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80話
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11年前。
公(5歳)は園児ヤンキー、通称園ヤン5人の前に立ちはだかっていた。
「またお前か」
「どうしていつも俺達が黒と遊ぼうとすると邪魔をする」
「これのどこが遊びだ」
公の後ろでは白に瓜二つの黒が全身砂まみれ状態で座っていた。
「遊びだよ。なぁ、黒」
声をかけられた黒はビクッとなった。
「違うだろ」
「お前には聞いてねーよ」
イライラして公に殴りかかる園ヤンA。
公はその拳を受け止めると園ヤンAを睨み付けた。
「テメー!」
キレた園ヤンAがさらに殴りかかると、他の園ヤン達も殴りかかった。
公はその拳を全て避けていき、足を引っかけてこかした。
「キサマ~」
こかされた園ヤン達が公を睨み付けていると、桜達が保育士を連れてやって来ていたので、園ヤン達は慌てて逃げていった。
「こら、待ちなさい」
保育士は園ヤン達を追っていき、桜達は公のもとへやって来た。
「公。大丈夫?」
「あぁ、俺は大丈夫だ」
公が微笑みかけると、桜と楓は公が無事なことにホッとしていた。
公は振り返ると黒に手を差し出した。
「大丈夫か?」
「ありがとう」
はにかみながら黒は公の手を握って立ち上がった。
「あ~あ~。砂まみれになっちゃって~」
暁が黒の背中をはたいて砂を落としていく。
「自分でするから大丈夫だよ」
「なら、黒はまず顔を拭きなさい」
楓が濡れたハンカチを差し出すと、黒ははにかみながらハンカチを受け取って顔を拭き始めた。
その間に公・桜・暁の3人で服についた砂をはたいて落とした。
「ありがとう」
「これぐらいどうってことないさ」
「でも、あの園ヤン達はどうにかしたいよね~」
「そうね。私達の中の誰かと同じ組だったらよかったんだけど、黒だけ違う組になっちゃったからね」
組分けは公と楓が星組、黒が月組、桜と暁が雪組であり、月組には園ヤン5人のうち3人が集まっているという最悪の状況だった。
「僕は大丈夫だから」
黒ははにかんだ。
「無理すんなよ」
公が頭を撫でると、黒はさらにはにかんだ。
「お義兄さま。私の頭も撫でてほしいですわ」
「私もー!」
いつの間にかやって来ていた舞と夢が公の腕に抱きついた。
なので、要望通りに公が舞と夢の頭を撫でてやると、暁が近づいてきて頭を差し出した。
「僕も~」
「はいはい」
暁の頭を撫でてやると嬉しそうに微笑んだ。すると、すすっと楓も近づいてきたので楓の頭を撫でた。
その光景を羨ましそうに桜が見ていると、
「ほら。恥ずかしがってなで」
いつの間にか桜の背後に回った黒が、強引に公の前に桜を押し出した。
「なっ!」
「なんだ?桜も撫でてほしいのか?」
「っ!」
素直になれずに公を睨んでからそっぽを向いた桜だが、徐々にうつ向くと頭を公へ差し出した。
「撫でて」
微かにだが、確かに言った桜の言葉に、公は微笑みながら桜の頭を撫でた。
うつ向いているため公からは見えないが、楓達からは桜が嬉しそうに口元を緩めているのが見えているので、その姿を微笑ましく見ていた。
「はーい!みんな、時間だから部屋に戻ろうねー!」
保育士の言葉でハッとした桜は、一目散に教室へと戻っていった。
「私達も戻りましょうか」
「そうだな」
公と楓が教室に入ると、彩先生が入ってきた。
「それじゃあ、午後はお歌でも歌いましょうか」
『はーい!』
園児の元気のいい返事に彩は微笑むと、ピアノを弾き始めた。
「グーチョキパーで、グーチョキパーで、ナニ作ろ。ナニ作ろ。右手はグーで、左手もグーで、シャドウボクシング」
すると、公や楓をはじめ、園児全員がシャドウボクシングを始めた。
「はい」
彩先生が手を叩くと、園児達はシャドウボクシングを止めた。
「はい。グーチョキパーで、グーチョキパーで、ナニ作ろ。ナニ作ろ。右手はパーで、力をためて、ビンタ」
『パーン!』
公は楓を、楓は公を軽くビンタをした。他の園児は隣同士でビンタをしあった。
ん?なに?えっ?あっ、読者の皆さんすいません。現代の喫茶店にいる高校生の公達がわーわー言ってるもんでね。わかったよ!話終わりに聞くから。
ふぅ。静かになったから続きをどうぞ。
互いにビンタをしあった園児達は頬を押さえて座り込んだ。
「続きは………ムリね」
苦笑した彩先生。
「彩先生」
ぷるぷる震えながら園児の1人が手を上げた。
「なんですか?」
すると、手を上げた園児は勢いよく立ち上がった。
