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6,吸血鬼とフランケンあらわる
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【牙狼の場合】
土曜日、魔女と伯爵が少し出かけると言い出し留守番しろと言われた。
これはチャンスだと思い、それぞれふたりで手分けして家内を探索しようと決めた。
心愛に言われたけどよ。
「牙狼兄さん、なにかあったらすぐわたしに知らせてね。約束だよ」
と言いながら二階に上がった。
とりあえず俺は本がたくさん置いてある場所へと向かった。
「うわっ、ずいぶんと雰囲気あるな。マジで何か出そうだぜ」
大きな棚にはずらりと本が並んであり学校の図書室より多いんじゃないか?
イスに机、まるで探偵のアジトみたいで俺はその物語の世界にいるかのような気がした。
別に本はキライじゃないが、マンガとゲームに出てくるものはな。
暗くて不気味だが何かが出るというのはまだわからない。
アイツが言ったお客さん。
もしソイツがバケモノだとしたら逃げるべきだろう。
まず武器を持ってないからな。
「なーんて、お化けなんているわけがないからな」
『そうとは限らないぞ。君が思っている以上に彼らは歓迎しているからな』
どこからか低い男の声が聞こえてきた。
俺はあたりを見渡し叫ぶ。
「誰だっ!」
すると、ヤツは俺の背後にいた。
血のように赤く鋭い瞳、肌は白く透き通っている。
口からは牙が見える。
黒いマントに赤髪の美しい男だ。
『久々に人間を見た気がするよ。まさかこちらから獲物が来るなんてな』
「な!?」
男はゆっくりと俺に近づき、そっとマントを翻す。
ひんやりとした手が肌に触れる。
『俺はグラッド・アーカード。ヴァンパイアさ』
「うわあああああああ・・・・・・!」
俺は腰を抜かしそのまま気絶した。
【心愛の場合】
いっぽう、わたしは兄さんと別れて二階を探索していた。
やっぱりここは落ちつかないな。
前にいた家が安心できる。
「でも、お金持ちの家ってこれが当たり前なのかな?」
お嬢さまキャラを少女マンガで良く読むけれど、こんな感じの生活をしているのかな。
でもその子は、友達をつくれないような不幸にあう。
わたしはそんな風になりたくないな、イメージだけど。
ある部屋を見つけてドアを開ける。
中に入るとそこは真っ暗というより・・・・・・。
「ん?なんでこんなところに研究室?」
学校の理科室より、リアルだった。
白衣が床に捨ててあり、資料らしき紙も落ちている。
薬品の匂いは・・・・・あんまりしない。
「でもなんだかさびしい感じだね。何かがいるとは思えな・・・・・」
『ここにいるぞ』
急にどこからか《《地の底から這いあがるような低い男の人の声》》が聞こえた。
なに、なに?なんなの????
足がすくんで動けない。
「ど、どこにいるの?」
『ここだ、お嬢さん』
わたしはゆっくりとふりかえると・・・・・。
そこにいたのは、大きな体に顔に縫い目が特徴の男の人。
声が出ない、やだやだやだやだやだやだ、助けて。
『オレはゼオン。お前は?』
フランケンの怪物だよね・・・・・・これ。
「きゃああああああああああ!」
わたしは悲鳴をあげてしまい気絶した。
土曜日、魔女と伯爵が少し出かけると言い出し留守番しろと言われた。
これはチャンスだと思い、それぞれふたりで手分けして家内を探索しようと決めた。
心愛に言われたけどよ。
「牙狼兄さん、なにかあったらすぐわたしに知らせてね。約束だよ」
と言いながら二階に上がった。
とりあえず俺は本がたくさん置いてある場所へと向かった。
「うわっ、ずいぶんと雰囲気あるな。マジで何か出そうだぜ」
大きな棚にはずらりと本が並んであり学校の図書室より多いんじゃないか?
イスに机、まるで探偵のアジトみたいで俺はその物語の世界にいるかのような気がした。
別に本はキライじゃないが、マンガとゲームに出てくるものはな。
暗くて不気味だが何かが出るというのはまだわからない。
アイツが言ったお客さん。
もしソイツがバケモノだとしたら逃げるべきだろう。
まず武器を持ってないからな。
「なーんて、お化けなんているわけがないからな」
『そうとは限らないぞ。君が思っている以上に彼らは歓迎しているからな』
どこからか低い男の声が聞こえてきた。
俺はあたりを見渡し叫ぶ。
「誰だっ!」
すると、ヤツは俺の背後にいた。
血のように赤く鋭い瞳、肌は白く透き通っている。
口からは牙が見える。
黒いマントに赤髪の美しい男だ。
『久々に人間を見た気がするよ。まさかこちらから獲物が来るなんてな』
「な!?」
男はゆっくりと俺に近づき、そっとマントを翻す。
ひんやりとした手が肌に触れる。
『俺はグラッド・アーカード。ヴァンパイアさ』
「うわあああああああ・・・・・・!」
俺は腰を抜かしそのまま気絶した。
【心愛の場合】
いっぽう、わたしは兄さんと別れて二階を探索していた。
やっぱりここは落ちつかないな。
前にいた家が安心できる。
「でも、お金持ちの家ってこれが当たり前なのかな?」
お嬢さまキャラを少女マンガで良く読むけれど、こんな感じの生活をしているのかな。
でもその子は、友達をつくれないような不幸にあう。
わたしはそんな風になりたくないな、イメージだけど。
ある部屋を見つけてドアを開ける。
中に入るとそこは真っ暗というより・・・・・・。
「ん?なんでこんなところに研究室?」
学校の理科室より、リアルだった。
白衣が床に捨ててあり、資料らしき紙も落ちている。
薬品の匂いは・・・・・あんまりしない。
「でもなんだかさびしい感じだね。何かがいるとは思えな・・・・・」
『ここにいるぞ』
急にどこからか《《地の底から這いあがるような低い男の人の声》》が聞こえた。
なに、なに?なんなの????
足がすくんで動けない。
「ど、どこにいるの?」
『ここだ、お嬢さん』
わたしはゆっくりとふりかえると・・・・・。
そこにいたのは、大きな体に顔に縫い目が特徴の男の人。
声が出ない、やだやだやだやだやだやだ、助けて。
『オレはゼオン。お前は?』
フランケンの怪物だよね・・・・・・これ。
「きゃああああああああああ!」
わたしは悲鳴をあげてしまい気絶した。
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