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116話
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テンションマックスの廻がバッターボックスに入った瞬間、
「ピッチャー、ピッチングマシンに代わりまして砲丸選手」
「はい?」
おかしな選手交代のアナウンスに思わず固まった廻。
「なんだって?」
聞き間違えかと思った廻はウグイス嬢に対して聞き返した。
「ですから、ピッチャー、ピッチングマシンに代わりまして砲丸選手、と言ったのです」
「砲丸選手、だと?」
「えぇ」
廻が頭を悩ませていると、ピッチングマシンが下に下がっていき、ピッチャーマウンドがもとにもどると、ベンチからムキムキの砲丸選手が砲丸を持って出てきた。
その光景に廻が再度固まっていると、キャッチャーと審判が揃って後ろに1メートル程下がった。
そんな2人の行動に、廻は固まりから帰ってくると離れた2人を見た。
「なんでそんなに離れるんだよ」
「もちろん安全のためだからだ」
審判のその言葉に廻は不安しかなかったが、とりあえずバットをかまえた。
すると、砲丸選手はいつもの砲丸投げのフォームから気合いの叫びとともに砲丸を投げた。
「そんなのありかー!」
おもいっきり叫んだ廻の前を砲丸が通りすぎ、1メートル程後ろに下がったキャッチャーの前に「ドスン!」と落ちた。
「ストライク!」
「タイム!」
審判のコールの直後にタイムをかけた廻はベンチに戻った。
「なぁ、あれ打てると思うか?」
「ムリだろうな」
「砲丸の重さにスピードもそこそこあるしね」
「金属バットだから折れることはないだろうけど」
みんなは苦笑しながら意見を言っていくと、聞いた廻はため息を吐きながら頭を掻いた。
「だよな~」
廻は金属バットを見つめた。
「やれるだけやってみるしかねーか」
またため息を吐いた廻はバッターボックスに戻った。そしてバットをかまえると、砲丸選手を見つめた。
砲丸選手が投げた2球目。
砲丸投げなので、球種はストレート一本だし、コース・スピードも変わらないので廻は簡単にバットに当てたのだが、「ゴチン」という鈍い音を響かせただけで全くといっていいほど飛ばずに砲丸は落ちた。
「イッテー!」
砲丸を打ったことで手が痺れて痛みが走った廻は叫んだが、とりあえず打ったので一塁へ走り出した。
それにあわせて中二もホームを目指したが、すでに砲丸を持ってキャッチャーがベースを踏んでいるので当然アウト。
その後、キャッチャーは砲丸を抱えたまま動こうとしなかったので裁がバッターボックスに入った。
そんな裁に対して投げられた初球を裁はセーフティスクイズでファースト線へ転がそうとしたが、砲丸は全く転がらなかった。
なので、スクイズは失敗で2アウト満塁と状況は一気に悪くなった。
「追い込まれましたね」
「そうね」
「でも、さすがにあれは打てないよ~」
公達は必死になって打開策を考えた。
「そうだ!」
なにかを思いついた秋が審判のもとへ駆け寄っていった。
公達が不思議そうに見つめる中、なにか会話をしはじめたのだけれど、話していくうちに審判のほうが戸惑いはじめていた。
そして、話を終えた秋が笑顔で帰ってきた。
「なにを話していたのデスカ?」
「それはすぐにわかるわよ」
秋がウィンクした直後、
「バッター、朧月に代わりまして夏」
『…………………………。えっーーーーーーーーーーーー!』
みんなの驚きの表情を見ながら秋は笑顔で頷いていた。
「秋先輩!私あの砲丸を打つなんてムリですよ!」
「そんなの当たり前じゃない」
つめよってくる夏にあっけらかんと言う秋。
「だったらなんで代打が私なんですか!」
「なっちゃんは立ってるだけでいいのよ」
「立ってるだけじゃ負けちゃうじゃないですか!」
「いいから」
秋は夏にヘルメットをかぶせてバットを持たすと強引にバッターボックスに立たせた。
「秋先輩!」
「大丈夫。なっちゃんがここに立ってるだけで1点が入るからお願い」
耳元でささやかれた秋の真剣なお願い。
「ホントに立ってるだけでいいんですか?」
「えぇ。バットを振る必要もないわ」
「わかりました」
「ありがとう」
お礼を言った秋はベンチに戻っていった。
「プレイ!」
審判が言うと、砲丸選手は早速初球を投げた。
秋の言葉通り、バットも振らずにただ立っていただけの夏だが、目の前を通りすぎ、「ドスン」と大きな音をたてて落ちる砲丸に「ひっ!」と悲鳴をあげて涙目になり砲丸選手を見つめた。
「うっ!」
夏に涙目で見つめられた砲丸選手は2球目を投げることをためらった。
それでも試合なので心を鬼にして投げることを決めたが、バッターボックスで恐怖からプルプル震える夏を見た瞬間、砲丸を投げずに転がした。
『えっ?』
その予想外の行動に誰もが戸惑う中、砲丸はキャッチャーの足元で止まった。
「ボール」
その後、砲丸選手はさらに3球砲丸を転がし、夏をファーボールで歩かせて押し出しで公チームに1点を与えた。
「なるほど。確かにバッターボックスであんなに怯えられたら投げれませんよね」
「そう。そして押し出しで1点をもぎ取る。私達が勝つにはそれしか方法はないのよ」
秋の言葉にみんなが納得して頷いた。
「ちょっと待て!そんなの認められるか!」
「とうとう出てきたな、作者!」
そんな地味な終わらせかたをさせられたらたまらないので、俺は公達の前に現れた。
「そんなことを言ったらお前のしてきたことのほうが認められるかよ!」
「俺はいいんだよ!なんたって作者なんだからな!だけど、お前達はダメだ!」
「知るかよ!別にお前従わないといけない理由は俺達にはねーんだよ!」
ベンチ前でマスターと公が睨みあっています。
「じゃあ、俺と公で最後の勝負をしようぜ」
「勝負?」
「あぁ。俺がピッチャーで公がバッター。それで決着をつけようじゃねーか!」
マスターの提案に公は振り返って確認を取るようにみんなを見た。
みんなは「OK」とばかりに頷き返した。
「いいぜ!その勝負やろーじゃねーか!」
「マロ。審判頼んだ」
<了解>
こうして決まったマスターと公の勝負の結末はいかに。次回。ついに決着の時!
≪ってまだ引っ張るつもりなんですか?マスター≫
「ロマ!せっかく盛り上がって終われたのになんでそんなこと言うかな!」
≪全く盛り上がってませんよ、マスター≫
「いや!読者だって今手に汗握ってるから!それぐらい盛り上がってるから!」
≪そんなこと万が一にもありえませんから≫
「絶対盛り上がっているのにロマがそんなこと言ったらまたグダグタになるじゃんか!」
≪大丈夫ですよ、マスター。この小説がグダグタしてなかった時なんて1度もありませんから≫
「うわーん!」
「ピッチャー、ピッチングマシンに代わりまして砲丸選手」
「はい?」
おかしな選手交代のアナウンスに思わず固まった廻。
「なんだって?」
聞き間違えかと思った廻はウグイス嬢に対して聞き返した。
「ですから、ピッチャー、ピッチングマシンに代わりまして砲丸選手、と言ったのです」
「砲丸選手、だと?」
「えぇ」
廻が頭を悩ませていると、ピッチングマシンが下に下がっていき、ピッチャーマウンドがもとにもどると、ベンチからムキムキの砲丸選手が砲丸を持って出てきた。
その光景に廻が再度固まっていると、キャッチャーと審判が揃って後ろに1メートル程下がった。
そんな2人の行動に、廻は固まりから帰ってくると離れた2人を見た。
「なんでそんなに離れるんだよ」
「もちろん安全のためだからだ」
審判のその言葉に廻は不安しかなかったが、とりあえずバットをかまえた。
すると、砲丸選手はいつもの砲丸投げのフォームから気合いの叫びとともに砲丸を投げた。
「そんなのありかー!」
おもいっきり叫んだ廻の前を砲丸が通りすぎ、1メートル程後ろに下がったキャッチャーの前に「ドスン!」と落ちた。
「ストライク!」
「タイム!」
審判のコールの直後にタイムをかけた廻はベンチに戻った。
「なぁ、あれ打てると思うか?」
「ムリだろうな」
「砲丸の重さにスピードもそこそこあるしね」
「金属バットだから折れることはないだろうけど」
みんなは苦笑しながら意見を言っていくと、聞いた廻はため息を吐きながら頭を掻いた。
「だよな~」
廻は金属バットを見つめた。
「やれるだけやってみるしかねーか」
またため息を吐いた廻はバッターボックスに戻った。そしてバットをかまえると、砲丸選手を見つめた。
砲丸選手が投げた2球目。
砲丸投げなので、球種はストレート一本だし、コース・スピードも変わらないので廻は簡単にバットに当てたのだが、「ゴチン」という鈍い音を響かせただけで全くといっていいほど飛ばずに砲丸は落ちた。
「イッテー!」
砲丸を打ったことで手が痺れて痛みが走った廻は叫んだが、とりあえず打ったので一塁へ走り出した。
それにあわせて中二もホームを目指したが、すでに砲丸を持ってキャッチャーがベースを踏んでいるので当然アウト。
その後、キャッチャーは砲丸を抱えたまま動こうとしなかったので裁がバッターボックスに入った。
そんな裁に対して投げられた初球を裁はセーフティスクイズでファースト線へ転がそうとしたが、砲丸は全く転がらなかった。
なので、スクイズは失敗で2アウト満塁と状況は一気に悪くなった。
「追い込まれましたね」
「そうね」
「でも、さすがにあれは打てないよ~」
公達は必死になって打開策を考えた。
「そうだ!」
なにかを思いついた秋が審判のもとへ駆け寄っていった。
公達が不思議そうに見つめる中、なにか会話をしはじめたのだけれど、話していくうちに審判のほうが戸惑いはじめていた。
そして、話を終えた秋が笑顔で帰ってきた。
「なにを話していたのデスカ?」
「それはすぐにわかるわよ」
秋がウィンクした直後、
「バッター、朧月に代わりまして夏」
『…………………………。えっーーーーーーーーーーーー!』
みんなの驚きの表情を見ながら秋は笑顔で頷いていた。
「秋先輩!私あの砲丸を打つなんてムリですよ!」
「そんなの当たり前じゃない」
つめよってくる夏にあっけらかんと言う秋。
「だったらなんで代打が私なんですか!」
「なっちゃんは立ってるだけでいいのよ」
「立ってるだけじゃ負けちゃうじゃないですか!」
「いいから」
秋は夏にヘルメットをかぶせてバットを持たすと強引にバッターボックスに立たせた。
「秋先輩!」
「大丈夫。なっちゃんがここに立ってるだけで1点が入るからお願い」
耳元でささやかれた秋の真剣なお願い。
「ホントに立ってるだけでいいんですか?」
「えぇ。バットを振る必要もないわ」
「わかりました」
「ありがとう」
お礼を言った秋はベンチに戻っていった。
「プレイ!」
審判が言うと、砲丸選手は早速初球を投げた。
秋の言葉通り、バットも振らずにただ立っていただけの夏だが、目の前を通りすぎ、「ドスン」と大きな音をたてて落ちる砲丸に「ひっ!」と悲鳴をあげて涙目になり砲丸選手を見つめた。
「うっ!」
夏に涙目で見つめられた砲丸選手は2球目を投げることをためらった。
それでも試合なので心を鬼にして投げることを決めたが、バッターボックスで恐怖からプルプル震える夏を見た瞬間、砲丸を投げずに転がした。
『えっ?』
その予想外の行動に誰もが戸惑う中、砲丸はキャッチャーの足元で止まった。
「ボール」
その後、砲丸選手はさらに3球砲丸を転がし、夏をファーボールで歩かせて押し出しで公チームに1点を与えた。
「なるほど。確かにバッターボックスであんなに怯えられたら投げれませんよね」
「そう。そして押し出しで1点をもぎ取る。私達が勝つにはそれしか方法はないのよ」
秋の言葉にみんなが納得して頷いた。
「ちょっと待て!そんなの認められるか!」
「とうとう出てきたな、作者!」
そんな地味な終わらせかたをさせられたらたまらないので、俺は公達の前に現れた。
「そんなことを言ったらお前のしてきたことのほうが認められるかよ!」
「俺はいいんだよ!なんたって作者なんだからな!だけど、お前達はダメだ!」
「知るかよ!別にお前従わないといけない理由は俺達にはねーんだよ!」
ベンチ前でマスターと公が睨みあっています。
「じゃあ、俺と公で最後の勝負をしようぜ」
「勝負?」
「あぁ。俺がピッチャーで公がバッター。それで決着をつけようじゃねーか!」
マスターの提案に公は振り返って確認を取るようにみんなを見た。
みんなは「OK」とばかりに頷き返した。
「いいぜ!その勝負やろーじゃねーか!」
「マロ。審判頼んだ」
<了解>
こうして決まったマスターと公の勝負の結末はいかに。次回。ついに決着の時!
≪ってまだ引っ張るつもりなんですか?マスター≫
「ロマ!せっかく盛り上がって終われたのになんでそんなこと言うかな!」
≪全く盛り上がってませんよ、マスター≫
「いや!読者だって今手に汗握ってるから!それぐらい盛り上がってるから!」
≪そんなこと万が一にもありえませんから≫
「絶対盛り上がっているのにロマがそんなこと言ったらまたグダグタになるじゃんか!」
≪大丈夫ですよ、マスター。この小説がグダグタしてなかった時なんて1度もありませんから≫
「うわーん!」
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