「お父さんにも殴られたことないのに!」
「はい。鉄板ネタをありがとう」
彩先生にお礼を言われた園児は笑顔で座った。
それから時間がたってお迎えの時間になり、公と舞と夢のお迎えとして史がやって来た。
「公、舞、夢。帰ろう」
「お義姉ちゃん」
「お姉さま」
舞と夢は史に抱きついた。
「黒。帰ろうか」
黒の家は両親は共働きなので、いつも公達と帰り、公の家で両親が迎えに来るのを待っているのだ。
「うん。じゃあね」
「じゃあな」
「またね~」
桜達と挨拶をかわして別れると、公達は保育園を出た。
「今日はなにして遊ぶ?」
「サッカーしようよ」
「いいね」
公と黒が笑いながら話していると、1匹の猫が横断歩道に飛び出し、そこへ車が迫った。
「あっ!」
黒が咄嗟に飛び出して猫を抱き抱えた。
「黒!」
公も黒のあとを追って横断歩道に飛び出して黒を押し飛ばした。
「公!」「お義兄さま!」「お兄ちゃん!」
史達の叫び声を聞きながら公は車に吹っ飛ばされた。
≪バッドエンド≫
◇
「って!バッドエンドってなんだよ!」
公が机を叩きながら立ち上がった。
公。なんで死んでしまったんだ。
「お前が殺したんだろが!」
公は机を叩き出した。
「公。落ち着きなさい」
桜がなだめた。
「しかしな」
「まぁ~まぁ~」
暁にもなだめられてようやく落ち着いた公は椅子に座り直した。
「で、なんで公が死んでしまってるの?」
話の流れ。
「流れ、じゃねーよ!じゃあ今ここにいる俺はなんなんだよ!」
なんだろう?
「おい!」
わかったわかった。ちゃんと81話で修正するから。
「ならいいけど」
「そういえば、幼稚園のあの歌はなんなの?」
えっ?普通じゃない?
「普通じゃないわね」
「普通じゃないね~」
「私が保育士か~」
彩は嬉しそうに呟いた。
「彩~。それだと今の彩は30歳以上になっちゃうよ~?」
「あっ!」
ハッとした彩の姿を見て暁は苦笑した。
そうなっちゃうね。
「だったらなんで彩が保育士としているんだよ」
めんどくさいから。
「やっぱり駄作者だな」
うるせー。面白くなるんだからいいだろ?
「いいわけあるか。読者が混乱するだろが」
あはは。それはそれで面白いな。
「面白いな、じゃねーよ」
じゃあ、過去編の続きに行こ~。
「おい!」
公(5歳)は園児ヤンキー、通称園ヤン5人の前に立ちはだかっていた。
「またお前か」
「どうしていつも俺達が黒と遊ぼうとすると邪魔をする」
「これのどこが遊びだ」
公の後ろでは白に瓜二つの黒が全身砂まみれ状態で座っていた。
「遊びだよ。なぁ、黒」
声をかけられた黒はビクッとなった。
「違うだろ」
「お前には聞いてねーよ」
イライラして公に殴りかかる園ヤンA。
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「テメー!」
キレた園ヤンAがさらに殴りかかると、他の園ヤン達も殴りかかった。
公はその拳を全て避けていき、足を引っかけてこかした。
「キサマ~」
こかされた園ヤン達が公を睨み付けていると、桜達が保育士を連れてやって来ていたので、園ヤン達は慌てて逃げていった。
「こら、待ちなさい」
保育士は園ヤン達を追っていき、桜達は公のもとへやって来た。
「公。大丈夫?」
「あぁ、俺は大丈夫だ」
公が微笑みかけると、桜と楓は公が無事なことにホッとしていた。
公は振り返ると黒に手を差し出した。
「大丈夫か?」
「ありがとう」
はにかみながら黒は公の手を握って立ち上がった。
「あ~あ~。砂まみれになっちゃって~」
暁が黒の背中をはたいて砂を落としていく。
「自分でするから大丈夫だよ」
「なら、黒はまず顔を拭きなさい」
楓が濡れたハンカチを差し出すと、黒ははにかみながらハンカチを受け取って顔を拭き始めた。
その間に公・桜・暁の3人で服についた砂をはたいて落とした。
「ありがとう」
「これぐらいどうってことないさ」
「でも、あの園ヤン達はどうにかしたいよね~」
「そうね。私達の中の誰かと同じ組だったらよかったんだけど、黒だけ違う組になっちゃったからね」
組分けは公と楓が星組、黒が月組、桜と暁が雪組であり、月組には園ヤン5人のうち3人が集まっているという最悪の状況だった。
「僕は大丈夫だから」
黒ははにかんだ。
「無理すんなよ」
公が頭を撫でると、黒はさらにはにかんだ。
「お義兄さま。私の頭も撫でてほしいですわ」
「私もー!」
いつの間にかやって来ていた舞と夢が公の腕に抱きついた。
なので、要望通りに公が舞と夢の頭を撫でてやると、暁が近づいてきて頭を差し出した。
