34 / 125
33話
しおりを挟む
日曜日。
公は桜と一緒に歩いていた。
「いきなり呼び出しやがってなんだよ」
「あんた球さん覚えてる?」
桜に問われ、公は少し考えた。
「あぁ。一昨年の県大会で優勝した人だよな?」
「そうそう」
「それがどうしたんだ?」
公が首を傾げていると、桜は黙りこんでしまった。桜が黙りこんでしまったので公はさらに首を傾げた。
そのまま数分間黙りこんだまま歩いていたので、公が話しかける。
「どうしたんだよ」
「いたのよ。小説高校の卓球部に」
ようやく話し出した桜。
「よかったじゃねーか。強い人が一緒の部活にいて」
「選手じゃなくてマネージャーでいるのよ」
その言葉に立ち止まった公は桜を見た。桜も立ち止まって公を見返す。
「なるほど。それが今のお前の悩みってわけか」
「そうね」
公が歩き出すと、桜も隣を歩く。
「で、お前はどうしたいんだ?」
「それはもちろん球さんに選手として卓球部にいてほしいわよ。でも、球さんは挫折してしまったみたいなのよ」
瑠璃から聞いた話を思い出して桜はため息を吐いた。
「それで、俺に愚痴を聞いてほしいと」
「それもあるけど、久しぶりにおもいっきり打ち込んでスカッとしたいから相手になってもらいたくてね」
というわけで、2人がやって来たのは隣町の卓球道場。
「いらっしゃいませ」
「高校生2人」
「600円です」
お金を渡した2人が中に入ると、中はすでにかなりの人でにぎわっていた。
「公。ほら」
桜が取り出したのは公のラケットとシューズ。
って、なんで桜が持ってるの?
「公が持ってるとラケットの手入れはしないだろうし、そのうちどこに置いたかわからなくなりそうだからよ」
なるほど。見事に嫁してるんだね。
『嫁じゃねーよ(じゃないわよ)』
息ピッタリ。
私の言葉を無視した2人は準備を終えるとあいていた台に入った。
「まずは軽くね」
そう言ってゆっくりウォーミングアップのラリーを始めた2人。
そこから徐々にスピードをあげていき、本気のラリーが始まると公が少しずつ下がりだし、山なりの軌道で返球しはじめた。
それを桜は全力で打ち返す。色々たまったものも込めて打ち返す。
たまに公は早い球を打ち返したりもするが、それでも桜は気にせず全力で打ち返す。
そうしてラリーを続けること100回以上。終わらないラリーにしだいに周りが軽く騒ぎだす。
しかし、2人の耳に周りのざわめきなど聞こえていないので集中を切らさずにラリーを続けていく。
そして、ようやく長く続いたラリーが終わった時、周りから拍手がおきた。
その拍手に恥ずかしくなった2人はとりあえず壁際のソファーに座って一息吐いた。
「はい」
桜が差し出したジュースを受け取った公は一口飲み、続けて受け取ったタオルで顔を拭いた。
「少しはスッキリしたか?」
「えぇ。でも、もう少し付き合ってよね」
「わかってるよ」
その時、誰かが入ってきた。
「あら、球ちゃん」
その声に公は入り口のほうへ目をやると、そこには確かに球がいた。
「桜」
小声で桜を呼んだ公は入り口のほうを指差した。
「あっ」
公に呼ばれて入り口のほうを向いた桜も球に気づいた。
すると、桜が気配を消して観察しはじめたので公も気配を消した。
気配を消して見ていると、球は準備体操からしっかりと行い、基礎練習から始めてどんどんハードな練習になっていった。
その姿を見ていた桜の目に強い力がこもっていった。
「帰るか?」
「そうね」
卓球道場を出た桜は1つの決心をした。
◇
月曜日の放課後。卓球部では桜が瑠璃と男子卓球部の部長の卓と向き合っていた。
「それで、私達と変則試合をしたいって言ってたけど、そっちの相方の男子は?」
桜が提案した変則試合の内容は、まず女子シングル、次に男子シングル、最後に混合ダブルスをするというものだ。
すると、公が桜の隣にやって来た。
「おいおい。まさか素人を相方に連れてくるとはな」
卓は少し驚いていた。それは卓球部全体の反応でもあった。
「まぁいい。試合だが、こっちが3セットとる間に1セットでも取ればそっちの勝ち。それでいいか?」
本来ならなめられている発言なのだが、相手のほうが格上なのは確かなので桜は頷いた。
