心霊捜査官の事件簿 依頼者と怪異たちの狂騒曲

幽刻ネオン

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第二章:愛が欲しい妖魔【哀愁の狂走曲】アイシュウ ノ カプリチオ

EP3:聞いたことのない噂

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 捜査開始、翌日。
リリカとキースは街中を歩きながら・・・・・・この場合はパトロールをしていた。
いくら心霊捜査官だからって、警察の仕事であるためパトロールも必要。
リリカの場合、青年課にあたる。
普通は刑事警察と生活安全警察と見分けられるが、彼女が所属しているのはSPだ。
校内の警備もたまに任される時もある、なぜなら学校には怪異が憑き物だから。
「ねぇ聞いた?
「ああ、あれ?一部ではって噂にもなってるくらいだよ」
仲良しな高校生の少女たちが会話しているのを二人は聞き逃さなかった。
不審に思われるのも癪なので、草むらに隠れた。
「でもさ、うちの先輩から聞いた話によるとその女の子、いくあてもなく彷徨っているみたい」
「ええっ、可哀想・・・・・。見つからなかったら、しんじゃうの?」
「うん。警察にも相談してないんだよ、だってあそこの廃校、出るんだもん」
気の強そうな子が指を指した校舎。
確かにボロボロで何も使われていない感じがする。
良いところで二人の姿を見失い、リリカたちは道端に戻る。
「あそこの廃校ね、
『家出少女か・・・・・さぞ可哀想に。私が慰めてやりたい』
リリカはスマホを取り出し上司に連絡を入れた。
このままだと夜間業務になりそうで、キースはわくわくしていた。
「・・・・・・わかりました、廃校の警備捜査及び、ですね。では後の件はよろしくお願いします」
『何か分かったのかな、ミス・リリカ?』
「とりあえず、私達は廃校の調査に向かうわ。キースも分かっていると思うけれど・・・・・目的は少女の救出、生きていれば一番いいけれどね」
『いいだろう。私も彼女の事が気になるからな、これはある意味チャンスかもしれないぞ』
キースにとってはチャンス、リリカにとっては大きな仕事。
どちらも切っては離せない事件へと変化していた・・・・・・。

【廃校前➡校内】
 現場である廃校についた二人。
ここはS中学校で不幸にも大火事にあったことで校舎が全焼。
在校生及び教師たちは全て無事だったが、鎮火した後から様々な噂が絶えない。
警備員に詳細を聞いたところどうやらここは昔、墓地だったらしい。
そのため、視える人からしたら霊が多く怪異が集まりやすい場所で心霊スポットにもなっている。
「廃校で捜査か、まさか私が自らここに来るなんてね。なんだか懐かしいわ」
『ミス・リリカにも思い出があったとは。その様子だと慣れているのかな?』
「ええ。別の場所だったけれど・・・・・」
思い出したくもない哀しき過去、クラスメートが親友のはずがない。
茨の道に進んでしまったことを少し後悔しているリリカ。
普通の女の子としての日常を失い、現在は怪異絡みの事件と奮闘している毎日。
、慎重にいかなければ)
黙り込んでいるリリカに、キースは声をかけずただ暗い廊下を見つめていた。
あそこに入れば少女が見つかるかもしれない。
抑えきれないこの欲望が爆発してしまいそう。
(思って来てみれば、案の定静かだな。まぁこの娘が連れてきてくれたんだ。私を見た瞬間から逃れられないことを、だが・・・・・甘い匂いがする。彼女で少しは・・・・・)
キースは我慢ができず、背後からリリカを抱きしめようとした。
その時、リリカが振り返る。
「ごめんなさい、ぼーっとしてたわ。そろそろ行きましょう」
『ああそうだな、ミス・リリカ。仕事だったな』
心の中でキースは悔しそうにリリカを睨みつけていた。
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