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52話
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6月に入り、徐々に暑くなってきたことにより衣替えが始まった。
小説高校の場合、冬服はブレザーでポロシャツになる。
「公。夏服どう?」
早く夏服を見せたくて公の部屋に突撃した薫は1回転してみせた。
「あぁ。可愛いとはおもうが、前のボタンはちゃんととめろ」
公の指摘した通り、薫のポロシャツのボタンをすべて外して胸元をはだけさせていて、谷間がまる見えの状態だった。
「どうして?」
わかっているけどわからないフリをしながら薫は前傾姿勢になって谷間を強調しながら公に迫った。
「谷間が見えてるからだよ」
ため息を吐いた公はボタンをとめてやった。
「興奮した?」
「興奮はしたかな」
「そう。これはボタンをとめてくれたお礼」
そう言って公の手をとった薫は自分の胸に公の手を押しつけた。
公はため息を吐きながら手を引くと、薫の頭をチョップした。
「着替え中だから出ていけ」
パンツ一丁の公は薫を回れ右させると部屋から追い出した。
「まったく」
いいじゃないか。朝からいい思いができたんだから。
「うるせーよ」
着替えを終えた公がダイニングに行くと、舞と夢が立って待っていた。
「どうですか?お義兄さま」
「似合ってる?」
「あぁ似合ってるし可愛いよ」
2人とも中3だし、3度目の衣替えなんだから公に見せる意味はないだろ?
「そんなことないですわよ」
「そうそう。身長も伸びてるし、髪型とかも変えているから新鮮だよ」
舞が胸を張りました。
「朝食の準備ができました」
萌衣の言葉で公達はテーブルにつき、朝食を食べ始めた。
そういえば、萌衣はそのメイド服で暑くないの?
「えぇ。同じメイド服に見えるかもしれませんが、冬用のメイド服より生地が薄い上に通気性が向上しているので暑くはありません」
へぇ~。ちゃんと対策出来てるんだね。
「完璧でございます」
「ごちそうさま」
手早く朝食を食べ終わった公は食器を流しに運ぶとカバンを手に持った。
「それじゃあいってきます」
執行部の朝の門立ち荷物検査がある公は一足先に家を出て、駅へ向かった。
駅では楓が待っていた。
「おはよう、公」
「おはよう、楓。夏服似合ってるな」
出会ってすぐにさらりと誉めるあたりさすが天然ジゴロ。
「変なこと言ってんじゃねーよ、作者」
でも、誉められた楓は軽く頬を赤く染めているぞ。
俺の言葉に公が楓を見ると、楓は反転して改札に向かった。
「もうすぐ電車来るから行くわよ」
あっ!逃げた!
「逃げてないわよ」
だったら公のほうを向け!
「これでいい?」
反転して公のほうを向いた楓の頬はすでにもとに戻っていた。
セコいぞ!
「ほら、公。作者なんてほっといていくわよ」
「そうだな」
俺を無視することを決めた公は楓に続いて改札を抜けてホームへやって来た。そこへタイミングよく電車がやって来た。
電車の扉が開いて中に入ると蛍と光を見つけたので、2人のもとへやって来た公と楓。
2人と挨拶をかわした公と楓の視線は蛍に集まった。
「なにかな?」
「いや、長袖なんだなって思ってな」
蛍の着ている夏服は、ポロシャツではあるのだけれど、その袖は手首まである長袖だった。
「あまり日焼けはするなと言われていてね」
「ふ~ん」
納得した公の視線は自然と光へ。
「っ!な、なに?」
見られていることに気づいた光は驚き、そして恐る恐る問いかけた。
「いや、可愛いなと思ってな」
公に可愛いと言われた瞬間、光は顔を真っ赤にして蛍の影に隠れた。
その姿に楓も可愛いと思った。
褒め言葉のボキャブラリーが「可愛い」と「似合ってる」の2つなのに、これだけ少女達を照れさせれるなんて、さすが天然ジゴロ。それに、恋は惚れたら負けとは言うが、2人の様子を見てたらそれがよく分かるね。
俺の言葉に反応して楓が少し顔を赤くして公から顔を背け、さらに顔を赤くした光は顔を隠すために蛍に抱きついて顔を埋めた。
「おい、作者。なに言ってるんだよ」
好きな相手からの褒め言葉ほど嬉しいことはないからね~。たとえそれがありきたりな褒め言葉であってもね~。
「だから」
電車が小説駅に着くと楓はさっさと立ち上がって電車を降り、それを不思議に思いながら公が後についていくと、その後を蛍と抱きついたままの光がついていった。
「楓。なんでそんなに急いでいるんだよ」
公の言葉に振り返った楓は、いつも通りの公の様子にため息を吐いた。
「なんでもないわ」
「そうなのか?」
首を傾げる公に楓は頷き返した。
「そうか」
「えぇ」
普段通りに戻った楓は公の隣を歩き始めた。
しかし、まだ光は普段通りには戻れず、蛍に抱きついたまま歩いていた。
学校に着くと、校門にはすでに裁や絆や執行部員が数名立っていた。
『おはようございます』
「おはよう」
「おはよう。教室にカバンを置いたら来てくれ」
『わかりました』
公達は教室に向かったのだけど、光がまだ蛍から離れてくれない。
「光。離れてくれないかな?」
無言の光に苦笑した蛍。
「公。光を説得するために楓と一緒に7組に行ってくるから先に行っててくれるかい?」
「わかったよ」
3人と別れて教室にカバンを置いて先に校門にやって来た公。少しして楓や蛍もやって来た。
「やることは昨日言ったように荷物検査だ」
「もし、不要な荷物を持ってきてる生徒がいたら、その荷物を没収したうえで生徒手帳を確認して没収した荷物・学年・クラス・名前をこれに記入してね」
「もし駄々をこねる奴がいたら強気にいけ。それでもダメなら俺に言え」
『わかりました』
記入用紙をもらった公達は早速荷物検査を始めた。
◇
生徒の登校が1番多くなる時間帯に入り、壱や冬も手伝いに来て荷物検査をしていた。
「はい。カバンの中を見せてください」
「えっ!」
驚いた男子は視線を左右にさ迷わせた。
明らかに怪しい視線の動きに公は手を出した。
「カバンを見せてください」
「え~と」
「見せてください」
強気に言うと男子は諦めてカバンを開いた。そこにはマンガが数冊あった。
「これは没収します」
マンガをカバンから抜き取った公は記入用紙にマンガと書いた。
「生徒手帳を見せてください」
男子が差し出した生徒手帳を確認して学年・クラス・名前を書いて生徒手帳を返す。
「はい。いいですよ」
男子は悔しそうに校舎のほうへと向かっていった。
「よう」
声のほうを見ると庵と朧月がやって来た。
「よう。さぁ荷物を見せろ」
「うわっ。荷物検査なんてやってるのかよ」
「なんか不要なものを持ってきてるのか?」
公がジド目で庵を見ると、庵はカバンを開いて公に見せた。
「んなわけないだろ」
公はカバンの中を確認した。
「確かに、不要なものはないけど、必要なはずの教科書もないぞ」
「教科書なんて置き勉してるさ」
「威張っていうことじゃねーだろが」
胸を張っている庵の頭を朧月は叩いた。
「朧月もカバンの中を見せてくれ」
「ほら」
朧月がカバンを見せると、公は確認して頷いた。
「大丈夫だな」
「しかし、夏服になって薄手の服装になったからエロいな」
不適切な発言に公と朧月が庵の頭を叩いた。
「イッテーな!男子なら普通に考えることだろ!」
「黙れ!」
朧月はさらに強く叩いて庵を黙らせた。
「それじゃあ、頑張れな」
そう言った朧月は庵を引きずって校舎へと向かっていった。その姿を見送った公は荷物検査を続けた。
小説高校の場合、冬服はブレザーでポロシャツになる。
「公。夏服どう?」
早く夏服を見せたくて公の部屋に突撃した薫は1回転してみせた。
「あぁ。可愛いとはおもうが、前のボタンはちゃんととめろ」
公の指摘した通り、薫のポロシャツのボタンをすべて外して胸元をはだけさせていて、谷間がまる見えの状態だった。
「どうして?」
わかっているけどわからないフリをしながら薫は前傾姿勢になって谷間を強調しながら公に迫った。
「谷間が見えてるからだよ」
ため息を吐いた公はボタンをとめてやった。
「興奮した?」
「興奮はしたかな」
「そう。これはボタンをとめてくれたお礼」
そう言って公の手をとった薫は自分の胸に公の手を押しつけた。
公はため息を吐きながら手を引くと、薫の頭をチョップした。
「着替え中だから出ていけ」
パンツ一丁の公は薫を回れ右させると部屋から追い出した。
「まったく」
いいじゃないか。朝からいい思いができたんだから。
「うるせーよ」
着替えを終えた公がダイニングに行くと、舞と夢が立って待っていた。
「どうですか?お義兄さま」
「似合ってる?」
「あぁ似合ってるし可愛いよ」
2人とも中3だし、3度目の衣替えなんだから公に見せる意味はないだろ?
「そんなことないですわよ」
「そうそう。身長も伸びてるし、髪型とかも変えているから新鮮だよ」
舞が胸を張りました。
「朝食の準備ができました」
萌衣の言葉で公達はテーブルにつき、朝食を食べ始めた。
そういえば、萌衣はそのメイド服で暑くないの?
「えぇ。同じメイド服に見えるかもしれませんが、冬用のメイド服より生地が薄い上に通気性が向上しているので暑くはありません」
へぇ~。ちゃんと対策出来てるんだね。
「完璧でございます」
「ごちそうさま」
手早く朝食を食べ終わった公は食器を流しに運ぶとカバンを手に持った。
「それじゃあいってきます」
執行部の朝の門立ち荷物検査がある公は一足先に家を出て、駅へ向かった。
駅では楓が待っていた。
「おはよう、公」
「おはよう、楓。夏服似合ってるな」
出会ってすぐにさらりと誉めるあたりさすが天然ジゴロ。
「変なこと言ってんじゃねーよ、作者」
でも、誉められた楓は軽く頬を赤く染めているぞ。
俺の言葉に公が楓を見ると、楓は反転して改札に向かった。
「もうすぐ電車来るから行くわよ」
あっ!逃げた!
「逃げてないわよ」
だったら公のほうを向け!
「これでいい?」
反転して公のほうを向いた楓の頬はすでにもとに戻っていた。
セコいぞ!
「ほら、公。作者なんてほっといていくわよ」
「そうだな」
俺を無視することを決めた公は楓に続いて改札を抜けてホームへやって来た。そこへタイミングよく電車がやって来た。
電車の扉が開いて中に入ると蛍と光を見つけたので、2人のもとへやって来た公と楓。
2人と挨拶をかわした公と楓の視線は蛍に集まった。
「なにかな?」
「いや、長袖なんだなって思ってな」
蛍の着ている夏服は、ポロシャツではあるのだけれど、その袖は手首まである長袖だった。
「あまり日焼けはするなと言われていてね」
「ふ~ん」
納得した公の視線は自然と光へ。
「っ!な、なに?」
見られていることに気づいた光は驚き、そして恐る恐る問いかけた。
「いや、可愛いなと思ってな」
公に可愛いと言われた瞬間、光は顔を真っ赤にして蛍の影に隠れた。
その姿に楓も可愛いと思った。
褒め言葉のボキャブラリーが「可愛い」と「似合ってる」の2つなのに、これだけ少女達を照れさせれるなんて、さすが天然ジゴロ。それに、恋は惚れたら負けとは言うが、2人の様子を見てたらそれがよく分かるね。
俺の言葉に反応して楓が少し顔を赤くして公から顔を背け、さらに顔を赤くした光は顔を隠すために蛍に抱きついて顔を埋めた。
「おい、作者。なに言ってるんだよ」
好きな相手からの褒め言葉ほど嬉しいことはないからね~。たとえそれがありきたりな褒め言葉であってもね~。
「だから」
電車が小説駅に着くと楓はさっさと立ち上がって電車を降り、それを不思議に思いながら公が後についていくと、その後を蛍と抱きついたままの光がついていった。
「楓。なんでそんなに急いでいるんだよ」
公の言葉に振り返った楓は、いつも通りの公の様子にため息を吐いた。
「なんでもないわ」
「そうなのか?」
首を傾げる公に楓は頷き返した。
「そうか」
「えぇ」
普段通りに戻った楓は公の隣を歩き始めた。
しかし、まだ光は普段通りには戻れず、蛍に抱きついたまま歩いていた。
学校に着くと、校門にはすでに裁や絆や執行部員が数名立っていた。
『おはようございます』
「おはよう」
「おはよう。教室にカバンを置いたら来てくれ」
『わかりました』
公達は教室に向かったのだけど、光がまだ蛍から離れてくれない。
「光。離れてくれないかな?」
無言の光に苦笑した蛍。
「公。光を説得するために楓と一緒に7組に行ってくるから先に行っててくれるかい?」
「わかったよ」
3人と別れて教室にカバンを置いて先に校門にやって来た公。少しして楓や蛍もやって来た。
「やることは昨日言ったように荷物検査だ」
「もし、不要な荷物を持ってきてる生徒がいたら、その荷物を没収したうえで生徒手帳を確認して没収した荷物・学年・クラス・名前をこれに記入してね」
「もし駄々をこねる奴がいたら強気にいけ。それでもダメなら俺に言え」
『わかりました』
記入用紙をもらった公達は早速荷物検査を始めた。
◇
生徒の登校が1番多くなる時間帯に入り、壱や冬も手伝いに来て荷物検査をしていた。
「はい。カバンの中を見せてください」
「えっ!」
驚いた男子は視線を左右にさ迷わせた。
明らかに怪しい視線の動きに公は手を出した。
「カバンを見せてください」
「え~と」
「見せてください」
強気に言うと男子は諦めてカバンを開いた。そこにはマンガが数冊あった。
「これは没収します」
マンガをカバンから抜き取った公は記入用紙にマンガと書いた。
「生徒手帳を見せてください」
男子が差し出した生徒手帳を確認して学年・クラス・名前を書いて生徒手帳を返す。
「はい。いいですよ」
男子は悔しそうに校舎のほうへと向かっていった。
「よう」
声のほうを見ると庵と朧月がやって来た。
「よう。さぁ荷物を見せろ」
「うわっ。荷物検査なんてやってるのかよ」
「なんか不要なものを持ってきてるのか?」
公がジド目で庵を見ると、庵はカバンを開いて公に見せた。
「んなわけないだろ」
公はカバンの中を確認した。
「確かに、不要なものはないけど、必要なはずの教科書もないぞ」
「教科書なんて置き勉してるさ」
「威張っていうことじゃねーだろが」
胸を張っている庵の頭を朧月は叩いた。
「朧月もカバンの中を見せてくれ」
「ほら」
朧月がカバンを見せると、公は確認して頷いた。
「大丈夫だな」
「しかし、夏服になって薄手の服装になったからエロいな」
不適切な発言に公と朧月が庵の頭を叩いた。
「イッテーな!男子なら普通に考えることだろ!」
「黙れ!」
朧月はさらに強く叩いて庵を黙らせた。
「それじゃあ、頑張れな」
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