「それじゃあ最初は私達ね」
桜と瑠璃が台に入り、練習のラリーを少ししてから試合が始まった。
試合を見ながら公は球のもとへやって来た。
「この試合、球先輩はどうみます?」
球は一瞬公に視線を向けたがすぐに試合に視線を戻した。
「今日までの練習を見た感じだと、万が一にも勝つなんてことはないでしょうね」
球の言葉通り桜はあっさり1セット取られた。
「あなたも卓先輩に勝てるわけないわよ」
「そんなに強いんですか?」
「全国区の選手よ」
「だから俺が負けると」
「当たり前じゃない。ただでさえ全国区の選手とそれ以外の選手では越えられない壁があるのに、選手ですらないあなたでは奇跡が起きない限り絶対勝てないわよ」
球の言葉は確かにその通りなのだろう。なんせ球はそれを肌で感じたのだから。
しかし、公は試合をおりる気も勝負を投げる気もなかった。
「でも、奇跡は起こせないわけじゃない。なら諦めることもないんじゃないですか?」
公は2セット目もとられた桜のもとへタオルとドリンクを持っていった。
「どう?」
「やっぱり強いわ」
しかし、負けているはずなのに桜は笑顔だった。
公が一瞬球のほうへ視線を向けると、球はわけがわからないいう表情で桜を見ていた。
「さぁ。最終セットも胸をかりるつもりでドンとぶつかってみるわ」
「いってこい」
片手でハイタッチをかわして桜を送り出した公は球の隣に戻った。
「どうして彼女はあんな風に笑えるの?」
球は不思議そうに公に聞いた。
「確かに勝負事ですから勝ち負けは大事ですよ。でも、挑戦することを楽しまなくてどうするんですか?」
公の言葉に球は驚いていた。
「挑戦することは時に辛いこともあるでしょう。だけど、辛いからといって辛いまま進んだところで先はない。ならば楽しんだほうがよくないですか?」
桜は3セット目、粘りに粘ったがあと1歩及ばずに負けた。
「あー!負けた!」
「でも、最後はなかなかよかったわよ」
「ありがとうございます!」
瑠璃に頭を下げた桜は公のもとへやって来た。
「公。頼むわよ」
「やれるだけのことはしてくるさ」
歩きだす公の背中へ気合いのビンタを打ち込んで送り出した桜。
「いってーな」
文句を言いながら練習のラリーをしてから始まった公対卓の試合。誰もが卓の圧勝を予想したが、1セット目から試合は長引いた。
台に引っ付いて速攻で攻める卓に対し、公は台から離れて卓のスマッシュを拾いつづけた。
しかし、最後は卓が打ち勝って1セット目を取った。
2セット目も同じ展開で、粘る公を卓はなかなか仕留めきれずにズルズルと長引き、なんとかセットを取ったが体力をそこそこ削られた。
3セット目。公は変わらず粘っていると、卓にミスが出始め、最後も卓のミスで公が勝ち、卓球部に驚きと歓声が巻き起こった。
「10分休憩のあと混合ダブルスを始めるぞ」
歓声の中、審判をしていた卓球先生が両者に告げた。
「公。やったわね」
「相手のミスで勝っただけだけどね」
「普通はあそこまで粘れないわよ」
球は驚きの表情で公を見ていた。
「昔から桜の練習相手させられてましたからね」
苦笑まじりの返事をしながら公はドリンクを飲んだ。
「奇跡をおこせましたね」
公の言葉にさらに驚いた球だったが、微笑んだ。
「えぇ。そうね」
その微笑みを見た公と桜も微笑み、最後の混合ダブルスへと向かった。
混合ダブルスでは、卓と瑠璃が始めてタッグを組むのが始めてだったり、公が速攻型に変わったことへの驚きに対応できなかったり、卓の体力が回復せずにパワーが出なかったこともあってあっさりと公と桜が勝って変則試合は終わった。
「確か、公って言ったか?」
試合後の握手をしながら卓が問いかける。
「えぇ」
「卓球部に入る気はないか?」
「あいにくありませんね」
きっぱりとした断りに卓は笑った。
「そうか。でも、気が変わったらいつでもこいよ。歓迎するぞ」
卓に背中を叩かれた公は苦笑した。
「あの!」
球が瑠璃のもとへやって来た。
「瑠璃先輩。私、もう1度選手として挑戦してみたいです!」
「もちろんよ!」
待っていたその言葉に瑠璃と桜は満面の笑顔になり、女子卓球部の面々は歓声をあげて球を取り囲んだ。
公は桜と一緒に歩いていた。
「いきなり呼び出しやがってなんだよ」
「あんた球さん覚えてる?」
桜に問われ、公は少し考えた。
「あぁ。一昨年の県大会で優勝した人だよな?」
「そうそう」
「それがどうしたんだ?」
公が首を傾げていると、桜は黙りこんでしまった。桜が黙りこんでしまったので公はさらに首を傾げた。
そのまま数分間黙りこんだまま歩いていたので、公が話しかける。
「どうしたんだよ」
「いたのよ。小説高校の卓球部に」
ようやく話し出した桜。
「よかったじゃねーか。強い人が一緒の部活にいて」
「選手じゃなくてマネージャーでいるのよ」
その言葉に立ち止まった公は桜を見た。桜も立ち止まって公を見返す。
「なるほど。それが今のお前の悩みってわけか」
「そうね」
公が歩き出すと、桜も隣を歩く。
「で、お前はどうしたいんだ?」
「それはもちろん球さんに選手として卓球部にいてほしいわよ。でも、球さんは挫折してしまったみたいなのよ」
瑠璃から聞いた話を思い出して桜はため息を吐いた。
「それで、俺に愚痴を聞いてほしいと」
「それもあるけど、久しぶりにおもいっきり打ち込んでスカッとしたいから相手になってもらいたくてね」
というわけで、2人がやって来たのは隣町の卓球道場。
「いらっしゃいませ」
「高校生2人」
「600円です」
お金を渡した2人が中に入ると、中はすでにかなりの人でにぎわっていた。
「公。ほら」
桜が取り出したのは公のラケットとシューズ。
って、なんで桜が持ってるの?
「公が持ってるとラケットの手入れはしないだろうし、そのうちどこに置いたかわからなくなりそうだからよ」
なるほど。見事に嫁してるんだね。
『嫁じゃねーよ(じゃないわよ)』
息ピッタリ。
私の言葉を無視した2人は準備を終えるとあいていた台に入った。
「まずは軽くね」
そう言ってゆっくりウォーミングアップのラリーを始めた2人。
そこから徐々にスピードをあげていき、本気のラリーが始まると公が少しずつ下がりだし、山なりの軌道で返球しはじめた。
それを桜は全力で打ち返す。色々たまったものも込めて打ち返す。
たまに公は早い球を打ち返したりもするが、それでも桜は気にせず全力で打ち返す。
そうしてラリーを続けること100回以上。終わらないラリーにしだいに周りが軽く騒ぎだす。
しかし、2人の耳に周りのざわめきなど聞こえていないので集中を切らさずにラリーを続けていく。
そして、ようやく長く続いたラリーが終わった時、周りから拍手がおきた。
その拍手に恥ずかしくなった2人はとりあえず壁際のソファーに座って一息吐いた。
「はい」
桜が差し出したジュースを受け取った公は一口飲み、続けて受け取ったタオルで顔を拭いた。
「少しはスッキリしたか?」
「えぇ。でも、もう少し付き合ってよね」
「わかってるよ」
その時、誰かが入ってきた。
「あら、球ちゃん」
その声に公は入り口のほうへ目をやると、そこには確かに球がいた。
「桜」
小声で桜を呼んだ公は入り口のほうを指差した。
「あっ」
公に呼ばれて入り口のほうを向いた桜も球に気づいた。
すると、桜が気配を消して観察しはじめたので公も気配を消した。
気配を消して見ていると、球は準備体操からしっかりと行い、基礎練習から始めてどんどんハードな練習になっていった。
その姿を見ていた桜の目に強い力がこもっていった。
「帰るか?」
「そうね」
卓球道場を出た桜は1つの決心をした。
◇
月曜日の放課後。卓球部では桜が瑠璃と男子卓球部の部長の卓と向き合っていた。
「それで、私達と変則試合をしたいって言ってたけど、そっちの相方の男子は?」
桜が提案した変則試合の内容は、まず女子シングル、次に男子シングル、最後に混合ダブルスをするというものだ。
すると、公が桜の隣にやって来た。
「おいおい。まさか素人を相方に連れてくるとはな」
卓は少し驚いていた。それは卓球部全体の反応でもあった。
「まぁいい。試合だが、こっちが3セットとる間に1セットでも取ればそっちの勝ち。それでいいか?」
本来ならなめられている発言なのだが、相手のほうが格上なのは確かなので桜は頷いた。
「それじゃあ最初は私達ね」
桜と瑠璃が台に入り、練習のラリーを少ししてから試合が始まった。