「僕も~」
「はいはい」
暁の頭を撫でてやると嬉しそうに微笑んだ。すると、すすっと楓も近づいてきたので楓の頭を撫でた。
その光景を羨ましそうに桜が見ていると、
「ほら。恥ずかしがってなで」
いつの間にか桜の背後に回った黒が、強引に公の前に桜を押し出した。
「なっ!」
「なんだ?桜も撫でてほしいのか?」
「っ!」
素直になれずに公を睨んでからそっぽを向いた桜だが、徐々にうつ向くと頭を公へ差し出した。
「撫でて」
微かにだが、確かに言った桜の言葉に、公は微笑みながら桜の頭を撫でた。
うつ向いているため公からは見えないが、楓達からは桜が嬉しそうに口元を緩めているのが見えているので、その姿を微笑ましく見ていた。
「はーい!みんな、時間だから部屋に戻ろうねー!」
保育士の言葉でハッとした桜は、一目散に教室へと戻っていった。
「私達も戻りましょうか」
「そうだな」
公と楓が教室に入ると、彩先生が入ってきた。
「それじゃあ、午後はお歌でも歌いましょうか」
『はーい!』
園児の元気のいい返事に彩は微笑むと、ピアノを弾き始めた。
「グーチョキパーで、グーチョキパーで、ナニ作ろ。ナニ作ろ。右手はグーで、左手もグーで、シャドウボクシング」
すると、公や楓をはじめ、園児全員がシャドウボクシングを始めた。
「はい」
彩先生が手を叩くと、園児達はシャドウボクシングを止めた。
「はい。グーチョキパーで、グーチョキパーで、ナニ作ろ。ナニ作ろ。右手はパーで、力をためて、ビンタ」
『パーン!』
公は楓を、楓は公を軽くビンタをした。他の園児は隣同士でビンタをしあった。
ん?なに?えっ?あっ、読者の皆さんすいません。現代の喫茶店にいる高校生の公達がわーわー言ってるもんでね。わかったよ!話終わりに聞くから。
ふぅ。静かになったから続きをどうぞ。
互いにビンタをしあった園児達は頬を押さえて座り込んだ。
「続きは………ムリね」
苦笑した彩先生。
「彩先生」
ぷるぷる震えながら園児の1人が手を上げた。
「なんですか?」
すると、手を上げた園児は勢いよく立ち上がった。
「お父さんにも殴られたことないのに!」
「はい。鉄板ネタをありがとう」
彩先生にお礼を言われた園児は笑顔で座った。
それから時間がたってお迎えの時間になり、公と舞と夢のお迎えとして史がやって来た。
「公、舞、夢。帰ろう」
「お義姉ちゃん」
「お姉さま」
舞と夢は史に抱きついた。
「黒。帰ろうか」
黒の家は両親は共働きなので、いつも公達と帰り、公の家で両親が迎えに来るのを待っているのだ。
「うん。じゃあね」
「じゃあな」
「またね~」
桜達と挨拶をかわして別れると、公達は保育園を出た。
「今日はなにして遊ぶ?」
「サッカーしようよ」
「いいね」
公と黒が笑いながら話していると、1匹の猫が横断歩道に飛び出し、そこへ車が迫った。
「あっ!」
黒が咄嗟に飛び出して猫を抱き抱えた。
「黒!」
公も黒のあとを追って横断歩道に飛び出して黒を押し飛ばした。
「公!」「お義兄さま!」「お兄ちゃん!」
史達の叫び声を聞きながら公は車に吹っ飛ばされた。
≪バッドエンド≫
◇
「って!バッドエンドってなんだよ!」
公が机を叩きながら立ち上がった。
公。なんで死んでしまったんだ。
「お前が殺したんだろが!」
公は机を叩き出した。
「公。落ち着きなさい」
桜がなだめた。
「しかしな」
「まぁ~まぁ~」
暁にもなだめられてようやく落ち着いた公は椅子に座り直した。
「で、なんで公が死んでしまってるの?」
話の流れ。
「流れ、じゃねーよ!じゃあ今ここにいる俺はなんなんだよ!」
なんだろう?
「おい!」
わかったわかった。ちゃんと81話で修正するから。
「ならいいけど」
「そういえば、幼稚園のあの歌はなんなの?」
えっ?普通じゃない?
「普通じゃないわね」
「普通じゃないね~」
「私が保育士か~」
彩は嬉しそうに呟いた。
「彩~。それだと今の彩は30歳以上になっちゃうよ~?」
「あっ!」
ハッとした彩の姿を見て暁は苦笑した。
そうなっちゃうね。
「だったらなんで彩が保育士としているんだよ」
めんどくさいから。
「やっぱり駄作者だな」
うるせー。面白くなるんだからいいだろ?
「いいわけあるか。読者が混乱するだろが」
あはは。それはそれで面白いな。
「面白いな、じゃねーよ」
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「おい!」
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