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61話
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さ~さ~の~葉~さ~らさら、の~き~ば~に~ゆ~れ~る~。
「いきなり何歌ってるんだよ」
というわけで今回は七夕のお話だよ~!
「だからって唐突すぎるだろ」
唐突もなにも、今、公と萌衣が歩いている商店街でも笹の葉に七夕飾りをしてそこら中に飾ってあるじゃない。
「そうだったな」
「えぇ。七夕一色ですね」
頷いた2人は八百屋にやって来た。
「おっ、公に萌衣ちゃんいらっしゃい。今日は何する?」
「今日のオススメはなんですか?」
「今日はナスやさやいんげんとかがオススメかな」
おっちゃんはナスやさやいんげんを萌衣に見せた。
「では、玉ねぎとニンジンとキャベツください」
「オススメを聞いといて買わないのかい!」
萌衣にツッコミをいれつつもおっちゃんは言われた通りに野菜を詰めていった。
「はい。600円ね」
「はい」
お金を払って袋を受け取ろうとした萌衣だが、公が袋を受け取った。
「荷物は俺が持つよ」
「いえ。私が持ちますから」
萌衣が袋を取ろう手を伸ばしたが、公はその手を避けると歩きだした。なので萌衣も歩きだした。
「公様。荷物持ちもメイドの役目なので袋をお渡しください」
「まだメイドと認めたわけじゃないし、認めたとしても荷物持ちは俺の仕事だから譲る気はないよ」
公のその言葉に萌衣はため息を吐いた。
「公様はいつになったら私を公様の専属メイドとして認めてくれるのですか?」
その問いに公は少し考えた。
「そうだね。あと少しってところかな?」
「あと少しですか。その少しがどのようなものなのかヒントをもらうことは出来ますか?」
その言葉に立ち止まった公は萌衣を見て微笑んだ。
「主の気持ちを読み取るのもメイドの仕事じゃないかな?」
「うっ」
何も言い返せない萌衣は拗ねて公を軽く睨み付けた。
「ふふっ」
萌衣の珍しい表情が見れたので公の機嫌よく歩きだした。
「その足音は公お兄ちゃんですね」
その声のほうを見ると、杖をついた瞳が肉屋の前に立っていた。
「よう、瞳。買い物か?」
「はい」
「瞳ちゃん。コロッケとメンチカツ、3個ずつ出来上がったよ」
「ありがとうございます」
おばちゃんから袋を受け取っている瞳のもとへやって来た公。
「おばちゃん。俺もコロッケ1つ。すぐ食べるから」
「はいよ」
返事をしたおばちゃんはコロッケを揚げ始めた。
「それで公お兄ちゃん。そちらの女性は誰ですか?」
足音だけで性別や状況などを聞き分けることが出来る瞳は、公の隣にいる萌衣が気になり、問いかけながら自然と公と腕を組んだ。
「私は最近公様の家で雇われたメイドの萌衣です。いずれは公様専属になるメイドです」
公が答えるより早く萌衣は自ら自己紹介をした。
それを聞いた瞳は腕を組んでいる手に少し力を入れた。
「へぇ。公お兄ちゃんメイドを雇ったんだ」
「雇ったというより押し掛けてきたって言うほうが正しいけどな」
困ったように頭を掻いている公を見て、瞳は少しブスッとした。
「どうした?瞳」
「なんでもないもん」
瞳はそっぽを向いてボソッと呟いた。
「公お兄ちゃんは優しすぎるよ」
それからいつもの笑顔に戻った瞳は公に微笑みかけた。
「公。コロッケ揚がったよ」
「ありがとう、おばちゃん」
100円を渡してコロッケを受け取った公は食べ始めた。
「そちらのお嬢様は瞳様というのですね」
萌衣は瞳を見た。
「そうだよ。史義姉さんの仕事についていった時に出会ったんだよ」
「はじめまして」
「はじめまして」
挨拶をかわした萌衣は瞳の目がつぶられていることに気づいた。
「もしかして、目が見えないのですか?」
「生まれつきですね」
「そうなんですね」
萌衣が普通に返事をしたことに公も瞳も少し驚いていた。
「どうかされましたか?」
「いや、初めて瞳と会って目が見えないと聞いた時、大抵の人は可哀想とか思うのに、そういう反応がなかったから」
「あぁ。そのことですか。もちろん、瞳様が目が見えないことを悲しんだりしていたら普通に答えることはしませんが、瞳様が悲しんだりしていないのに、初対面の私が勝手に可哀想とかいった感情を抱くのは間違っていると思いますから。こんな私の考え方は薄情でしょうか?」
心配そうに首を傾げた萌衣。
「そんなことないですよ。それに、私も勝手に可哀想なんて思われたくないので、萌衣さんみたいに普通に接してもらえるのは嬉しいです」
瞳の言葉を聞いてホッとする萌衣。そんな萌衣を見て公は微笑んでいた。
「おっ!公に萌衣ちゃんに瞳ちゃん!」
3人を呼んだのは商店街の会長さんだ。
『こんにちは』
「なんだか珍しい組み合わせだね」
公と萌衣、公と瞳という組み合わせはよく見るのだけれど、3人となると初めてなので、会長さんがそう思うのもムリはない。
「そうですね。それで、なんですか?」
「そうそう。今商店街に買い物に来ている人達に短冊に願い事を書いて笹に飾るイベントをやっているから、3人もどうだい?」
会長さんは短冊とマジックを3人に差し出した。
「そうですね。それじゃあ1枚書こうかな」
「では私も」
「私も書きます」
3人は短冊とマジックを受けとると思い思いの願い事を短冊に書き始めた。そんな中、萌衣は瞳がすらすらと字を書いていることに驚いていた。
「瞳様は字をすらすらと書けるのですね」
「練習して慣れましたから」
1番に書き終えた瞳。しかし、さすがにつけることは出来ないので、会長さんに短冊を渡した。
「お願いします」
「はいはい」
短冊を受け取った会長さんは笹に短冊を取り付けた。願い事を書き終えた公と萌衣も笹に短冊を取り付けた。
「公お兄ちゃんはどんな願い事を書いたのですか?」
一刻も早くハーレムを作れますように。だね!
「だね!じゃねーよ!なにサラッと嘘を言ってやがる!」
どうして嘘だと言い切れるの!
「俺が書いたから嘘だと言い切れるんだよ!」
あっ!なら、今からでもハーレム王に俺はなる!と書いた短冊を取り付けよう!
「そんなのつけたらすぐに破り捨てるからな。あと、そのセリフは色々と危ないからな」
「それで、公お兄ちゃんがホントに書いた願い事は?」
「みんなが安全に暮らせますように、だな」
「公お兄ちゃんらしいですね」
「えぇ」
微笑みながら公を見る2人。
「そんな2人はなんて書いたんだ?」
「私は早く公様の専属メイドになれますようにです」
「私は公お兄ちゃんが週1で私のところに来てくれますようにと書きました」
2人の願い事を聞いた公は額に手を当てた。
「どうかしましたか?」
「いや。まぁ願い事なんて人それぞれだし、どんな願い事を書いてもいいんだけど、さすがに織姫や彦星もそんな風な願い事を書くとは思わないだろうな」
「そう言われましても、私にとって今1番叶えたい願い事はこれですから」
「私もです」
2人の答えに公は苦笑した。
「いきなり何歌ってるんだよ」
というわけで今回は七夕のお話だよ~!
「だからって唐突すぎるだろ」
唐突もなにも、今、公と萌衣が歩いている商店街でも笹の葉に七夕飾りをしてそこら中に飾ってあるじゃない。
「そうだったな」
「えぇ。七夕一色ですね」
頷いた2人は八百屋にやって来た。
「おっ、公に萌衣ちゃんいらっしゃい。今日は何する?」
「今日のオススメはなんですか?」
「今日はナスやさやいんげんとかがオススメかな」
おっちゃんはナスやさやいんげんを萌衣に見せた。
「では、玉ねぎとニンジンとキャベツください」
「オススメを聞いといて買わないのかい!」
萌衣にツッコミをいれつつもおっちゃんは言われた通りに野菜を詰めていった。
「はい。600円ね」
「はい」
お金を払って袋を受け取ろうとした萌衣だが、公が袋を受け取った。
「荷物は俺が持つよ」
「いえ。私が持ちますから」
萌衣が袋を取ろう手を伸ばしたが、公はその手を避けると歩きだした。なので萌衣も歩きだした。
「公様。荷物持ちもメイドの役目なので袋をお渡しください」
「まだメイドと認めたわけじゃないし、認めたとしても荷物持ちは俺の仕事だから譲る気はないよ」
公のその言葉に萌衣はため息を吐いた。
「公様はいつになったら私を公様の専属メイドとして認めてくれるのですか?」
その問いに公は少し考えた。
「そうだね。あと少しってところかな?」
「あと少しですか。その少しがどのようなものなのかヒントをもらうことは出来ますか?」
その言葉に立ち止まった公は萌衣を見て微笑んだ。
「主の気持ちを読み取るのもメイドの仕事じゃないかな?」
「うっ」
何も言い返せない萌衣は拗ねて公を軽く睨み付けた。
「ふふっ」
萌衣の珍しい表情が見れたので公の機嫌よく歩きだした。
「その足音は公お兄ちゃんですね」
その声のほうを見ると、杖をついた瞳が肉屋の前に立っていた。
「よう、瞳。買い物か?」
「はい」
「瞳ちゃん。コロッケとメンチカツ、3個ずつ出来上がったよ」
「ありがとうございます」
おばちゃんから袋を受け取っている瞳のもとへやって来た公。
「おばちゃん。俺もコロッケ1つ。すぐ食べるから」
「はいよ」
返事をしたおばちゃんはコロッケを揚げ始めた。
「それで公お兄ちゃん。そちらの女性は誰ですか?」
足音だけで性別や状況などを聞き分けることが出来る瞳は、公の隣にいる萌衣が気になり、問いかけながら自然と公と腕を組んだ。
「私は最近公様の家で雇われたメイドの萌衣です。いずれは公様専属になるメイドです」
公が答えるより早く萌衣は自ら自己紹介をした。
それを聞いた瞳は腕を組んでいる手に少し力を入れた。
「へぇ。公お兄ちゃんメイドを雇ったんだ」
「雇ったというより押し掛けてきたって言うほうが正しいけどな」
困ったように頭を掻いている公を見て、瞳は少しブスッとした。
「どうした?瞳」
「なんでもないもん」
瞳はそっぽを向いてボソッと呟いた。
「公お兄ちゃんは優しすぎるよ」
それからいつもの笑顔に戻った瞳は公に微笑みかけた。
「公。コロッケ揚がったよ」
「ありがとう、おばちゃん」
100円を渡してコロッケを受け取った公は食べ始めた。
「そちらのお嬢様は瞳様というのですね」
萌衣は瞳を見た。
「そうだよ。史義姉さんの仕事についていった時に出会ったんだよ」
「はじめまして」
「はじめまして」
挨拶をかわした萌衣は瞳の目がつぶられていることに気づいた。
「もしかして、目が見えないのですか?」
「生まれつきですね」
「そうなんですね」
萌衣が普通に返事をしたことに公も瞳も少し驚いていた。
「どうかされましたか?」
「いや、初めて瞳と会って目が見えないと聞いた時、大抵の人は可哀想とか思うのに、そういう反応がなかったから」
「あぁ。そのことですか。もちろん、瞳様が目が見えないことを悲しんだりしていたら普通に答えることはしませんが、瞳様が悲しんだりしていないのに、初対面の私が勝手に可哀想とかいった感情を抱くのは間違っていると思いますから。こんな私の考え方は薄情でしょうか?」
心配そうに首を傾げた萌衣。
「そんなことないですよ。それに、私も勝手に可哀想なんて思われたくないので、萌衣さんみたいに普通に接してもらえるのは嬉しいです」
瞳の言葉を聞いてホッとする萌衣。そんな萌衣を見て公は微笑んでいた。
「おっ!公に萌衣ちゃんに瞳ちゃん!」
3人を呼んだのは商店街の会長さんだ。
『こんにちは』
「なんだか珍しい組み合わせだね」
公と萌衣、公と瞳という組み合わせはよく見るのだけれど、3人となると初めてなので、会長さんがそう思うのもムリはない。
「そうですね。それで、なんですか?」
「そうそう。今商店街に買い物に来ている人達に短冊に願い事を書いて笹に飾るイベントをやっているから、3人もどうだい?」
会長さんは短冊とマジックを3人に差し出した。
「そうですね。それじゃあ1枚書こうかな」
「では私も」
「私も書きます」
3人は短冊とマジックを受けとると思い思いの願い事を短冊に書き始めた。そんな中、萌衣は瞳がすらすらと字を書いていることに驚いていた。
「瞳様は字をすらすらと書けるのですね」
「練習して慣れましたから」
1番に書き終えた瞳。しかし、さすがにつけることは出来ないので、会長さんに短冊を渡した。
「お願いします」
「はいはい」
短冊を受け取った会長さんは笹に短冊を取り付けた。願い事を書き終えた公と萌衣も笹に短冊を取り付けた。
「公お兄ちゃんはどんな願い事を書いたのですか?」
一刻も早くハーレムを作れますように。だね!
「だね!じゃねーよ!なにサラッと嘘を言ってやがる!」
どうして嘘だと言い切れるの!
「俺が書いたから嘘だと言い切れるんだよ!」
あっ!なら、今からでもハーレム王に俺はなる!と書いた短冊を取り付けよう!
「そんなのつけたらすぐに破り捨てるからな。あと、そのセリフは色々と危ないからな」
「それで、公お兄ちゃんがホントに書いた願い事は?」
「みんなが安全に暮らせますように、だな」
「公お兄ちゃんらしいですね」
「えぇ」
微笑みながら公を見る2人。
「そんな2人はなんて書いたんだ?」
「私は早く公様の専属メイドになれますようにです」
「私は公お兄ちゃんが週1で私のところに来てくれますようにと書きました」
2人の願い事を聞いた公は額に手を当てた。
「どうかしましたか?」
「いや。まぁ願い事なんて人それぞれだし、どんな願い事を書いてもいいんだけど、さすがに織姫や彦星もそんな風な願い事を書くとは思わないだろうな」
「そう言われましても、私にとって今1番叶えたい願い事はこれですから」
「私もです」
2人の答えに公は苦笑した。
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