試合を見ながら公は球のもとへやって来た。
「この試合、球先輩はどうみます?」
球は一瞬公に視線を向けたがすぐに試合に視線を戻した。
「今日までの練習を見た感じだと、万が一にも勝つなんてことはないでしょうね」
球の言葉通り桜はあっさり1セット取られた。
「あなたも卓先輩に勝てるわけないわよ」
「そんなに強いんですか?」
「全国区の選手よ」
「だから俺が負けると」
「当たり前じゃない。ただでさえ全国区の選手とそれ以外の選手では越えられない壁があるのに、選手ですらないあなたでは奇跡が起きない限り絶対勝てないわよ」
球の言葉は確かにその通りなのだろう。なんせ球はそれを肌で感じたのだから。
しかし、公は試合をおりる気も勝負を投げる気もなかった。
「でも、奇跡は起こせないわけじゃない。なら諦めることもないんじゃないですか?」
公は2セット目もとられた桜のもとへタオルとドリンクを持っていった。
「どう?」
「やっぱり強いわ」
しかし、負けているはずなのに桜は笑顔だった。
公が一瞬球のほうへ視線を向けると、球はわけがわからないいう表情で桜を見ていた。
「さぁ。最終セットも胸をかりるつもりでドンとぶつかってみるわ」
「いってこい」
片手でハイタッチをかわして桜を送り出した公は球の隣に戻った。
「どうして彼女はあんな風に笑えるの?」
球は不思議そうに公に聞いた。
「確かに勝負事ですから勝ち負けは大事ですよ。でも、挑戦することを楽しまなくてどうするんですか?」
公の言葉に球は驚いていた。
「挑戦することは時に辛いこともあるでしょう。だけど、辛いからといって辛いまま進んだところで先はない。ならば楽しんだほうがよくないですか?」
桜は3セット目、粘りに粘ったがあと1歩及ばずに負けた。
「あー!負けた!」
「でも、最後はなかなかよかったわよ」
「ありがとうございます!」
瑠璃に頭を下げた桜は公のもとへやって来た。
「公。頼むわよ」
「やれるだけのことはしてくるさ」
歩きだす公の背中へ気合いのビンタを打ち込んで送り出した桜。
「いってーな」
文句を言いながら練習のラリーをしてから始まった公対卓の試合。誰もが卓の圧勝を予想したが、1セット目から試合は長引いた。
台に引っ付いて速攻で攻める卓に対し、公は台から離れて卓のスマッシュを拾いつづけた。
しかし、最後は卓が打ち勝って1セット目を取った。
2セット目も同じ展開で、粘る公を卓はなかなか仕留めきれずにズルズルと長引き、なんとかセットを取ったが体力をそこそこ削られた。
3セット目。公は変わらず粘っていると、卓にミスが出始め、最後も卓のミスで公が勝ち、卓球部に驚きと歓声が巻き起こった。
「10分休憩のあと混合ダブルスを始めるぞ」
歓声の中、審判をしていた卓球先生が両者に告げた。
「公。やったわね」
「相手のミスで勝っただけだけどね」
「普通はあそこまで粘れないわよ」
球は驚きの表情で公を見ていた。
「昔から桜の練習相手させられてましたからね」
苦笑まじりの返事をしながら公はドリンクを飲んだ。
「奇跡をおこせましたね」
公の言葉にさらに驚いた球だったが、微笑んだ。
「えぇ。そうね」
その微笑みを見た公と桜も微笑み、最後の混合ダブルスへと向かった。
混合ダブルスでは、卓と瑠璃が始めてタッグを組むのが始めてだったり、公が速攻型に変わったことへの驚きに対応できなかったり、卓の体力が回復せずにパワーが出なかったこともあってあっさりと公と桜が勝って変則試合は終わった。
「確か、公って言ったか?」
試合後の握手をしながら卓が問いかける。
「えぇ」
「卓球部に入る気はないか?」
「あいにくありませんね」
きっぱりとした断りに卓は笑った。
「そうか。でも、気が変わったらいつでもこいよ。歓迎するぞ」
卓に背中を叩かれた公は苦笑した。
「あの!」
球が瑠璃のもとへやって来た。
「瑠璃先輩。私、もう1度選手として挑戦してみたいです!」
「もちろんよ!」
待っていたその言葉に瑠璃と桜は満面の笑顔になり、女子卓球部の面々は歓声をあげて球を取り囲んだ。
0
お気に入りに追加
13
あなたにおすすめの小説

婚約破棄?一体何のお話ですか?
リヴァルナ
ファンタジー
なんだかざまぁ(?)系が書きたかったので書いてみました。
エルバルド学園卒業記念パーティー。
それも終わりに近付いた頃、ある事件が起こる…
※エブリスタさんでも投稿しています
まさかwebで ミステリー大賞に リベンジする日が来るなんて!
のーまじん
キャラ文芸
私の友人克也は謎の人物である。
彼の素性はよく分からないし、知ろうともしてなかった。
それはバーのカウンターの知り合いのごとく、フリマでなんと無く出会ったその場限りの知人関係であり、彼はなんか、世界のディープな秘密を田舎の図書館で暴こうとする謎の男だからだ。
WEBでの小説活動の限界を感じた私は、せめて彼の研究をあの人気オカルト雑誌『みぃムー」の読者の研究に投稿出来ないかとこっそり活動を始めるのだった。
冥王の迷宮
もうすぐ、2025年、止めていた作品を再開しようとかんがえる。
けれど、20世紀に密かに再造されたUFOがオカルトの秘密結社のものだと知って気持ちが冷めてしまう。
なんとか気持ちを上げようと、克也を地元の図書館で待っていた私の元に現れたのはオカルト克也ではなく山臥だった。
山臥の助言を元に、天動説とガリレオを探していた私は、天王星の発見から始まる物語に驚愕するのである。
この話はフィクションです。
同窓会に行ったら、知らない人がとなりに座っていました
菱沼あゆ
キャラ文芸
「同窓会っていうか、クラス会なのに、知らない人が隣にいる……」
クラス会に参加しためぐるは、隣に座ったイケメンにまったく覚えがなく、動揺していた。
だが、みんなは彼と楽しそうに話している。
いや、この人、誰なんですか――っ!?
スランプ中の天才棋士VS元天才パティシエール。
「へえー、同窓会で再会したのがはじまりなの?」
「いや、そこで、初めて出会ったんですよ」
「同窓会なのに……?」
すべてを奪われた英雄は、
さいはて旅行社
BL
アスア王国の英雄ザット・ノーレンは仲間たちにすべてを奪われた。
隣国の神聖国グルシアの魔物大量発生でダンジョンに潜りラスボスの魔物も討伐できたが、そこで仲間に裏切られ黒い短剣で刺されてしまう。
それでも生き延びてダンジョンから生還したザット・ノーレンは神聖国グルシアで、王子と呼ばれる少年とその世話役のヴィンセントに出会う。
すべてを奪われた英雄が、自分や仲間だった者、これから出会う人々に向き合っていく物語。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。



婚約者を親友に盗られた上、獣人の国へ嫁がされることになったが、私は大の動物好きなのでその結婚先はご褒美でしかなかった
雪葉
恋愛
婚約者である第三王子を、美しい外見の親友に盗られたエリン。まぁ王子のことは好きでも何でもなかったし、政略結婚でしかなかったのでそれは良いとして。なんと彼らはエリンに「新しい縁談」を持ってきたという。その嫁ぎ先は“獣人”の住まう国、ジュード帝国だった。
人間からは野蛮で恐ろしいと蔑まれる獣人の国であるため、王子と親友の二人はほくそ笑みながらこの縁談を彼女に持ってきたのだが────。
「憧れの国に行けることになったわ!! なんて素晴らしい縁談なのかしら……!!」
エリンは嫌がるどころか、大喜びしていた。
なぜなら、彼女は無類の動物好きだったからである。
そんなこんなで憧れの帝国へ意気揚々と嫁ぎに行き、そこで暮らす獣人たちと仲良くなろうと働きかけまくるエリン。
いつも明るく元気な彼女を見た周りの獣人達や、新しい婚約者である皇弟殿下は、次第に彼女に対し好意を持つようになっていく。
動物を心底愛するが故、獣人であろうが何だろうがこよなく愛の対象になるちょっとポンコツ入ってる令嬢と、そんな彼女を見て溺愛するようになる、狼の獣人な婚約者の皇弟殿下のお話です。
※他サイト様にも投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる