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「おじさんの気持ちはハッキリしているので、おばさんやお兄さんの気持ちはどうですか?宿屋は一人ではできないので皆さんの気持ちも大事です。どう思っていますか?」
わたしの問いかけに二人の反応は真逆だった。おばさんはキッパリと続ける意思を示し、お兄さんはハッキリしない感じだった。少なくとも頑張ろうという感じはなかった。返事も中途半端で、気持ちのないものだと感じた。少なくともわたしにはそう感じられた。おじさんたちはお兄さんのその反応になんとも感じていないようだった。いつもと変わらない、いつもと同じそんな感じに捉えているようだった。
わたしには中途半端に感じたがおばさんが話をまとめてしまった。
お兄さんの意見を掘り下げることなく、同意するように話をしてしまっていた。そのままでいいのかわたしも迷ったが話の方向性を作ることできずに宿屋の再生の方向で考えていくことになった。
「では、皆さんの意見は継続の方向なのでそこから考えていきましょう」
「ええ、その方がいいわ。ここまで頑張って来たんだから」
迷いのないおばさんの意見。おじさんも同意するように頷いている。お兄さんは無表情で、これがこの家族のいつものやり取りなのかも。
わたしは関係性が見えてくると、そのことを頭の中にメモをしつつ、次の議題に移る。
「では、次の確認です」
「値段を下げるか、サービスを増やすか、という事よね」
「はい。どちらかになります」
おばさんを見ながらハッキリと分かりやすさに注意しながら説明していく。おじさんには一度説明しているので、おばさんが理解することが大事だ。お兄さんの問題は後で考えよう。
まずは目の前の事に集中していく。二兎追うものは一兎も得ず、だ。中途半端にならないように注意しよう。
「サービスを増やすのにはコストがかかります。お客様に新しいサービスに満足してもらうためには努力もしなければなりませんし、知ってもらう必要もありますから。それにはそれなりのコストがかかります。お客様には理解されませんが、実質的な値下げです。利益率はさがるので。そこの考え方が大事になります。現状のまま値下げをする方法もあります。お客様には一番わかりやすい還元方法です。問題とすれば、値上げがしにくい事でしょうか?わたしたちもそうですが、値下げされたものを新しく買うときに値上げされると買いたくないものですよね?それと同じです。理由があって次に値上げをするときは上げにくいことを考えたうえで選ぶのが良いと思います」
「そうなのね。今は値下げをしても後から値上げをすることも考えないといけないのね」
「物の値段が上がることも考えられますし、宿屋の何かを買い変えたり、設備を整えたりすることも考えないといけないので、いつも同じ値段が続けられるとは考えない方がいいと思います」
「わかったわ。お父さんはどう思う?」
おばさんの気持ちはほぼ決まっているようだが、おじさんに聞くことでおじさんの意見を尊重しているように見える。おばさんはこうして家の中の実権を握っているみたいだ。
その手腕に密かに感心していると小さなため息が聞こえた。
お兄さんのものだ。おじさんたちの話も聞かず俯いていた。自分には関係ない、といった様子だ。
お兄さんは宿屋の一員だけど、意思決定には全く関わっていないようだ。全部、おじさんとおばさんで決めていて意見は反映されていないからこんな様子になっているのだろう。
お兄さんはこのまままで良いのかな?
宿屋を継ぐのはこのお兄さんなはずなのに、独り立ちしたときこの調子で大丈夫なのかな?
おじさんたちはこのお兄さんの事は心配じゃないのかな?
わたしの心配をよそにおばさんたちの話し合いは続いていた。
わたしの問いかけに二人の反応は真逆だった。おばさんはキッパリと続ける意思を示し、お兄さんはハッキリしない感じだった。少なくとも頑張ろうという感じはなかった。返事も中途半端で、気持ちのないものだと感じた。少なくともわたしにはそう感じられた。おじさんたちはお兄さんのその反応になんとも感じていないようだった。いつもと変わらない、いつもと同じそんな感じに捉えているようだった。
わたしには中途半端に感じたがおばさんが話をまとめてしまった。
お兄さんの意見を掘り下げることなく、同意するように話をしてしまっていた。そのままでいいのかわたしも迷ったが話の方向性を作ることできずに宿屋の再生の方向で考えていくことになった。
「では、皆さんの意見は継続の方向なのでそこから考えていきましょう」
「ええ、その方がいいわ。ここまで頑張って来たんだから」
迷いのないおばさんの意見。おじさんも同意するように頷いている。お兄さんは無表情で、これがこの家族のいつものやり取りなのかも。
わたしは関係性が見えてくると、そのことを頭の中にメモをしつつ、次の議題に移る。
「では、次の確認です」
「値段を下げるか、サービスを増やすか、という事よね」
「はい。どちらかになります」
おばさんを見ながらハッキリと分かりやすさに注意しながら説明していく。おじさんには一度説明しているので、おばさんが理解することが大事だ。お兄さんの問題は後で考えよう。
まずは目の前の事に集中していく。二兎追うものは一兎も得ず、だ。中途半端にならないように注意しよう。
「サービスを増やすのにはコストがかかります。お客様に新しいサービスに満足してもらうためには努力もしなければなりませんし、知ってもらう必要もありますから。それにはそれなりのコストがかかります。お客様には理解されませんが、実質的な値下げです。利益率はさがるので。そこの考え方が大事になります。現状のまま値下げをする方法もあります。お客様には一番わかりやすい還元方法です。問題とすれば、値上げがしにくい事でしょうか?わたしたちもそうですが、値下げされたものを新しく買うときに値上げされると買いたくないものですよね?それと同じです。理由があって次に値上げをするときは上げにくいことを考えたうえで選ぶのが良いと思います」
「そうなのね。今は値下げをしても後から値上げをすることも考えないといけないのね」
「物の値段が上がることも考えられますし、宿屋の何かを買い変えたり、設備を整えたりすることも考えないといけないので、いつも同じ値段が続けられるとは考えない方がいいと思います」
「わかったわ。お父さんはどう思う?」
おばさんの気持ちはほぼ決まっているようだが、おじさんに聞くことでおじさんの意見を尊重しているように見える。おばさんはこうして家の中の実権を握っているみたいだ。
その手腕に密かに感心していると小さなため息が聞こえた。
お兄さんのものだ。おじさんたちの話も聞かず俯いていた。自分には関係ない、といった様子だ。
お兄さんは宿屋の一員だけど、意思決定には全く関わっていないようだ。全部、おじさんとおばさんで決めていて意見は反映されていないからこんな様子になっているのだろう。
お兄さんはこのまままで良いのかな?
宿屋を継ぐのはこのお兄さんなはずなのに、独り立ちしたときこの調子で大丈夫なのかな?
おじさんたちはこのお兄さんの事は心配じゃないのかな?
わたしの心配をよそにおばさんたちの話し合いは続いていた。
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