3 / 14
2.ニューマイホームにご機嫌ななめ
しおりを挟む
時刻は午後の二時半。
荷物を全て片付けた牙狼と心愛はストーカー家の玄関のドアで息切れをしていた。
「はぁ・・・・はぁ・・・・・重かった」
「マジかよ・・・・思ったよりもこんな荷物多かったんだな」
業者さんが手伝ってくれたとはいえ、自分の持ち物も管理しなきゃいけない為か力仕事が多かった。
それにしても、ここの家は豪邸で雰囲気が伝わってくる。
お金持ちの家は主に別荘や洋館が多い。
「牙狼兄さん、今日からここに住むの?」
「みたいだな。魔女と伯爵も来てねえし・・・・・」
すると背後から声がかかった。
「あら?誰が魔女ですって?」
「ほう・・・・・伯爵とは、ずいぶんと言われようだな?」
「うわっ」
驚いて腰を抜かしたふたりの目の前には、メアリーとブランが立っていた。
ゴシックの赤いワンピースが特徴なセクシーな美女。
黒のジャケットにレザーパンツとロックな私服な特徴のハードボイルドな美男。
人間離れしているような見た目だから、二人は魔女と伯爵と呼んでいたのだ。
「こ、こんにちは!メアリーさん、月神牙狼!今日から世話になります!」
「ど、どうも!ブランさん、妹の心愛ですっ!よろしくお願いします!」
冷や汗をかきながら動揺する牙狼と心愛。
ストーカー夫妻はニコニコ笑いながら、あたたかく出迎えてくれた。
「ようこそ。新しい家へ!色々あって疲れたでしょう?おいしい紅茶を入れたから」
「我が家だと思ってくつろいでほしい。ミス・莉緒とミスター・裕次郎の写真を持ってきてくれたね。きっと天国で喜んでいると思うぞ」
牙狼と心愛は家族写真を持ち、二人をにらみつける。
まだ心を許していないのだ、親戚だから。
(何が喜んでいるんだ、だと?俺らの気持ちもしらないでヘラヘラしやがって)
(そうよ。これだからメアリー魔女とブラン伯爵は信じられない!気持ち悪くなってきたわ)
今更、帰りたくても帰れない。
あの家はもう戻らないし、楽しかった日常さえも。
母の莉緒と父の裕次郎はふたりを優しく厳しく育ててくれた。
実の親がいない苦しみは消えない。
その時、ふたりは窓際に何かが見えたような気がした。
(な、なんだあれは)
(ゆ、幽霊なの?)
牙狼と心愛がもう一度窓際を確認する。
「あれ?」
「いない・・・・・気のせいだったのかな」
ふたりはこの家を真面目に疑っていた。
荷物を全て片付けた牙狼と心愛はストーカー家の玄関のドアで息切れをしていた。
「はぁ・・・・はぁ・・・・・重かった」
「マジかよ・・・・思ったよりもこんな荷物多かったんだな」
業者さんが手伝ってくれたとはいえ、自分の持ち物も管理しなきゃいけない為か力仕事が多かった。
それにしても、ここの家は豪邸で雰囲気が伝わってくる。
お金持ちの家は主に別荘や洋館が多い。
「牙狼兄さん、今日からここに住むの?」
「みたいだな。魔女と伯爵も来てねえし・・・・・」
すると背後から声がかかった。
「あら?誰が魔女ですって?」
「ほう・・・・・伯爵とは、ずいぶんと言われようだな?」
「うわっ」
驚いて腰を抜かしたふたりの目の前には、メアリーとブランが立っていた。
ゴシックの赤いワンピースが特徴なセクシーな美女。
黒のジャケットにレザーパンツとロックな私服な特徴のハードボイルドな美男。
人間離れしているような見た目だから、二人は魔女と伯爵と呼んでいたのだ。
「こ、こんにちは!メアリーさん、月神牙狼!今日から世話になります!」
「ど、どうも!ブランさん、妹の心愛ですっ!よろしくお願いします!」
冷や汗をかきながら動揺する牙狼と心愛。
ストーカー夫妻はニコニコ笑いながら、あたたかく出迎えてくれた。
「ようこそ。新しい家へ!色々あって疲れたでしょう?おいしい紅茶を入れたから」
「我が家だと思ってくつろいでほしい。ミス・莉緒とミスター・裕次郎の写真を持ってきてくれたね。きっと天国で喜んでいると思うぞ」
牙狼と心愛は家族写真を持ち、二人をにらみつける。
まだ心を許していないのだ、親戚だから。
(何が喜んでいるんだ、だと?俺らの気持ちもしらないでヘラヘラしやがって)
(そうよ。これだからメアリー魔女とブラン伯爵は信じられない!気持ち悪くなってきたわ)
今更、帰りたくても帰れない。
あの家はもう戻らないし、楽しかった日常さえも。
母の莉緒と父の裕次郎はふたりを優しく厳しく育ててくれた。
実の親がいない苦しみは消えない。
その時、ふたりは窓際に何かが見えたような気がした。
(な、なんだあれは)
(ゆ、幽霊なの?)
牙狼と心愛がもう一度窓際を確認する。
「あれ?」
「いない・・・・・気のせいだったのかな」
ふたりはこの家を真面目に疑っていた。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
女子高生は卒業間近の先輩に告白する。全裸で。
矢木羽研
恋愛
図書委員の女子高生(小柄ちっぱい眼鏡)が、卒業間近の先輩男子に告白します。全裸で。
女の子が裸になるだけの話。それ以上の行為はありません。
取って付けたようなバレンタインネタあり。
カクヨムでも同内容で公開しています。
13歳女子は男友達のためヌードモデルになる
矢木羽研
青春
写真が趣味の男の子への「プレゼント」として、自らを被写体にする女の子の決意。「脱ぐ」までの過程の描写に力を入れました。裸体描写を含むのでR15にしましたが、性的な接触はありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる