私のための小説

桜月猫

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104話

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 あれ?いつの間にか104話になってる。どうして?

≪本編をほったらかしてマスターが変な方向に暴走しそうだったので、103話を強制終了させていただきました≫

 なに勝手なことしてるのよ!

≪文句言う暇があるのでしたら、早く本編の続きを執筆してください≫

 ムリ。

≪マスター≫

 ムリなものはムリ!

≪マスター!≫
<まぁまぁ。落ち着きなってロマ>
≪マロ≫
<で、どうしてムリなんですか?マスター>

 だって、勝手に次の話にもっていかれたから何も内容考えてないからよ。それに、私には私の執筆のペースがあるのに、それを勝手に崩さないでほしいわね。

<なるほど>
≪マロ。納得しないでください。マスターが内容を考えていないのはいつものことですし、執筆のペースなんてただの言い訳でしかありません≫

 うわっ。全否定されたわ。

≪当たり前です。さんざん本編から脱線して自由気ままに執筆しているマスターの言葉が信用できるわけありません≫

 相変わらずロマはヒドいな~。マロはどう思う?

<ロマの言い分も理解できるけど、マスターの言い分も理解できるかな>
≪マロ。そんな甘いことを言ってたら、調子にのったマスターはどんどん脱線していきますよ≫
<でも、内容を考えるのに時間が必要なのは確かだろ?>
≪それはそうですけど≫
<なら、俺達で勝手に話を進めすぎるのは、マスターの執筆の妨げになるのも理解できるだろ?>
≪えぇ≫

 そうだよ!もっと言ってやってよ!マロ!

<マスター>

 なによ。

<もう少し内容をきちんと考えてください。なにも考えなしで執筆するからグダグタになるのですよ>

 うっ!

<だから、読者も増えないんですよ>

 私のために書いている小説だから、読者が増えなくてもいいもん!

<そんなこと言ってたら、ホントに誰も読んでくれなくなるよ>

 い、いいもん!自分のために書いてるからいいもん!

<はぁ。俺達がこうして話していても仕方ないからとりあえず本編に戻りましょうか>
≪そうですね。マ


          ◇


 公を起こすために部屋の扉を開けた白は、部屋の中の光景を見て固まった。

 部屋の中の状況を説明しよう。
 まず、当然のことながら公がベッドに寝ている。
 次に、公に寄り添うように添い寝している舞と夢。
 最後に、寝ている公のお腹の上に全裸で座っている薫。
 ここまで説明すれば、みんなも白が固まった理由はわかったよね。
 白が固まった理由、それは3人に公を起こす役目を取られたからだ!

「違うわ!」

 おや、公。起きてたのか。

「この状況で起きないわけないだろ」

 それもそうだな。

「えっと………。公。これはどういうことなの?」

 俺と公が話している間に我に返った白は公に問いかけた。

「どういうことと聞かれても、なぜか薫が全裸で起こしにきた、としか言えないな」

 わけがわからない白は額に手をあてた。

「ねぇ薫」
「なに?」
「なんで全裸なの?」

 1番の疑問を直接本人に問いかけた白。

「公を起こすから」
「えっ?公を起こす時って全裸じゃないといけないの?」
「んなわけあるか!」

 変なことになる前に公はすぐに否定した。

「だよね。よかった」

 とりあえずホッとしたのだけど、そうなるとなんで薫が全裸なのかがわからない白。

「じゃあ、なんで薫は全裸なの?」
「夜這い?」

 なぜか首を傾げる薫。

「今朝ですけど!?」
「じゃあ朝這い」

 薫は胸を押し付けるように公の上に倒れこんだ。
 その行動に口をパクパクさせながら顔を赤くする白。

「で、実際のところは?」

 一方、公は何事もないように薫に問いかけた。

「最近出番が全くなかったから、久しぶりの出番だし、公をとことん誘惑しようと思って全裸で起こしにきた」
「確かに私も久しぶりの出番ですけど、というより結局87話から今まで私メインの話がなに1つ進んでいませんけど!」

 違う違う。

「なにが違うのですか?」

 白が出てないだけで、90話まではとりあえず白メインの話だから。

「私メインなのに出てないってなんですか!?」

 仕方ないよ。居たらおかしいからね。

「もういいですよ!って!」

 白が目を離していた間にさらに状況は変化していて、起き上がった薫は公の両手を自分の胸に持ってきて揉ませながら腰を前後に振っていた。

「な、な、何やってるんですか!!」

 慌てて薫のところまで駆け寄った白は、後ろから羽交い締めにして薫を引き剥がした。

「だから、誘惑」
「さっきのは誘惑ってレベルのものじゃないですよ!それに、公もなに普通に胸を揉んだりしてされるがままになってるんですか!」
「だって、抵抗したりして恥ずかしがったりしたら薫を喜ばせるだけだからな」

 達観している公は平然と言ってのけた。

「それでいいの!?」
「いいんだよ」
「そう。いい」

 やられている公とやっている薫の「いい」という言葉に白は呆然とした。

「いいわけないよ!こんなエッチなことしちゃダメだよ!」
「なにがエッチ?」

 白の言っている意味がわからないとばかりに首を傾げる薫。

「胸を揉ませたり腰を振ったりするのがエッチだよ!」
「確かに胸を揉ませたのはエッチ。だけど、腰を振ったのは公を起こすために公の体を揺するため。それのなにがエッチ?」
「うっ」

 言い返せなくなった白に薫はニヤリとした。

「ねぇ。腰振りのなにがエッチなの?」
「っ~~~!」

 恥ずかしさに顔を赤くした白だが、ふと冷静になって思った。

「もう起きてるのわかってる腰を振る必要はないよね!」
「ちっ」

 舌打ちをした薫を睨み付けた白。

「やっぱりエッチの意味があって腰振ってたんじゃない!」
「どういう意味でエッチなの?」
「なっ!」

 薫がわかってるのにあえて問いかけると、白は顔を赤くにして薫の拘束をといた。
 すると、薫はグイグイ白へと迫った。

「なにがエッチなの?」
「う~~~」
「薫。それぐらいにしとけよ」
「わかった」

 薫の圧力から解放された白はホッと一息吐いた。

「でも、薫の動きがどういう意味かわかるって、白も結構エッチなんだな」
「ち、違うから!!!」

 顔を真っ赤にした白の叫びが家の中にこだました。
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