を見て、そして冷徹な声で話す。
「二人とも、いい雰囲気をぶちこわして悪いが。ここから父さんが真面目な話をするらしい。黙ってよく聞くんだ。母さん、またメールとかで伝えてくれ」
「憂炎は相変わらずね。でも、安心して任せられるわ。大我も妹の面倒をお願い。わたしは残念ながら仕事に戻るけど二人のことよろしくね。それじゃあ、また!」
スーツ姿の凛子が手を振りながら仕事場へと走って向かっていった。
残った霧人が真ん中に座り真剣な目で語りだした。
「あやね、エミリー、憂炎、大我。久しぶりだな。感動の再開はここまでだ、ここからは父さんからの大事なお願いを聞いてほしい。一回しか言わないからよく聞け」
ごくりと唾をのみこむ、あやねとエミリー。
憂炎と大我は、強くうなずいた。
電話に出た本人が一番冷静なのは妹たちを無駄に心配させたくはないから。
そして霧人は話し出した。
「お前たちには、別荘近くにある古城の調査をしてもらう。冬休みはそこに泊まり行きなさい。管理人には連絡してある」
それは四人にとって一種のはじまりにすぎなかった。
なぜか、それは内容があまりにも長すぎるからだ。
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