11 / 19
第二章:愛が欲しい妖魔【哀愁の狂走曲】アイシュウ ノ カプリチオ
EP3:聞いたことのない噂
しおりを挟む
捜査開始、翌日。
リリカとキースは街中を歩きながら理解者探し・・・・・・この場合はパトロールをしていた。
いくら心霊捜査官だからって、警察の仕事であるためパトロールも必要。
リリカの場合、青年課にあたる。
普通は刑事警察と生活安全警察と見分けられるが、彼女が所属しているのはSPだ。
校内の警備もたまに任される時もある、なぜなら学校には怪異が憑き物だから。
「ねぇ聞いた?廃校に現れるセーラー服着た女の子の幽霊の噂」
「ああ、あれ?一部では家出少女って噂にもなってるくらいだよ」
仲良しな高校生の少女たちが会話しているのを二人は聞き逃さなかった。
不審に思われるのも癪なので、草むらに隠れた。
「でもさ、うちの先輩から聞いた話によるとその女の子、いくあてもなく彷徨っているみたい」
「ええっ、可哀想・・・・・。見つからなかったら、しんじゃうの?」
「うん。警察にも相談してないんだよ、だってあそこの廃校、出るんだもん」
気の強そうな子が指を指した校舎。
確かにボロボロで何も使われていない感じがする。
良いところで二人の姿を見失い、リリカたちは道端に戻る。
「あそこの廃校ね、仮に生きているとしたら本当に警察案件よ」
『家出少女か・・・・・さぞ可哀想に。私が慰めてやりたい』
リリカはスマホを取り出し上司に連絡を入れた。
このままだと夜間業務になりそうで、キースはわくわくしていた。
「・・・・・・わかりました、廃校の警備捜査及び、身元不明の少女の救出ですね。では後の件はよろしくお願いします」
『何か分かったのかな、ミス・リリカ?』
「とりあえず、私達は廃校の調査に向かうわ。キースも分かっていると思うけれど・・・・・目的は少女の救出、生きていれば一番いいけれどね」
『いいだろう。私も彼女の事が気になるからな、これはある意味チャンスかもしれないぞ』
キースにとってはチャンス、リリカにとっては大きな仕事。
どちらも切っては離せない事件へと変化していた・・・・・・。
【廃校前➡校内】
現場である廃校についた二人。
ここはS中学校で不幸にも大火事にあったことで校舎が全焼。
在校生及び教師たちは全て無事だったが、鎮火した後から様々な噂が絶えない。
警備員に詳細を聞いたところどうやらここは昔、墓地だったらしい。
そのため、視える人からしたら霊が多く怪異が集まりやすい場所で心霊スポットにもなっている。
「廃校で捜査か、まさか私が自らここに来るなんてね。なんだか懐かしいわ」
『ミス・リリカにも思い出があったとは。その様子だと慣れているのかな?』
「ええ。別の場所だったけれど・・・・・」
思い出したくもない哀しき過去、クラスメートが親友のはずがない。
茨の道に進んでしまったことを少し後悔しているリリカ。
普通の女の子としての日常を失い、現在は怪異絡みの事件と奮闘している毎日。
(もうあの時と同じ目にはあってほしくない、慎重にいかなければ)
黙り込んでいるリリカに、キースは声をかけずただ暗い廊下を見つめていた。
あそこに入れば少女が見つかるかもしれない。
抑えきれないこの欲望が爆発してしまいそう。
(思って来てみれば、案の定静かだな。まぁこの娘が連れてきてくれたんだ。私を見た瞬間から逃れられないことを、だが・・・・・甘い匂いがする。彼女で少しは・・・・・)
キースは我慢ができず、背後からリリカを抱きしめようとした。
その時、リリカが振り返る。
「ごめんなさい、ぼーっとしてたわ。そろそろ行きましょう」
『ああそうだな、ミス・リリカ。仕事だったな』
心の中でキースは悔しそうにリリカを睨みつけていた。
リリカとキースは街中を歩きながら理解者探し・・・・・・この場合はパトロールをしていた。
いくら心霊捜査官だからって、警察の仕事であるためパトロールも必要。
リリカの場合、青年課にあたる。
普通は刑事警察と生活安全警察と見分けられるが、彼女が所属しているのはSPだ。
校内の警備もたまに任される時もある、なぜなら学校には怪異が憑き物だから。
「ねぇ聞いた?廃校に現れるセーラー服着た女の子の幽霊の噂」
「ああ、あれ?一部では家出少女って噂にもなってるくらいだよ」
仲良しな高校生の少女たちが会話しているのを二人は聞き逃さなかった。
不審に思われるのも癪なので、草むらに隠れた。
「でもさ、うちの先輩から聞いた話によるとその女の子、いくあてもなく彷徨っているみたい」
「ええっ、可哀想・・・・・。見つからなかったら、しんじゃうの?」
「うん。警察にも相談してないんだよ、だってあそこの廃校、出るんだもん」
気の強そうな子が指を指した校舎。
確かにボロボロで何も使われていない感じがする。
良いところで二人の姿を見失い、リリカたちは道端に戻る。
「あそこの廃校ね、仮に生きているとしたら本当に警察案件よ」
『家出少女か・・・・・さぞ可哀想に。私が慰めてやりたい』
リリカはスマホを取り出し上司に連絡を入れた。
このままだと夜間業務になりそうで、キースはわくわくしていた。
「・・・・・・わかりました、廃校の警備捜査及び、身元不明の少女の救出ですね。では後の件はよろしくお願いします」
『何か分かったのかな、ミス・リリカ?』
「とりあえず、私達は廃校の調査に向かうわ。キースも分かっていると思うけれど・・・・・目的は少女の救出、生きていれば一番いいけれどね」
『いいだろう。私も彼女の事が気になるからな、これはある意味チャンスかもしれないぞ』
キースにとってはチャンス、リリカにとっては大きな仕事。
どちらも切っては離せない事件へと変化していた・・・・・・。
【廃校前➡校内】
現場である廃校についた二人。
ここはS中学校で不幸にも大火事にあったことで校舎が全焼。
在校生及び教師たちは全て無事だったが、鎮火した後から様々な噂が絶えない。
警備員に詳細を聞いたところどうやらここは昔、墓地だったらしい。
そのため、視える人からしたら霊が多く怪異が集まりやすい場所で心霊スポットにもなっている。
「廃校で捜査か、まさか私が自らここに来るなんてね。なんだか懐かしいわ」
『ミス・リリカにも思い出があったとは。その様子だと慣れているのかな?』
「ええ。別の場所だったけれど・・・・・」
思い出したくもない哀しき過去、クラスメートが親友のはずがない。
茨の道に進んでしまったことを少し後悔しているリリカ。
普通の女の子としての日常を失い、現在は怪異絡みの事件と奮闘している毎日。
(もうあの時と同じ目にはあってほしくない、慎重にいかなければ)
黙り込んでいるリリカに、キースは声をかけずただ暗い廊下を見つめていた。
あそこに入れば少女が見つかるかもしれない。
抑えきれないこの欲望が爆発してしまいそう。
(思って来てみれば、案の定静かだな。まぁこの娘が連れてきてくれたんだ。私を見た瞬間から逃れられないことを、だが・・・・・甘い匂いがする。彼女で少しは・・・・・)
キースは我慢ができず、背後からリリカを抱きしめようとした。
その時、リリカが振り返る。
「ごめんなさい、ぼーっとしてたわ。そろそろ行きましょう」
『ああそうだな、ミス・リリカ。仕事だったな』
心の中でキースは悔しそうにリリカを睨みつけていた。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
パラサイト/ブランク
羊原ユウ
ホラー
舞台は200X年の日本。寄生生物(パラサイト)という未知の存在が日常に潜む宵ヶ沼市。地元の中学校に通う少年、坂咲青はある日同じクラスメイトの黒河朱莉に夜の旧校舎に呼び出されるのだが、そこで彼を待っていたのはパラサイトに変貌した朱莉の姿だった…。
夜葬の村
中岡 始
ホラー
山奥にひっそりと存在する「夜葬の村」。
この村では、死者を普通の墓に埋葬せず、「夜葬」と呼ばれる奇妙な儀式が行われているという。
新聞記者・相沢直人は、その噂の真相を確かめるため、村へ足を踏み入れる。そこでは、村人たちが外部の人間を極端に警戒し、夜ごとに不気味な儀式を執り行っていた。そして村の墓地には、墓石の代わりに木の板が立ち並び、そこには「夜葬された者たち」の名前が刻まれていた。
取材を進めるうちに、村に関わった者たちが次々と奇妙な現象に巻き込まれていく。
山道で道に迷った登山者が見つけたのは、土の中から覗く自分自身の手。
失踪した婚約者を探す女性が辿り着いたのは、彼の名が刻まれた木の墓標。
心霊YouTuberが撮影した白装束の少女は、カメラからも記憶からも完全に消え去る。
村の医者が往診に訪れると、死んだはずの男が「埋めるな」と呟く。
──そしてある日、村は突如として消失する。
再び村を訪れた相沢直人が見たものは、もぬけの殻となった集落と、増え続けた木の板。
そこに刻まれた名前の最後にあったのは、「相沢直人」。
なぜ、自分の名前がここにあるのか?
夜葬された者たちは、どこへ消えたのか?
本当に滅びたのは、村なのか、それとも──
この村では、「死んだ者」は終わらない。
そして、夜葬は今も続いている……。
赤い部屋
山根利広
ホラー
YouTubeの動画広告の中に、「決してスキップしてはいけない」広告があるという。
真っ赤な背景に「あなたは好きですか?」と書かれたその広告をスキップすると、死ぬと言われている。
東京都内のある高校でも、「赤い部屋」の噂がひとり歩きしていた。
そんな中、2年生の天根凛花は「赤い部屋」の内容が自分のみた夢の内容そっくりであることに気づく。
が、クラスメイトの黒河内莉子は、噂話を一蹴し、誰かの作り話だと言う。
だが、「呪い」は実在した。
「赤い部屋」の手によって残酷な死に方をする犠牲者が、続々現れる。
凛花と莉子は、死の連鎖に歯止めをかけるため、「解決策」を見出そうとする。
そんな中、凛花のスマートフォンにも「あなたは好きですか?」という広告が表示されてしまう。
「赤い部屋」から逃れる方法はあるのか?
誰がこの「呪い」を生み出したのか?
そして彼らはなぜ、呪われたのか?
徐々に明かされる「赤い部屋」の真相。
その先にふたりが見たものは——。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【本当にあった怖い話】
ねこぽて
ホラー
※実話怪談や本当にあった怖い話など、
取材や実体験を元に構成されております。
【ご朗読について】
申請などは特に必要ありませんが、
引用元への記載をお願い致します。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
【短編】怖い話のけいじばん【体験談】
松本うみ(意味怖ちゃん)
ホラー
1分で読める、様々な怖い体験談が書き込まれていく掲示板です。全て1話で完結するように書き込むので、どこから読み始めても大丈夫。
スキマ時間にも読める、シンプルなプチホラーとしてどうぞ。
究極?のデスゲーム
Algo_Lighter
ホラー
気がつくと、見知らぬ島に集められた参加者たち。
黒いフードを被った謎のゲームマスターが告げる—— 「これは究極のデスゲームだ」。
生き残るのはただ一人。他の者に待つのは"ゲームオーバー"のみ。
次々に始まる試練、迫りくる恐怖、そして消えていく敗者たち。
しかし、ゲームが進むにつれて、どこか違和感を覚え始める主人公・ハル。
このデスゲーム、本当に"命がけ"なのか……?
絶望と笑いが交錯する、予測不能のサバイバルゲームが今、幕を開ける!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる