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37話
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「あー!」
冷蔵庫を開けた舞が叫び声をあげたのでみんなが不思議がって舞を見た。
「どうした?舞」
「お風呂あがりに食べようと思ってたアイスがない」
舞を冷蔵庫を閉めるとガーン!と膝と手をついて落ち込んだ。
「どんなアイス?」
「カップのバニラ」
「それでしたら、昨日の夜に『明日帰りに買ってこればいいから2つ食べちゃえ』って言って食べていたじゃないですか」
萌衣に言われて思い出した舞は、ハッ!と顔をあげてからまた顔を下げて落ち込んだ。
「でしたら諦めるしかありませんね」
「もう口がバニラアイスをほっしていて諦めるなんてムリ!買いにいく!」
勢いよく立ち上がった舞の頭に手を置いた公。
「ちょっと待て」
「止めないで!お兄ちゃん!」
「もう外は暗いし俺が買いにいってやるから」
その言葉に、公を見上げた舞はおもいっきり抱きついた。
「ありがとう!お兄ちゃん!」
「みんなはなにかいるものあるか?」
「私はない」
「わたくしもありませんわ」
「私もございません」
「わかったよ」
「それじゃあお兄ちゃんお願いね」
舞が差し出したお金を受け取った公は玄関に行って靴を履いた。
「急がなくていいからね」
「なら、ついでに軽く散歩してくるよ」
「うん。気をつけていってらっしゃい」
「いってらっしゃいませ」
「あぁ、いってくるよ」
舞と萌衣に見送られて家を出た公は歩いて30分程かかるスーパーに向かって歩きだした。
「やっぱり春と秋の気候が1番だな~」
「うぉっ!2話続けて出てくるな!」
「いいじゃないか~」
前回に引き続き出てきたマスターはまだのんびりとしています。
「別に邪魔しにきたわけじゃないし、一緒に散歩するくらいいいだろ~」
「わかったよ」
諦めた公はため息を吐きました。
"ホントに邪魔しないんだろうか?"
「しないって~」
「!!!」
驚きながらも公はマスターを睨みました。
「なんで驚いてるの?」
「なんで心の声が聞こえるんだよ」
公の言葉にマスターは不思議そうな顔をしました。
「今まで普通に話していただろ~」
「それはお前がこちらにいない時だろが」
「でも、作者であることには変わりないんだからこちらにいてもそれはできるよ」
マスターの答えは納得できるものでしたが、納得したくない公は無言になってしまいました。
なので、マスターも無言で歩き続けました。
そんなのんびりした時間が過ぎる中、前からこちらに歩いてくる少女に気がつきました。
「こんばんは」
話しかけてきた少女、雪は微笑みました。
「こんばんは」
「やぁ、雪」
雪は公とマスターを見て少し驚いていました。
「珍しいというより普通じゃ見られない組み合わせね」
「俺がこっちに来ること自体珍しいことだからね~」
「そのくせ2話連続で出てきてるけどな」
公はマスターをジト目で見ました。
「37分の2だから十分珍しいだろ?」
「そうね」
微笑む雪とは違って公はまだジト目のままです。
「それで2人はなにをしているの?」
「俺はスーパーに買い物にいくついでに散歩していたら、急に作者が現れたんだよ」
公が説明する横ではマスターがピースをしています。
「そういう雪はなにしてるの?」
「私は散歩よ」
「こんな夜中に1人で出歩くなんて危ないぞ」
公の心配をよそに雪は微笑んでいます。
「私なら大丈夫だよ」
「なんでそう言えるんだよ」
「ふふふ。それは秘密だね」
公は頭を掻きながらため息を吐きました。
「スーパーに行くなら私もついていっていいかな?」
「あぁ、いいよ」
マスターが勝手に頷いたので公はまたため息を吐きながらマスターを叩きました。
「ダメなのかな?」
「いいんだけどな」
「ならなんで俺は殴られたのかな?」
「普段の行いだ」
これにはマスターも反論できません。
「こら、ロマ。勝手に反論できないとか決めるな」
≪事実ですから≫
「事実だな」
私と公の言葉にマスターが泣き真似を始めましたが公は無視します。
「行こうか」
マスターを置いて公と雪が歩きだしたので、マスターも慌てて追いかけます。
3人が歩いていると、「パン!パン!パン!」という聞いたことのある音が聞こえてきました。
聞こえてきた方向に行くと、コンビニの前には人と不良が3人がいました。
「ほら。はよ帰りや」
「わかったよ」
不良達を手を振りながら見送った人は公達に気づきました。
「おー。雪に公に作者じゃねーか」
「こんばんは」
「よぉ」
「やぁ」
ハリセンをしまいながら人は3人のもとにやってきました。そして、公と雪のほうを見ました。
「2人には関係ないが、最近ここら辺で不良ばかりが襲われる事件が起きているから気を付けな」
「あれ?俺には?」
「作者なんやからなんとかなるやろ?」
「確かになんとかなるな」
マスターは納得して頷いていました。
「で、3人はなにしてるんや?」
「これからスーパーに行くのよ」
「もしものことがあるかもしれんし、俺もついていくわ」
雪が公を見ると、断る理由がない公は頷いてOKを出しました。
「なんだかお供が増えていって桃太郎みたいだな」
マスターの一言に雪と人が顔を見合わせて笑いあい、公を見ました。
「それじゃあ行こか、桃太郎」
「やめてくれ」
そう言うと公が先を歩きだしたので、3人はその後ろをついていきます。そうしてスーパーまであと少しというところで公の足が止まりました。
「どないした?」
不思議がりながら公の隣にやってきた人が前を見ると、羽織袴姿で腰に刀をさした少女が立っていました。
「誰や?」
「まさか、人に雪、大物2人と同時に出会えるなんて運がいいでござるな」
その言葉で人はピンときました。
「なるほど。テメェが最近の不良襲撃事件の犯人ってわけか」
「拙者は不良を襲撃しているのではなく、成敗しているのでござるよ。そして、不良のまとめ役の人と修羅姫と呼ばれた雪をここで成敗させてもらうでこざる」
侍娘は刀を抜きました。
「ちょいまち。不良を成敗とかゆってるが、成敗する理由はなんや?」
「街に迷惑をかける存在だからでこざるよ」
人の問いに侍娘は迷いなく答えます。
「迷惑をかける、か。1つゆっとくが、お前が襲った人間の中には不良を卒業している真っ当に働いている人もいるし、雪にいたっては街に迷惑をかけたことすらないで」
人の言葉に侍娘は少したじろきましたが、すぐに人を睨み付けました。
「たとえそうだとしても、その力は危険でござる!だから成敗したのでござる!」
「力は悪か?」
「そうでござる!」
「なら、この場で1番の悪はテメェだな」
人のその予想外の言葉に侍娘は驚いて口をパクパクさせました。
「せ、拙者が悪とはどういうことでござるか!」
侍娘は怒鳴りながら人へ刀の切っ先を向けました。
「簡単な話や。こっち4人のうち3人は素手やし、俺が持ってる武器ってゆうてもただのハリセンや。で、テメェが持ってるのは刀。さて、今この場で1番力を持っているのは誰や?」
人の問いかけに侍娘がプルプル震えだしました。
「拙者の力は悪を裁くための正義の力でござる!」
「テメェの正義と悪を周りの人間に押しつけてるんじゃねー!」
人の叫びには公達もビクッとしました。
「テメェの正義はただの自己満足だ!」
「拙者の正義のどこが自己満足だというのでござるか!」
「じゃあ聞くが、誰かがテメェに不良を成敗してくれと頼んだか?」
黙りこんだ侍娘は小さく首を振りました。
「なら、なんでテメェが正義だと言い切れる!それにさっきも言ったがお前が襲った人間の中には今普通に働いている人もいるんだよ。テメェはその職場に『拙者が正義で彼が悪だから彼を成敗しました』と言いにいって『よくやった』と誉めてもらえると思うか?」
侍娘はうつむき、無言で固まってしまいました。
「どうした!なんかゆうてみ!」
「人。落ち着け。近所迷惑だ」
公が人の肩に手を置くと、人は落ち着きを取り戻しました。
「すまんな。少し熱くなってしまったわ」
人が落ち着いたので公は侍娘のほうに視線を向けると、侍娘はまだうつむいたままでした。
「とりあえず、刀をしまってくれるか?」
公の言葉にビクッとした侍娘は刀を鞘におさめました。それを見て公は話しだしました。
「確かに、悪を裁くには力が必要だとは思うよ。でも、力は武力1つだけじゃないし、正義の力もいきすぎたりやり過ぎるとそれは悪となに一つかわらない。それをわかったうえで正義とは何か、悪とは何か。そして、悪とどう立ち向かっていけばいいかもう1度考えなおしてみたらどうだ?」
恐る恐る顔をあげた侍娘に公は微笑みかけました。
「わかりました」
「人も雪もそれでいいか?」
「俺はそれでええで」
「私もそれでいいですよ」
「そういうわけだから、気をつけて帰りなよ」
「迷惑をかけてすまなかったでござる」
最後に頭を下げた侍娘は走り去りました。
それを見送った公は人達と苦笑しあうとスーパーに向かって歩きだしました。
冷蔵庫を開けた舞が叫び声をあげたのでみんなが不思議がって舞を見た。
「どうした?舞」
「お風呂あがりに食べようと思ってたアイスがない」
舞を冷蔵庫を閉めるとガーン!と膝と手をついて落ち込んだ。
「どんなアイス?」
「カップのバニラ」
「それでしたら、昨日の夜に『明日帰りに買ってこればいいから2つ食べちゃえ』って言って食べていたじゃないですか」
萌衣に言われて思い出した舞は、ハッ!と顔をあげてからまた顔を下げて落ち込んだ。
「でしたら諦めるしかありませんね」
「もう口がバニラアイスをほっしていて諦めるなんてムリ!買いにいく!」
勢いよく立ち上がった舞の頭に手を置いた公。
「ちょっと待て」
「止めないで!お兄ちゃん!」
「もう外は暗いし俺が買いにいってやるから」
その言葉に、公を見上げた舞はおもいっきり抱きついた。
「ありがとう!お兄ちゃん!」
「みんなはなにかいるものあるか?」
「私はない」
「わたくしもありませんわ」
「私もございません」
「わかったよ」
「それじゃあお兄ちゃんお願いね」
舞が差し出したお金を受け取った公は玄関に行って靴を履いた。
「急がなくていいからね」
「なら、ついでに軽く散歩してくるよ」
「うん。気をつけていってらっしゃい」
「いってらっしゃいませ」
「あぁ、いってくるよ」
舞と萌衣に見送られて家を出た公は歩いて30分程かかるスーパーに向かって歩きだした。
「やっぱり春と秋の気候が1番だな~」
「うぉっ!2話続けて出てくるな!」
「いいじゃないか~」
前回に引き続き出てきたマスターはまだのんびりとしています。
「別に邪魔しにきたわけじゃないし、一緒に散歩するくらいいいだろ~」
「わかったよ」
諦めた公はため息を吐きました。
"ホントに邪魔しないんだろうか?"
「しないって~」
「!!!」
驚きながらも公はマスターを睨みました。
「なんで驚いてるの?」
「なんで心の声が聞こえるんだよ」
公の言葉にマスターは不思議そうな顔をしました。
「今まで普通に話していただろ~」
「それはお前がこちらにいない時だろが」
「でも、作者であることには変わりないんだからこちらにいてもそれはできるよ」
マスターの答えは納得できるものでしたが、納得したくない公は無言になってしまいました。
なので、マスターも無言で歩き続けました。
そんなのんびりした時間が過ぎる中、前からこちらに歩いてくる少女に気がつきました。
「こんばんは」
話しかけてきた少女、雪は微笑みました。
「こんばんは」
「やぁ、雪」
雪は公とマスターを見て少し驚いていました。
「珍しいというより普通じゃ見られない組み合わせね」
「俺がこっちに来ること自体珍しいことだからね~」
「そのくせ2話連続で出てきてるけどな」
公はマスターをジト目で見ました。
「37分の2だから十分珍しいだろ?」
「そうね」
微笑む雪とは違って公はまだジト目のままです。
「それで2人はなにをしているの?」
「俺はスーパーに買い物にいくついでに散歩していたら、急に作者が現れたんだよ」
公が説明する横ではマスターがピースをしています。
「そういう雪はなにしてるの?」
「私は散歩よ」
「こんな夜中に1人で出歩くなんて危ないぞ」
公の心配をよそに雪は微笑んでいます。
「私なら大丈夫だよ」
「なんでそう言えるんだよ」
「ふふふ。それは秘密だね」
公は頭を掻きながらため息を吐きました。
「スーパーに行くなら私もついていっていいかな?」
「あぁ、いいよ」
マスターが勝手に頷いたので公はまたため息を吐きながらマスターを叩きました。
「ダメなのかな?」
「いいんだけどな」
「ならなんで俺は殴られたのかな?」
「普段の行いだ」
これにはマスターも反論できません。
「こら、ロマ。勝手に反論できないとか決めるな」
≪事実ですから≫
「事実だな」
私と公の言葉にマスターが泣き真似を始めましたが公は無視します。
「行こうか」
マスターを置いて公と雪が歩きだしたので、マスターも慌てて追いかけます。
3人が歩いていると、「パン!パン!パン!」という聞いたことのある音が聞こえてきました。
聞こえてきた方向に行くと、コンビニの前には人と不良が3人がいました。
「ほら。はよ帰りや」
「わかったよ」
不良達を手を振りながら見送った人は公達に気づきました。
「おー。雪に公に作者じゃねーか」
「こんばんは」
「よぉ」
「やぁ」
ハリセンをしまいながら人は3人のもとにやってきました。そして、公と雪のほうを見ました。
「2人には関係ないが、最近ここら辺で不良ばかりが襲われる事件が起きているから気を付けな」
「あれ?俺には?」
「作者なんやからなんとかなるやろ?」
「確かになんとかなるな」
マスターは納得して頷いていました。
「で、3人はなにしてるんや?」
「これからスーパーに行くのよ」
「もしものことがあるかもしれんし、俺もついていくわ」
雪が公を見ると、断る理由がない公は頷いてOKを出しました。
「なんだかお供が増えていって桃太郎みたいだな」
マスターの一言に雪と人が顔を見合わせて笑いあい、公を見ました。
「それじゃあ行こか、桃太郎」
「やめてくれ」
そう言うと公が先を歩きだしたので、3人はその後ろをついていきます。そうしてスーパーまであと少しというところで公の足が止まりました。
「どないした?」
不思議がりながら公の隣にやってきた人が前を見ると、羽織袴姿で腰に刀をさした少女が立っていました。
「誰や?」
「まさか、人に雪、大物2人と同時に出会えるなんて運がいいでござるな」
その言葉で人はピンときました。
「なるほど。テメェが最近の不良襲撃事件の犯人ってわけか」
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侍娘は刀を抜きました。
「ちょいまち。不良を成敗とかゆってるが、成敗する理由はなんや?」
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人の問いに侍娘は迷いなく答えます。
「迷惑をかける、か。1つゆっとくが、お前が襲った人間の中には不良を卒業している真っ当に働いている人もいるし、雪にいたっては街に迷惑をかけたことすらないで」
人の言葉に侍娘は少したじろきましたが、すぐに人を睨み付けました。
「たとえそうだとしても、その力は危険でござる!だから成敗したのでござる!」
「力は悪か?」
「そうでござる!」
「なら、この場で1番の悪はテメェだな」
人のその予想外の言葉に侍娘は驚いて口をパクパクさせました。
「せ、拙者が悪とはどういうことでござるか!」
侍娘は怒鳴りながら人へ刀の切っ先を向けました。
「簡単な話や。こっち4人のうち3人は素手やし、俺が持ってる武器ってゆうてもただのハリセンや。で、テメェが持ってるのは刀。さて、今この場で1番力を持っているのは誰や?」
人の問いかけに侍娘がプルプル震えだしました。
「拙者の力は悪を裁くための正義の力でござる!」
「テメェの正義と悪を周りの人間に押しつけてるんじゃねー!」
人の叫びには公達もビクッとしました。
「テメェの正義はただの自己満足だ!」
「拙者の正義のどこが自己満足だというのでござるか!」
「じゃあ聞くが、誰かがテメェに不良を成敗してくれと頼んだか?」
黙りこんだ侍娘は小さく首を振りました。
「なら、なんでテメェが正義だと言い切れる!それにさっきも言ったがお前が襲った人間の中には今普通に働いている人もいるんだよ。テメェはその職場に『拙者が正義で彼が悪だから彼を成敗しました』と言いにいって『よくやった』と誉めてもらえると思うか?」
侍娘はうつむき、無言で固まってしまいました。
「どうした!なんかゆうてみ!」
「人。落ち着け。近所迷惑だ」
公が人の肩に手を置くと、人は落ち着きを取り戻しました。
「すまんな。少し熱くなってしまったわ」
人が落ち着いたので公は侍娘のほうに視線を向けると、侍娘はまだうつむいたままでした。
「とりあえず、刀をしまってくれるか?」
公の言葉にビクッとした侍娘は刀を鞘におさめました。それを見て公は話しだしました。
「確かに、悪を裁くには力が必要だとは思うよ。でも、力は武力1つだけじゃないし、正義の力もいきすぎたりやり過ぎるとそれは悪となに一つかわらない。それをわかったうえで正義とは何か、悪とは何か。そして、悪とどう立ち向かっていけばいいかもう1度考えなおしてみたらどうだ?」
恐る恐る顔をあげた侍娘に公は微笑みかけました。
「わかりました」
「人も雪もそれでいいか?」
「俺はそれでええで」
「私もそれでいいですよ」
「そういうわけだから、気をつけて帰りなよ」
「迷惑をかけてすまなかったでござる」
最後に頭を下げた侍娘は走り去りました。
それを見送った公は人達と苦笑しあうとスーパーに向かって歩きだしました。
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